JPH0634219U - ガス絶縁変圧器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガス絶縁変圧器の低圧、高圧巻線間の絶縁構
成を微少ガスギャップのない構成にして絶縁上の信頼性
を高める。 【構成】 高圧巻線１と低圧巻線２の間の、ダクトピ−
ス５、絶縁筒６を下部静電リング３、４より上で、ダク
トピ−ス７で支えることにより、微少ガスギャップが形
成されることを防ぎ、またダクトピ−ス５、絶縁筒６の
落下を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はガス絶縁変圧器の低圧巻線、高圧巻線間の絶縁構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ガス絶縁変圧器は従来図２に示すように、鉄心１０に同心的に巻回した高圧巻 線１および低圧巻線２により構成され、高圧巻線１と低圧巻線２との絶縁構成は 図３に示すように、ダクトピ−ス５と絶縁筒６を径方向に積層しコイル受け９に て支える構成としている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の様な従来のガス絶縁変圧器においては、以下に述べる様 な課題があった。図３に示す様に巻線端部の電界を緩和するために巻線の上下端 部に静電リング３、４が取り付けられているが、その下端部の静電リング３、４ とダクトピ−ス５との間に微少ガスギャップ８が生じてしまう。ガス絶縁変圧器 の場合は、この様な微少ガスギャップ部分の電界が最も高くなり、絶縁破壊を生 じる可能性がある。微少ガスギャップ部分の電界を緩和するためには絶縁距離を 大きく取る必要がある。しかし、この様な不平等電界の場合絶縁距離に比例して 電界は緩和しないため非常に大きな絶縁距離を必要とし、ガス絶縁変圧器の大形 化につながる。そこで本考案は、低圧、高圧巻線間の絶縁構成として微少ガスギ ャップが生じないようにしたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案では、高圧巻線１、低圧巻線２間のダクトピ−ス５および絶縁筒６をダ クトピ−ス７により巻線下端部の静電リング３、４より上部で支える構成とする 。

【０００５】

【作用】 本考案のガス絶縁変圧器によれば、絶縁上問題となっている静電リング３、４ とダクトピ−ス５との間の微少ガスギャップ８が形成されることを防ぎ、かつダ クトピ−ス５、絶縁筒６の落下防止をすることができる。

【０００６】

【実施例】

図１は本考案の実施例であり、高圧巻線１、低圧巻線２の対向する上下端部に 巻線端部の電界を緩和するための静電リング３、４が取り付けられている。さら に高圧巻線１、低圧巻線２間の絶縁距離の確保と巻線短絡時の機械力による巻線 １、２の変形防止のために絶縁物で作られたダクトピ−ス５と絶縁筒６が径方向 に積層されている。このダクトピ−ス５、絶縁筒６を図４に示す形状のダクトピ −ス７で静電リング３、４より上部で支える構成とする。このような構成とする ことにより、部位Ａ，Ｂはガス空間とすることができ、比誘電率の高い絶縁材料 が存在しないため、電界の集中を押さえる構成とすることができる。また、ダク トピ−ス７はダクトピ−ス５および絶縁筒６を支えるための凸起７ａを設けてい るため、ダクトピ−ス５および絶縁筒６が自重で落下することはない。

【０００７】

【考案の効果】

以上述べたとおり本考案によれば、従来のように静電リング３、４とダクトピ −ス５との間で微少ガスギャップ８が形成されて電界集中により絶縁破壊される ことを防ぎ、絶縁信頼性が高いガス絶縁変圧器とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は、本考案のガス絶縁変圧器の下部主・
端部絶縁構成の一例を示す概略断面図である。（Ｂ）
は、絶縁筒とダクトピ−ス落下防止のためのダクトピ−
スの概略図である。

【図２】従来のガス絶縁変圧器の中身構造概略断面図で
ある。

【図３】従来のガス絶縁変圧器の下部主・端部絶縁構成
の一例を示す概略断面図である。

【符号の説明】

１ 高圧巻線 ２ 低圧巻線 ３，４ 静電リング ５ 絶縁筒 ６ ダクトピ−ス ７ ダクトピ−ス ７ａ 凸起 ８ 微少ガスギャップ ９ コイル受け １０ 鉄心

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉄心の脚部に低圧、高圧巻線を同心的に
   巻回したガス絶縁変圧器の、低圧、高圧巻線間のダクト
   ピ−スおよび絶縁筒を、ダクトピ−スにより巻線下端部
   の静電リングより上部で支える構成としたガス絶縁変圧
   器。