JPH06344035A - 折曲げ機のバックゲージ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 頻繁な突当て部材の移動にかかわらず、この
突当て部材の移動に要する時間の短縮が図れ、作業能率
の向上に格段に貢献できる折曲げ機のバックゲージ装置
を提供する。 【構成】 下型２の後方の、左右方向に延伸されて前後
方向へ位置変更自在な支持部材19の一端に突当て部材32
を備えた一つの位置決め装置20が固定的に取付けられる
と共に、この支持部材19上にその長さ方向に沿って前記
一端から他端に往復動自在に設けられた摺動板材23上に
夫々突当て部材32を備えた複数の位置決め装置28，29が
所定の間隔を開けて固定的に取付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ウイングベンダーやプ
レスブレーキ等の折曲げ機全般に用いられるバックゲー
ジ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、一般に折曲げ機のバックゲージ装
置は、折曲げられるワークの長短に応じて自在にその前
後位置の位置決めをすることが要求される。そして、従
来のバックゲージ装置は、下型の後方に２つの位置決め
装置が設けられていて、その内の１つ01が固定的に設け
られ、他の１つ02がこの固定の位置決め装置01に対して
リード軸03を介して遠近移動自在に構成されて、ワーク
の長さに応じてこの他方の位置決め装置02が移動し、ワ
ークの左と右との端部近傍の２点位置に夫々その突当て
部材04，05を突き当てることによってワークの前後方向
の位置決めを行っていた（図５参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
バックゲージ装置は、長尺のワークでも短尺のワークで
もその長さに応じて他方の位置決め装置02をこのワーク
の長さに略等しい距離移動させねばならい構成となって
いたから、ワークの寸法が変わる度にこの他方の位置決
め装置02がワークの長さに略相当する距離を移動してい
た。殊に近年のように一つのラインにおいて種々寸法の
異なるワークを折曲げ加工する場合、この他方の位置決
め装置02も頻繁な往復動を余儀なくされ、その移動にか
かる時間が作業能率の低下を招いていた。

【０００４】そこで本発明は、この従来の欠点に鑑み、
種々検討された結果開発されたもので、頻繁な突当て部
材の移動にもかかわらず、この突当て部材の移動に要す
る時間の短縮が図れ、作業能率の向上に格段に貢献でき
る折曲げ機のバックゲージ装置を提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに請求項１に記載の発明は、左右方向に延伸された上
型と下型の協働によってワークの折曲げ加工を行う折曲
げ機において、下型の後方に、左右方向に延伸した支持
部材が前後方向へ位置変更自在に配設され、この支持部
材の一端に突当て部材を備えた一つの位置決め装置が固
定的に取付けられると共に、この支持部材上にその長さ
方向に沿って前記一端から他端に往復動自在な摺動部材
が設けられ、この摺動部材上に夫々突当て部材を備えた
複数の位置決め装置が所定の間隔を開けて固定的に取付
けられているものである。

【０００６】

【作用】以上のように構成された折曲げ機のバックゲー
ジ装置でワークの位置決めをするには、まず、ワークの
折曲げ線の前後方向の位置に対応させて支持部材を前後
方向の所定位置に位置させる。次いで、ワークの長短寸
法に応じて、支持部材に沿って摺動部材を移動させ、こ
の摺動部材上の複数の位置決め装置の内の一つをワーク
の端面の他方の端部に対向する位置にまで移動させる。
この時の摺動部材の移動距離は、前記固定の位置決め装
置との間隔がこのワークの寸法と最も近似の位置ある一
つの位置決め装置をワークの端面の他方の端部に対向す
る位置にまで移動させる量でよいことになる。

【０００７】具体的には、供給されたワークの端面が短
尺であれば、摺動部材上に取付けられた前記複数の位置
決め装置の内で固定の位置決め装置に最も近い側の一つ
をこのワークの端面の他方の端部に対向する位置にセッ
トする。逆に供給されたワークが長尺であれば、摺動部
材上に取付けられた前記複数の位置決め装置の内で固定
の位置決め装置に最も遠い側の一つをこのワークの端面
の他方の端部に対向する位置にセットする。更に、長短
中間の長さのものに対しては、その端面の他方の端部に
最も近い位置決め装置を移動させる。ただし、この場合
は摺動部材の移動寸法との関係によっても規制はされる
が、基本的には、上記の作動によって所望の位置に複数
の位置決め装置の一つをうまくセットできる。つまり、
従来のように一つの位置決め装置をワークの長いものの
端部から短いものの端部にわたって長い距離を時間をか
けて移動させる必要がなくなる。

【０００８】前記位置決めに際して、特に前後幅の短
い、つまり横細長なワークの場合、これらの位置決め装
置が主位置決めとして機能し、その前後方向の位置決め
ばかりでなく、端辺の平行度がうまく確定される。以上
のようにしてワークの前後方向の位置決めが完了した
ら、上型と下型との協働によって、所定の折曲げ線の沿
ってワークの端辺の折曲げが行われる。

【０００９】

【実施例】次に本発明の折曲げ機のバックゲージ装置を
ウイングベンダーに適用した場合の実施例を図面に基づ
いて説明する。図４は、本発明のバックゲージ装置がウ
イングベンダーに取付けらけている状態を示す背面図
で、基台１上面に下型２が設けられており、この基台１
の左右両側には左右フレーム３が上方に向けて立ち上げ
られ、この左右フレーム３の上端間にわたって、これら
左右のフレーム３の起立姿勢を保持するための横梁４が
架設されたている。また、左右フレーム３間にはラム５
がこの左右のフレーム３に上下方向摺動自在に架設され
る。更に、前記下型２の後面にはウイング型６が、この
基台１の左右に設けられた横支軸に上下揺動自在に支持
され、流体圧シリンダ７によって回動される。また、前
記ラム５は前記左右のフレーム３に沿って上下摺動自在
で、前記左右のフレーム３の上部内部に設けられた流体
圧シリンダ８によって、上下位置が制御され、更に、こ
のラム５の下面には上型９が取付けられている。

【００１０】バックゲージ装置10は、図１〜４に示され
るように、その台枠11がウイングベンダーの基台１の後
方に連結部材12を介して固定的に連結されていて、その
具体構造は以下の通りである。

【００１１】図１〜３に示されるように、前記台枠11の
上面に、左右方向に所定の間隔を開けて前後方向に沿っ
て２本の案内レール13が設けられ、この案内レール13上
に摺動台板14が、この案内レール13に嵌合された案内部
材15を介して、前後方向に摺動自在に載置され、この摺
動台板14は台枠11に設けられた電動機16から回動力を与
えられるリード軸17によって前後位置が制御される。18
は前記摺動台板14とリード軸17とを連結する連結部材で
ある。

【００１２】前記摺動台板14上には、左右方向に延伸さ
れた支持部材の一例である、角パイプからなる、支持フ
レーム19が取付けられていて、この支持フレーム19上の
長さ方向一端側に、一つの位置決め装置20が固設されて
いると共に、この支持フレーム上面には前記一端側の固
定の位置決め装置20近くから他端にわたってガイドレー
ル21が設けられ、このガイドレール21にガイド部材22を
介して、左右方向に摺動自在に摺動部材の一例である摺
動板材23が載置されると共に、この支持フレーム19の一
端側に設けられた電動機24から回動力を与えられ、且
つ、この支持フレーム19に内装されたリード軸25によっ
てこの支持フレーム19の長さ方向、即ちウイングベンタ
ーの左右方向に沿った方向、の位置が制御される。ま
た、前記支持フレーム19に内装のリード軸25と摺動板材
23とは連結部材26で連結される。この連結部材26は、支
持フレーム19の背面側壁に、この支持フレーム19の中間
部分からこの支持フレーム19の前記一端部にわたって、
穿設された長孔27を介して前記両者を連結する。

【００１３】前記摺動板材23にはその長さ方向両端に夫
々位置決め装置28，29が固定的に取付けられている。こ
れら両位置決め装置28，29の相対間隔は、この摺動板材
23が支持フレーム19の最他端側に寄った位置（図１）
で、前記固定の位置決め装置20と中間の位置決め装置2
8、つまり摺動板材23上に設けられる左右一対の位置決
め装置28，29の内の前記固定の位置決め装置20側に位置
する位置決め装置28、との間隔寸法と略等しい間隔に寸
法設定されている。

【００１４】前記夫々の位置決め装置20，28，29は、図
２に示されるように、基板30の前端に横軸31を介して、
先端が上下揺動自在にとなるように、基端が支持された
突当て部材32と、この突当て部材32の上下揺動を司るた
めに前記基板30上に取付けられた流体圧シリンダー33と
を備えていて、この流体圧シリンダー33のピストンロッ
ド34が突当て部材32の基端から上方に一体に立ち上げた
連結片32ａに連結され、このピストンロッド34の出退に
よって 突当て部材32の先端が上下に揺動される。

【００１５】尚、図中35は前記台枠11に取付けられた電
動機16の出力軸に取付けられた出力プーリー、36は前記
摺動台板14の前後動を司る前記リード軸17に取付けられ
たプーリー、37は前記両プーリー35，36間を伝動連結す
るためのベルト、また、38は前記支持フレーム17に取付
けられた電動機24の出力軸に取付けられた出力プーリ
ー、39は前記摺動板材23の左右動を司る前記リード軸25
に取付けられたプーリー、40は前記両プーリー38，39間
を伝動連結するためのベルトである。また、本発明に示
される折曲げ機並びにバックゲージ装置の作動はＮＣ制
御される。

【００１６】次に上記実施例に記載された具体構成の作
用を説明すると、まず、台枠11に設けられている電動機
16が作動され、リード軸17を介して摺動台板14が案内レ
ール13に沿って前方に、つまりウイングベンダーの下型
２に向かって、送り出され、これによってワークの折曲
げ線に対応させた支持フレーム19の所定位置が確定され
る。

【００１７】次に、長尺なワークが供給されている場合
は、前記支持フレーム19に設けられた電動機24が作動さ
れ、リード軸25を介して摺動板材23がガイドレール21に
沿って（つまりウイングベンダーの背面に平行な方
向）、図１上を右方に摺動し、支持フレーム19の他端側
最端部（右端）に迄送り出され（図１実線の状態）、こ
れによって摺動板材上の二つの位置決め装置28，29の内
で前記固定の位置決め装置20から最も離れた側の位置決
め装置29の長尺ワークの端面寸法に対応された所定位置
が確定される。つまり、前記固定の位置決め装置20から
最も離れた側の位置決め装置29を長尺ワーク用に移動さ
せるから、その移動距離は格段に少なくなり、作業能率
の格段の効率アップを図れる。

【００１８】また、先とは逆に短尺なワークが供給され
ている場合には、前記支持フレーム19に設けられた電動
機24が作動され、リード軸25を介して摺動板材23がガイ
ドレール21に沿って（つまりウイングベンダーの背面に
平行な方向）、図１上を左方に摺動し、支持フレーム19
の一端側固定の位置決め装置20に最も近づく位置まで
（左端）に迄送り出され、これによって摺動板材上の二
つの位置決め装置28，29の内で前記固定の位置決め装置
20から最も近い側の位置決め装置28（前記中間の位置決
め装置）の短尺ワークの端面寸法に対応された所定位置
が確定される。つまり、前記固定の位置決め装置20に最
も近い側の位置決め装置28を短尺ワーク用に移動させる
から、その移動距離は格段に少なくなり、作業能率の格
段の効率アップを図れる。

【００２０】次いで、前記のようにして位置決め装置の
位置が確定されたらワークの端面が、その一端部が前記
固定の位置決め装置20に、また他端部がその長短に応じ
て中間の位置決め装置28或いは前記最も遠い側の位置決
め装置29のいずれかに当接され、これによってワークの
前後位置が確定され、る。このワークの前後位置が確定
された後に、上型９が降ろされて下型２上にワークをし
っかりと押しつけ、次いでウイング型６が揺動され、所
定の折曲げ線に沿って折曲げが行われる。

【００２１】尚、前記位置決めに際して、特に前後幅の
短い、つまり横細長なワークの場合、これら固定の位置
決め装置20、そして前記固定の位置決め装置20側に位置
する位置決め装置28或いは前記固定の位置決め装置20か
ら最も離れた側の位置決め装置29が主位置決めとして機
能し、その前後方向の位置決めばかりでなく、端辺の平
行度がうまく確定される。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ワーク端面に沿った方向で、このワークの一端部に当接
される、位置が固定された、位置決め装置と、その他に
ワークの他端部に当接される複数個の位置決め装置とが
所定間隔を置いて並設され、前記その他の複数個の位置
決め載置がワーク端面に沿った方向で往復動自在に構成
されて、前記複数個の摺動される位置決め装置の内、前
記固定の位置決め装置との間隔が供給されるワークの寸
法と最も近似の位置にある一つをワーク端面の他端部に
対向する位置にまで移動させればよいので、ワークの長
短に応じた位置決め装置の移動に要する時間が格段に短
くなり、折曲げ作業の能率向上に大きく貢献でき、併せ
て特に横細長なワークでもその前後方向の位置決めばか
りでなく、端辺の平行度を容易に確定させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る折曲げ機のバックゲージ装置の要
部の平面図である。

【図２】本発明に係る折曲げ機のバックゲージ装置の要
部の側面図である。

【図３】本発明に係る折曲げ機のバックゲージ装置の要
部の正面図である。

【図４】本発明に係るバックゲージ装置を備えた折曲げ
機の背面図である。

【図５】従来の折曲げ機のバックゲージ装置の説明図で
ある。

【符号の説明】

２─下型、19─支持部材、20─固定の位置決め装置、23
─摺動部材、28，29─位置決め装置、32─突当て部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右方向に延伸された上型と下型の協働
   によってワークの折曲げ加工を行う折曲げ機において、
   下型の後方に、左右方向に延伸した支持部材が前後方向
   へ位置変更自在に配設され、この支持部材の一端に突当
   て部材を備えた一つの位置決め装置が固定的に取付けら
   れると共に、この支持部材上にその長さ方向に沿って前
   記一端から他端に往復動自在な摺動部材が設けられ、こ
   の摺動部材上に夫々突当て部材を備えた複数の位置決め
   装置が所定の間隔を開けて固定的に取付けられているこ
   とを特徴とする折曲げ機のバックゲージ装置。