JPH06345717A - アミノエタンスルホン酸類の精製方法 - Google Patents

アミノエタンスルホン酸類の精製方法

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JPH06345717A
JPH06345717A JP13434393A JP13434393A JPH06345717A JP H06345717 A JPH06345717 A JP H06345717A JP 13434393 A JP13434393 A JP 13434393A JP 13434393 A JP13434393 A JP 13434393A JP H06345717 A JPH06345717 A JP H06345717A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】未精製のβ−クロロエタンスルホン酸アルカリ
金属塩とアミン類との反応により得られるアミノエタン
スルホン酸類の簡便かつ効率的な精製方法を提供する。 【構成】得られたアミノエタンスルホン酸類をアルカリ
金属塩を変換した後、水溶液を蒸留し、蒸留後の水溶液
中のアルカリ金属塩をアミノエタンスルホン酸類に変換
し、晶出,濾過を繰り返して不純物を除去して、最終的
に、高純度のアミノエタンスルホン酸類を晶出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1,2−ジクロロエタ
ンと亜硫酸アルカリ金属塩から合成された、アルカリ金
属塩酸塩、1,2−エタンジスルホン酸アルカリ金属塩
(以下、EDSアルカリ金属塩と称す)等を不純物とし
て含む、未精製β−クロロエタンスルホン酸アルカリ金
属塩(以下CESアルカリ金属塩と称す)水溶液を原料
とし、この水溶液をアンモニア、または、N−置換アミ
ン類(以下これらを併せて、単にアミン類と称す)と反
応させて得られる、アミノエタンスルホン酸、またはN
−置換アミノエタンスルホン酸(以下これらを併せてア
ミノエタンスルホン酸類と称す)の精製方法に関する。
【0002】前記、アミン類がアンモニアである場合に
得られるアミノエタンスルホン酸はタウリンと称される
医薬原体である。またアミン類がメチルアミンである場
合に得られるメチルアミノエタンスルホン酸をアルカリ
金属水酸化物の存在下、脂肪酸クロライド等と反応させ
ると、アシル化物が得られ、このアシル化物はIgep
on Tの名称で、古くから知られる界面活性剤であ
り、耐硬水性の人体に害のない優れたアミノ酸系洗浄剤
として利用されている。
【0003】
【従来の技術】従来、アミノエタンスルホン酸の精製方
法として、(1) エチルアルコールを媒体とする抽出法
(Ind.&Eng. chem.,39 906〜9
(1947)) (2) 水を媒体とする晶析法(ドイツ特許第112254
0号) が知られている。
【0004】(1) の方法は、式に示すように、精製C
ESナトリウムを大過剰のアミン類と反応させ、過剰ア
ミン類を蒸留により除去した後、式に示すように、塩
酸を加え、アミノエタンスルホン酸類とし、この水溶液
を蒸発乾固した後、大量の95%hotエチルアルコー
ルを加え、アミノエタンスルホン酸類を抽出し、このア
ミノエタンスルホン酸類を抽出したアルコール性水溶液
を冷却して、アミノエタンスルホン類を晶出させて、固
−液分離するアミノエタンスルホン酸類結晶の取得方法
である。
【0005】ClC24SO3Na+nRNH2 → RNHC24SO3RNH3+NaCl (R=水素、または炭化水素からなるアルキル基。n=
15〜20) RNHC24SO3RNH3+HCl → RNHC24SO3H+RNH3Cl (Rは上記に同じ) 同法をアミノエタンスルホン酸類の商業的精製法として
採用した場合、原料CESナトリウム塩の精製工程を必
要とし、さらに、抽出媒体として用いた大量のアルコー
ルの回収、精製工程を要した上、1回の操作では高純度
品が得られず、高純度品を得るには、上記抽出操作を繰
り返さなければならない。
【0006】また、不純物として、食塩、アミン類塩化
物をほぼ等化学当量含む固形物を排出するので、これを
廃棄することは環境保全上、好ましくなく、その分離工
程を要する等煩雑な工程となる。
【0007】(2) の方法は、式、に示すように、元
来イセチオン酸を原料とする、アミノエタンスルホン酸
類の精製方法であり、EDSアルカリ金属塩の除去は考
慮されていない。
【0008】HOC24SO3Na+nRNH2 → RNHC24SO3Na+H2O RNHC24SO3Na+1/2H2SO4 → RNHC24SO3H+1/2Na2SO4 (R及びnは前記に同じ) 即ち、同法は式で得られたアミノエタンスルホン酸ナ
トリウム塩類水溶液に式に示すように、硫酸、塩酸等
の鉱酸を加え、アミノエタンスルホン酸類に変換した
後、その水溶液を濃縮して、芒硝等の鉱酸ナトリウム塩
を部分的に晶出させ、この晶出鉱酸ナトリウム塩を70
℃以上の温度で固−液分離して得られるろ液を常温に冷
却する事により、アミノエタンスルホン酸類を部分的に
晶出させ、固−液分離により、その結晶を取得する方法
であり、分離液はいまだアミノエタンスルホン酸類を多
量に含んでいるので、回収循環される。
【0009】本発明者らが検討した結果、同法のように
脱塩濾液を単に冷却したのではその溶解平衡の関係上、
アミノエタンスルホン酸類の晶出に際し、少量ながら鉱
酸ナトリウム塩類が一部晶出するので、高純度アミノエ
タンスルホン酸類の取得は不可能であることが判明し
た。
【0010】また、不純物としてEDSアルカリ金属塩
は含まれていないものの、エチレングリコール類のほ
か、ドイツ民主主義共和国特許第219,023号に見
られるように、式の反応にあっては、イセチオン酸塩
が非常に反応性に乏しいので、高温、高圧下の反応条件
下にもかかわらず、その反応を完結することができず、
未反応イセチオン酸塩が残存し、また式の反応は選択
性も良くなく、生成アミノエタンスルホン酸塩がイセチ
オン酸塩と反応し、化学式RN(C24SO3Na)2
N(C24SO3Na)3で示されるアミノエタンジスル
ホン酸塩、アミノトリエタンスルホン酸塩等が含まれて
いる。これらの不純物のうちエチレングリコール、イセ
チオン酸等はアミノエタンスルホン酸類に比し、溶解度
が非常に高く、アミノエタンスルホン酸類の結晶の分離
液に蓄積され、順次粘度の上昇をきたし、濾過性を損ね
るのを防ぐため、この分離液は多量のアミノエタンスル
ホン酸類を含んでいるにもかかわらず、適時放出しなけ
ればならず、これはアミノエタンスルホン酸の収率を著
しく低下させることとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
カリ金属塩酸塩、アルカリ金属硫酸塩、EDSアルカリ
金属塩等の不純物を含んだ未精製のCESアルカリ金属
塩を原料として合成されたアミノエタンスルホン酸類の
精製にあたり、水を媒体とし、回収分離液を放出するこ
となく、高収率で、高純度アミノエタンスルホン酸類結
晶を取得する、アミノエタンスルホン酸類の精製方法を
提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、商業的
に、大量安価に生産されている、1,2−ジクロロエタ
ンと亜硫酸アルカリ金属塩あるいはビニルクロライドと
重亜硫酸アルカリ金属塩から製造される、未精製CES
アルカリ金属塩を原料とし、式,,に示すよう
に、これをアミン類等と反応させて得られる、アミノエ
タンスルホン酸類の精製方法にあり、以下その詳細につ
いて説明する。
【0013】ClC24SO3M+nRNH2 → RNHC24SO3RNH3+MCl RNHC24SO3RNH3+MOH → RNHC24SO3M+RNH2+H2O RNHC24SO3M+H+ →RNHC24SO3H+M+ (R:水素、または炭化水素からなるアルキル基、n=
2以上の整数値、M=Na,K等のアルカリ金属、H+
=HCl、H2SO4等の鉱酸)本発明の技術にあって、
式に用いられる未精製CESアルカリ金属塩水溶液に
は、アルカリ金属塩酸塩、アルカリ金属硫酸塩等の無機
塩類のほか、EDSアルカリ金属塩が不純物として含ま
れており、式では大過剰量のアミン類が供給される
が、アミン供給量が少ないと、式,の副反応によ
り、アミノジエタンスルホン酸アミン類塩、アミノトリ
エタンスルホン酸アミン類塩を副生する。
【0014】 RNHC24SO3RNH3+ClC24SO3M+RNH2 → RN(C24SO3RNH32+MCl NH(C24SO3NH42+ClC24SO3M+NH3 → N(C24SO3NH43+MCl (R,Mは上記に同じ) 従って、本発明で得られるアミノエタンスルホン酸類水
溶液には、大量のアルカリ金属塩酸塩等の無機塩のほ
か、少量のEDSアルカリ金属塩、アミノジエタンスル
ホン酸類、アミノトリエタンスルホン酸類が不純物とし
て含まれている。本発明の方法においては、まず式,
の反応で得られた水溶液を蒸留し、式で過剰に供給
され、式で遊離したアミン類を分離除去する。
【0015】次に、本発明者らはEDSアルカリ金属塩
は、その溶解度が温度依存性を有するとともに、アルカ
リ金属塩酸塩,アルカリ金属硫酸塩等の無機塩の存在下
では、さらにその溶解度が低下し、前記無機塩濃度が高
いほど、低温域でのEDSアルカリ金属塩の溶解度は低
下することを見出し、本発明に到達した。
【0016】即ち、式に示したように塩酸、硫酸等の
鉱酸を加え、pH=4.5〜7.0に調整し、アミノエ
タンスルホン酸類に変換し、この水溶液を大気圧下、も
しくは減圧下に濃縮して、その飽和溶解度液とした水溶
液を、常温以下に冷却し、不純物であるEDSアルカリ
金属塩を晶出させ、晶出固形物をろ過等の固−液分離法
により除去する。この工程の前に、晶出している無機塩
を分離するために、必要に応じて、80℃の高温でろ過
してもよい。
【0017】このように、アミノエタンスルホン酸類を
晶出させないで、EDSアルカリ金属塩を選択的に晶出
させるには、水溶液部にあって、アミノエタンスルホン
酸類濃度≦38.5%、無機塩濃度≦17.5%の飽和
溶解度水溶液に濃縮した後、常温以下、好ましくは20
℃以下0℃以上に冷却し、EDSアルカリ金属塩を晶析
する。
【0018】このEDSアルカリ金属塩を分離した水溶
液は大気圧下、もしくは減圧下で再度濃縮し、今度はア
ルカリ金属塩酸塩等の無機塩類を80℃以上の高温域で
部分的に晶出させ、晶出無機塩を高温下のろ過により固
−液分離し、除去するものである。アミノエタンスルホ
ン酸類の水溶液にあって、これを晶出させず前記無機塩
を選択的に晶出させるには、水溶液部にあってアミノエ
タンスルホン酸濃度≧40%、無機塩類濃度≦17%、
望ましくはアミノエタンスルホン酸濃度=52.5〜5
5%、無機塩類濃度=13.5〜15%に濃縮するのが
良い。
【0019】次いで、無機塩類を部分的に除去した分離
液に、分離液の3.5%以上30%以下、望ましくは
3.8%以上、5%以下の水を加えて稀釈した後、その
稀釈水溶液を常温、具体的には、約20℃に冷却し、ア
ミノエタンスルホン酸類を部分的に晶出させ、晶出アミ
ノエタンスルホン酸類を常温下にろ過により、固−液分
離して取得するものである。この分離ろ液はいまだ大量
のアミノエタンスルホン酸類を含んでいるので、回収循
環される。この分離ろ液を戻す工程は式によりアミン
類を除去したアミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩水
溶液に混合するのが好ましいが、pH調整した後の水溶
液と混合しても良い。
【0020】このように、本発明の方法においては、ア
ミノエタンスルホン酸類の晶出工程で脱塩ろ液を稀釈す
るのは高純度品を得るためである。すなわち、水で稀釈
しないで無機塩分離ろ液を冷却すると、前述したよう
に、その溶解平衡の関係上、アミノエタンスルホン酸類
とともに、少量ながらアルカリ金属塩酸塩等の無機塩が
晶出し、そのろ過ケーキをいくら水で洗浄しても、アミ
ノエタンスルホン酸類の溶解度が前記無機塩類に比し非
常に高く、アミノエタンスルホン酸類を溶解するのみ
で、これら無機塩を除くことができず、高純度アミノエ
タンスルホン酸類を取得することができない。
【0021】そのような稀釈水の添加割合として、無機
塩分離ろ液の3.8〜5.0%量の水を加えるのが望ま
しく、さらに多く水を加えても高純度アミノエタンスル
ホン酸類は得られるが、水の添加量が多くなるほど、そ
の晶出物が少なくなるので望ましくない。
【0022】さらにアミノエタンスルホン酸類の分離ろ
液にあって、式,により、副生したアミノジエタン
スルホン酸類、アミノトリエタンスルホン酸類が蓄積さ
れるが、本発明者らの測定実験によると、これら不純物
の溶解度はアミノエタンスルホン酸類とほぼ同じ程度で
あるが、温度依存性が極めて乏しく、約60℃以上の高
温域ではアミノエタンスルホン酸類より低くなるため、
これが蓄積され、アミノエタンスルホン酸類とほぼ同程
度の濃度となると、前記無機塩類の晶出工程で部分的に
晶出し、平衡となるので、アミノエタンスルホン酸類に
混入することはないことを本発明者らは見出し、本発明
の技術を完成したるものである。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、 (1)未精製CESを原料とし、これをアミン類と反応
させて得られた水溶液から精製するので、原料CESの
精製工程が省略できる。
【0024】(2)アルコール類等特別の化合物を媒体
とすることなく、水を媒体として用いるので、媒体の回
収、精製工程を必要とせず、また、それらに要するエネ
ルギーも節減できる。
【0025】(3)アミノエタンスルホン酸類の分離ろ
液を一部放出することなく、全量回収循環できるので、
アミノエタンスルホン酸類の損失がなく、収率を高く保
てる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0027】実施例1 1,2ジクロロエタンと、亜硫酸ソーダから製造された
未精製CESナトリウム塩水溶液と、液化メチルアミン
とを反応させて得られた水溶液に、苛性ソーダを加えた
後、遊離メチルアミンを蒸留により除いたpH=12.
4の表1に示す組成液2650.0gを3リットルのセ
パラブルフラスコに入れ、35%塩酸250.2gを加
えpH=6.0に調整した。
【0028】このフラスコをオイルバスに浸漬して加熱
し、−440mmHgの減圧下で濃縮した。
【0029】蒸発水量が約790mlとなった時点で、
晶出物により液は白濁したがさらに濃縮を続け、蒸発水
量1410mlとなった時点で濃縮を中断した。
【0030】濃縮液量は1484.9gであり、この濃
縮液を約85℃の温水をジャケットに循環し保温された
遠心ろ過機に注ぎ固−液分離したところ、1235.7
gのろ液を得た。フラスコ内壁に若干の固形物が付着し
ていたので、約10gの水を入れ固形物を溶解し、その
水溶液は遠心ろ過ケーキの洗浄に用い、さらに新しい水
27.4gで遠心ろ過ケーキを洗浄し、洗浄1次塩ケー
キ228.5gと回収水溶液48.1gを得た。これら
洗浄1次塩ケーキ及び洗浄回収水溶液の分析値は表1に
示す通りであった。
【0031】ろ液を1時間かけて20℃まで冷却し、さ
らに、1時間、20℃に保持して、EDSナトリウム塩
を晶出させた後、常温下に遠心ろ過機にかけ固−液分離
した。ろ液量は1165.9gであり、遠心ろ過ケーキ
は前の場合と同様、約7gの水でフラスコを洗い、その
水溶液はケーキの洗浄に用いるとともに、水10.5g
でさらにケーキを洗浄し、洗浄EDSナトリウム塩ケー
キ55.5gと、洗浄回収水溶液25.6gを得た。洗
浄EDSナトリウム塩ケーキ、同洗浄回収水溶液の分析
値は、表1の通りであった。
【0032】EDSナトリウム塩を除去したろ液は再び
オイルバスに浸漬し、−510mmHgの減圧下で水を
蒸発して無機塩を晶出させつつ濃縮した。蒸発水量44
0mlとなった時点で濃縮を止めて濃縮液の計量をした
ところ、濃縮液量は720.3gであった。
【0033】この濃縮液を約85℃の温水を循環し、保
温した遠心ろ過機に注ぎ固−液分離し、562.8gの
ろ液を得た。
【0034】前の場合と同様、容器に約15gの水を入
れ付着固形物を溶解洗浄し、その水溶液で遠心ケーキを
洗浄するとともに、水24.4gで遠心ケーキを洗浄
し、洗浄2次塩ケーキ149.9gと洗浄回収水44.
6gを得た。これら洗浄2次塩ケーキ、同洗浄回収水の
分析値は表1の通りであった。
【0035】このろ液に19.7gの水を入れ、85℃
に昇温して透明液とした後、1時間かけて20℃に冷却
し、さらに30分間20℃に保ち、メチルアミノエタン
スルホン酸を晶出させた。この晶析液を常温の遠心ろ過
機に注ぎ、固−液分離し、421.8gのろ液を得た。
遠心ケーキは、約8gの水で容器を洗浄した水で洗浄し
た後、さらに15.1gの新しい水で洗浄し、洗浄メチ
ルアミノエタンスルホン酸ケーキ、134.2gと、同
洗浄回収水溶液41.5gを得た。これらの分析値を表
1に示す。
【0036】さらにこの洗浄メチルアミンエタンスルホ
ン酸ケーキ118.7gを70℃に設定された真空乾燥
機に入れ、約6時間乾燥し、108.8gの粉末を得
た。メチルアミノエタンスルホン酸は液体クロマトグラ
フィーで分析し、EDSナトリウム塩、メチルアミノジ
エタンスルホン酸はイオンクロマトグラフィーで、食
塩、芒硝は滴定法により、水分はカールフィッシャー法
で分析し、メチルアミノエタンスルホン酸=98.71
%,メチルアミノジエタンスルホン酸=0.04%,E
DSナトリウム塩=0.02%,食塩=0.11%,芒
硝=0.00%,水分=1.09%の値を得た。
【0037】
【表1】
【0038】実施例2 実施例1で回収した、1次塩洗浄回収水溶液33.0
g、EDSナトリウム塩洗浄回収水10.7g、2次塩
洗浄回収水29.3g、メチルアミノエタンスルホン酸
洗浄回収水溶液23.0g、メチルアミノエタンスルホ
ン酸分離ろ液396.8gと、実施例1で用いたと同一
組成の新しい水溶液1314.7gを3リットルのセパ
ラブルフラスコに入れ、撹拌下、98%の硫酸59.6
gを滴下して、pH=5.98に調整し、フラスコをオ
イルバスに浸漬加熱し、大気圧下で水を蒸発して濃縮し
た。
【0039】蒸発水量が約305mlとなった時点で、
晶出により液が白濁したので濃縮を中断し、濃縮液を計
量したところ、1555.4gであった。この濃縮液を
20℃に冷却し、さらに、1時間、20℃に保持した
後、常温で遠心ろ過機に注ぎ固−液分離し、1481.
5gのろ液を得た。
【0040】遠心ケーキは、容器を約7.5gの水で洗
った回収水溶液で洗浄するとともに、新しい水11.0
gで洗浄し、60.1gの洗浄EDSナトリウム塩ケー
キと、同回収洗浄水溶液26.9gを得た。これら洗浄
EDSナトリウムケーキと、同回収洗浄水溶液の分析値
は表2に示す通りであった。
【0041】EDSナトリウムを除いたろ液を再び、オ
イルバスに浸漬して加熱し−410mmHgの減圧下に
濃縮し、無機塩を晶出させた。蒸発水量が約495ml
となったところで濃縮を中断し、濃縮液を計量したとこ
ろ、980.5gであった。この濃縮液を実施例1の場
合と同様、85℃の温水をジャケットに循環した遠心ろ
過機に注ぎ、固−液分離し、787.6gのろ液を得
た。遠心ケーキは、まず、約15gの水で容器を洗った
水溶液で洗浄した後、23gの水で洗浄し、洗浄1次塩
ケーキ182.0gと1次塩洗浄回収水溶液43.3g
を得た。洗浄1次塩ケーキの分析値は表2に示す値であ
った。
【0042】このろ液と1次塩洗浄回収水溶液を混合
し、容器を再びオイルバスに浸漬加熱し、−510mm
Hgの減圧下に水を蒸発し、無機塩を晶出させつつ濃縮
した。蒸発水量が約195mlとなったところで濃縮を
止め634.3gの濃縮スラリー液を得た。これを再
び、85℃の温水をジャケットに循環した遠心ろ過機に
かけ、固−液分離して564.8gのろ液を得た。ケー
キは約7gの水で容器を洗浄し、その水溶液でケーキを
洗浄した後、水10.4gでさらに洗浄し、洗浄2次塩
ケーキ63.2gと回収洗浄水溶液17.9gを得た。
これらの分析値は表2に示す値であった。
【0043】このろ液に19.8gの水を加え、85℃
に昇温して透明液とした後、20℃まで冷却し、メチル
アミノエタンスルホン酸を晶出させ、さらに20℃で約
1時間保持した後、常温で遠心ろ過し、425.5gの
ろ液を得た。遠心ケーキは約7.5gの水で容器を洗っ
た水溶液で洗浄した後、水11.7gでさらに洗浄し、
洗浄メチルアミノエタンスルホン酸ケーキ135.5g
と同洗浄回収水溶液34.7gを得た。
【0044】これらの分析値は表2に示す通りであっ
た。
【0045】
【表2】
【0046】実施例3 メチルアミノエタンスルホン酸ナトリウム塩と、CES
ナトリウム塩から合成された、メチルアミノエタンスル
ホン酸=0.93%、メチルアミノジエタンスルホン酸
=24.04%,食塩=6.08%を含むpH=10.
65の水溶液497.0gと、実施例1で用いたと同一
組成液1207.5gを3リットルのセパラブルフラス
コに入れて混合し、98%の硫酸80.9gを滴下し、
pH=5.2とした後、容器をオイルバスに浸漬、加熱
し、大気圧下、水を蒸発して濃縮した。
【0047】蒸発水量400mlとなったところで、晶
出物の析出が見られたので、濃縮を中断し、1379.
5gの濃縮液を得た。この濃縮液を実施例2の場合と同
様に冷却して、EDSナトリウム塩を晶出させ、常温で
遠心ろ過機にかけ、固−液分離し、ろ液1335.6g
を得た。遠心ケーキは合計13.2gの水で洗浄し、洗
浄EDSナトリウム塩ケーキ27.1gと同洗浄回収水
溶液22.3gを得た。これらの分析値は表3に示す通
りであった。
【0048】ろ液を実施例2の場合と同じように、再び
濃縮し、無機塩を晶出させ、蒸発水量450mlとなっ
たところで濃縮を中断し、883.1gの濃縮スラリー
液を得た。この濃縮液を保温された遠心ろ過機にかけ固
−液分離し、ろ液708.8gを得た。遠心ケーキは3
4.9gの水で洗浄し、洗浄1次塩ケーキ164.6g
と同洗浄回収水溶液35.9gを得た。洗浄塩ケーキの
分析値は表3の通りであった。
【0049】このろ液と洗浄回収水溶液を混合し、オイ
ルバスに浸し、減圧下に水を約190ml蒸発して濃縮
し、濃縮スラリー液552.2gを得た。濃縮液は保温
遠心ろ過機により固−液分離、467.3gのろ液を得
た。遠心ケーキは実施例2と同様合計21.3gの水で
洗浄し、洗浄2次塩ケーキとして、メチルアミノジエタ
ンスルホン酸を含んだケーキ76.0gと同洗浄回収水
溶液21.3gを得た。これらの分析値は表3の通りで
あった。
【0050】ろ液に17.5gの水を加え、昇温して透
明液とした後20℃に冷却し、メチルアミノエタンスル
ホン酸を晶出させ、常温で遠心ろ過により固−液分離
し、354gのろ液を得、遠心ろ過ケーキは合計17.
8gで洗浄し、洗浄メチルアミノエタンスルホン酸ケー
キ108.7gと、同洗浄回収水溶液32.2gを得
た。これらの分析値は表3に示す値であった。
【0051】
【表3】
【0052】実施例4 実施例3で回収したEDS洗浄回収水溶液=10.5
g、2次塩洗浄回収水溶液=10.9g、メチルアミノ
エタンスルホン酸洗浄回収水溶液=21.5g、メチル
アミノエタンスルホン酸分離ろ液=342.7gと、実
施例1で用いた液と同一組織液=1137.7gを3リ
ットルのセパラブルフラスコに入れ、撹拌下に35%塩
酸107.4gを滴下し、pH=5.2に調整した後、
実施例3と同様の実験を行い、表4に示す実験結果を得
た。
【0053】
【表4】
【0054】比較例1 実施例1で用いたと同一組成2650.0gを、3リッ
トルセパラブルフラスコに入れ、35%塩酸250.2
gを滴下して、pH=6.0に調整した後、容器をオイ
ルバスに浸漬して、大気圧下に濃縮した。実施例1の場
合と同様、蒸発水量が約790mlとなった時点で、濃
縮液は晶出物により白濁したが、さらに濃縮を続け、蒸
発水量1410mlの時点で濃縮を中断した。濃縮液量
は1485.7gであった。
【0055】この濃縮液を冷却しないよう手早く、85
℃の温水をジャケットに循環した遠心ろ過機にかけ固−
液分離し、ろ液1240.8gを得た。遠心ケーキは実
施例2〜4と同様、合計49.0gの水で洗浄して、洗
浄1次塩ケーキ226.3gと、同回収洗浄水溶液5
9.1gを得た。洗浄1次塩ケーキの分析値は、表5の
通りであった。
【0056】ろ液と回収洗浄水溶液を混合し、再び容器
をオイルバスに浸漬して、大気圧下で濃縮し、蒸発水量
が約470mlの時点で濃縮を止め、濃縮スラリー液8
26.3gをた。この濃縮液を前の場合と同様、約90
℃の熱水をジャケットに循環した遠心ろ過機にかけ、6
40.9gのろ液を得た。遠心ケーキは合計45.6g
の水で洗浄し、洗浄2次塩ケーキ171.5gと、同洗
浄回収水溶液52.1gを得た。これらの分析値は、表
5に示す値であった。
【0057】ろ液は水を加えることなく、そのままゆっ
くり撹拌しつつ20℃に冷却し、さらに1時間20℃に
冷却し、さらに1時間、20℃に保持して、メチルアミ
ノエタンスルホン酸を晶出させた。このスラリー液を常
温で遠心ろ過機にかけ、ろ液424.0gを得た。遠心
ケーキは合計32.6gの水で洗浄し、洗浄メチルアミ
ノエタンスルホン酸ケーキ180.4gと同洗浄回収水
溶液55.8gを得た。これらの分析値は、表5に示す
値であった。
【0058】
【表5】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(I)β−クロロエタンスルホン酸アルカ
    リ金属塩類水溶液と、アンモニアまたはN−置換アミン
    とを反応させて得られるアミノエタンスルホン酸アンモ
    ニウム塩またはN−置換アミノエタンスルホン酸N−置
    換アミン塩に、アルカリ金属水酸化物を加え、アルカリ
    金属塩に変換した後、反応水溶液を蒸留し、(II)得
    られた水溶液に鉱酸を加え、pH=4.5〜7.0に調
    整し、前記アルカリ金属塩をアミノエタンスルホン酸ま
    たはN−置換アミノエタンスルホン酸に変換し、(II
    I)得られた水溶液を大気圧下もしくは減圧下に水を蒸
    発して濃縮し、その飽和水溶液とした後、この飽和水溶
    液を20℃以下に冷却し、晶出した不純物をろ過により
    除去し、(IV)得られた水溶液を、再度大気圧下もし
    くは減圧下に水を蒸発させ、不純物を部分的に晶出させ
    つつ濃縮し、この晶出物を80℃以上の保温下にろ過し
    て固−液分離し、(V)得られた分離液に、その水溶液
    の3.5%以上30%以下の量の水を加えて稀釈した
    後、その稀釈水溶液を常温に冷却して、アミノエタンス
    ルホン酸または、N−置換アミノエタンスルホン酸を部
    分的に晶出させ、この晶出物を常温下に固−液分離する
    工程からなるアミノエタンスルホン酸類の精製方法。
  2. 【請求項2】工程(V)で得られた分離液を工程(I)
    で得られる水溶液と混合し、工程(I)から工程(V)
    を繰り返すことを特徴とするアミノエタンスルホン酸類
    の循環精製方法。
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