JPH06343A - 中空糸膜束の製造方法 - Google Patents

中空糸膜束の製造方法

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JPH06343A
JPH06343A JP4201734A JP20173492A JPH06343A JP H06343 A JPH06343 A JP H06343A JP 4201734 A JP4201734 A JP 4201734A JP 20173492 A JP20173492 A JP 20173492A JP H06343 A JPH06343 A JP H06343A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、中空糸膜織物状シートと、熱接着性
帯状フィルムを同時に連続供給しながら巻き取ることに
より、端部で結束された円筒状又は円柱状の中空糸膜束
を連続的、効率的に製造する方法を供給することにあ
る。 【構成】中空糸膜束と熱接着性帯状フィルムを同時に加
熱ロールに連続供給し該シートの端面よりやや内側に該
帯状フィルムが熱接着されたシートを得、次いで、この
シートの帯状フィルム接着面を残してその外側端面を切
断した後、シートを加熱ロールに供給してシート端面部
の帯状フィルムで端面部の中空糸膜を熱接着させながら
巻取り、端部で結束された円柱状又は円筒状の中空糸膜
束を連続的に製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体、液体等の流体の
分離装置に用いられる分離膜モジュールの中空糸束を効
率良く連続的に製造する方法に関するものである。更に
詳しくは、本発明は、中空糸膜を織物状にした長尺のシ
ートを渦巻き状に巻き、端部で結束された円筒状又は円
柱状の中空糸束を製造する方法の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】中空糸膜を用いた分離膜モジュールの製
造方法については、すでに種々の方法が提案されている
が、一般的には、中空糸膜を束状にし、これを所定の長
さにカットして容器内に収納し、樹脂、接着剤等で中空
糸膜束端部を容器に固定することで製造される。その
際、あらかじめ中空糸膜束端部を樹脂等で仮封鎖した状
態で固定し固定後に固定部分を切断して中空糸膜束端部
を開口状態にする方法が採用されている。
【0003】しかし、従来の方法では中空糸膜束端部の
仮封鎖、固定、端部切断、中空糸膜束端部開口と製造工
程が複雑で効率が悪く、中空糸膜束端部の開口も不完全
なことが多く、問題を残していた。これら中空糸膜束及
びモシュールの問題点を解決するため、幾つかの製造方
法が提案されている。
【0004】例えば特開昭54−136579号公報に
は、中空糸膜を簾状に並べ、該中空糸膜両端部の長さ方
向に直交する形で、両端をテープ状定型シーラントで挟
み込むか、又はシーラントの穴に差し込んだ後、支持要
素上に、前記テープ状定型シーラントの各々が、互いに
密着する様スパイラル状に巻き込む方法が開示されてい
る。しかし、この方法では、シーラントで簾状の中空糸
膜両端部を挟み込む工程でシーラントを連続的に供給す
るのが難しく、またスパイラル状に巻き込んだ中空糸束
の結束部において結束強度が十分でないという難点があ
る。
【0005】特開昭60−28806号公報には、緯糸
として中空糸膜、経糸として合成繊維の糸等を用いて、
一定間隔で経糸帯域を形成させた簾状の織物を構成し、
中空糸膜に直交する方向で、両面接着性を有するテープ
状物を該経糸帯域に貼りつけ、円筒状物のフランジ部分
に該経糸帯域が位置する様巻取り、経糸部に隣接する部
分又はフランジ近傍部に樹脂を注入して固定した後、フ
ランジ部を切断して中空糸膜束を製造する方法が開示さ
れている。
【0006】特開昭57−53205号公報、特開昭6
2−57965号公報(特公平4−26886号公
報)、特開平2−172522号公報等には、連続した
中空糸膜の所定の幅で折り返し、該中空糸膜の少なくと
も両端部を中空糸膜に直交する形で鎖編みに織り、中空
糸膜シート状物を構成する方法が示されている。これら
の方法では中空糸膜シート状物を円筒状に巻取り、端部
を樹脂固定後、切断、開口して中空糸膜束を得ている。
【0007】また、特開平1−176405号公報に
は、中空糸膜を平行に配列し、該中空糸膜の長手方向の
一部分をこれらにほぼ直交するように粘着テープで固定
しシート状物を構成し、芯管に巻き取り、固定部を圧着
して固定部の中空糸膜の中空部を閉鎖した後、閉鎖部の
ほぼ中央部を切断して中空糸束を得る方法が開示されて
いる。
【0008】しかしながら、これら公報で提案の方法で
は、以下の様な点で不都合がある。中空糸膜シート状物
を巻き取った後に改めて、中空糸膜束の両端部を樹脂で
固定し、さらに切断、開口しなければならず、このよう
な煩わしい処理の割に中空糸膜束の中空部に樹脂が進入
することを完全に回避出来ない。このため製造工程上あ
まり効率的ではない面がある。なお、特開平1−176
405号公報の方法では、モジュール化の際に樹脂固定
し、切断して開口する工程が必要になる。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】前記したように従
来、分離膜モジュール用中空糸膜束の製造においては、
中空糸膜を束状としその端面を封止した後、液状樹脂等
で固定し、隔壁の形成を行い、中空糸膜の開口をする方
法が一般的に用いられている。この方法では中空糸膜束
の、形成、両端部の仮封鎖、中空糸膜束の固定、中空糸
膜束の開口と工程が多く、製造における連続的な機械
化、自動化が困難であった。
【0010】また、前述したように、製造工程の連続
化、効率化を目指して種々の製造方法が開示されている
が、製造工程の自動化、中空糸膜束端部の開口等まだ問
題を残している。
【0011】本発明は、従来の難点が改良された中空糸
膜束の製造方法を提供せんとするものである。本発明に
よると、中空糸膜を織物状シートにすることにより連続
的な供給を可能とし、同時に熱接着性帯状フィルムを織
物状シート上に連続的に供給し、加熱ロールで溶着させ
ながら、それらの円筒状に巻き込むことにより、中空糸
膜束の製造を連続的に機械化、自動化させることが可能
である。又、中空部の仮封鎖、開口工程は織物状シート
の加熱ロール供給直前にその端面を連続的にカットする
ことにより省略させることができる。本発明により中空
糸膜束の製造工程が著しく簡素化され、かつ製造工程の
機械化、自動化により大幅なコストダウンと品質の安定
化を図ることが可能である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、中空糸膜を織
物状にした長尺のシートを渦巻き状に巻き、端部で結束
された円筒状又は円柱状の中空糸膜束を製造する方法に
おいて、(1)中空糸膜の織物状シートを加熱ロールに
供給すると同時に熱接着性帯状フィルムをシートの長手
方向と平行になるように該ロールに供給して該シートの
端面よりやや内側に帯状フィルムが熱接着されたシート
を得、(2)次いで、このシートの帯状フィルム接着面
を残してその外側端面を切断した後、(3)シートを加
熱ロールに供給してシート端面部の帯状フィルムで端面
部の中空糸膜を熱接着させながら巻取り、中空糸膜束の
端部に結束部を形成させることを特徴とする中空糸膜束
の製造方法に関するものである。
【0013】本発明において、中空糸膜は、加熱ロール
に通し端面部の中空糸膜を熱接着する際に著しく変形し
ないものであれば、高分子系中空糸膜、無機系中空糸膜
のいずれでも使用できる。高分子系中空糸膜の具体例と
しては、ポリサルフォン、酢酸セルロース、ポリイミ
ド、ポリジメチルシロキサン、芳香族ポリアミド、ポリ
プロピレン、ポリベンツイミダゾール、ポリアミン、ア
クリロニトリル系共重合体等の中空糸膜が挙げあれる。
また、無機系中空糸の具体例としては、炭素、セラミッ
ク、ガラス等の中空糸膜が挙げられる。
【0014】中空糸膜の形状としては、その外径が50
μm〜2mm、好ましくは、50μm〜500μmの中
空糸膜が好適に使用される。
【0015】中空糸膜は、織物状に加工して長尺のシー
トにする。その際、中空糸膜に大きな張力及び接触圧が
かからない様な方法、織り構造で織れば、どのような方
法で織っても差し支えないが、中空糸膜束にしたときに
膜束の端部に中空糸膜の開口が位置するように織ってシ
ートにする。好適には、中空糸膜を緯糸として中空糸膜
がほぼ平行に並んだ簾状(畳状)に織って長尺のシート
にしたものが使用される。なお、経糸としては、天然繊
維、合成繊維等の糸が適宜使用される。また簾状に中空
糸膜を平行に並べ、該中空糸膜の端部またはその他の部
分何箇所かを固定、結着させてシートにしてもよい。
【0016】本発明において、熱接着性帯状フィルム
は、中空糸膜を構成する物質よりも融点が低くかつ中空
糸膜の材質と熱接着性の良い物であれば、特に制限され
ないが、一般にはホットメルト型熱可塑性フイルムのテ
ープが好適に使用される。
【0017】熱接着性帯状フィルムの厚さは、中空糸膜
同士を熱接着させることができれば特に制限されない
が、厚さが中空糸膜の外径の0.5〜4倍、好ましくは
1〜2倍のものが好適に使用される。フイルムの厚さを
変えることによって中空糸束内の中空糸膜の充填率、結
束部の大きさや強度を自由に調節することができる。
【0018】ホットメルト型熱可塑性フイルムの具体例
としては、エチレン酢酸ビニール共重合体、ポリエチレ
ン、アタクチックポリプロピレン、ポリアミド、共重合
ナイロン、ポリエステル等をベースとしフイルムを挙げ
ることができる。フィルム巾は目的とする中空糸膜束の
長さ、径、充填率等によっても異なるが、一般には中空
糸膜束の径に対し、1/2倍〜2倍程度の巾から適宜選
択される。
【0019】中空糸膜の織物状シートは、これを加熱ロ
ールに供給すると同時に、熱接着性帯状フィルムをシー
トの長手方向と平行になるようにこの加熱ロールに供給
してシートの上に熱接着性帯状フィルムを熱接着させ
る。熱接着させる位置は、目的とする膜束の径、シート
幅等によっても異なるが、シートの端面よりやや内側、
一般には0.5〜10cm,好ましくは1〜5cm内側
にする。フイルムがシートの最先端面まで熱接着されて
いると、後の切断工程でカッター等での切断や連続化に
困難を伴う。またフイルムは、シートの端面よりやや内
側であれば、片端面でも、両端面に熱接着しても良い。
【0020】中空糸膜の織物状シートと熱接着性帯状フ
ィルムの熱接着においては、シート下面より加熱ロール
で、シートを、該帯状フィルムの融点以上に加熱すると
同時に、帯状フィルム上部よりローラ等で荷重をかけ、
溶融した帯状フィルムをシート内に浸透させ、シート下
面に到達するように熱接着させるのが好ましい。加熱ロ
ールに供給するさいシートの下面からシートに熱風等を
あててもよい。また荷重をかける際は中空糸膜の変形が
10%以内となる荷重であることが望ましい。
【0021】帯状フィルムが熱接着されたシートは、一
般には冷却のロールを通し、次いで帯状フイルム接着面
を残して、その外側を例えばカッター等で連続的に切断
する。前述したように、シートの端面よりやや内側に熱
接着させておくことによって容易に切断でき、連続化が
可能である。また帯状フイルム接着面を残して切断する
際、境界面で切断してもよいが、境界面よりやや外側を
切断するのが好ましい。
【0022】次いで、帯状フイルム接着面を残して切断
されたシートは、加熱ロールに送られ、シート端面部の
帯状フイルムで端面部の中空糸膜を熱接着させながら巻
き取る。巻取りによって、端部において中空糸膜の隙間
を埋めてシート同士が密着し、端部に結束部を有する円
筒状又は円柱状の、中空糸膜が端部で開口した中空糸膜
束が得られる。
【0023】この加熱ロールで加熱する場合は、先の工
程と同様、シートに熱接着している帯状フィルムの融点
以上の加熱すると同時に、帯状フィルム上部よりローラ
等で荷重をかけ、溶融した帯状フィルムをシート内に浸
透させ、中空糸膜を熱接着させながら巻き取るのが好ま
しい。また加熱ロールに供給するさいシートの下面から
シートに熱風等をあててもよい。
【0024】また、本発明において、中空糸膜の織物状
シートに続けて離型紙のシートを繋いでおくと、中空糸
膜の織物状シートにつずいて離型紙のシートと共に熱接
着性帯状フィルムが送られるので、前記巻取り工程の前
で離型紙を剥がしながら巻き取ることによって、中空糸
膜束の結束部外周に熱接着性帯状フィルムだけが積層一
体化した鍔部を有する、中空糸膜が端部で開口した中空
糸膜束が容易に得られ、端部の結束強度も一段と向上す
るだけでなく、モジュウール化の際の容器への固定及び
シールも容易になる。熱接着性帯状フィルムだけが積層
一体化した鍔部を形成させる方法としては、一度鍔部の
ない中空糸膜束を得た後、中空糸膜の織物状シートの代
わりに離型紙を使用して前述の工程を繰り返す方法で鍔
部を形成させることができる。
【0025】次に実施例を示し図面に従って本発明を説
明する。
【実施例】ポリイミド中空糸膜(内径280μ、外径4
00μ)を緯糸とし、テトロン糸(40デニール)を経
糸として、レピア式織機(図示せず)により、経糸間隔
8mmで平織の織物状シートを構成した(42本/イン
チ)。 この中空糸膜織物状シート4を幅300mmに
切断し、紙管に巻き中空糸織物状シート供給ロール3に
セットした。熱接着性帯状フィルムとして、幅30m
m、厚さ600μの共重合ナイロンフィルム2を熱接着
帯状フイルム供給ロール1にセットした。ここで、2本
の帯状フィルムの内側の幅が200mmとなるようにセ
ットした。
【0026】駆動用のロール5と押さえ用のロール6に
より中空糸膜織物状シート4と熱接着性帯状フィルム2
を同時に送り速度5mm/secで送り込み、ロール7
を通じて150℃に加熱された加熱ロール10により織
物状シート下部より加熱し、織物状シートの端面から1
センチ内側に帯状フィルム2を熱接着させた。この時、
ロール8で200g/cmの荷重をかけ、溶融した帯
状フィルム2が中空糸膜の隙間に入る様に圧着した。
【0027】次いで、この織物状シートの、帯状フィル
ム接着面を残して、境界面より0.5センチその外側端
面を端面カットナイフ9で切断した。カットされた端部
はロール12で巻き取らせた。
【0028】加熱ロール10と同様に、170℃に加熱
された加熱ロール11により、織物状シートに熱接着し
た帯状フィルムを再び溶融し、同時にロール13で加圧
しながら、ロール16で巻き取ることにより、中空糸膜
が帯状フィルム面に包みこまれるようにした。中空糸膜
を包み込んだ帯状フィルムは水冷式の冷却用のロール1
4によりただちに冷却され、固化した。
【0029】この様にして、両端部が結束された中空糸
膜束を形成させた。なお、本実施例では、最初、中空糸
膜織物状シート4の代わりに離型紙を用い紙管の代わり
に径10mmのアルミパイプを用いロール3にセットし
て熱接着性帯状フィルムをロール3、5に供給し、ロー
ル14上で離型紙を連続的に除去し、離型紙をロール1
5で巻取り帯状フィルム2のみを芯管に巻き付けること
により厚さ2mmの、帯状フィルム2だけを熱接着・積
層した層を形成させ、次いでその上に中空糸膜織物状シ
ート4を前記のように巻付け、中空糸膜束全体の径が3
8mmになるまでおこなった。またその後、巻き始めと
同様に、中空糸膜束の結束部の外周に、帯状フィルム2
だけを熱接着・積層させて、厚さ2mmの層を形成さ
せ、図2に示す様な両端部に鍔部18を有する中空糸膜
束17を得た。
【0030】この中空糸膜束は、これをモジュール容器
に組み込み、中空糸膜束の結束部の所で、オーリングシ
ールした。
【0031】
【発明の効果】本発明のように、中空糸膜織物状シート
と熱接着性帯状シートを同時に加熱ロールに供給し、該
シートの端面よりやや内側に帯状シートを熱接着し、次
いでこのシートの帯状フィルムの接着面を残してその外
側端面を切断し、その後シートと端部の帯状フィルムを
熱接着しながら巻取ることで、中空糸膜束を連続的に製
造することが可能となる。特に、製造工程のなかでシー
ト端面をカットできるので、中空部の仮封鎖、中空糸膜
束端部固定、同端部切断による開口作業等の煩わしい処
理工程を簡略化することができる。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の端部に結束部を形成させた中空糸膜束
の製造工程の1実施例を示す概略工程図である。
【図2】本発明の端部に結束部を形成させた鍔部を有す
る中空糸膜束である。
【符号の説明】
1.熱接着性帯状フィルム供給ロール 2.熱接着性帯状フィルム 3.中空糸膜織物状シート供給ロール 4.中空糸膜織物シート 5.ロール 6.ロール 7.ロール 8.ロール 9.端面カットナイフ 10.加熱ロール 11.加熱ロール 12.ロール 13.ロール 14.ロール 15.ロール 16.ロール 17.中空糸膜束

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空糸膜を織物状にした長尺のシートを渦
    巻き状に巻き、端部で結束された円筒状又は円柱状の中
    空糸膜束を製造する方法において、 (1)中空糸膜の織物状シートを加熱ロールに供給する
    と同時に熱接着性帯状フィルムをシートの長手方向と平
    行になるように該ロールに供給して該シートの端面より
    やや内側に帯状フィルムが熱接着されたシートを得、 (2)次いで、このシートの帯状フィルム接着面を残し
    てその外側端面を切断した後、 (3)シートを加熱ロールに供給してシート端面部の帯
    状フィルムで端面部の中空糸膜を熱接着させながら巻取
    り、中空糸膜束の端部に結束部を形成させることを特徴
    とする中空糸膜束の製造方法。
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