JPH0634439U - パイプハウスのサイドフィルム張り機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 狭いスペースで簡単かつきれいにパイプハウ
スの側部にフィルムを張設することができるサイドフィ
ルム張り機を提供する。 【構成】 筒状に巻回された巻フィルムＲから引き出さ
れたフィルムＦをパイプハウスＨの側部に張設するため
のサイドフィルム張り機１であって、パイプハウスＨの
側部に沿って移動可能な台車２と、台車２から上方に延
出する支柱１０と、該支柱の上端側に上下方向に移動自
在なスライド支柱１５を介して設けられ巻フィルムＲの
上端部を回動可能に保持する第１保持部材１７と、台車
２の上面に設けられ巻フィルムＲの下端部を回動可能に
保持する第２保持部材１９とを備えている。なお、スラ
イド支柱１５は支柱１０の上端部に設けられた固定ネジ
１８によって固定される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、園芸等に用いられるパイプハウスの側部にフィルムを張設するため のサイドフィルム張り機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、園芸等に用いられるパイプハウスの側部にフィルムを張設するには、パ イプハウスの側部近傍で筒状に巻回された巻フィルムからフィルムをパイプハウ スの側部の長さ分だけ引き出し、次に、引き出されたフィルムでパイプハウスの 側部を覆い、その後、フィルム止め具によって該フィルムをパイプハウスの側部 のパイプに固定することにより、パイプハウスの側部にフィルムを張設していた 。

【０００３】 ところが、このようにすると、巻フィルムからフィルムをパイプハウスの長さ 分だけ引き出したとき、フィルムがくっつきやすい性質を有しているため、フィ ルム面どうしがくっついてシワが発生してしまう。このため、このシワを取り除 く作業に多大の手間を要する。

【０００４】 また、パイプハウスの側部へのフィルムの張設は、通常、野外で行われるため 、巻フィルムからフィルムをパイプハウスの側部の長さ分だけ引き出した際に風 が吹いたりすると、引き出されたフィルムが吹き飛ばされそうになる。このため 、引き出されたフィルムをパイプハウスの側部に覆う作業及びフィルム止め具に よって該フィルムをパイプハウスの側部のパイプに固定する作業が非常に面倒に なる。

【０００５】 さらに、パイプハウスの側部に他のパイプハウスが連設されている場合には、 巻フィルムからフィルムをパイプハウスの側部の長さ分だけ引き出す作業スペー スが狭くなって作業性が非常に悪くなるという問題がある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はかかる不都合を解消するためになされたものであり、狭いスペースで 簡単かつきれいにパイプハウスの側部にフィルムを張設することができるサイド フィルム張り機を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、かかる目的を達成するために、筒状に巻回された巻フィルムから引 き出されたフィルムをパイプハウスの側部に張設するためのサイドフィルム張り 機であって、前記パイプハウスの側部に沿って移動可能な台車と、該台車から上 方に延出する支柱と、該支柱の上端側に設けられ前記巻フィルムの上端部を回動 可能に保持する第１保持部材と、前記支柱の下端側に設けられ前記巻フィルムの 下端部を回動可能に保持する第２保持部材とを備えたことを特徴とするものであ る。

【０００８】 また、本考案は、前記第１保持部材を上下方向に移動自在に設け、かつ、前記 支柱と前記第１保持部材との間に、該第１保持部材を固定する固定手段を設けた ことを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】

本考案のパイプハウスのサイドフィルム張り機を用いてパイプハウスの側部に フィルムを張設するには、まず、軸線を上下方向に向けて配置された巻フィルム の上下端部をそれぞれ第１，２保持部材で回動可能に保持し、この状態でサイド フィルム作業機をパイプハウスの側部の横手方向の一端に配置する。

【００１０】 次に、巻フィルムの引き出し方向の先端部を例えば手で持ってこの状態でサイ ドフィルム張り機をパイプハウスの側部の他端側にパイプハウスの側部に沿って 所定距離移動させる。すると、巻フィルムから所定量のフィルムがパイプハウス の側部に沿って引き出される。

【００１１】 次に、引き出されたフィルムの上端部を例えばフィルム止め具等によってパイ プハウスの側部のパイプに固定する。固定した後、サイドフィルム張り機を再度 パイプハウスの側部の他端側にパイプハウスの側部に沿って所定距離移動させて 、巻フィルムから所定量のフィルムをパイプハウスの側部に沿って引き出す。こ のとき、フィルムはその上端部がすでにパイプハウスの側部のパイプに固定され ているため、上述したようにフィルムを手で持ったりする必要はない。

【００１２】 次に、上記同様にして引き出されたフィルムの上端部をパイプハウスの側部の パイプに固定する。以下、このような作業を繰り返してサイドフィルム張り機を パイプハウスの側部の他端までパイプハウスの側部に沿って移動させることによ り、パイプハウスの側部にフィルムが張設される。

【００１３】 また、第１保持部材を上下方向に移動自在に設け、かつ、支柱と第１保持部材 との間に第１保持部材を固定する固定手段を設けた場合には、第１保持部材の上 下方向の位置を調節することができ、従って、軸線方向の長さが異なる巻フィル ムであっても簡単に取り付けることができる。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１〜図５を参照して説明する。図１は本考案の実 施の一例であるパイプハウスのサイドフィルム張り機の全体斜視図、図２は図１ のＩＩ矢視図、図３は図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図、図４は巻フィルムをサイ ドフィルム張り機に取り付ける方法を説明するための説明図、図５は巻フィルム から引き出されたフィルムの上端部をパイプハウスの側部のパイプに固定した状 態を示す断面図である。

【００１５】 図１において符号１は筒状に巻回された巻フィルムＲから引き出されたフィル ムＦをパイプハウスＨの側部に張設するためのサイドフィルム張り機を示すもの である。このサイドフィルム張り機１は、パイプハウスＨの側部に沿って移動可 能な台車２を備えており、この台車２はフレーム３とフレーム３に車軸４を介し て回動可能に設けられた車輪５ａ，５ｂとから構成されている。

【００１６】 フレーム３は、水平方向に所定の間隔を以て平行配置された細長いパイプ６ａ ，６ｂを備えている。パイプ６ａ，６ｂの各左端部は、図３に示すように、共に 上方に折り曲げられて湾曲部７ａ，７ｂを形成しており、一方、各右端部は共に 右斜め上方に折り曲げられて同方向に延びる延出部８ａ，８ｂを形成している。 延出部８ａ，８ｂの先端部には、車軸４がその両端部を延出部８ａ，８ｂからそ れぞれ突出させて挿通配置されており、延出部８ａ，８ｂから突出した車軸４の 両端部には、それぞれ比較的大径の車輪５ａ，５ｂが回動可能に取り付けられて いる（図２参照）。このように比較的大径の車輪５ａ，５ｂを取り付けることに より、台車２の安定した移動を確保している。また、パイプ６ａ，６ｂの各中間 部は連結板９によって連結されており、この連結板９の左端部上面からは支柱１ ０が上方に延出している。

【００１７】 支柱１０は、細長い角パイプからなるものであり、その略中央部の車輪５ａ， ５ｂから離反する側面（左側面）にはハンドル１１が取り付けられている（図１ 参照）。ハンドル１１は左右方向に延びる細棒部材からなるものであり、その右 端部には、支柱１０の外周に嵌め込まれる凹状の嵌込部１２が形成されている。 嵌込部１２を支柱１０の外周に嵌め込んだ後、支柱１０を挟んで嵌込部１２と対 向配置された押え板１３をネジ１４によって嵌込部１２にネジ止めすることによ り、ハンドル１１が支柱１０に固定される。なお、ネジ１４を緩めると、ハンド ル１１は支柱１０を上下方向にスライド移動するようになっており、これにより 、ハンドル１１の上下方向の位置を調節することができ、従って、ハンドル１１ を作業者が持ちやすい位置に固定することができる。

【００１８】 支柱１０の上端部には、支柱１０より細い角パイプからなるスライド支柱１５ が上下方向に移動自在に嵌挿されている。スライド支柱１５の上端部の右側面か らは支持腕１６が右方向に延出している。支持腕１６の右端部には、巻フィルム Ｒの上端部を回動可能に保持する第１保持部材１７が設けられている。

【００１９】 第１保持部材１７は短尺な細棒部材からなるものであり、支持腕１６の右端部 下面から下方に延出している。そして、この第１保持部材１７は上記記載から明 らかなように、スライド支柱１５が上下方向に移動すると、スライド支柱１５の 移動に伴って同方向に移動し、スライド支柱１５を支柱１０の上端部左側面に設 けられた固定ネジ１８で固定すると、所定の位置に固定される。これにより、第 １保持部材１７の上下方向の位置を調節することができ、従って、軸線方向の長 さが異なる巻フィルムＲを簡単に取り付けることができる。なお、第１保持部材 １７の軸線延長線は、上述した連結板９の右端部に達しており、この連結板９の 右端部には、巻フィルムＲの下端部を回動可能に保持する第２保持部材１９が設 けられている。

【００２０】 第２保持部材１９は、円錐状に形成されたものであり、その頂き部には平坦面 が形成されている。この第２保持部材１９は連結板９の右端部上面に、その軸線 を第１保持部材１７の軸線に一致させた状態で回動可能に設けられている。

【００２１】 次に、上記サイドフィルム張り機１を用いてパイプハウスＨの側部にフィルム を張設する方法を説明する。なお、説明の便宜上、巻フィルムＲをサイドフィル ム張り機１に取り付ける方法から説明する。

【００２２】 まず、巻フィルムＲの上端部を第１保持部材１７に嵌め込んで第１保持部材１ ７を上方へ持ち上げる（図４において二点鎖線で示す。）。持ち上げた状態にお いては、巻フィルムＲの下端部は第２保持部材１９の上方に位置しており、従っ て、巻フィルムＲを下げることによって、巻フィルムＲの上下端部が第１，第２ ２保持部材１７，１９に回動可能に保持される。これにより、巻フィルムＲをサ イドフィルム張り機１に簡単に取り付けることができる。なお、サイドフィルム 張り機１から巻フィルムＲを取り外す場合は、巻フィルムＲを上方に持ち上げて 巻フィルムＲの下端部を第２保持部材１９から離脱させ、その後、巻フィルムＲ を若干傾けてその上端部を第１保持部材１７から抜き取ることにより、簡単にサ イドフィルム張り機１から巻フィルムＲを取り外すことができる。

【００２３】 而して、サイドフィルム張り機１を用いてパイプハウスＨの側部にフィルムＦ を張設するには、図１に示すように、巻フィルムＲの上下端部が第１，２保持部 材１７，１９に回動可能に保持された状態でサイドフィルム作業機１をパイプハ ウスＨの側部の横手方向の右端にフレーム３の湾曲部７ａ，７ｂを左方向（進行 方向）に向けて配置する。

【００２４】 次に、巻フィルムＲの引き出し方向の先端部を例えば手で持ってこの状態でサ イドフィルム張り機１をパイプハウスＨの側部の左端側にパイプハウスＨの側部 に沿って所定距離移動させる。すると、巻フィルムＲから所定量のフィルムＦが パイプハウスＨの側部に沿って引き出される。なお、サイドフィルム張り機１を 移動させる際には、パイプハウスＨの側部におけるサイドフィルム張り機１の走 行地面は柔らかい土等の場合が多いため、図３において二点鎖線で示すように、 車輪５ａ，５ｂの一部が走行地面に埋まってしまい、従って、車輪５ａ，５ｂが 小径のものだとフレーム３のパイプ６ａ，６ｂの下側部が走行地面に当たってサ イドフィルム張り機１のスムーズな移動が阻害される不都合が生じるが、上述し たように本実施例の車輪５ａ，５ｂは比較的大径のものを用いているため、この ような不都合をなくすことができる。また、フレーム３の湾曲部７ａ，７ｂが進 行方向に向けて配置されているため、走行地面に多少の凸凹があってもサイドフ ィルム張り機１をスムーズに移動させることができる。

【００２５】 次に、図５に示すように、引き出されたフィルムＦの上端部を、パイプハウス Ｈの側部に配置されたパイプＰを上方から覆うようにして内方に折り曲げ、その 後、折り曲げられた部分をフィルム止め具Ｔによって固定する。固定した後、ハ ンドル１１を手で持ってサイドフィルム張り機１を再度パイプハウスＨの側部の 左端側にパイプハウスＨの側部に沿って所定距離移動させて、巻フィルムＲから 所定量のフィルムＦをパイプハウスＨの側部に沿って引き出す。このとき、フィ ルムＦはその上端部がすでにパイプハウスＨの側部のパイプＰに固定されている ため、上述したようにフィルムＦを手で持ったりする必要はない。

【００２６】 次に、上記同様にして引き出されたフィルムＦの上端部をパイプハウスＨの側 部のパイプＰに固定する。以下、このような作業を繰り返してサイドフィルム張 り機１をパイプハウスＨの側部の左端までパイプハウスＨの側部に沿って移動さ せることにより、パイプハウスＨの側部にフィルムＦが張設される。

【００２７】 本考案は上記実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範 囲において適宜変更可能である。例えば、上記実施例では、二輪の台車２を採用 しているが、これに代えて、一輪又は三輪以上の台車を採用することも可能であ る。

【００２８】

【考案の効果】

上記の説明から明らかなように、本考案のパイプハウスのサイドフィルム張り 機によれば、パイプハウスの側部に沿って移動しながらフィルムをパイプハウス の側部に簡単に固定することができる。従って、従来のように、パイプハウスの 側部近傍で巻フィルムからフィルムをパイプハウスの長さ分だけ引き出す必要が ない。このため、狭いスペースで簡単かつきれいにパイプハウスの側部にフィル ムを張設することができる。

【００２９】 また、第１保持部材を上下方向に移動自在に設け、かつ、支柱と第１保持部材 との間に第１保持部材を固定する固定手段を設けた場合には、第１保持部材の上 下方向の位置を調節することができ、従って、軸線方向の長さが異なる巻フィル ムであっても簡単に取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の一例であるサイドフィルム張り
機の全体斜視図である。

【図２】図１のＩＩ矢視図である。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図である。

【図４】巻フィルムをサイドフィルム張り機に取り付け
る方法を説明するための説明図である。

【図５】巻フィルムから引き出されたフィルムの上端部
をパイプハウスの側部のパイプに固定した状態を示す断
面図である。

【符号の説明】

１…サイドフィルム張り機、Ｈ…パイプハウス、Ｒ…巻
フィルム、Ｆ…フィルム、２…台車、１０…支柱、１５
…スライド支柱、１７…第１保持部材、１８…固定ネ
ジ、１９…第２保持部材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】筒状に巻回された巻フィルムから引き出さ
   れたフィルムをパイプハウスの側部に張設するためのサ
   イドフィルム張り機であって、前記パイプハウスの側部
   に沿って移動可能な台車と、該台車から上方に延出する
   支柱と、該支柱の上端側に設けられ前記巻フィルムの上
   端部を回動可能に保持する第１保持部材と、前記支柱の
   下端側に設けられ前記巻フィルムの下端部を回動可能に
   保持する第２保持部材とを備えたことを特徴とするパイ
   プハウスのサイドフィルム張り機。
2. 【請求項２】前記第１保持部材を上下方向に移動自在に
   設け、かつ、前記支柱と前記第１保持部材との間に該第
   １保持部材を固定する固定手段を設けたことを特徴とす
   る請求項１記載のパイプハウスのサイドフィルム張り
   機。