JPH0634479U

JPH0634479U - 製パンのプレ・ファーメント製造用ミックス

Info

Publication number: JPH0634479U
Application number: JP7933892U
Authority: JP
Inventors: 千明室井
Original assignee: 千明室井
Priority date: 1992-10-20
Filing date: 1992-10-20
Publication date: 1994-05-10

Abstract

(57)【要約】【目的】糖類とα化澱粉のミックスを使用することに
より、α化澱粉の分散溶解性を促進して容易に必要な粘
性を持つ水溶液を造り、これにイーストを加えファーメ
ントに使用するものであり、攪拌操作を必要とせず、均
一な醗酵液を得ることにある。【構成】糖類に、α化澱粉を混合するものであり、さ
らに、アミラーゼ剤および／またはイーストフード材料
を混合することを特徴とする製パンのプレ・ファーメン
ト用ミックス。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、製パンのプレ・ファーメント用製造用ミックスに関するものであり、特に、砂糖にα化澱粉を添加したファーメント（醗酵液）に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、液種法のパンの製造に際しては、砂糖・ミルク・生まの殻粉を水に溶解、又は分散させてイーストを加え、沈澱を防止するために攪拌しながら醗酵させるものであった。

【０００３】粘性のない醗酵液では、イースト自体、および醗酵中のｐＨ低下による凝固蛋白や不溶沈澱類が沈澱し、攪拌操作なくしては均一な醗酵液を保つことは不可能であった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこでこの考案は、上記の欠点を除去し、攪拌操作を必要とせず、均一な醗酵液を得ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、糖類とα化澱粉のミックスを使用することにより、α化澱粉の分散溶解性を促進して容易に必要な粘性を持つ水溶液を造り、これにイーストを加えファーメントに使用するものである。

【０００６】このミックスには、予めアミラーゼ剤、イーストフード材料を添加して置くことは、パンの改良に役立つのみならず、均一な醗酵液を造るために極めて有効である。

【０００７】

【作用】

次に、この考案の使用による作用を説明すると、この考案によるミックスを用いたファーメントは、イーストの醗酵を著しく促進する。

【０００８】通常のイーストは醗酵に際して、糖や食塩の浸透圧の影響を受け、１５％蔗糖水溶液を醗酵させて得られる炭酸ガス発生量に比較し、３５％蔗糖水溶液では１／５のガス発生量に低下する。

【０００９】しかし、α化澱粉又はその部分加水分解物を含み、粘性を持つ糖液にあっては、５０％蔗糖水溶液であってもイーストは容易にガス発生を行ない、所期のファーメントを造ることが出来る。

【００１０】濃厚な糖を含み、且つ醗酵によるアルコールその他醗酵生成物を含む醗酵液は、そのまま、小麦粉及び幅材料と混合して、従来醗酵困難とされた高糖分（対小麦粉３０〜４０％の砂糖配合）スィートドウを簡単に造ることを可能にする。

【００１１】さらに、当該醗酵液は適度に希釈して砂糖の配合率の低いパン生地の製造に用いることが出来るが、予めミックスの砂糖を減らしておくことにより、希望する砂糖配合のパン生地専用ファーメントを造ることも可能である。

【００１２】

【実施例１】次に、この考案の一実施例を図面により説明すると、糖類（１）に、α化澱粉（２）を混合することを特徴とする製パンのプレ・ファーメント用ミックスからなる。

【００１３】尚、糖類（１）とは、蔗糖、果糖、グルコース、オリゴ糖等の粉末状の糖類から選ばれた一または複数のものであり、α化澱粉（２）は、馬鈴薯、タピカオ、甘藷等の藷類澱粉及び、とーもろこし、小麦、米、大麦等の穀類をα化して乾燥粉末化したものである。

【００１４】

【実施例２】糖類（１′）に、α化澱粉（２′）、アミラーゼ剤（３）を混合することを特徴とする製パンのプレ・ファーメント用ミックスからなるものである。

【００１５】実施例１と同様に、糖類（１′）が、蔗糖、果糖、グルコース、オリゴ糖等の粉末状の糖類から選ばれた一または複数のものであり、また、α化澱粉（２′）が、馬鈴薯、タピカオ、甘藷等の藷類澱粉及び、とーもろこし、小麦、米、大麦等の穀類をα化して乾燥粉末化したものであり、さらに、アミラーゼ剤（３）は、麦芽粉末、麹粉末等の天然物並びに麦芽、黴類、細菌類から分離精製されたアミラーゼ製剤である。

【００１６】

【実施例３】さらにこの考案の他の実施例を説明すると、糖類（１′）に、α化澱粉（２′ ）、アミラーゼ剤（３′）、イーストフード材料（４）を混合するものより構成される。

【００１７】尚、イーストフード材料（４）は、一般にパン生地改良材、イーストの栄養剤と称されるものであって、硫酸カルシューム、塩化アンモニュームを始めとするカルシューム化合物、アンモニヤ化合物、各種酸化剤、食塩等を包含するものである。

【００１８】

【考案の効果】

この考案は、以上の構成よりなるものであり、この考案によるミックスを用いたファーメントは、イーストの醗酵を著しく促進する。

【００１９】澱粉や、その部分加水分解物を含む醗酵液は醗酵によって生産された有機酸や芳香エステル、アルコール類の蒸散を防止して、ファーメントに包含保持するので、従来例のように沈澱することがなく、従って攪拌しながら醗酵する必要もなく、これらを有効にパン生地へ移行させることができる等極めて有益なる効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す説明図である。

【図２】この考案の他の実施例を示す説明図である。

【図３】この考案のさらに、他の実施例を示す説明図で
ある。

【符号の説明】

１糖類１′糖類２ α化澱粉２′α化澱粉３アミラーゼ剤３′アミラーゼ剤４イーストフード材料

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】糖類に、α化澱粉を混合することを特徴
とする製パンのプレ・ファーメント用ミックス。
【請求項２】糖類に、α化澱粉、アミラーゼ剤を混合
することを特徴とする製パンのプレ・ファーメント用ミ
ックス。
【請求項３】糖類に、α化澱粉、アミラーゼ剤、イー
ストフード材料を混合することを特徴とする製パンのプ
レ・ファーメント用ミックス。
【請求項４】糖類が、蔗糖、果糖、グルコース、オリ
ゴ糖等の粉末状の糖類から選ばれた一または複数のもの
であることを特徴とする請求項１又は２又は３記載の製
パンのプレ・ファーメント用ミックス。
【請求項５】 α化澱粉が、馬鈴薯、タピカオ、甘藷等
の藷類澱粉及び、とーもろこし、小麦、米、大麦等の穀
粉又は、その澱粉をα化して乾燥粉末化したものである
ことを特徴とする製パンのプレ・ファーメント用ミック
ス。
【請求項６】アミラーゼ剤が、麦芽粉末、麹粉末等の
天然物並びに麦芽、黴類、細菌類から分離精製されたア
ミラーゼ製剤であることを特徴とする請求の範囲第２項
記載の製パンのプレ・ファーメント用ミックス。
【請求項７】イーストフード材料が、一般にパン生地
改良材、イーストの栄養剤と称されるものであって、硫
酸カルシューム、塩化アンモニュームを始めとするカル
シューム化合物、アンモニヤ化合物、各種酸化剤、食塩
等を包含することを特徴とする請求項第３項記載の製パ
ンのプレ・ファーメント用ミックス。