JPH06343481A - ジグリセリドの製造法 - Google Patents

ジグリセリドの製造法

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JPH06343481A
JPH06343481A JP5154516A JP15451693A JPH06343481A JP H06343481 A JPH06343481 A JP H06343481A JP 5154516 A JP5154516 A JP 5154516A JP 15451693 A JP15451693 A JP 15451693A JP H06343481 A JPH06343481 A JP H06343481A
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JP
Japan
Prior art keywords
diglyceride
glycerin
lipase
fats
oils
Prior art date
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Pending
Application number
JP5154516A
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English (en)
Inventor
Katsuyoshi Kawahara
勝義 川原
Kaoru Kawabata
薫 川端
Tsuneo Yamane
恒夫 山根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riken Vitamin Co Ltd
Original Assignee
Riken Vitamin Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温履歴を経ない高品質のジグリセリドを高
濃度で複雑な工程なしで製造する。 【構成】 所定割合の油脂とグリセリンとをグリセロリ
シス反応を進行させしかも遊離脂肪酸の生成しにくいリ
パーゼの存在下に反応させジグリセリドを製造する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リパーゼを用いてジグ
リセリドを製造する方法に関する。さらに詳しくは、油
脂とグリセリンとを特定のモル比、特定のリパーゼの存
在下に、特定の反応温度により、高濃度のジグリセリド
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ジグリ
セリドは、基材として、包装、食品、化粧品、医薬品な
どの分野で利用されている。ジグリセリドの製造は、通
常グリセリンと油脂とのグリセロリシス反応による方法
やグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応による方法が
一般的である。工業的製法として最も代表的に行なわれ
ているのは、グリセロリシス反応である。例えば、グリ
セリンと油脂を触媒存在下に 230〜250 ℃、30〜60分で
反応を行っている。
【0003】このようにして得られる反応生成物には、
ジグリセリドの他にモノグリセリド、トリグリセリド、
グリセリンが含まれている(例えばグリセリン/モノグ
リセリド/ジグリセリド/トリグリセリド=12/52/31
/5(%))。
【0004】ジグリセリドを高濃度で得るためには、分
子蒸留などの処理が必要である。しかし、分子蒸留など
の処理によっても、ジグリセリドとトリグリセリドを生
産性よく分離することは、容易でない。また、これらの
工程は複雑な反応、蒸留工程、高真空維持、高温操作を
必要とするため製造コストが高くかつ高温による品質へ
の影響が避け難いという欠点がある。
【0005】本発明の目的は、高温履歴を経ていない高
品質のジグリセリドを高濃度で複雑な工程を経ずに製造
する方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】昨今では、低温でかつ簡
単に反応できるメリットからリパーゼ触媒の検討が盛ん
であり、特開昭62-19090号公報、特開昭64-71495号公報
なども例示することができるが、いずれも工業的観点か
らは、有機溶媒使用、複雑な工程など必ずしも満足でき
るものではない。このような状況下で本発明者らは、油
脂とグリセリンとを特定のモル比、特定のリパーゼの存
在下に特定の温度で反応させることにより、シグリセリ
ドを高濃度で得られることを見い出し、本発明を完成し
た。即ち、本発明は、炭素数C6 〜C22の脂肪酸を主構
成脂肪酸とする油脂とグリセリンとを特定のモル比、特
定のリパーゼの存在下に特定の温度で反応させることを
特徴とするジグリセリドの製造法に関するものである。
以下、本発明を詳述する。
【0007】本発明で用いる油脂としては、一般的な動
植物油脂を挙げることができる。例えば菜種油、綿実
油、パーム油、大豆油、牛脂、ヤシ油、中鎖トリグリセ
リドなどを挙げることができる。さらに、これらの硬化
油脂、加工油脂、分別油脂も利用できる。
【0008】本発明で用いるリパーゼは、シュードモナ
ス フルオレッセンス(Pseudomonusfluorescens)、ク
ロモバクテリウム ビスコーザム(Chromobacteriumvis
cosum)、アルスロバクター ウレアファシェンス(Art
hrobacterureafaciens)などを生産菌とするリパーゼを
使用することができる(特公平4-12710 号公報)。該リ
パーゼは、グリセリンと油脂の系の中で遊離のままで使
用できる。また、各種担体(セライト、ケイソウ土、シ
リカゲル、イオン交換樹脂など)に保持させた固定化リ
パーゼ製剤としても使用できる。
【0009】本発明において、油脂とグリセリンのモル
比は、油脂1モルに対し 0.2モル以上のグリセリンであ
る。好ましくは、油脂1モルに対し 0.5〜4モルで反応
を行なう。グリセリンの量がこの範囲より少なすぎると
グリセリンの量が不足して遊離脂肪酸が多くなり、製造
するジグリセリド含量が上昇しない。また逆に多すぎる
と無作用のグリセリンが増加し効率的でない。
【0010】また本発明において、反応温度は多段階の
温度で規定される。ジグリセリドの収率や作業性などか
ら、3〜4段階の温度変化が好ましい。即ち、油脂とグ
リセリン及びリパーゼから成る混合物を多段階の温度で
変化させた時、ある温度では、遊離脂肪酸が生成しやす
くなったり、また、ある温度ではジグリセリドあるいは
モノグリセリド合成の方向へシフトしたりする。本発明
では、多段階の温度コントロールにより遊離脂肪酸、モ
ノグリセリド、トリグリセリドを極力生成させずに高濃
度のジグリセリドを得ることができた。
【0011】本発明のより具体的な方法は、以下に示す
通りである。即ち、油脂、グリセリン(水分2〜4重量
%)、リパーゼ(油脂1重量部に対し 1,000〜10,000 u
nits)から成る混合物を油脂の融点よりやや高い温度で
攪拌し、次に多段階で温度を変化させて、ジグリセリド
合成の方向に反応をシフトさせる。反応終了物より、リ
パーゼをろ別し、そのまま利用することもできる。さら
に未反応のグリセリン及びモノグリセリドを分子蒸留な
ど従来の分離、精製手段により容易に除去することもで
きる。また、分離したリパーゼは、繰り返し反応に用い
ることができる。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例と比較例をもって説
明するが本発明は、これらの実施例に限定されるもので
はない。
【0013】(実施例1)グリセリン51gをステンレス
製タンクに入れ、シュードモナス フルオレッセンス産
生リパーゼ15gを加え、攪拌機で10分間攪拌してリパー
ゼとグリセリンを十分に混合した。次に予め溶解してお
いたパーム極度硬化油1508gをタンクに加え、65℃で
0.5時間攪拌した。次に温度を60℃に下げ2時間攪拌し
た。その後55℃で2時間、50℃で3日間反応を続け反応
終了物を得た。反応終了物の油分組成(%)を以下の分
析方法により求めた。
【0014】(分析方法)反応終了油約 200mgにクロロ
ホルム 3.0mlを加えて浸とうし、1時間以上放置して反
応を停止させた。その後、水で数回洗浄することによっ
て、グリセリン、リパーゼを除去し、油分を含むクロロ
ホルム溶液を得た。クロロホルムを留去後、油分組成
(%)を高速液体クロマトグラフィーにより求めた。
【0015】実施例1の反応方法及び分析結果を表1に
示した。以下、実施例2〜実施例6、及び比較例1〜比
較例4も実施例1と同様の操作を行なった。これらの結
果を表1及び表2に示した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】本発明は、高温履歴を経ていない高品質
のジグリセリドを高濃度で複雑な工程を経ずに製造する
ことができ、工業的製法として提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数C6 〜C22の飽和もしくは不飽和
    脂肪酸を主構成脂肪酸とする油脂とグリセリンとを特定
    のモル比、特定のリパーゼの存在下に特定の温度で反応
    させることを特徴とするジグリセリドの製造法。
  2. 【請求項2】 油脂とグリセリンのモル比が、油脂1モ
    ルに対し 0.2モル以上のグリセリンであり、リパーゼが
    グリセロリシス反応を進行し、かつ遊離脂肪酸が生成し
    にくいリパーゼである請求項1記載のジグリセリドの製
    造法。
  3. 【請求項3】 反応温度が多段階の温度で規定される請
    求項1又は2記載のジグリセリドの製造法。
JP5154516A 1993-06-02 1993-06-02 ジグリセリドの製造法 Pending JPH06343481A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000003031A1 (fr) * 1998-07-09 2000-01-20 Kao Corporation Procede de production d'un glyceride partiel

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000003031A1 (fr) * 1998-07-09 2000-01-20 Kao Corporation Procede de production d'un glyceride partiel
US6337414B1 (en) * 1998-07-09 2002-01-08 Kao Corporation Process for producing partial glyceride

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Effective date: 20040114