JPH0634322Y2 - ニットインガーター - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ガーターストッキングやハイソックス等にお
けるニットインガーターに関するものである。

〔従来の技術〕

第１図（イ）又は第１図（ロ）に示す如く、ストッキン
グ１やハイソックス１′等には着用時のズレ落ち防止の
ためにゴム糸を編み込んでガーター部分２、２′を編成
した、所謂、ニットインガーターが設けられている。

従来、このニットインガーター２としては、例えば第５
図に示す如く、ストッキング等の本体を構成する他の糸
３とともに各コース毎にゴム糸４をゴム編みでプレーン
に編み込んだものや、又は第６図に示す如く、各コース
におけるゴム糸４を一目置きにループ編成してなるもの
がある。

〔考案が解決しようとする課題〕 しかし、上記のような従来のニットインガーターの編成
においては、ストッキング１等の着用時にこのニットイ
ンガーター２部分が紐状に丸まってしまい、はいていて
痛みを感じることがある。これは第５図、第６図のよう
な従来の編成では、各コースにおけるゴム糸４のループ
が同一編成となっているため、これが着用時に横方向へ
引っ張られるとニットインガーター２は全体に縦方向へ
丸まって紐状となってしまうためである。そこで、この
丸まりを防止するためにニットインガーター２の寸法を
大きくして丸まっても痛くないだけの寸法とすることが
考えられるが、こうするとストッキング等がズレ落ちて
弛んでしまったり、又、ニットインガーターの組織編成
上で非常に無理がきて生産性が極端に低下してコスト面
での上昇を招く結果となる。加えて、このようにニット
インガーター２部分が丸まることにより、ストッキング
等のファッション性が損なわれる、という問題もあっ
た。

本考案は上記の点に鑑み、ガーターストッキング、ハイ
ソックス等のニットインガーターとして、着用時にソフ
ト感があり、且つ紐状に丸まって痛みを感じるようなこ
ともなく、しかもファッション性にも優れたニットイン
ガーターを提供せんとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係るニットインガーターは上記の目的を達成す
るために、下記の如く構成してなる。

即ち、ストッキング等の本体を構成する糸とゴム糸とで
ゴム編みにて編成してなるニットインガーターにおい
て、ガーター部分の各コースにおけるゴム糸のループ編
成数を互いに変化させる。

更には、ストッキング等の本体を構成する糸とゴム糸と
でゴム編みにて編成してなるニットインガーターにおい
て、ガーター部分の各コースにおけるゴム糸のループ編
成位置をコース毎に互いに移行させるとともに、各コー
スにおけるゴム糸のループ編成数を互いに変化させる。

〔作用〕

本考案に係るニットインガーターは上記の如く構成して
なり、ゴム編みに編成されたニットインガーター部分の
各コースにおけるゴム糸のループ編成数を変化させ、更
には前記ループ編成位置をコース毎に互いに移行させる
ことにより、ニットインガーター全体における横伸び、
縦伸びが不均一となり、着用時の丸まりが防止される。

〔実施例〕

以下、図面に示した実施例に基づき本考案を更に詳細に
説明する。

本考案に係るニットインガーターは、例えば第１図
（イ）に示すストッキング１や、又は第１図（ロ）に示
すハッソックス１′等に設けられるものであり、このニ
ットインガーター２は、例えばストッキング１の本体を
編成してなるナイロン等の糸３と、例えばスパンデック
スあるいはナイロンカバリング糸４とをゴム編みして編
成される。そして、本考案においては、このニットイン
ガーター２における各編成コースのゴム糸のループ編成
数を変化させ、更にはコース毎のゴム糸のループ編成位
置を移行させるとともにその数を変化させることで、ニ
ットインガーター２部分における横伸び、縦伸びを不均
一としてニットインガーター２の丸まりを防止してなる
ものである。このように、ニットインガーター２におけ
る各コースのゴム糸のループ編成位置を移行させ、又、
ゴム糸のループ数を変化させることでこのニットインガ
ーター２部分には第２図の如く絞り柄、或いは縄目状の
柄組織が構成される。

そして、第３図に示したものは、本考案に係るニットイ
ンガーター２の好ましい編成例を示すものであり、スト
ッキング１本体を構成するナイロン糸３と、スパンデッ
クスあるいはナイロンカバリングしたゴム糸とをゴム編
みして編成してなり、図例のものでは、第１コース
（Ａ）におけるゴム糸4Aに一定間隔を隔ててループ4a・
・を設け、第２コース（Ｂ）のゴム糸4Bにおいては前記
第１コース（Ａ）におけるループ4aの両側位置にそれぞ
れループ4b,4bを設け、第３コース（Ｃ）のゴム糸4Cに
おいては前記第２コース（Ｂ）におけるループ4b・・を
横方向に移行したループ4c・・を設け、更に第４コース
（Ｄ）のゴム糸4Dにおいては前記第１コース（Ａ）にお
けるループ4a・・・を移行させた状態にループ4dを設け
てなり、第５コース（Ｅ）以下においては、上記第１コ
ース（Ａ）〜第４コース（Ｄ）におけるゴム糸と同じ編
成を繰り返して構成してなる。

上記のように、第１コース（Ａ）及び第４コース（Ｄ）
と、第２コース（Ｂ）及び第３コース（Ｃ）における各
ゴム糸４のループ編成数を変化させる、又、各コースに
おけるループ位置を移行させることにより、ニットイン
ガーター２部分における横方向及び縦方向のループ編成
を不均一とし、もって第２図の如くニットインガーター
２部分に柄模様が構成され、ニットインガーター２の横
伸び、縦伸びが不均一となってニットインガーター２の
丸まりが防止されるのである。しかも、このニットイン
ガーター２は、第２図の如き柄模様が入ることにより、
着用時にソフト感があり全く痛みを感じさせず、又、寸
法を大きくしても置寸を小さくできるのでズレ落ちるこ
ともない。加えて、ニットインガーター２部分の柄組織
によりファッション性が向上する。

本考案に係るニットインガーターは、上記の如くニット
インガーターを構成する各コースのゴム糸のループを、
ニットインガーターの横方向及び縦方向において移行さ
せ、又はその数を変化させることよりにより、ニットイ
ンガーター全体における横伸び、縦伸びを不均一として
着用時の丸まりを防止してなるものであり、このような
ニットインガーターの編成方法としては、上記第３図の
ものに限定されるものではなく、例えば、第５図の如
く、各コースにおけるループ4a、4b、・・の位置を互い
に移行させるとともに、各コース内のループ編成数を変
化させることでも横伸び、縦伸びを不均一としてニット
インガーター２の丸まりを防止することができ、このゴ
ム糸４のループ編成パターンは、ニットインガーター２
における横伸び、縦伸びを不均一とする、という本考案
の目的を達成しうる範囲内で各種の態様とすることが可
能である。

尚、本考案に係るニットインガーターは、図面に例示し
たストッキングやハイソックス等の履物以外に、例えば
パンティストッキング、パンツ、ズボン等のウエストゴ
ム部分、更にはシャツの袖口等にも応用しうるものであ
る。

〔考案の効果〕

上記の如く、本考案によれば、着用感がソフトで、スト
ッキング等におけるニットインガーターが着用時に紐状
に丸まって着用者に痛みを感じさせることを防止しうる
とともに、ストッキング等のズレを確実に防止でき、し
かもファッション性に優れるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図（イ）は本考案に係るニットインガーターを用い
てなるストッキング、同じく（ロ）はハイソックスの使
用状態説明図、第２図は本考案に係るニットインガータ
ーを用いてなるストッキングの置いた状態を示す平面
図、第３図は本考案に係るニットインガーターの編成状
態の１例を示す拡大図、第４図は本考案に係るニットイ
ンガーターにおけるゴム糸のループ編成例の他実施例を
示す説明図、第５図、第６図は従来のニットインガータ
ーの編成状態説明図である。 1:ストッキング、2:ニットインガーター、3:ナイロン
糸、4:ゴム糸。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ストッキング等の本体を構成する糸とゴム
   糸とでゴム編みにて編成してなるニットインガーターに
   おいて、 ガーター部分の各コースにおけるゴム糸のループ編成数
   を互いに変化させてなることを特徴とするニットインガ
   ーター。
2. 【請求項２】ストッキング等の本体を構成する糸とゴム
   糸とでゴム編みにて編成してなるニットインガーターに
   おいて、 ガーター部分の各コースにおけるゴム糸のループ編成位
   置をコース毎に互いに移行させるとともに、各コースに
   おけるゴム糸のループ編成数を変化させてなることを特
   徴とするニットインガーター。