JPH06344521A - スチレン系樹脂シート成形物 - Google Patents

スチレン系樹脂シート成形物

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JPH06344521A
JPH06344521A JP14067793A JP14067793A JPH06344521A JP H06344521 A JPH06344521 A JP H06344521A JP 14067793 A JP14067793 A JP 14067793A JP 14067793 A JP14067793 A JP 14067793A JP H06344521 A JPH06344521 A JP H06344521A
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雅彦 板倉
Yoshio Okamoto
芳生 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐光性、成形性、難燃性及びコストパーフォー
マンスに優れたスチレン系樹脂積層シートを提供する。 【構成】ポリスチレン樹脂が10〜90重量部、スチレ
ン−メタクリル酸メチル共重合体が90〜10重量部か
らなるシートに10〜300ミクロンの厚みのメタクリ
ル樹脂フィルムをラミネートしてなるスチレン系樹脂シ
ート。 【効果】耐光性、成形性、難燃性及びコストパーフォー
マンスに優れているので表示灯や証明カバーとして適し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐光性、成形性、難燃
性及びコストパーフォーマンスに優れ、表示灯や照明カ
バーとして適当なスチレン系樹脂積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、表示灯や照明カバーにはポリ塩化
ビニル樹脂やポリカーボネート樹脂やメタクリル樹脂等
が使用されている。しかし、ポリ塩化ビニル樹脂は、耐
薬品性、耐光性、機械的強度、透明性などの物性バラン
スに優れると伴に、成形加工性が容易であり、また安価
であるため多方面の用途に使用されている。また特に高
い耐光性が要求される場合には、メタクリル樹脂のフィ
ルムをポリ塩化ビニル樹脂の単一シートの両面或いは片
面にラミネートすることによって、メタクリル樹脂とほ
ぼ同等の耐光性を有することができる。しかしながら、
近年環境問題から世の中で脱塩ビが叫ばれ、多方面でポ
リ塩化ビニル樹脂の代替材料の検討がなされている。
又、メタクリル樹脂は特に、透明性、耐光性に優てはい
るが、機械的強度(衝撃強度)が弱く、コストもポリ塩
化ビニル樹脂と比べると高いという欠点がある。特にコ
ストの問題が大きく、メタクリル樹脂は完全なポリ塩化
ビニル樹脂の代替材料とはなり得ない。
【0003】ポリカーボネート樹脂は、機械的強度(衝
撃強度)に優れ、また耐光性についてはポリ塩化ビニル
樹脂と同様にポリカーボネート樹脂の単一シートの両面
或いは片面にラミネートすることによって、メタクリル
樹脂とほぼ同等の耐光性を有することができる。しかし
ながら、ポリカーボネート樹脂もメタクリル樹脂と同様
にポリ塩化ビニル樹脂に比べると、コストが高く、ポリ
カーボネート樹脂も完全なポリ塩化ビニル樹脂の代替材
料とはなり得ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように表示灯
や照明カバー用の材料としては、ポリ塩化ビニル樹脂、
メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が現在使用さ
れている。しかしながら、ポリ塩化ビニル樹脂は近年環
境問題から世の中で脱塩ビが叫ばれ、多方面でポリ塩化
ビニル樹脂の代替材料の検討がなされているという状況
である。また、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂
も、物性的には問題がないものの、ポリ塩化ビニル樹脂
に比べるとコストが高いという問題があり、どの材料も
表示灯や照明カバー用の材料としては不十分である。
【0005】また、ポリスチレン樹脂は、成形性に優れ
コストも安価でありポリ塩化ビニル樹脂の代替材料とし
ては、コスト的には最も有利であるが、耐光性を考えた
場合、問題がある。耐光性を改良するために、紫外線吸
収剤やヒンダードフェノール系光安定剤等を添加する方
法があるが、そのような安定剤の添加だけではメタクリ
ル樹脂と同等の十分な耐光性を得ることはできない。ま
た、メタクリル樹脂フィルムのラミネートによる、耐光
性改良方法は、ポリスチレン樹脂の場合メタクリル樹脂
フィルムとの接着性に問題があり、ポリスチレン樹脂も
表示灯や照明カバー用の材料としては不十分であった。
【0006】本発明者等は、表示灯や照明カバ−用の材
料について鋭意研究した結果、スチレン系樹脂とMS樹
脂とのブレンド物からなるシート成形物にメタクリル樹
脂フィルムをラミネートすることによって得られたスチ
レン系樹脂積層シート成形物が成形性、耐光性、コスト
の点から考えて表示灯や照明カバ−用として最適である
ということを見出だし本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は
【0008】
【請求項1】ポリスチレン樹脂が10〜90重量部、ス
チレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂(MS樹脂)が
90〜10重量部からなるシート成形物に、10〜30
0ミクロンの厚みのメタクリル樹脂フィルムをラミネー
トしてなるスチレン系樹脂積層シート成形物。
【0009】
【請求項2】ポリスチレン樹脂が、GPPS(ホモポリ
スチレン)或いは、HIPS(ゴム強化ポリスチレン)
或いは、GPPSとHIPSのブレンド物である請求項
1記載のスチレン系樹脂積層シート成形物。
【0010】
【請求項3】スチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂
が樹脂中のメタクリル酸メチル単位が10〜70重量
部、芳香族ビニル単位が30〜90重量である請求項1
記載のスチレン系樹脂積層シート成形物。
【0011】
【請求項4】シート成形物が、ポリスチレン樹脂が10
〜90重量部、スチレン−メタクリル酸メチル共重合樹
脂(MS樹脂)が90〜10重量部からなる樹脂組成物
100重量部に対し含ハロゲン難燃剤が1〜30重量
部、紫外線吸収剤を0.01〜1重量部からなる請求項
1記載のスチレン系樹脂積層シート成形物。である。
【0012】本発明において使用される、ポリスチレン
樹脂とはスチレンの単独重合体(GPPS)やポリブタ
ジエンゴムおよび/またはスチレン−ブタジエン共重合
体にスチレンがグラフトしたグラフト重合体(HIP
S)やこれらの混合物である。
【0013】本発明において使用される、メタクリル酸
メチルとスチレンの共重合体(MS樹脂)とは、メタク
リル酸メチル単位が10〜70重量部、スチレン単位が
90〜30重量部から構成される共重合体であり、特に
本発明において使用されるMS樹脂については、メタク
リル酸メチル単位が20〜60重量部、スチレン単位が
80〜40重量部のものが好ましい。MS樹脂中のメタ
クリル酸メチル単位が70重量部を越えるとポリスチレ
ン樹脂との混ざりが悪くなり、またコストも高くなる。
また反対に、スチレン単位の含量が90重量部を越える
とメタクリル樹脂フィルムとベース樹脂(ポリスチレン
樹脂とMS樹脂のブンド物)の接着性が低下し、十分な
接着強度が得られない。すなわち、べースとして安価な
ポリスチレン樹脂を使用し、そのポリスチレン樹脂にM
S樹脂を配合することにより、ベース樹脂の耐光性を向
上させるとともにメタクリル樹脂フィルムとの接着性を
も向上させる事ができるのである。
【0014】GPPSとHIPSの使用比率は、GPP
S/HIPSが50/50〜100/0が望ましい。H
IPSの比率が、50を越えると光線透過率が減少し、
所望の光拡散性能が得難い。またHIPSの比率が増え
ると樹脂の剛性が低下し、特に肉厚の薄いシ−トとして
使用する場合は、使用上問題がある。その他HIPSの
比率が増えると耐光性も悪くなる。また必要に応じてS
BS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体)やSEBS(スチレン−ブチレンーエチレン−スチ
レンブロック共重合)やSIS(スチレン−イソプレン
ースチレンブロック共重合体)を配合してもよい。
【0015】本発明において使用されるハロゲン系難燃
剤は有機化合物物であり、例えばテトラブロモビスフェ
ノールA,TBAカーボネートオリゴマー、臭素化ビス
フェノールA型エポキシ重合体、デカブロモジフェニル
エーテル、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、パー
ククロロシクロペンタデカン、ヘキサシクロドデカン、
及びトリス(トリブロモネオペンチル)フォスフェート
等でありスチレン系樹脂に対してこれらのうち1種又
は、2種以上を1〜20重量、特に1〜10重量部が好
ましい。添加量が20重量部を越えると光線透過率が減
少し、照明カバーや表示灯用としての所望の光拡散性能
が得難い。難燃剤としては、特に少量で効果のあるヘキ
サブロモシクロドデカンが望ましい。又、必要に応じて
難燃助剤として三酸化アンチモンを0〜5重量部添加す
ることができる。三酸化アンチモンについてもその添加
量が5重量部を越えると光線透過率が減少し、照明カバ
ーや表示灯用としての所望の光拡散性能が得難い。
【0016】本発明に使用するメタクリル樹脂フィルム
を構成するメタクリル樹脂とは、メタクリル酸の各種エ
ステルを主成分とする重合体あるいは共重合体であり、
具体的にはメタクリ酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチル等の各種メタクリル酸エステルの単独
重合体や共重合体及びこれらのメタリクル酸エステルと
各種のアクリル酸エステル、アクリル酸、スチレン、α
−メチルスチレン等との共重合体である。
【0017】メタクリル樹脂フィルムは、公知の製造法
によって製造されたもので、例えばTダイ法、インフレ
ーション法などの押出し成型によって製造することがで
きる。フィルムの厚みとしては10〜300ミクロンで
あり、10ミクロン未満では押出し成型時やラミネート
時の加工性が悪い、又300ミクロンを越えるとコスト
が上がり好ましくない。
【0018】スチレン系樹脂にメタクリル樹脂フィルム
をラミネートすることにより耐光性は大幅に改良され
る。さらに耐光性を改良するためには、紫外線吸収剤や
ヒンダードアミン系光安定剤を添加しても良い。本発明
において使用される紫外線吸収剤とは、例えばベンゾト
リアゾー系化合物、ベンゾフェノンン系化合物、サリチ
ル酸フェニル系化合物等が挙げられる。
【0019】本発明において使用される光拡散剤とは、
ガラス、シリカ、炭酸バリウム、硫酸バリウム、石英、
水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化
チタン等の微粒子や、有機物としては種々の架橋ポリマ
ーが挙げられる。
【0020】また必要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、
染料、顔料を添加することができる
【0021】
【実施例】以下実施例によって本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるも
のでない。
【0022】実施例1〜2、 HIPSを10重量部、GPPSを45重量部、MS樹
脂−1(メタクリル酸メチル単位が30重量%、スチレ
ン単位が70%)を45重量部或いは、MS樹脂−2
(メタクル酸メチル単位が60重量%、スチレン単位が
30重量%)を45重量部ブレンドしV型タンブラーで
20分間混合した。その混合物を大阪精機(株)製40
mm単軸押出機を用いて220度で溶融混練し、ペレッ
トを作成した。そのペレットをプラ技研(株)65mm
単軸押出機を用いて、アダプター温度220度、ダイス
温度225度、ロール温度90度で成形するとともにシ
ートの片面に、メタクリル樹脂フィルムをラミネートし
た。成形したシートとメタクリル樹脂フィルとの接着性
及び耐光性の評価を行った。シートとメタクリル樹脂フ
ィルとの接着の評価方法として剥離強度を測定した。評
価の結果を表1に示す。
【0023】実施例3 実施例1〜2と同様に表1に示したような処方配合の樹
脂組成物及びシート成形品を作成し、成型したシートと
アクリルフィルとの接着性及び耐光性の評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0024】比較例1〜4 実施例1〜3と同様に表1に示したような処方配合の樹
脂組成物及びシート成形品を作成し、成型したシートと
アクリルフィルとの接着性及び耐光性、燃焼性の評価を
行った燃焼性、耐光性を評価した。その結果を表1に示
す。
【0025】実施例4〜7、比較例5〜7 実施例1〜3、比較例1〜4と同様に表2に示したよう
な処方配合の樹脂組成物を作成し、65mm単軸押出機
を用いて、表2に示したように押出条件を変えてシート
成形(シートの片面に、メタクリル樹脂フィルムをラミ
ネートしながら)を行った。その後、フィルムの剥離強
度の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0026】
【表1】
【表2】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリスチレン樹脂が10〜90重量部、ス
    チレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂(MS樹脂)が
    90〜10重量部からなるシート成形物に、10〜30
    0ミクロンの厚みのメタクリル樹脂フィルムをラミネー
    トしてなるスチレン系樹脂積層シート成形物。
  2. 【請求項2】ポリスチレン樹脂が、GPPS(ホモポリ
    スチレン)或いは、HIPS(ゴム強化ポリスチレン)
    或いは、GPPSとHIPSのブレンド物である請求項
    1記載のスチレン系樹脂積層シート成形物。
  3. 【請求項3】スチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂
    が樹脂中のメタクリル酸メチル単位が10〜70重量
    部、芳香族ビニル単位が30〜90重量である請求項1
    記載のスチレン系樹脂積層シート成形物。
  4. 【請求項4】シート成形物が、ポリスチレン樹脂が10
    〜90重量部、スチレン−メタクリル酸メチル共重合樹
    脂(MS樹脂)が90〜10重量部からなる樹脂組成物
    100重量部に対し含ハロゲン難燃剤が1〜30重量
    部、紫外線吸収剤を0.01〜1重量部からなる請求項
    1記載のスチレン系樹脂積層シート成形物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI398476B (zh) * 2006-07-25 2013-06-11 Nippon Steel & Sumikin Chem Co A light diffusing board resin composition and a light diffusion plate

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI398476B (zh) * 2006-07-25 2013-06-11 Nippon Steel & Sumikin Chem Co A light diffusing board resin composition and a light diffusion plate

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