JPH06345731A - 2−〔2−(インドール−3−イル)エチルアミノ〕−1−フェニルエタノール誘導体 - Google Patents

2−〔2−(インドール−3−イル)エチルアミノ〕−1−フェニルエタノール誘導体

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JPH06345731A
JPH06345731A JP12528993A JP12528993A JPH06345731A JP H06345731 A JPH06345731 A JP H06345731A JP 12528993 A JP12528993 A JP 12528993A JP 12528993 A JP12528993 A JP 12528993A JP H06345731 A JPH06345731 A JP H06345731A
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ethanol
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JP12528993A
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Shirou Kato
志朗 賀登
Hiroshi Harada
博史 原田
Toshiya Morie
俊哉 森江
Yoshimi Hirokawa
美視 広川
Naoyuki Yoshida
直之 吉田
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Dainippon Pharmaceutical Co Ltd
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Dainippon Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記化1で表される2−〔2−(インドール
−3−イル)エチルアミノ〕−1−フェニルエタノール
誘導体及びその製薬学的に許容される酸付加塩類。 【化1】 (式中、R1 はハロゲン原子又はトリフルオロメチル基
を意味し、R2 は、水素原子、低級アルキル基又はフル
オロ低級アルキル基を意味し、R3 は水素原子、ハロゲ
ン原子、トリフルオロメチル基、ニトロ基又はシアノ基
を意味する。) 【効果】 上記化1の化合物は、β3 アドレナリン受容
体に選択性の高いβ3 アドレナリン受容体刺激作用を有
し、糖尿病、肥満、過敏性腸症候群、急性若しくは慢性
下痢等の予防及び治療薬として、また、消化性潰瘍、胃
炎等に伴う腹痛、悪心、嘔吐、上腹部不快感等の症状改
善のためにも使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、β3 アドレナリン受容
体に選択性が高く、β3 アドレナリン受容体刺激作用を
有する新規な2−〔2−(インドール−3−イル)エチ
ルアミノ〕−1−フェニルエタノール誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】交感神経のβ受容体にはβ1 及びβ2
2つのサブタイプが存在し、前者は主に心臓に存在し、
後者は気管支や血管の平滑筋に存在すると古くから考え
られている〔Lands, A. M.ら:Nature, 214, 597-598
(1967)〕。現在、β1 アドレナリン受容体作動薬は心機
能亢進剤又は昇圧剤として、β2 アドレナリン受容体作
動薬は気管支拡張剤としてそれぞれ臨床上使用されてい
る。
【0003】最近、上述した2つのサブタイプとは異な
った第3のサブタイプとしてβ3 アドレナリン受容体が
単離された〔Emorine, L. J.ら: Science, 245, 1118-1
121(1989)〕。このβ3 アドレナリン受容体は消化管、
脂肪組織及び骨格筋に存在し、脂肪分解に基づくエネル
ギー消費、グリコーゲンの分解促進、腸管平滑筋の弛緩
に関与すると考えられている。β3 アドレナリン受容体
に選択的に作動する薬物として、例えばSR−5861
1A〔(R,S)−N−(7−エトキシカルボニルメト
キシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフト−2−イ
ル)−2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエ
タンアミン塩酸塩;特開昭64−66152号公報及び
欧州特許出願公開第255415号明細書〕及びBRL
35135〔(R*,R*)−(±)−〔4−〔2−〔2
−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミ
ノ〕プロピル〕フェノキシ〕酢酸メチルエステル臭化水
素酸塩;特公昭63−26744号公報及び欧州特許第
23385号明細書〕が知られている。SR−5861
1Aは、摘出ラット結腸の自発性運動に対して優れた抑
制作用を有すること〔Brit. J. Pharmacol., 100, 831-
839 (1990)〕が、また、BRL35135は、経口投与
により抗肥満作用及び血糖低下作用を有すること〔Drug
s of the Future, 16, 797-800 (1991)〕が報告されて
いる。
【0004】一方、2−〔2−(インドール−3−イ
ル)エチルアミノ〕−1−フェニルエタノール誘導体は
いくつか知られている。Jackman, G. B.らは、2−〔2
−(5−クロロインドール−3−イル)エチルアミノ〕
−1−フェニルエタノール〔J.Pharm. Pharmacol., 17,
742-746 (1965)〕を、さらに、Biniecki, S.らは、2
−〔2−(インドール−3−イル)エチルアミノ〕−1
−フェニルエタノール〔Acta Polon. Pharm., 38, 407-
410 (1981)(Chem. Abstr., 96, 142543k (1982))〕をそ
れぞれ開示しているが、その薬理効果に関しては何ら述
べていない。
【0005】また、英国特許第861428号明細書に
は、下記化2で表されるインドール誘導体及びその製薬
学的に許容される非毒性酸付加塩類が、気管支拡張作用
を有すると共に、中枢神経系に対して価値ある効果(制
吐作用及び催眠増強作用)を示すと開示されている。本
明細書は、最も好適な化合物として3−〔2−〔2−ヒ
ドロキシ−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)エチ
ルアミノ〕プロピル〕インドールを挙げている。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Alk は炭素原子数2〜4の直鎖又
は分枝鎖アルキレン基を意味し、Alk′は炭素原子数2
〜4の直鎖又は分枝鎖アルキレン基又はヒドロキシアル
キレン基を意味し、Xは水素原子又はヒドロキシル基を
意味し、Yはヒドロキシル基又はメトキシ基を意味す
る。)
【0008】さらに、Sarkisyan, A. B.らは、下記化3
で表されるN−インドリルアルキルアミノ−1−アリー
ル置換アルカノール誘導体が中程度のα及びβアドレナ
リン受容体遮断作用を有すると開示している〔Chem. Ab
str., 109, 128763n (1988)〕。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Rはフェニル基、m−ニトロフェ
ニル基又はp−ニトロフェニル基を意味し、R1 は水素
原子又はメチル基を意味する。)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】β3 アドレナリン受容
体に選択的に作動する薬物は、抗肥満剤、糖尿病治療
剤、過敏性腸症候群治療剤等として有用であり、一方で
は肥満、糖尿病、過敏性腸症候群に苦しむ患者数が増加
してきているので、既存のβ3 アドレナリン受容体作動
薬とは異なる新しい化学構造を有し更に有効な化合物の
開発が望まれている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、選択的で
強いβ3 アドレナリン受容体刺激作用を有し、かつ毒性
の低い化合物を得るべく鋭意研究を重ねた結果、特定の
化学構造を有する2−〔2−(インドール−3−イル)
エチルアミノ〕−1−フェニルエタノール誘導体がその
要件を満たすことを見出し、本発明を完成した。
【0013】本発明によれば、下記化4で表される2−
〔2−(インドール−3−イル)エチルアミノ〕−1−
フェニルエタノール誘導体及びその製薬学的に許容され
る酸付加塩類が提供される。
【0014】
【化4】
【0015】(式中、R1 はハロゲン原子又はトリフル
オロメチル基を意味し、R2 は、水素原子、低級アルキ
ル基又はフルオロ低級アルキル基を意味し、R3 は水素
原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、ニトロ基
又はシアノ基を意味する。)
【0016】前記化4で表される化合物の製薬学的に許
容される酸付加塩類としては、例えば塩酸塩、臭化水素
酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩
及びシュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、
リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メタ
ンスルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。化4で表さ
れる化合物及びその製薬学的に許容される酸付加塩は、
水和物又は溶媒和物の形で存在することもあるので、こ
れらの水和物、溶媒和物もまた本発明の化合物に包含さ
れる。
【0017】前記化4で表される化合物は少なくとも1
個の不斉炭素原子、すなわち化4においてヒドロキシル
基が結合している炭素原子を有する。さらに、R2 が低
級アルキル基又はフルオロ低級アルキル基のときは、こ
の基が結合している炭素原子もまた不斉炭素原子であ
る。したがって、化4においてR2 が水素原子のときは
2種の立体異性体が、また、R2 が低級アルキル基又は
フルオロ低級アルキル基のときは4種の立体異性体が存
在しうる。これらの立体異性体、それらの混合物及びラ
セミ体は本発明の化合物に包含される。
【0018】本明細書における用語を以下に説明する。
「低級アルキル基」とは炭素原子数1〜3のものを意味
し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルが含まれ
るが、メチルが特に好ましい。「フルオロ低級アルキル
基」とは炭素原子数1〜3のアルキル基の水素原子がフ
ッ素原子で置換されたものを意味し、例えばフルオロメ
チル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチルが挙げ
られるが、フルオロメチルが特に好ましい。「ハロゲン
原子」とはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を意味するが、
フッ素、塩素、臭素が好ましく、特にフッ素、塩素が好
ましい。R3 が水素原子以外の原子又は基であるとき、
3の結合位置はインドール環の4,5,6,7位のい
ずれでもよいが、特に6位が好ましい。
【0019】本発明の化合物のうちで好適なものは、前
記化4においてR1 が塩素原子であり、R2 が水素原
子、メチル基又はフルオロメチル基であり、R3 が水素
原子、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基である化
合物及びその製薬学的に許容される酸付加塩類である。
【0020】更に好適な化合物は、前記化4においてR
1 が塩素原子であり、R2 が水素原子又はメチル基であ
り、R3 が水素原子又は6位のフッ素原子若しくは塩素
原子である化合物及びその製薬学的に許容される酸付加
塩類である。
【0021】特に好適な化合物は、前記化4においてR
1 が塩素原子であり、R2 がメチル基であり、R3 が水
素原子又は6位のフッ素原子若しくは塩素原子である化
合物及びその製薬学的に許容される酸付加塩類である。
【0022】前記化4においてR2 が水素原子以外の基
である化合物は2個の不斉炭素原子を有するので4種の
立体異性体が存在するが、(R,R)の立体配置が好ま
しい。
【0023】特に好適な化合物として、例えば次の化合
物及びその製薬学的に許容される酸付加塩類である。 2−〔(1R)−2−(インドール−3−イル)−1−
メチルエチルアミノ〕−(1R)−1−(3−クロロフ
ェニル)エタノール
【0024】本発明に含まれる化合物の具体例として、
後記実施例の化合物に加えて次の化合物及びそれらの立
体異性体並びにその製薬学的に許容される酸付加塩類が
挙げられる。
【0025】2−〔2−(6−フルオロインドール−3
−イル)エチルアミノ〕−1−(3−トリフルオロメチ
ルフェニル)エタノール、2−〔2−(6−フルオロイ
ンドール−3−イル)−1−メチルエチルアミノ〕−1
−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタノール、2
−〔2−(6−クロロインドール−3−イル)エチルア
ミノ〕−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタ
ノール、2−〔2−(6−クロロインドール−3−イ
ル)−1−メチルエチルアミノ〕−1−(3−トリフル
オロメチルフェニル)エタノール、2−〔2−(インド
ール−3−イル)エチルアミノ〕−1−(3−トリフル
オロメチルフェニル)エタノール、2−〔2−(インド
ール−3−イル)−1−メチルエチルアミノ〕−1−
(3−トリフルオロメチルフェニル)エタノール、2−
〔2−(4−クロロインドール−3−イル)−1−メチ
ルエチルアミノ〕−1−(3−クロロフェニル)エタノ
ール、2−〔2−(6−トリフルオロメチルインドール
−3−イル)エチルアミノ〕−1−(3−クロロフェニ
ル)エタノール、2−〔2−(6−トリフルオロメチル
インドール−3−イル)−1−メチルエチルアミノ〕−
1−(3−クロロフェニル)エタノール、2−〔2−
(6−シアノインドール−3−イル)エチルアミノ〕−
1−(3−クロロフェニル)エタノール、2−〔2−
(6−シアノインドール−3−イル)−1−メチルエチ
ルアミノ〕−1−(3−クロロフェニル)エタノール、
2−〔2−(6−ニトロインドール−3−イル)エチル
アミノ〕−1−(3−クロロフェニル)エタノール、2
−〔2−(6−ニトロインドール−3−イル)−1−メ
チルエチルアミノ〕−1−(3−クロロフェニル)エタ
ノール、2−〔2−(6−フルオロインドール−3−イ
ル)−1−フルオロメチルエチルアミノ〕−1−(3−
クロロフェニル)エタノール、2−〔2−(6−クロロ
インドール−3−イル)−1−フルオロメチルエチルア
ミノ〕−1−(3−クロロフェニル)エタノール、及び
2−〔2−(インドール−3−イル)−1−フルオロメ
チルエチルアミノ〕−1−(3−クロロフェニル)エタ
ノール
【0026】本発明の化合物は例えば以下の方法により
製造することができる。
【0027】製法(a):前記化4で表される本発明の
化合物は、下記化5
【0028】
【化5】
【0029】(式中、R1 は前掲に同じものを意味す
る。)で表される化合物と下記化6
【0030】
【化6】
【0031】(式中、R2 及びR3 は前掲に同じものを
意味する。)で表される化合物とを反応させることによ
り製造することができる。
【0032】前記化5で表される化合物と化6で表され
る化合物との反応は適当な溶媒中又は無溶媒下で行われ
る。使用する溶媒は原料化合物の種類等に従って適宜選
択されるべきであるが、例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコールのようなアルコール類、ア
セトン、メチルエチルケトンのようなケトン類、塩化メ
チレン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンの
ようなエーテル類、ベンゼン、トルエンのような芳香族
炭化水素類、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、これらの溶媒
は単独であるいは2種以上混合して用いられる。なお、
前記化6の化合物は酸付加塩の形でも使用することがで
き、これらの酸付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩
等の無機酸塩及びシュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸
塩等の有機酸塩が挙げられる。このような酸付加塩を用
いる場合には、本反応は塩基の存在下に行われ、塩基の
具体例としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムの
ような重炭酸アルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
のような炭酸アルカリあるいはトリエチルアミン、トリ
ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチ
ルモルホリンのような有機塩基が挙げられる。反応温度
は用いる原料化合物の種類等により異なるが、通常約20
℃ないし約150℃、好ましくは約25℃ないし約100 ℃で
ある。
【0033】本製法において、原料化合物が不斉炭素原
子を有するとき、その不斉炭素原子に関する立体配置
は、生成物である前記化4の化合物において保持されて
いる。
【0034】例えば、ラセミ体である化5の化合物と、
2 が水素原子である化6の化合物からはラセミ体であ
る化4の化合物が得られ、R2 が水素原子以外の基であ
る化6の化合物からはジアステレオマー混合物である化
4の化合物が得られる。
【0035】また、特定の立体配置を有する化5の化合
物と化6の化合物からは、同じ立体配置を有する化4の
化合物が得られる。
【0036】前記化5の化合物のエナンチオマーは、例
えば Bloom, J. D. らの方法〔J. Med. Chem., 35, 308
1-3084 (1992)〕あるいは Eliel, E. L. 及び Delmont
e, D.W. の方法〔J. Org. Chem., 21, 596-597 (195
6)〕に準じて製造することができる。前記化6において
2 が水素原子以外の基である化合物のエナンチオマー
は、例えば Repke, D. B. 及び Ferguson, W. J.の方法
〔J. Heterocycl. Chem., 13, 775-778 (1976)〕に準じ
て製造することができる。
【0037】製法(b):前記化4においてR3 が水素
原子、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基である化
合物は、下記化7
【0038】
【化7】
【0039】(式中、R1 は前掲に同じものを意味す
る。)で表される化合物と下記化8
【0040】
【化8】
【0041】(式中、R2 は前掲に同じものを意味し、
3aは水素原子、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル
基を意味する。)で表される化合物とを還元条件下に反
応させることにより製造することができる。
【0042】本製法における還元条件下とは、カルボニ
ル基に影響を及ぼすことなく、イミン部分を還元し得る
還元剤の存在下あるいは接触還元条件下を意味する。
【0043】カルボニル基に影響を及ぼすことなく、イ
ミン部分を還元し得る還元剤としては、例えば水素化シ
アノホウ素ナトリウムが挙げられる。本反応は適当な溶
媒中で行われ、好適な溶媒としては、メタノール、エタ
ノール等のアルコール類が挙げられる。反応温度は通常
約20℃ないし約80℃である。
【0044】本製法を接触還元条件下に行う場合、触媒
として、パラジウム、酸化白金等が用いられる。好まし
い溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコー
ル類が挙げられ、反応温度は通常約10℃ないし約25℃で
ある。
【0045】前記化7の化合物と化8の化合物とを還元
条件下に反応させる代わりに、両化合物に触媒量の酸を
加え、ディーンスタークのような器具で、生成する水を
除きながら反応させることにより、下記化9
【0046】
【化9】
【0047】(式中、R1 、R2 及びR3aは前掲に同じ
ものを意味する。)で表される化合物を生成させた後、
該生成物を還元することによっても製造することができ
る。
【0048】前記化9の化合物を製造する工程は、適当
な溶媒中で行われ、酸としてはp−トルエンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩などが用いられ
る。溶媒としては、ベンゼン、トルエンのような芳香族
炭化水素類が好ましく、反応温度は通常、約80℃ないし
約150 ℃である。
【0049】前記化9の化合物を還元する工程は、イミ
ン部分の還元に適した条件下に行われ、上述した前記化
7の化合物と化8の化合物との反応時の還元条件をその
まま採用することができる。本還元工程はまた、還元剤
として水素化ホウ素ナトリウムを使用しても好適に行わ
れ、好ましい溶媒としては、メタノール、エタノール等
のアルコール類が挙げられ、反応温度は通常、約10℃な
いし約25℃である。
【0050】製法(c):前記化4においてR3 が水素
原子、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基である化
合物はまた、下記化10
【0051】
【化10】
【0052】(式中、R1 、R2 及びR3aは前掲に同じ
ものを意味する。)で表される化合物を適当な還元剤と
反応させることによっても製造することができる。
【0053】使用する還元剤としては、ジボラン、水素
化アルミニウムリチウム及びそのアルコキシ錯体又は遷
移金属塩、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、オキシ
塩化リンあるいはカルボン酸(例えば酢酸、トリフルオ
ロ酢酸)を添加した水素化ホウ素ナトリウム等が挙げら
れる。本還元反応はジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジメトキシエタン、ジオキサン、ジグライムのよ
うなエーテル溶媒中で行われ、反応温度は還元剤の種類
等により異なるが、通常、約0℃ないし約160℃であ
る。
【0054】本製法において、原料化合物である前記化
10の化合物の不斉炭素原子に関する立体配置は生成物
において保持されている。
【0055】前記化10で表される原料化合物は新規物
質で、例えば下記化11
【0056】
【化11】
【0057】(式中、R1 は前掲に同じものを意味す
る。)で表される化合物と下記化12
【0058】
【化12】
【0059】(式中、R2 及びR3aは前掲に同じものを
意味する。)で表される化合物とを反応させることによ
り製造することができる。
【0060】前記化11の化合物と化12の化合物との
反応は、ベンゾトリアゾール−N−オキシトリス(ジメ
チルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロフォスフェー
ト、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3
−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸
塩、N,N′−カルボニルジイミダゾール、1−エトキ
シカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリ
ンのような縮合剤の存在下に反応させることができる。
本反応は適当な溶媒中で行われ、使用する溶媒は製法
(a)で述べた具体例をそのまま挙げることができる。
また、前記化12の化合物は製法(a)で述べたのと同
様に酸付加塩の形でも使用でき、この場合の反応は、ト
リエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエ
チルアミン、N−メチルモルホリンのような有機塩基の
存在下で行われる。反応温度は通常約20℃ないし約5
0℃である。
【0061】前記化11の化合物及び化12の化合物に
おける不斉炭素原子に関する立体配置は、製法(a)で
化5の化合物と化6の化合物との反応について述べたと
同様に、生成物(化10の化合物)において保持されて
いる。
【0062】前記化11の化合物のエナンチオマーは、
例えば Collet, A. 及び Jacques,J.の方法〔Bull. So
c. Chim. France, 3330-3334 (1973) 〕あるいは後記参
考例1及び2に記載の方法に準じて製造することができ
る。参考例1及び2における(+)−又は(−)−α−
フェネチルアミンの代わりに、(S)−(+)−又は
(R)−(−)−1,2−ジフェニルエチルアミン等の
光学分割剤として常用される光学活性アミンを用いるこ
ともできる。
【0063】前記化12においてR2 が水素原子以外の
基である化合物のエナンチオマーは、例えば特開昭63
−22559号公報に記載の方法に準じて製造すること
ができる。
【0064】前記各製法によって得られる生成物は、ク
ロマトグラフィー、再結晶、再沈殿等の常法によって単
離・精製することができる。
【0065】前記各製法によって得られる本発明の化合
物あるいは原料化合物がラセミ体又はジアステレオマー
混合物である場合には、常法、例えば欧州特許出願公開
第455006号明細書に記載の方法に従って各立体異
性体に分離することができる。
【0066】
【作用】以下に、本発明の代表的化合物並びに既存のβ
アドレナリン受容体作動薬についての薬理試験結果を示
し、本発明の化合物の作用の特徴について説明する。既
存のβアドレナリン受容体作動薬としては、非選択的作
動薬としてL−イソプロテレノール及びβ2 選択的作動
薬としてサルブタモールを用いた。試験例1〜3は、Bi
anchetti, A.及び Manara, L. の方法〔Brit. J. Pharm
acol., 100, 831-839 (1990)〕に準拠して実施した。
【0067】試験例1 β3 アドレナリン受容体刺激作
用:摘出ラット結腸の自発性収縮に対する抑制作用:―
―体重350〜400gのSD系雄性ラットより近位結
腸を摘出し、長さ2.5 〜3 cmの標本を作製した。標本
は、フェントラミン(10μM )、デスメチルイミプラミ
ン(0.5 μM )及びヒドロコルチゾン(30μM )を含む
クレブス−ヘンゼライト(Krebs-Henseleit :118 mM N
aCl, 4.75 mM KCl, 2.5 mM CaCl2, 1.2 mM KH2PO4, 1.2
mM MgSO4, 25 mM NaHCO3, 10 mM グルコース)液を満
たしたマグヌス管(10 ml )内に懸垂し、95%O2 −5
%CO2 の混合ガスを通気しながら37℃で保温した。静
止張力1gを負荷し、自発性収縮が安定した後、試験化
合物を累積的に添加した。試験化合物非添加時の自発性
収縮高を100%として、その自発性収縮を50%抑制
する濃度(IC50値)を用量−作用曲線から最小二乗法
により算出した。結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】試験例2 β2 アドレナリン受容体刺激作
用:摘出ラット子宮の自発性収縮に対する抑制作用:―
―非妊娠Wistar系雌性ラットより子宮を摘出し、常法に
より標本を作製した。標本は、フェノキシベンザミン
(12μM )を含むロック(Locke :157 mM NaCl, 5.6 m
M KCl, 2.2 mM CaCl2, 18 mM NaHCO3, 5.6 mM グルコー
ス)液を満たしたマグヌス管(20 ml )内に懸垂し、95
%O2 −5%CO2 の混合ガスを通気しながら37℃で保
温した。静止張力1gを負荷し、自発性収縮が安定した
後、試験化合物を累積的に添加した。試験化合物のIC
50値は試験例1と同様の方法により算出した。実施例1
〜4及び実施例8の化合物のIC50値は10-7Mないし
それ以上であり、その効果はβ3アドレナリン受容体刺
激作用に比べて極めて弱いものであった。特に、実施例
2及び実施例8の化合物のβ3 受容体刺激作用はβ2
容体刺激作用に比べて約100 倍選択的であった。
【0070】試験例3 β1 アドレナリン受容体刺激作
用:摘出ラット右心房の律動数増加作用:――ddY系
雄性モルモットから常法によりペースメーカー付き摘出
右心房標本を作製した。標本は、フェノキシベンザミン
(12μM )を含む改変クレブス(Krebs :122.2 mM NaC
l, 4.2 mM KCl, 2.5 mM CaCl2, 1 mM MgCl2, 1.2 mM Na
H2PO4,15.5 mM NaHCO3, 11.5 mM グルコース)液を満た
したマグヌス管(20 ml)内に懸垂し、95%O2 −5%
CO2 の混合ガスを通気しながら37℃で保温した。静止
張力1gを負荷し、30分後に試験化合物を累積的に添加
した。試験化合物による右心房律動数の最大増加を10
0%として、その50%を示す濃度(EC50値)を用量
−作用曲線から最小二乗法により算出した。実施例1〜
4及び実施例8〜10の化合物のいずれも10-5Mの高濃
度でも効果は認められず、これらの化合物のβ3 アドレ
ナリン受容体刺激作用は、β1 アドレナリン受容体刺激
作用に比べて200 倍ないしそれ以上強く、β3 アドレナ
リン受容体に選択性が高かった。
【0071】試験例4 マウス小腸炭末輸送能抑制作用
(in vivo 小腸運動抑制作用):――18時間絶食マウ
ス(1群7〜11匹)を用い、試験化合物を経口投与し
た。1時間後、10%アラビアゴム水溶液に懸濁した5%
炭末懸濁液をマウス1匹当たり0.2 ml経口投与し、その
20分後に胃腸管を摘出した。小腸全長に対する炭末先端
部の移行率を算出した。実施例2の化合物は、1mg/kg
の投与量で炭末輸送に対して有意な抑制作用を示した。
【0072】以上の試験結果から明らかなように、本発
明の化合物は選択性に優れたβ3 アドレナリン受容体刺
激作用を有する。したがって、本発明の化合物はβ3
ドレナリン受容体作動薬として肥満、糖尿病、過敏性腸
症候群、急性若しくは慢性下痢等の予防及び治療剤とし
て有用である。また、消化性潰瘍、急性若しくは慢性胃
炎、胆道ジスキネジアー、胆のう炎等に伴う腹痛、悪
心、嘔吐、上腹部不快感などの症状の改善に対しても本
発明の化合物を使用することができる。
【0073】前記化4で表される本発明の化合物及びそ
の製薬学的に許容される酸付加塩類をβ3 アドレナリン
受容体作動薬として使用する場合は、経口投与、非経口
投与あるいは直腸内投与のいずれでもよいが、経口投与
が好ましい。投与量としては、投与方法、患者の症状・
年齢、処置形式(予防又は治療)等により異なるが、通
常0.01〜20 mg/kg/日、好ましくは0.1 〜10mg/kg/日で
ある。
【0074】本発明の化合物は通常、製剤用担体と混合
して調製した製剤の形で投与される。製剤用担体として
は、製剤分野において常用され、かつ本発明の化合物と
反応しない物質が用いられる。具体的には、例えば乳
糖、ブドウ糖、マンニット、デキストリン、デンプン、
白糖、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸
アルミニウム、結晶セルロース、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カル
ボキシメチルセルロースカルシウム、イオン交換樹脂、
メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキ
シプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、軽質無水ケ
イ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、カルボキシ
ビニルポリマー、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、脂肪酸グリ
セリンエステル、精製ラノリン、グリセロゼラチン、ポ
リソルベート、マクロゴール、植物油、ロウ、非イオン
界面活性剤、プロピレングリコール、水等が挙げられ
る。
【0075】剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒
剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、坐剤、ゲル剤、注射剤
等が挙げられる。これらの製剤は常法に従って調製され
る。なお、液体製剤にあっては、用時、水又は他の適当
な媒体に溶解又は懸濁する形であってもよい。また錠
剤、顆粒剤は周知の方法でコーティングしてもよい。注
射剤の場合には、前記化4で表される化合物の製薬学的
に許容される酸付加塩を水に溶解させて調製されるが、
必要に応じて等張化剤に溶解させてもよく、またpH調節
剤、緩衝剤や保存剤を添加してもよい。
【0076】これらの製剤は、本発明の化合物を0.01%
以上、好ましくは0.05〜70%の割合で含有することがで
きる。これらの製剤はまた、治療上有効な他の成分を含
有していてもよい。
【0077】
【実施例】以下に参考例、実施例及び製剤例を挙げて本
発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例等に
限定されるものではない。なお、化合物の同定は元素分
析値、マススペクトル、IRスペクトル、NMRスペク
トル等により行った。
【0078】参考例1―― (R)−(−)−3−クロロマンデル酸の製造:―
【0079】3−クロロマンデル酸28gをアセトン 100
mlに溶解し、これに(+)−α−フェネチルアミン18.6
gのアセトン(20ml)溶液を加えて3日間20℃で放置し
た。析出した固体を瀘取し、エタノールから2回再結晶
をして(R)−(−)−3−クロロマンデル酸の(+)
−α−フェネチルアミン塩 9.9gを得た。この塩 9.6g
に10%塩酸25mlを加え、ジエチルエーテルで抽出した。
ジエチルエーテル層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去して
(R)−(−)−3−クロロマンデル酸5.95gを得た。
〔α〕D 27=−116.4°(c=1,アセトン)
【0080】参考例2―― (S)−(+)−3−クロロマンデル酸の製造:―
【0081】参考例1の母液より回収した粗(S)−
(+)−3−クロロマンデル酸10.2gと(−)−α−フ
ェネチルアミン6.78gを用い、参考例1と同様の操作を
行うことにより、純品の(S)−(+)−3−クロロマ
ンデル酸 3.9gを得た。〔α〕D 27=+115.5 °(c=
1,アセトン)
【0082】実施例1―― 2−〔2−(6−フルオロインドール−3−イル)エチ
ルアミノ〕−1−(3−クロロフェニル)エタノールの
製造:―
【0083】メタノール15mlに、(3−クロロフェニ
ル)オキシラン0.54g、3−(2−アミノエチル)−6
−フルオロインドール塩酸塩1.5 g及びトリエチルアミ
ン1.9mlを加え、20℃で42時間攪拌した。溶媒を減圧留
去した後、残渣にクロロホルムを加え、飽和重炭酸ナト
リウム水、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム
−メタノール(15:1 )で溶出し、目的物を含む画分を
減圧濃縮して1gの油状物を得た。これにジエチルエー
テルを加え、固化させた後、エタノールより再結晶して
目的物0.25gを得た。融点137〜139℃
【0084】1H−NMRスペクトル(CDCl3, δpp
m):1.95(2H,br, HO-CHCH2NH), 2.67(1H,dd,J=12Hz,9H
z), 2.84 〜3.13(5H,m), 4.63(1H,dd,J=9Hz,4Hz,CHOH),
6.82 〜6.95(1H,m), 6.97〜7.11(2H,m), 7.36(1H,s,イン
ト゛ール2-H), 7.42〜7.56(1H,m), 7.97(1H,s,イント゛ールNH)
【0085】実施例2〜6:――実施例1における3−
(2−アミノエチル)−6−フルオロインドールの代わ
りに、対応するインドール類を用いて、実施例1と同様
に反応・処理し、生成物を適当な溶媒から再結晶して、
表2に示す化合物を得た。再結晶溶媒は実施例4の化合
物についてはエタノールであり、残りの化合物について
は全てエタノール−ジエチルエーテルであった。
【0086】
【化13】
【0087】
【表2】
【0088】実施例7―― 2−〔1−エチル−2−(インドール−3−イル)エチ
ルアミノ〕−1−(3−クロロフェニル)エタノールの
製造:―
【0089】(3−クロロフェニル)オキシラン0.62g
及び3−(2−アミノブチル)インドール1.5 gのメタ
ノール10ml溶液を20℃で42時間攪拌した。溶媒を減圧留
去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
に付し、クロロホルム−メタノール(12:1 )で溶出
し、目的物を含む画分を減圧濃縮して目的物0.76gを油
状物として得た。液体二次イオン質量分析(SIMS)
m/z:343(MH+
【0090】実施例8―― 2−〔(1R)−2−(インドール−3−イル)−1−
メチルエチルアミノ〕−(1R)−1−(3−クロロフ
ェニル)エタノールの製造:―
【0091】第一工程:―特開昭63−22559号公
報に記載された方法により製造した(R)−3−(2−
アミノプロピル)インドール3.73g及び(R)−(−)
−3−クロロマンデル酸3.48gのN,N−ジメチルホル
ムアミド(40ml)溶液にベンゾトリアゾール−N−オキ
シトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオ
ロフォスフェート8.84gを加えた後、トリエチルアミン
4.9mlを滴下した。20℃で2時間攪拌し、反応液に酢酸
エチルを加え、水、1N塩酸、水、2N水酸化ナトリウ
ム水溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄した後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去して、N
−〔(1R)−2−(インドール−3−イル)−1−メ
チルエチル〕−(R)−3−クロロマンデル酸アミド
7.9gを黄色固体として得た。融点126〜129℃
(酢酸エチル−n−ヘキサンから再結晶)。〔α〕D 28
=−26.3°(c= 0.5,メタノール)
【0092】第二工程:―1Mボラン−テトラヒドロフ
ラン錯体20ml溶液に20℃で、第一工程で得たアミド体
1.2gのテトラヒドロフラン(30ml)溶液を滴下した。
反応液を4時間加熱還流した後、氷冷下にメタノール10
mlを滴下した。1時間還流して過剰のボランを分解した
後、減圧下に溶媒を留去した。残渣に酢酸エチルを加
え、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去した後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタ
ノール(12:1)で溶出し、目的物0.67gを固体とし
て得た。融点113〜115℃(含水イソプロピルアル
コールから再結晶)。〔α〕D 28=−46.4°(c= 0.
5,メタノール)
【0093】当該生成物の光学純度は、以下の条件で高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)の検定を行った
結果、99% e.e. 以上であった(保持時間:14.7
分)。 HPLCの測定条件:― 1.カラム:ULTRON ES-OVM(4.6 mmφ×150 mm;信和
化工)、 2.移動層:20 mM KH2PO4水溶液(pH3.6 )/(メタ
ノール:アセトニトリル=3:1)=92:8、 3.流速:1.0 ml/分、 4.検出波長:220 nm。
【0094】1H−NMRスペクトル(CDCl3, δpp
m):1.15(3H,d,J=6Hz,CH3), 2.5(2H,br,OH,NH), 2.64
(1H,dd,J=12Hz,6Hz), 2.85(2H,d,J=6Hz), 2.88(1H,dd,J
=12Hz,4Hz), 2.98 〜3.11(1H,m), 4.51(1H,dd,J=9Hz, 4
Hz,CHOH), 7.0〜7.62(9H,m,Ar-H), 8.04(1H,s,イント゛ールN
H)
【0095】実施例9〜11:――3−(2−アミノプ
ロピル)インドール及び3−クロロマンデル酸の特定の
立体配置を有する原料化合物を用いて実施例8と同様に
反応・処理することにより、以下の化合物を得た。な
お、実施例化合物の光学純度は実施例8で述べた方法に
従って測定した。
【0096】(実施例9)― 2−〔(1S)−2−(インドール−3−イル)−1−
メチルエチルアミノ〕−(1R)−1−(3−クロロフ
ェニル)エタノール; 光学純度:99% e.e. 以上(保持時間:27.7 分)
【0097】(実施例10)― 2−〔(1R)−2−(インドール−3−イル)−1−
メチルエチルアミノ〕−(1S)−1−(3−クロロフ
ェニル)エタノール; 光学純度:99% e.e. 以上(保持時間:16.4 分)
【0098】(実施例11)― 2−〔(1S)−2−(インドール−3−イル)−1−
メチルエチルアミノ〕−(1S)−1−(3−クロロフ
ェニル)エタノール; 光学純度:99% e.e. 以上(保持時間:18.3 分)
【0099】製剤例―― 錠剤:―2−〔2−(インドール−3−イル)−1−メ
チルエチルアミノ〕−1−(3−クロロフェニル)エタ
ノール・シュウ酸塩(5g)、トウモロコシデンプン
(25g)、乳糖(54g)、結晶セルロース(11
g)、ヒドロキシプロピルセルロース(3g)、軽質無
水ケイ酸(1g)、ステアリン酸マグネシウム(1
g)。
【0100】常法に従って、上記各成分を混和し、顆粒
状とし、圧縮成型して、1錠100 mgの錠剤1000錠を
調製する。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の化合物
は、β3 アドレナリン受容体に選択性の高いβ3 アドレ
ナリン受容体刺激作用を有するので、糖尿病、肥満、過
敏性腸症候群、急性若しくは慢性下痢等の予防及び治療
剤として使用することができる。また、消化性潰瘍、急
性若しくは慢性胃炎、胆道ジスキネジアー、胆のう炎等
に伴う腹痛、悪心、嘔吐、上腹部不快感等の症状の改善
に対しても本発明の化合物を使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/40 ADP 9454−4C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で表される2−〔2−(インド
    ール−3−イル)エチルアミノ〕−1−フェニルエタノ
    ール誘導体及びその製薬学的に許容される酸付加塩類。 【化1】 (式中、R1 はハロゲン原子又はトリフルオロメチル基
    を意味し、R2 は、水素原子、低級アルキル基又はフル
    オロ低級アルキル基を意味し、R3 は水素原子、ハロゲ
    ン原子、トリフルオロメチル基、ニトロ基又はシアノ基
    を意味する。)
  2. 【請求項2】 R1 が塩素原子であり、R2 が水素原
    子、メチル基又はフルオロメチル基であり、R3 が水素
    原子又は6位のフッ素原子若しくは塩素原子である請求
    項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R2 がメチル基であり、R3 が水素原子
    又は6位のフッ素原子若しくは塩素原子である請求項2
    記載の化合物。
  4. 【請求項4】 2−〔(1R)−2−(インドール−3
    −イル)−1−メチルエチルアミノ〕−(1R)−1−
    (3−クロロフェニル)エタノール及びその製薬学的に
    許容される酸付加塩類。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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