JPH06346193A - 高強度低熱膨張合金 - Google Patents

高強度低熱膨張合金

Info

Publication number
JPH06346193A
JPH06346193A JP13855893A JP13855893A JPH06346193A JP H06346193 A JPH06346193 A JP H06346193A JP 13855893 A JP13855893 A JP 13855893A JP 13855893 A JP13855893 A JP 13855893A JP H06346193 A JPH06346193 A JP H06346193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy
less
thermal expansion
strength
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13855893A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Sato
光司 佐藤
Takehiro Oono
丈博 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP13855893A priority Critical patent/JPH06346193A/ja
Priority to US08/151,808 priority patent/US6221183B1/en
Publication of JPH06346193A publication Critical patent/JPH06346193A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の低熱膨張合金よりワンランク上(ピア
ノ線級)の引張強度と、簡便な製造工程でも安定した捻
回特性が得られる低熱膨張合金の提供。 【構成】 特定範囲のFe−Co−{Ni,(Cr+M
o)}系合金にV,Ti,Nb,Ta,HfおよびZr
の1種または2種以上含有する成分からなり、少なくと
もオーステナイト相と加工誘起変態によって生じるマル
テンサイト相の2相を有する組織でなる高強度低熱膨張
合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は使用中に昇温の可能性の
ある精密機械部品や低弛度耐熱送電線用芯線等に使用さ
れる高強度低熱膨張合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、架空送電線については、鋼芯
アルミ撚線(ACSR線)が使用されてきたが、近年の
電力需要の増大と地価高騰が相まって従来の鋼芯アルミ
撚線に代わる高強度で低い熱膨張係数をもつ合金線が望
まれるようになった。この用途では、高強度低熱膨張線
をアルミ撚線の芯材として使用するので、複数本の線材
を撚って束ねる作業が入る。この撚線作業を評価する手
法として、線材の一端を固定して他端をねじる捻回試験
を実施し、捻回値として要求されている。
【0003】このような用途に対し、強度や捻回値を改
善する目的で特公昭56−45990号、特開昭55−
41928号、特公昭57−17942号、特開昭55
−122855号、特開昭55−128565号、特開
昭55−131155号、特開昭56−142851
号、特開昭57−26144号、特開昭58−1176
7号および特開昭58−11768号等のFe−Ni系
合金が開示されている。さらに、これらの合金の強度と
捻回特性を向上させる目的で、特公昭63−56289
号、特公昭60−34613号、特開昭57−1106
59号、特公平2−15606号、特開昭58−775
25号、特開昭58−210126号、特開昭58−2
21225号、特開昭57−41350号、特公平2−
41577号および特公平2−55495号等の高強度
低熱膨張合金線(ACIR線)あるいは合金線の製造方
法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の高強度
低熱膨張合金はいずれもNiまたはNi+Coを35〜
50%の範囲で含み、さらにCやNの侵入型固溶強化元
素やCr、Moなどの数種の置換型固溶強化元素やT
i、Nbなどの数種の析出強化型元素を低熱膨張特性を
損なわない範囲で含み残部Feからなる合金組成をも
つ。これらの合金はいずれも固溶化熱処理あるいは、焼
鈍熱処理状態においては、良好な捻回特性が得られるも
のの、引張強さはたかだか50〜80kgf/mm2の範囲で
あり、この状態では低弛度架空送電線用芯線の用途には
適さない。しかし、これらの合金はいずれも加工硬化能
が、従来の低熱膨張合金である36%Ni−Fe合金
や、42%Ni−Fe合金に比べて大きく、冷間加工に
よって100〜130kgf/mm2の引張強さが得られ、一
部で実用化されるようになった。
【0005】しかし、従来の鋼芯アルミ撚線の芯線に用
いられているピアノ線の強度は、170kgf/mm2クラス
のものがより多くをしめており、これらの送電線の送電
容量を鉄塔の建て替えなしに高めるためには、170kg
f/mm2クラスのピアノ線と同程度の引張強さをもつ、低
熱膨張合金線が必要となっていた。また、ここで述べた
従来の高強度低熱膨張合金線は、単純に冷間域で強加工
を加えただけでは捻回特性は大きく低下してしまうの
で、引張強さと捻回特性を両立させるために上記の公報
に種々の煩雑な製造方法が提案されている。たとえば、
特公昭60−34613号や特公平2−15606号で
は、いずれも冷間加工の前段階または冷間加工の途中で
歪取焼鈍を実施し、強度と捻回特性の両立が試みられて
いる。これらの製造方法には皮剥によって生じる表面の
歪みを焼鈍熱処理で除去することにより、良好な捻回特
性が得られると明記されている。
【0006】これに対し、特公平2−41577号およ
び特公平2−55495号に開示される合金線は上記の
特公昭60−34613号や特公平2−15606号と
ほぼ同一の製造プロセスをとるが、ここでは、冷間加工
後の焼鈍時に生成するMoC炭化物が強度と捻回特性の
向上に寄与すると述べられている。しかし、特公平2−
41577号および特公平2−55495号の発明人の
1人は「Effect ofprocesses of drawing on torsional
property of high-tensile strength Invar alloy wir
e」(Wire Journal International vol.21,No.4(1988),P8
4)と題して捻回特性の改善に触れている。この論文にお
いて、捻回特性の改善は冷間加工後にMo2C炭化物を
析出させる焼鈍熱処理を実施するだけでは不十分で、と
くに引抜後の合金線の横断面の硬さ分布において、中心
部の硬さがもっとも高くなるように、ダイスの引抜角を
小さく、かつ潤滑性を高めるためのクリストファーソン
チューブと称される特殊な治具が必要であると報告され
ている。
【0007】しかし、ダイスの引抜角を小さくしたり、
潤滑性を高めるためのクリストファーソンチューブと称
される特殊な治具を使用して捻回特性を高めることは、
引抜パス回数の増大(引抜角が小さくなると1パスあた
りの減面率を高くとることができない)を招き、ライン
の工程変更にも時間がとられ、全長数kmにもおよぶ合
金線の製造に対してははなはだ効率の悪い製造方法であ
る。以上の問題点を鑑み、本発明は、従来のFe−Ni
系高強度低熱膨張合金よりも、さらにワンランク上、つ
まりピアノ線に匹敵する引張強さをもち、かつ煩雑な工
程を経ずとも安定して高い捻回特性をもつ高強度低熱膨
張合金を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Fe−C
o−Ni系合金に種々の合金元素を添加した組成の合金
の熱間圧延素材を用い、その合金線の引張特性、捻回特
性および熱膨張係数を調査した。その結果、従来のオー
ステナイト相が強度の冷間加工を加えても安定なFe−
Ni系高強度低熱膨張合金ではピアノ線並みの高強度を
得ることができないことがわかった。そこで、本発明が
目的とするレベルの高強度を得るためには、V,Ti,
Nb,Ta,Hf,Zr等の合金元素添加によるオース
テナイト基地の強化と、強度の冷間加工によってオース
テナイト相の一部がマルテンサイト相に変態するような
合金組成を選ぶこと、さらにその時の冷間加工前の合金
組成が、もっとも低熱膨張係数が得られる組成に最適化
しておくことで、高強度と低熱膨張特性の両立が可能で
あることを見出した。
【0009】さらに低弛度耐熱送電線用芯線の用途に対
しては、本発明合金は、通常の皮剥後の冷間伸線工程で
とくに中間で煩雑な焼鈍工程を入れる必要もなく、単純
な冷間引抜工程を行なうだけで、従来のピアノ線と同じ
レベルの捻回値と捻回値の安定化をもたらすことが明ら
かとなり、送電線用芯線としてとくに適していることが
わかった。このような合金組成領域は、ステンレスイン
バーと呼ばれる54Co−9Cr−残部Feの合金とス
ーパーインバーと呼ばれる31Ni−6Co−残部Fe
の合金をよりオーステナイト相が不安定な方向の組成と
した合金を比例関係で結ぶ領域(図1)に位置し、さら
にオーステナイト相の加工硬化と加工誘起マルテンサイ
トの強度向上に大きく寄与するCを適量加えること、さ
らにV,Ti,Nb,Ta,Hf,Zr等の合金元素添
加によるオーステナイト基地を強化することで、目的と
するレベルの合金が得られることがわかった。
【0010】すなわち、本発明の高捻回高強度低熱膨張
合金線のうち第1発明は、重量%で、C0.06〜0.
50%、Si1%以下、Mn2%以下、Ni25〜30
%、Co2〜16.3%を含み、かつNiとCoの関係
が52−(5/3)Ni≦Co≦58−(5/3)Ni
からなり、さらにV,Ti,Nb,Ta,HfおよびZ
rの1種または2種以上を合計で1%以下含有し、残部
は不純物を除きFeからなる組成で、少なくともオース
テナイト相と加工誘起変態によって生じるマルテンサイ
ト相との2相を有する組織としたことを特徴とする高強
度低熱膨張合金である。
【0011】また、第2発明は重量%で、C0.02〜
0.50%、Si1%以下、Mn2%以下、Ni30%
以下、Co2〜58%、およびCr10%以下とMo3
%以下の1種または2種を含み、さらにNiとCoの関
係が52−(5/3)Ni≦Co≦58−(5/3)N
iおよびNiと(Cr+Mo)の関係が5−(1/5)
Ni≦(Cr+Mo)≦10−(1/5)Niからな
り、さらにV,Ti,Nb,Ta,HfおよびZrの1
種または2種以上を合計で1%以下含有し、残部は不純
物を除きFeからなる組成で、少なくともオーステナイ
ト相と加工誘起変態によって生じるマルテンサイト相と
の2相を有する組織としたことを特徴とする高強度低熱
膨張合金である。
【0012】さらに第3発明は、重量%で、C0.02
〜0.50%、Si1%以下、Mn2%以下、Co52
〜58%、Cr10%以下もしくはさらにMo3%以下
を合計で5〜10%含み、さらにV,Ti,Nb,T
a,HfおよびZrの1種または2種以上を合計で1%
以下含有し、残部は不純物を除きFeからなる組成で、
少なくともオーステナイト相と加工誘起変態によって生
じるマルテンサイト相との2相を有する組織としたこと
を特徴とする高強度低熱膨張合金である。
【0013】上記の第1〜3発明の合金には、必要に応
じて重量%で、B0.02%以下、Mg0.02%以下
およびCa0.02%以下の1種または2種以上を添加
することができる。または、さらに重量%で、Al0.
2%以下とREM0.2%以下の1種または2種を添加
することもできる。さらに、これらの組成の合金は、加
工誘起変態によって生じるマルテンサイト相の量を、全
体の35%以下である組織とすることで特に優れた低熱
膨張特性と高強度が両立できる。
【0014】
【作用】以下、本発明の高強度低熱膨張合金の化学組成
範囲について成分限定理由を述べる。Cは本発明合金に
おいて冷間加工時のオーステナイト相の加工硬化と加工
誘起マルテンサイトの強度向上にもっとも寄与する元素
である。また、オーステナイト安定化元素としてNiや
Coの一部を置換することもできる。このような効果を
得るために、Cは、CrまたはMoを含む場合は、最低
0.02%以上、CrとMoをともに含まない場合は合
金の加工硬化性の低下とオーステナイト相を不安定化す
るため、最低0.06%を必要とするが、逆に0.50
%を越えるCは、オーステナイト相を過度に安定化させ
て、マルテンサイト変態を起こしにくくするとともに、
熱膨張係数の増加を招く。
【0015】したがって、C量は、CrまたはMoを含
む場合は、0.02〜0.50%、CrとMoのいずれ
も含まない場合は0.06〜0.50%に限定する。ス
テンレスインバーの合金組成とスーパーインバーの合金
組成を直線で結ぶ領域がいずれもインバー特性を示すこ
とは公知であるが、Cの添加なしでは、本発明が意図す
るところの強度と低熱膨張特性を得ることができず、本
発明は、組成的にはこのような合金組成領域に適量のC
を添加したことが大きな特徴の1つである。より望まし
いCの範囲は0.10〜0.30%である。
【0016】Si,Mnは脱酸元素として本発明合金に
含まれ、Siには固溶強化作用、Mnにはオーステナイ
ト安定化作用もある。だだし、過度のSi,Mnは熱膨
張係数の増加を招くため、それぞれ1%以下および2%
以下の添加にとどめる。V,Ti,Nb,Ta,Hfお
よびZrはCと結合して微細な一次炭化物を形成し、オ
ーステナイト相を析出強化するとともに、一部が基地に
固溶して、冷間加工時の加工硬化能を高める。これらの
効果のためにV,Ti,Nb,Ta,HfおよびZrは
本発明において重要な添加元素であり、1種または2種
以上を同時に添加することが本発明において最も特徴と
するところである。その効果は少量の添加から発揮され
る。しかし、これらの合金元素の重量%の和が、合計で
1%を越えるようになると、粗大な一次炭化物が析出し
て、冷間引抜の際に炭化物周辺にボイドが発生しやすく
なり、捻回特性のばらつきの原因となり、また強度の上
昇効果以上に熱膨張係数が高くなるようになる。よっ
て、V,Ti,Nb,Ta,HfおよびZrの添加は、
1種または2種以上で合計1%以下の添加とする。
【0017】Ni、Coおよび(Cr+Mo)は本発明
合金において、残部を構成するFeとともに合金にイン
バー特性を与えるのに不可欠な元素である。本発明で3
%以下のMoは後述のように等量のCrと置換できる。
Ni、Coおよび(Cr+Mo)の成分範囲は、図1の
斜線部内における相互の関係を満たす範囲内においての
み、低熱膨張特性と高強度の両立が可能である。斜線部
よりも右上の領域Aの合金組成になると、オーステナイ
ト相が強度の冷間加工を加えても安定になり、領域Aの
中でも最適な組成を選ぶことで、熱膨張係数を十分に低
めることができるが引張強さがせいぜい130kgf/mm2
程度でこれ以上の加工硬化が望めない。一方斜線部より
も左下の領域Bでは、オーステナイト相がもはや冷間加
工の前段階で常温で安定に存在することができず、マル
テンサイト相が生成するために、低熱膨張特性が失われ
る。
【0018】したがって、本発明合金のNi、Coおよ
び(Cr+Mo)量は、図1に示すごとく、30%以下
のNiと、2〜58%のCoと、10%以下のCrと3
%以下のMoの1種または2種を含み、かつ以下のNi
とCoの関係およびNiと(Cr+Mo)の関係を満た
す範囲内に限定する。この領域は第2発明を意味する。 52−(5/3)Ni≦Co≦58−(5/3)Ni ・・・(1) 5−(1/5)Ni≦(Cr+Mo)≦10−(1/5)Ni ・・・(2)
【0019】特に、(Cr+Mo)が0%の場合は基地
の加工硬化能の低下とオーステナイト相を不安定化する
ため、Cの下限は、0.06%以上にする必要がある。
Niは、(2)式の(Cr+Mo)=0を代入すると、 25≦Ni が得られ、また、ここでNiは前記の30%以下の関係
から、これらのNi値を(1)式に代入すると、 2≦Co≦16.3 が得られ、このNiとCoの領域は第1発明を意味す
る。
【0020】また、(1)式および(2)式にNi=0
を代入すると、それぞれ52≦Co≦58および5≦C
r+Mo≦10が得られ、この領域は第1発明を意味す
る。さらに、Crについては、インバー合金に耐食性を
付与するため、とくに高Co−高Crの領域では、良好
な耐食性が得られるので、従来のFe−Ni系高強度低
熱膨張合金線のようなかなり厚いAl被覆あるいはZn
めっき処理が不要あるいは、大幅に被膜厚さを減少させ
ることができ、送電線の重量の低減に役立つ。また、M
oはCrと同属の元素で、Crと同様の効果をもつため
に、Crの一部を図1の斜線部の領域内で重量%で等量
に置換することができる。ただし、置換する量が3.%
を超えるとMo2C炭化物の析出量が多くなりすぎて、
強度、熱膨張係数および捻回特性の点で不利に働くの
で、Moは3.0%以下とし、かつ、5−(1/5)N
i≦Cr+Mo≦10−(1/5)Niの範囲内の添加
とする。
【0021】Bはオーステナイト結晶粒界に偏析して粒
界を強化し、本発明合金の熱間加工性の改善や常温の延
性改善に役立つ。また、MgやCaは、Sと結びついて
粒状の硫化物をつくり、Bと同様、熱間加工性の改善や
常温の延性改善に役立つ。このような効果のために、
B、MgおよびCaは1種または2種以上を同時に添加
することができるが、いずれも0.02%を超える過度
の添加は、合金の融点を下げて、逆に熱間加工性を低下
させるのでB、MgおよびCaはいずれも0.02%以
下の添加とする。
【0022】また、AlとREMは脱酸や脱硫を目的と
して添加することができる。それぞれ少量の添加から効
果が表れるが、過度の添加は大気溶解を困難にするの
で、Al,REMの添加はそれぞれ、上限を0.2%以
下とする。また、O、N等のガス成分は合金中で介在物
を生成し、同じく捻回値のばらつきの原因となるので、
本発明合金線においてはそれぞれ、0.01%以下に限
定する。本発明にかかる合金は、上述した合金元素と残
部Feから構成される高強度低熱膨張合金である。次
に、本願の第5発明合金において、加工誘起マルテンサ
イト量は35%以下であることが望ましい。加工誘起マ
ルテンサイト量が35%を越えると、強度は高くなる
が、熱膨張係数が大きくなりすぎて、本発明の低熱膨張
の特性が低下するからである。
【0023】上記の組成の本発明合金は、熱間加工後あ
るいは固溶化熱処理後に急冷しても常温ではオーステナ
イト相が安定である。しかし、十分に冷間加工を加える
ことで、加工誘起変態によって、マルテンサイト変態を
生じる。冷間加工による加工硬化は、C添加によるオー
ステナイト基地の加工硬化能アップに加え、マルテンサ
イト変態による効果が大きく、特に高Co、高(Cr+
Mo)領域での強度は、ピアノ線に匹敵するレベルであ
る。また、本発明合金は線材に加工すると、特に冷間引
抜の中間工程で焼鈍処理を行なわなくても、40回前後
の安定した捻回値が得られる。このレベルの捻回値は従
来のピアノ線の捻回値のレベルと同等のものであり、こ
れは、冷間加工によってすでに存在する加工誘起マルテ
ンサイト相あるいは捻回中におきるオーステナイト相か
らマルテンサイト相への変態による応力の緩和による効
果が大きいものと推察される。
【0024】インバー合金の基地が強度の冷間加工を加
えても、オーステナイト相が安定の場合は、熱膨張係数
は低いが引張強さが不十分であったり、線材に冷間加工
した際、単純な冷間引抜の工程では、捻回特性が不十分
になったりする。逆に、オーステナイト相が不安定にな
りすぎると、熱間加工後あるいは、固溶化処理後の冷却
過程で、マルテンサイト変態が生じて、もはやインバー
特性を得ることができなくなる。以上述べた理由によ
り、本発明合金が高い強度と低い熱膨張係数および高い
捻回値を同時に得るためには、オーステナイト相と加工
誘起変態によって、生じるマルテンサイト相との2相を
あわせもつ必要がある。
【0025】このような加工誘起マルテンサイトのオー
ステナイトへの逆変態温度は550℃以上の温度であ
り、送電線として使用される最高温度である300℃前
後の連続的な使用は本発明合金において特性上、なんら
問題はない。また、加工誘起マルテンサイトは、送電線
として使用される際の中間および仕上げ製造工程におけ
るAl被覆処理やZnメッキ処理のような400〜500
℃の加熱で一部が炭化物とフェライトに分解することも
あるが、本発明合金において、少量のフェライトの存在
は、特性上なんら問題はない。
【0026】
【実施例】表1に示す組成のFe−Co−{Ni−(C
r+Mo)}系合金を溶製し、熱間鍛造によって直径1
3.0mmの丸棒に仕上げた。その後、980℃で30分
保持後水冷の固溶化処理と表面の皮剥を行ない、直径1
2.3mmとした。さらにこの試料を用いて、熱膨張率を
測定するとともに、冷間引抜により加工率86%で、直
径4.6mmのコイルを作製した。冷間引抜は、ごく一般
的なアプローチ角12゜のWC製のダイスを使用し、1
パスあたり、20%前後の減面率で伸線した。その際の
伸線速度は、通常の鋼線の伸線速度と同程度の速度で行
なった。これらの線材を用いて最終加工ままの状態で引
張試験、捻回試験、熱膨張試験、巻付・巻戻し試験およ
び合金中のオーステナイト量の測定を実施した。この結
果を表2に示す。
【0027】引張試験の伸びは標点間250mmで測定
し、引張強さと絞りについていずれも5本の平均値を求
めた。また捻回試験は、掴み間を自己径の100倍と
し、回転数60rpmで破断までの捻回値をそれぞれ1
0本測定して、平均値を求めた。巻付・巻戻し試験につ
いては、自己径の1.5倍の芯線に各8回巻付・巻戻し
した際に試験片が破断するか否かを調査した。さらに一
部の試料については、試料横断面のX線回折を行ない、
以下の式によりマルテンサイト量を求めた。 マルテンサイト相(%)={Iα/(Iα+Iγ)}×
100 Iα=Iα(110)+Iα(200)+Iα(220)+Iα(211) Iα(110)等はマルテンサイトのX線回折強度 Iγ=Iγ(111)+Iγ(200)+Iγ(220)+Iγ(311) Iγ(111)等はオーステナイトのX線回折強度
【0028】
【表1】
【0029】表1に示す合金のうち、No.1〜15は本
発明合金、No.21〜26は比較合金およびNo.31は、
特開平3−115543号に開示される高強度低熱膨張
合金である。また、これらの合金のNiとCoあるいは
NiとCr(+Mo)の関係は図1にあわせ示してい
る。表2より、本発明合金は86%の冷間加工後に14
5〜200kgf/mm2の引張強さと6.0×10マイナス
6乗/℃以下の熱膨張係数をあわせもち、従来のピアノ
線と同等あるいはそれに近い引張強さとピアノ線の1/
2以下の熱膨張係数が得られることがわかる(ピアノ線
の熱膨張係数α30-230℃:11.5〜13×10マイナ
ス6乗/℃)。これらの特性は従来のFe−Ni系の高
強度低熱膨張合金、たとえば、従来合金No.31と比べ
ると、熱膨張係数はやや劣るが、引張強度には格段の差
が見られる。既存鉄塔の建て替えなしに、送電線を張り
替えるためには、ピアノ線と同等の強度を持つことが絶
対条件となるので、弛度の点では、やや従来のFe−N
i系の高強度低熱膨張合金線に劣るが、強度面では、は
るかに従来のFe−Ni系の高強度低熱膨張合金線を上
回ることがわかる。
【0030】
【表2】
【0031】また、表2より、本発明合金は高い捻回値
と優れた巻付・巻戻し特性を有することがわかる。この
ような効果は、冷間加工時に存在する加工誘起マルテン
サイトおよびこれらの各種試験の塑性変形中に生じるオ
ーステナイト相から、マルテンサイト相への変態によっ
てもたらされる。表2より本発明合金は、約5〜33%
のマルテンサイト相と67〜95%のオーステナイト相
からなっていることがわかる(正確にはV,Ti,C
r,Mo等の炭化物も少量存在する)。
【0032】一方、比較合金No.21のようにCが本発
明合金に比べて低い場合、あるいはNo.22のようにC
oが本発明合金よりも低く図1の領域Bに属するように
なると、オーステナイト相はもはや常温で安定に存在す
ることができず、マルテンサイト変態を起こして熱膨張
係数が高くなってしまう(No.21ではマルテンサイト相
が90%である)。逆に、比較合金No.23や24のよう
にCrやCoが高すぎて、いずれか一方でも図1の領域
Aに属するようになるとオーステナイト相が安定になり
すぎて(No.23,24ではマルテンサイト相が0%で
加工誘起変態が生じていない)、熱膨張係数は、従来合
金No.31と同様冷間加工によって低くなるが、引張強
さが本発明合金よりも劣るようになる。また、比較合金
No.23、24および従来合金No.31は、皮剥後に単純
に冷間加工を行なうだけでは、捻回値が10回以下の低
い値となり、送電線の芯線の用途に対しては、適さなく
なる。また、比較合金No.25は、NiとCoは本願の
第1発明合金の範囲を満たすが、(Cr+Mo)無添加
でCが0.04%の組成のものである。
【0033】この合金の場合は、加工硬化に寄与するC
rやCが無添加あるいは添加されていても少量のため
に、冷間加工で熱膨張係数が増加し、捻回値も高く、マ
ルテンサイト相も42%で確かに加工誘起マルテンサイ
ト変態を生じているが、強度がそれほど高くはなってお
らず、本発明合金No.6と同程度のC量ながら、Crも
含まないために両者には、強度に大きな差が出ている。
また、比較合金No.26は、V+Ti+Nb+Ta+H
fの合計が1%を越えるものであり、確かに引張り強さ
は充分高い値が得られるが、捻回値がばらつくようにな
り、その結果として捻回の平均値が低下するようにな
る。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように本発明の合金は、従来
の低熱膨張合金より、ワンランク上、つまりピアノ線と
同等あるいはそれに近い引張強さと、簡便な製造工程で
もピアノ線並みの安定して高い捻回値が得られ、ピアノ
線の1/2以下の低い熱膨張係数を有するものである。
本発明合金により、信頼性に優れ、従来のピアノ線を芯
線に用いた送電線よりも送電容量が高い低弛度送電線の
製造が可能となり、したがって、比較的容易に送電線の
送電容量アップが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明合金、比較合金および従来合金の各化学
成分をプロットした図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】したがって、本発明合金のNi、Coおよ
び(Cr+Mo)量は、図1に示すごとく、30%以下
のNiと、2〜58%のCoと、10%以下のCrと3
%以下のMoの1種または2種を含み、かつ以下のNi
とCoの関係およびNiと(Cr+Mo)の関係を満た
す範囲内に限定する。この領域は第2発明の関係式の限
定理由を意味する。 52−(5/3)Ni≦Co≦58−(5/3)Ni ・・・(1) 5−(1/5)Ni≦(Cr+Mo)≦10−(1/5)Ni ・・・
(2)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】特に、(Cr+Mo)が0%の場合は基地
の加工硬化能の低下とオーステナイト相を不安定化する
ため、Cの下限は、0.06%以上にする必要がある。
Niは、(2)式の(Cr+Mo)=0を代入すると、 25≦Ni が得られ、また、ここでNiは前記の30%以下の関係
から、これらのNi値を(1)式に代入すると、 2≦Co≦16.3 が得られ、このNiとCoの領域は第1発明のNiとC
oの範囲の限定理由を意味する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】また、(1)式および(2)式にNi=0
を代入すると、それぞれ52≦Co≦58および5≦C
r+Mo≦10が得られ、この領域は第3発明を意味す
る。さらに、Crについては、インバー合金に耐食性を
付与するため、とくに高Co−高Crの領域では、良好
な耐食性が得られるので、従来のFe−Ni系高強度低
熱膨張合金線のようなかなり厚いAl被覆あるいはZn
めっき処理が不要あるいは、大幅に被膜厚さを減少させ
ることができ、送電線の重量の低減に役立つ。また、M
oはCrと同属の元素で、Crと同様の効果をもつため
に、Crの一部を図1の斜線部の領域内で重量%で等量
に置換することができる。ただし、置換する量が3.%
を超えるとMo2C炭化物の析出量が多くなりすぎて、
強度、熱膨張係数および捻回特性の点で不利に働くの
で、Moは添加する場合には3.0%以下とし、かつ、
5−(1/5)Ni≦Cr+Mo≦10−(1/5)N
iの範囲内の添加とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【実施例】表1に示す組成のNo.1〜No.18の本発明合
金、No.21〜26の比較合金およびNo.31の従来合金
を溶製し、熱間鍛造によって直径13.0mmの丸棒に仕
上げた。その後、980℃で30分保持後水冷の固溶化
処理と表面の皮剥を行ない、直径12.3mmとした。さ
らにこの試料を用いて、熱膨張率を測定するとともに、
冷間引抜により加工率86%で、直径4.6mmのコイル
を作製した。冷間引抜は、ごく一般的なアプローチ角1
2゜のWC製のダイスを使用し、1パスあたり、20%
前後の減面率で伸線した。その際の伸線速度は、通常の
鋼線の伸線速度と同程度の速度で行なった。これらの線
材を用いて最終加工ままの状態で引張試験、捻回試験、
熱膨張試験、巻付・巻戻し試験および合金中のオーステ
ナイト量の測定を実施した。この結果を表2に示す。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】引張試験の伸びは標点間250mmで測定
し、引張強さについていずれも5本の平均値を求めた。
また捻回試験は、掴み間を自己径の100倍とし、回転
数60rpmで破断までの捻回値をそれぞれ10本測定
して、平均値を求めた。巻付・巻戻し試験については、
自己径の1.5倍の芯線に各8回巻付・巻戻しした際に
試験片が破断するか否かを調査した。さらに一部の試料
については、試料横断面のX線回折を行ない、以下の式
によりマルテンサイト量を求めた。 マルテンサイト相(%)={Iα/(Iα+Iγ)}×
100 Iα=Iα(110)+Iα(200)+Iα(220)+Iα(211) Iα(110)等はマルテンサイトのX線回折強度 Iγ=Iγ(111)+Iγ(200)+Iγ(220)+Iγ(311) Iγ(111)等はオーステナイトのX線回折強度
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【表1】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】表1に示す合金のうち、No.1〜18は本
発明合金、No.21〜26は比較合金およびNo.31は、
特開平3−115543号に開示される高強度低熱膨張
合金である。また、これらの合金のNiとCoあるいは
NiとCr(+Mo)の関係は図1にあわせ示してい
る。表2より、本発明合金は86%の冷間加工後に14
5〜200kgf/mm2の引張強さと6.0×10マイナス
6乗/℃以下の熱膨張係数をあわせもち、従来のピアノ
線と同等あるいはそれに近い引張強さとピアノ線の1/
2以下の熱膨張係数が得られることがわかる(ピアノ線
の熱膨張係数α30-230℃:11.5〜13×10マイナ
ス6乗/℃)。これらの特性は従来のFe−Ni系の高
強度低熱膨張合金、たとえば、従来合金No.31と比べ
ると、熱膨張係数はやや劣るが、引張強度には格段の差
が見られる。既存鉄塔の建て替えなしに、送電線を張り
替えるためには、ピアノ線と同等の強度を持つことが絶
対条件となるので、弛度の点では、やや従来のFe−N
i系の高強度低熱膨張合金線に劣るが、強度面では、は
るかに従来のFe−Ni系の高強度低熱膨張合金線を上
回ることがわかる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【表2】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C0.06〜0.50%、S
    i1%以下、Mn2%以下、Ni25〜30%、Co2
    〜16.3%を含み、かつNiとCoの関係が52−
    (5/3)Ni≦Co≦58−(5/3)Niからな
    り、さらにV,Ti,Nb,Ta,HfおよびZrの1
    種または2種以上を合計で1%以下含有し、残部は不純
    物を除きFeからなる組成で、少なくともオーステナイ
    ト相と加工誘起変態によって生じるマルテンサイト相と
    の2相を有する組織としたことを特徴とする高強度低熱
    膨張合金。
  2. 【請求項2】 重量%で、C0.02〜0.50%、S
    i1%以下、Mn2%以下、Ni30%以下、Co2〜
    58%、およびCr10%以下とMo3%以下の1種ま
    たは2種を含み、さらにNiとCoの関係が52−(5
    /3)Ni≦Co≦58−(5/3)NiおよびNiと
    (Cr+Mo)の関係が5−(1/5)Ni≦(Cr+
    Mo)≦10−(1/5)Niからなり、さらにV,T
    i,Nb,Ta,HfおよびZrの1種または2種以上
    を合計で1%以下含有し、残部は不純物を除きFeから
    なる組成で、少なくともオーステナイト相と加工誘起変
    態によって生じるマルテンサイト相との2相を有する組
    織としたことを特徴とする高強度低熱膨張合金。
  3. 【請求項3】 重量%で、C0.02〜0.50%、S
    i1%以下、Mn2%以下、Co52〜58%、Cr1
    0%以下もしくはさらにMo3%以下を合計で5〜10
    %含み、さらにV,Ti,Nb,Ta,HfおよびZr
    の1種または2種以上を合計で1%以下含有し、残部は
    不純物を除きFeからなる組成で、少なくともオーステ
    ナイト相と加工誘起変態によって生じるマルテンサイト
    相との2相を有する組織としたことを特徴とする高強度
    低熱膨張合金。
  4. 【請求項4】 合金組成が請求項1〜3のいずれかに記
    載の上に、さらに重量%で、B0.02%以下、Mg
    0.02%以下およびCa0.02%以下の1種または
    2種以上を含み、少なくともオーステナイト相と加工誘
    起変態によって生じるマルテンサイト相との2相を有す
    る組織としたことを特徴とする高強度低熱膨張合金。
  5. 【請求項5】 合金組成が請求項1〜4のいずれかに記
    載の上に、さらに重量%で、Al0.2%以下とREM
    0.2%以下の1種または2種を含み、少なくともオー
    ステナイト相と加工誘起変態によって生じるマルテンサ
    イト相との2相を有する組織としたことを特徴とする高
    強度低熱膨張合金。
  6. 【請求項6】 合金組成が請求項1〜5のいずれかに記
    載の上に、少なくともオーステナイト相と加工誘起変態
    によって生じるマルテンサイト相との2相を有し、前記
    マルテンサイト相が全体の35%以下である組織とした
    ことを特徴とする高強度低熱膨張合金。
JP13855893A 1992-11-16 1993-06-10 高強度低熱膨張合金 Pending JPH06346193A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13855893A JPH06346193A (ja) 1993-06-10 1993-06-10 高強度低熱膨張合金
US08/151,808 US6221183B1 (en) 1992-11-16 1993-11-15 High-strength and low-thermal-expansion alloy, wire of the alloy and method of manufacturing the alloy wire

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13855893A JPH06346193A (ja) 1993-06-10 1993-06-10 高強度低熱膨張合金

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06346193A true JPH06346193A (ja) 1994-12-20

Family

ID=15224956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13855893A Pending JPH06346193A (ja) 1992-11-16 1993-06-10 高強度低熱膨張合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06346193A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10208855B4 (de) * 2001-03-02 2013-01-03 Sanyo Special Steel Co., Ltd. Hochfeste Legierung mit geringer thermischer Ausdehnung und verbesserten Torsionseigenschaften sowie Draht aus der genannten Legierung

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10208855B4 (de) * 2001-03-02 2013-01-03 Sanyo Special Steel Co., Ltd. Hochfeste Legierung mit geringer thermischer Ausdehnung und verbesserten Torsionseigenschaften sowie Draht aus der genannten Legierung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2832876B1 (en) High-strength stainless steel wire having excellent heat deformation resistance, high-strength spring, and method for manufacturing same
JP4212553B2 (ja) 捻回値・剛性率に優れる高強度ステンレス鋼線およびその製造方法
KR100347795B1 (ko) 내종방향 균열성이 우수한 고탄소강선, 고탄소강선용 강재, 및 그것의 제조방법
WO1995026422A1 (fr) Materiau a base de fil d'acier a haute resistance, presentant d'excellentes caracteristiques de fatigue, et fil d'acier a haute resistance
JP7315097B2 (ja) 油井用高強度ステンレス継目無鋼管およびその製造方法
JP5154122B2 (ja) 高強度ステンレス鋼及びこれを用いた高強度ステンレス鋼線
JP3842053B2 (ja) 捻回特性に優れた高強度低熱膨張合金およびその合金線
JP4797305B2 (ja) 強度,捻回特性に優れたインバー合金線及びその製造方法
JP2609387B2 (ja) 高強度高靭性極細鋼線用線材、高強度高靭性極細鋼線、および該極細鋼線を用いた撚り製品、並びに該極細鋼線の製造方法
JP3246210B2 (ja) 高強度高靭性溶融めっき鋼線およびその製造方法
JP3746877B2 (ja) 耐食性とばね特性にすぐれたばね用ステンレス鋼線
JP3011596B2 (ja) 送電線用低熱膨張高強度芯線及びこれを用いた低弛度電線
US6221183B1 (en) High-strength and low-thermal-expansion alloy, wire of the alloy and method of manufacturing the alloy wire
EP1432839B1 (en) Use of an austenitic stainless steel
JP3061977B2 (ja) 高強度低熱膨張合金
JPH07228947A (ja) 高強度低熱膨張合金
JP2739713B2 (ja) 高強度ボルト
JP3400071B2 (ja) 疲労特性の優れた高強度鋼線材および高強度鋼線
JPH06346193A (ja) 高強度低熱膨張合金
JPH08100242A (ja) 高強度高靭性低熱膨張合金線およびその製造方法
JPH073399A (ja) 高強度低熱膨張合金
JPS60204865A (ja) 高強度で高靭延性の極細線用高炭素鋼線材
JP3216824B2 (ja) 高強度低熱膨張合金
JPH06279945A (ja) 高強度低熱膨張線およびその製造方法
JPH0570894A (ja) 捻回特性の優れた高強度低熱膨張合金線およびその製造方法