JPH06346138A - 金属材料の還元熱処理方法 - Google Patents
金属材料の還元熱処理方法Info
- Publication number
- JPH06346138A JPH06346138A JP13566793A JP13566793A JPH06346138A JP H06346138 A JPH06346138 A JP H06346138A JP 13566793 A JP13566793 A JP 13566793A JP 13566793 A JP13566793 A JP 13566793A JP H06346138 A JPH06346138 A JP H06346138A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electric field
- nozzle
- plasma jet
- treated
- heat treatment
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- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 金属材料をプラズマジェットにより還元加熱
するに際し、還元をより効果的に行うことで、処理時間
の短縮をはかり、設備をコンパクトにすることを目的と
する。 【構成】 熱プラズマトーチから水素ガスのプラズマジ
ェットを噴射させて金属材料を加熱する方法において、
被処理材にマイナス、プラズマジェットのノズルにプラ
スの電界を印加することを特徴とする金属材料の還元熱
処理方法。
するに際し、還元をより効果的に行うことで、処理時間
の短縮をはかり、設備をコンパクトにすることを目的と
する。 【構成】 熱プラズマトーチから水素ガスのプラズマジ
ェットを噴射させて金属材料を加熱する方法において、
被処理材にマイナス、プラズマジェットのノズルにプラ
スの電界を印加することを特徴とする金属材料の還元熱
処理方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水素プラズマジェットに
よる金属材料の還元熱処理方法に関するものである。
よる金属材料の還元熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属材料に焼鈍等の熱処理を施す
と、材料表面に酸化スケールが生じ、これを除去するた
めに酸洗等の後処理が必要であった。酸洗槽等のデスケ
ール設備は設備コストもランニングコストも高く、さら
に酸が使用されるので、設備の環境上においても、また
廃酸処理上においても問題の多い工程であった。また熱
処理炉内にスケールが堆積し、搬送ロールにピックアッ
プしたスケールが熱処理材に傷を付けるといった問題も
あった。
と、材料表面に酸化スケールが生じ、これを除去するた
めに酸洗等の後処理が必要であった。酸洗槽等のデスケ
ール設備は設備コストもランニングコストも高く、さら
に酸が使用されるので、設備の環境上においても、また
廃酸処理上においても問題の多い工程であった。また熱
処理炉内にスケールが堆積し、搬送ロールにピックアッ
プしたスケールが熱処理材に傷を付けるといった問題も
あった。
【0003】このような問題の解決策として、無酸化熱
処理法あるいは還元熱処理法が各種検討されている。本
出願人も例えば特開平4−52211号公報に記載され
ているような、還元性ガスのプラズマジェットにより鋼
板を加熱するとともに酸化膜を還元する熱処理方法を提
案している。しかしこの方法も、完全実用化にはまだ問
題が残されていた。
処理法あるいは還元熱処理法が各種検討されている。本
出願人も例えば特開平4−52211号公報に記載され
ているような、還元性ガスのプラズマジェットにより鋼
板を加熱するとともに酸化膜を還元する熱処理方法を提
案している。しかしこの方法も、完全実用化にはまだ問
題が残されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属材料を
プラズマジェットにより還元加熱するに際し、還元をよ
り効果的に行うことで、処理時間の短縮をはかり、設備
をコンパクトにすることを目的とする。
プラズマジェットにより還元加熱するに際し、還元をよ
り効果的に行うことで、処理時間の短縮をはかり、設備
をコンパクトにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱プラズマト
ーチから水素ガスのプラズマジェットを噴射させて金属
材料を加熱する方法において、被処理材にマイナス、プ
ラズマジェットのノズルにプラスの電界を印加すること
を特徴とする金属材料の還元熱処理方法である。
ーチから水素ガスのプラズマジェットを噴射させて金属
材料を加熱する方法において、被処理材にマイナス、プ
ラズマジェットのノズルにプラスの電界を印加すること
を特徴とする金属材料の還元熱処理方法である。
【0006】図1に示すように、熱プラズマトーチの電
極1とノズル2の間に直流電圧を印加し、導入された水
素ガス(図示せず)をプラズマジェット3にして被処理
材Sに噴射する方法において、本発明法は、被処理材S
にマイナス、ノズル2にプラスの電界を印加する。本発
明法により、初速度を持ったプラズマジェット中の水素
イオンが電界により加速され、被処理材S近傍の水素イ
オン濃度Cは図1のAのように高くなる。一方、電界を
印加しない場合は、電界による加速がないため水素イオ
ンは拡散し、図1のBのように水素イオン濃度Cは低く
なる。したがって電界をかけた場合は、被処理材Sは高
濃度の水素イオンにより還元が効果的に行われる。
極1とノズル2の間に直流電圧を印加し、導入された水
素ガス(図示せず)をプラズマジェット3にして被処理
材Sに噴射する方法において、本発明法は、被処理材S
にマイナス、ノズル2にプラスの電界を印加する。本発
明法により、初速度を持ったプラズマジェット中の水素
イオンが電界により加速され、被処理材S近傍の水素イ
オン濃度Cは図1のAのように高くなる。一方、電界を
印加しない場合は、電界による加速がないため水素イオ
ンは拡散し、図1のBのように水素イオン濃度Cは低く
なる。したがって電界をかけた場合は、被処理材Sは高
濃度の水素イオンにより還元が効果的に行われる。
【0007】本発明法において、プラズマトーチの電極
1とノズル2の間には、この間の直流電流が200〜4
00Aとなるように直流電圧を印加する。そしてノズル
2と被処理材Sの間の電界電圧は10〜50KVとす
る。なおこの電界電圧は、ノズル2と被処理材Sの間に
直接印加するほか、図1に示すように電極4を設け、電
極4と被処理材Sの間に印加しても同様の効果が得られ
る。
1とノズル2の間には、この間の直流電流が200〜4
00Aとなるように直流電圧を印加する。そしてノズル
2と被処理材Sの間の電界電圧は10〜50KVとす
る。なおこの電界電圧は、ノズル2と被処理材Sの間に
直接印加するほか、図1に示すように電極4を設け、電
極4と被処理材Sの間に印加しても同様の効果が得られ
る。
【0008】図1において、電界電圧は、スイッチSW
を閉にした場合はノズル2と被処理材Sの間に直接印加
され、スイッチSWを開にした場合は電極4と被処理材
Sの間に印加される。また被処理材Sと電源との接続
は、被処理材Sが固定されている場合は直接接続し、被
処理材Sを移動させる場合は通電ロールを用いて接続す
る。
を閉にした場合はノズル2と被処理材Sの間に直接印加
され、スイッチSWを開にした場合は電極4と被処理材
Sの間に印加される。また被処理材Sと電源との接続
は、被処理材Sが固定されている場合は直接接続し、被
処理材Sを移動させる場合は通電ロールを用いて接続す
る。
【0009】本発明法により、炭素鋼、低合金鋼、高合
金鋼、ステンレス鋼等の各種熱処理において、水素ガス
プラズマによる還元加熱がより効果的に行われ、処理時
間の短縮、所要プラズマトーチの削減等の効果が得られ
る。
金鋼、ステンレス鋼等の各種熱処理において、水素ガス
プラズマによる還元加熱がより効果的に行われ、処理時
間の短縮、所要プラズマトーチの削減等の効果が得られ
る。
【0010】
【実施例】図2は本発明の実施態様例を模式的に示した
図であり、ステンレス鋼帯の連続焼鈍ラインの加熱帯
(図示せず)において、被処理材Sの板幅の中央上下部
に複数の熱プラズマトーチのノズル2が設けてある。ノ
ズル2は電源5に直接接続され、被処理材Sは通電ロー
ル6を介して電源5に接続されている。
図であり、ステンレス鋼帯の連続焼鈍ラインの加熱帯
(図示せず)において、被処理材Sの板幅の中央上下部
に複数の熱プラズマトーチのノズル2が設けてある。ノ
ズル2は電源5に直接接続され、被処理材Sは通電ロー
ル6を介して電源5に接続されている。
【0011】また、被処理材Sの温度を計測する放射温
度計T1 およびT2 がノズル2の通板方向前後面に設け
られ、プラズマトーチ電流を制御する電流制御器7に接
続されており、放射温度計T1 の信号によりプラズマト
ーチ電流をプリセットしておき、放射温度計T2 の信号
でプラズマトーチ電流を電流制御器7により増減して、
被処理材Sの温度を適宜制御できるようになっている。
度計T1 およびT2 がノズル2の通板方向前後面に設け
られ、プラズマトーチ電流を制御する電流制御器7に接
続されており、放射温度計T1 の信号によりプラズマト
ーチ電流をプリセットしておき、放射温度計T2 の信号
でプラズマトーチ電流を電流制御器7により増減して、
被処理材Sの温度を適宜制御できるようになっている。
【0012】このような構成の装置により、SUS30
4およびSUS430ステンレス鋼の板厚0.5mm,板
幅500mmの冷間圧延鋼帯を、いずれも6m/分で通板
した。SUS304は、あらかじめ無酸化ガス加熱もし
くは窒素雰囲気電気加熱により約1000℃まで加熱し
たのち、本発明法により1100℃に加熱して溶体化焼
鈍を行った。SUS430も同様の加熱により約750
℃まで加熱したのち、本発明法により850℃に加熱し
て焼鈍を行った。プラズマトーチの電極1とノズル2の
間には、ノズル1本あたり100V、300Aの直流電
流を流し、水素ガスのプラズマジェット3を噴射した。
4およびSUS430ステンレス鋼の板厚0.5mm,板
幅500mmの冷間圧延鋼帯を、いずれも6m/分で通板
した。SUS304は、あらかじめ無酸化ガス加熱もし
くは窒素雰囲気電気加熱により約1000℃まで加熱し
たのち、本発明法により1100℃に加熱して溶体化焼
鈍を行った。SUS430も同様の加熱により約750
℃まで加熱したのち、本発明法により850℃に加熱し
て焼鈍を行った。プラズマトーチの電極1とノズル2の
間には、ノズル1本あたり100V、300Aの直流電
流を流し、水素ガスのプラズマジェット3を噴射した。
【0013】ステンレス鋼帯とノズル2の間には30K
Vの直流電圧をかけ、電流は1mAであった。この結
果、本発明例は両鋼種とも、ステンレス鋼帯とノズル2
の間に電界を印加しない従来例に比し、還元時間が約2
0%短縮された。本発明例はいずれも酸化による着色が
認められず、従来例は、本発明例と同一の還元時間では
酸化スケールの残存が見られた。
Vの直流電圧をかけ、電流は1mAであった。この結
果、本発明例は両鋼種とも、ステンレス鋼帯とノズル2
の間に電界を印加しない従来例に比し、還元時間が約2
0%短縮された。本発明例はいずれも酸化による着色が
認められず、従来例は、本発明例と同一の還元時間では
酸化スケールの残存が見られた。
【0014】なお、本実施例はステンレス鋼の場合を示
したが、他の鋼種についても同様に行うことができる。
また、被処理材Sの板幅あるいは通板速度に応じて、プ
ラズマトーチの本数を適宜選択し、例えば板幅1000
mmでは、被処理材Sの板幅方向2本にし、被処理材Sの
通板速度が12m/分の場合は、プラズマトーチを被処
理材Sの長手方向に4本にするなどして、本発明の目的
を達成することが可能である。
したが、他の鋼種についても同様に行うことができる。
また、被処理材Sの板幅あるいは通板速度に応じて、プ
ラズマトーチの本数を適宜選択し、例えば板幅1000
mmでは、被処理材Sの板幅方向2本にし、被処理材Sの
通板速度が12m/分の場合は、プラズマトーチを被処
理材Sの長手方向に4本にするなどして、本発明の目的
を達成することが可能である。
【0015】さらに、被処理材Sの上下部に配置するプ
ラズマトーチの相対的位置は、上部プラズマトーチの直
下に下部プラズマトーチを配してもよく、あるいは上部
の相隣るプラズマトーチ間に、千鳥状に下部プラズマト
ーチを配してもよい。上下部のプラズマトーチをいずれ
も千鳥状に配してもよいことは当然である。
ラズマトーチの相対的位置は、上部プラズマトーチの直
下に下部プラズマトーチを配してもよく、あるいは上部
の相隣るプラズマトーチ間に、千鳥状に下部プラズマト
ーチを配してもよい。上下部のプラズマトーチをいずれ
も千鳥状に配してもよいことは当然である。
【0016】
【発明の効果】本発明により、金属材料をプラズマジェ
ットにより還元加熱するに際し、還元がより効果的に行
われ、処理時間の短縮、設備のコンパクト化がはかられ
る。
ットにより還元加熱するに際し、還元がより効果的に行
われ、処理時間の短縮、設備のコンパクト化がはかられ
る。
【図1】本発明法の説明図である。
【図2】本発明の実施例を示す説明図である。
1:電極 2:ノズル 3:プラズマジェット 4:電界電極 5:電界電源 6:通電ロール 7:電流制御器 C:水素イオン濃度 S:被処理材 SW:スイッチ T1 ,T2 :放射温度計
Claims (1)
- 【請求項1】 熱プラズマトーチから水素ガスのプラズ
マジェットを噴射させて金属材料を加熱する方法におい
て、被処理材にマイナス、プラズマジェットのノズルに
プラスの電界を印加することを特徴とする金属材料の還
元熱処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13566793A JPH06346138A (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 金属材料の還元熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13566793A JPH06346138A (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 金属材料の還元熱処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06346138A true JPH06346138A (ja) | 1994-12-20 |
Family
ID=15157124
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13566793A Withdrawn JPH06346138A (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 金属材料の還元熱処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06346138A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104846171A (zh) * | 2015-06-04 | 2015-08-19 | 马钢(集团)控股有限公司 | 一种电工钢退火还原用氢等离子发生装置及其还原方法 |
CN104846170A (zh) * | 2015-06-04 | 2015-08-19 | 马钢(集团)控股有限公司 | 一种电工钢退火还原用氢离子发生装置及其退火还原方法 |
CN104962703A (zh) * | 2015-06-04 | 2015-10-07 | 马钢(集团)控股有限公司 | 一种电工钢氢离子还原方法 |
-
1993
- 1993-06-07 JP JP13566793A patent/JPH06346138A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104846171A (zh) * | 2015-06-04 | 2015-08-19 | 马钢(集团)控股有限公司 | 一种电工钢退火还原用氢等离子发生装置及其还原方法 |
CN104846170A (zh) * | 2015-06-04 | 2015-08-19 | 马钢(集团)控股有限公司 | 一种电工钢退火还原用氢离子发生装置及其退火还原方法 |
CN104962703A (zh) * | 2015-06-04 | 2015-10-07 | 马钢(集团)控股有限公司 | 一种电工钢氢离子还原方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000905 |