JPH06341346A - 内燃機関のピストン装置 - Google Patents

内燃機関のピストン装置

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JPH06341346A
JPH06341346A JP13350193A JP13350193A JPH06341346A JP H06341346 A JPH06341346 A JP H06341346A JP 13350193 A JP13350193 A JP 13350193A JP 13350193 A JP13350193 A JP 13350193A JP H06341346 A JPH06341346 A JP H06341346A
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JP
Japan
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piston
lubricating oil
cooling fins
land
ring
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JP13350193A
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Takaharu Goto
隆治 後藤
Takayuki Arai
孝之 荒井
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピストンの冷却性を高める。 【構成】 ピストンリングが介装されるランド部15
と、ランド部15の下方に連なりピストン1の姿勢を保
つスカート部16と、ランド部15とスカート部16の
間で凹状に窪む周溝35と、周溝35からピストン1の
軸方向に対して傾斜して隆起する冷却フィン30とを備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のピストン装
置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関に備えられるピストンは、その
頂部で燃焼室を画成し、燃焼室に発生する燃焼圧力をコ
ンロッドを介してクランクシャフトに伝え、機関部品の
なかでも最も過酷な条件にある。ピストンはその小型化
に伴ってシリンダへの放熱量が減少するため、その冷却
性を高めることが要求される。
【0003】従来の内燃機関は、例えば図9に示すよう
に、ピストン1はシリンダ2に摺動自在に収装され、燃
焼室3で燃焼するガス圧力を受けてシリンダ2内で往復
動し、ピストンピン4およびコンロッド5を介して図示
しないクランクシャフトの回転力に変換する。ピストン
1との間で燃焼室3を画成するシリンダヘッド6には吸
気ポート7および排気ポート8が形成され、それぞれを
開閉する吸気弁9および排気弁10が設けられる。
【0004】ピストン1は燃焼室3を画成する頂部11
と、3本のリング溝12,13,14が形成されたラン
ド部15と、ランド部15の下方に連なりピストン1の
姿勢を保つスカート部16を有している。
【0005】燃焼室3に近い各リング溝12,13には
コンプレッションリング22,23が介装され、クラン
ク室17に近いリング溝14にはオイルリング24が介
装される。2本のコンプレッションリング22,23が
ピストン1とシリンダ2の隙間を塞ぐ働きをする一方、
オイルリング24がシリンダ2に必要以上供給された潤
滑油を除き、コンプレッションリング22,23のため
に適正な潤滑油膜を調節する働きをする。
【0006】シリンダ2の周囲にはウォータジャケット
18が形成され、このウォータジャケット18を循環す
るエンジン冷却水によってシリンダ2の熱が持ち去られ
る。
【0007】ピストン1はその頂部11が高温の燃焼ガ
スにさらされるが、この頂部11に受ける熱は、図中矢
印で示すように、ランド部15から各コンプレッション
リング22,23およびオイルリング24を経てシリン
ダ2に伝導するとともに、スカート部16からシリンダ
2に伝導し、シリンダ2を経てウォータジャケット18
を循環するエンジン冷却水によって持ち去られる放熱経
路と、ピストンピン4を介してコンロッド5へ逃げる放
熱経路と、ピストン1とシリンダ2の間に供給される潤
滑油によって持ち去られる放熱経路があり、これらの放
熱経路を介してピストン1の冷却が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の自動
車用エンジンに対する要求の一つとして、リング溝12
より上方に設けられるトップランド31とシリンダ2の
間に挟まれるクレビスの容積を小さくして、燃焼室にお
けるクエンチ域を減らし、エンジンにおける未燃焼ガス
の排出量を低減するとともに、燃費の改善をはかること
がある。
【0009】また、各リング22,23,24の幅を縮
小したり、中間に設けられるコンプレッションリング2
3を廃止して、ランド部15の小型化がはかられる傾向
がある。
【0010】しかしながら、このようにランド部15の
小型化がはかられると、ランド部15から各リング2
2,23,24を介してシリンダ2に逃げる放熱量が減
少し、ピストン1の冷却性が悪化するという問題点が考
えられる。
【0011】この対策として、ピストン1の背面19に
向けて潤滑油を噴射するオイルジェット設け、ピストン
1の熱を潤滑油によって持ち去る構造があったが、この
場合、オイルポンプの大容量化を招いたり、製品のコス
トアップを招く等の問題点が考えられる(実開昭63−
119821号公報、参照)。
【0012】本発明は上記の問題点に着目し、ピストン
の冷却性を高めることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ピストンリングが介装されるランド部と、ランド部の下
方に連なりピストンの姿勢を保つスカート部と、ランド
部とスカート部の間で凹状に窪む周溝と、周溝からピス
トンの軸方向に対して傾斜して隆起する冷却フィンとを
備える。
【0014】請求項2記載の発明は、冷却フィンの突出
高さを、ランド部の下端とスカート部の上端を直線状に
結ぶ包絡線より低く設定する。
【0015】請求項3記載の発明は、複数の冷却フィン
をピストンの軸方向に対して傾斜して形成し、隣り合う
冷却フィンの上端部を互いに接続するとともに、隣り合
う冷却フィンの下端部の間に開口部を形成する。
【0016】請求項4記載の発明は、複数の冷却フィン
をピストンの軸方向に対して傾斜して形成し、各冷却フ
ィンの上端部の近傍に位置して周溝とピストンの裏側を
連通するドレーン穴を形成する。
【0017】
【作用】請求項1記載の発明において、ピストンはその
頂部が高温の燃焼ガスにさらされるが、この頂部に受け
る熱はランド部に介装されたピストンリングまたはスカ
ート部からシリンダへと逃げる放熱経路と、ピストンピ
ンを介してコンロッドへ逃げる放熱経路と、ピストンと
シリンダ壁面の間に供給される潤滑油によって持ち去ら
れる放熱経路がある。
【0018】ランド部とスカート部の間にピストンの軸
方向に対して傾斜して隆起する冷却フィンが突出形成さ
れることにより、ピストンとシリンダ壁面の間に供給さ
れる潤滑油に対するピストンの表面積が増大し、上記潤
滑油によって持ち去られるピストンの放熱量が増える。
【0019】この結果、ランド部の小型化がはかられ
て、ランド部からシリンダ壁面への放熱量が減少して
も、冷却フィンを介して潤滑油によって持ち去られるピ
ストンの放熱量がそれを補い、ピストンの冷却性が十分
に確保される。
【0020】請求項2記載の発明において、冷却フィン
の突出高さを、ランド部の下端とスカート部の上端を直
線状に結ぶ包絡線より低く設定することにより、冷却フ
ィンがシリンダ壁面に接触することがなく、ピストンの
シリンダ壁面に対する接触面積を増大させることなく、
フリクションの増大が抑えられる。
【0021】請求項3記載の発明において、複数の冷却
フィンをピストンの軸方向に対して傾斜して形成するこ
とにより、潤滑油はピストンのシリンダに対する摺動に
伴って冷却フィンに沿って移動する。
【0022】隣り合う冷却フィンの上端部を互いに接続
することにより、ピストンの下降時に、スカート部とシ
リンダ壁面の間に介在する潤滑油の多くは冷却フィンに
よって開口部から遠ざかる方向に集められ、シリンダ壁
面に供給される潤滑油量が過剰になることを防止し、燃
焼室に持ち去られる潤滑油の消費量を低減するととも
に、ピストンのフリクションを低減できる。
【0023】隣り合う冷却フィンの下端部の間に開口部
を形成することにより、ピストンの上昇時に、潤滑油は
冷却フィンによって開口部に集められ、開口部を通って
冷却フィンの下方に排出される。ピストンの下降時に、
潤滑油の一部は開口部からランド部へと供給され、ピス
トンリングを介してシリンダ壁面に適正な潤滑油膜を形
成することにより、シリンダ壁面に油膜が切れてスカッ
フ現象を起こすことを防止できる。
【0024】請求項4記載の発明において、冷却フィン
の上端部の近傍に位置して周溝とピストンの裏側を連通
するドレーン穴を形成することにより、ピストンの下降
時に、スカート部とシリンダ壁面の間に介在する潤滑油
の多くは冷却フィンによってドレーン穴の方向に集めら
れる。各冷却フィンによって集められた潤滑油はドレー
ン穴を通ってピストンの裏側に排出される。ドレーン穴
の数または開口径を任意に設定することにより、冷却フ
ィンを介してシリンダ壁面に供給される潤滑油量を適正
にし、燃焼室に持ち去られる潤滑油の消費量を低減する
とともに、ピストンのフリクションを低減できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。なお、図9との対応部分には同一符号を付し
て示すことにする。
【0026】図1に示すように、ピストン1は燃焼室3
を画成する頂部11と、3本のリング溝12,13,1
4が形成されたランド部15と、ランド部15の下方に
連なりピストン1の姿勢を保つ働きをするスカート部1
6を有する。
【0027】各リング溝12,13,14は、ピストン
頂部11から連なるトップランド31、セカンドランド
32、サードランド33、フォースランド34の間にそ
れぞれ形成される。ピストン1は各リング溝12,1
3,14の開口幅を可能な限り小さく形成して、ランド
部15の小型化がはかられている。
【0028】燃焼室に近い各リング溝12,13にはコ
ンプレッションリングが介装され、クランク室に近いリ
ング溝14にはオイルリングが介装される。各コンプレ
ッションリングがピストン1とシリンダの隙間を塞ぐ働
きをする一方、オイルリングがシリンダ壁面に形成され
る潤滑油膜を調節する働きをする。
【0029】ランド部15とスカート部16の間に複数
の冷却フィン30が突出形成され、ピストン1の冷却性
を高めるとともに、シリンダ壁面に必要以上に供給され
た潤滑油を除き、適正な潤滑油膜を調節する。冷却フィ
ン30はピストン1の鋳造時に一体成型により形成され
る。
【0030】図3にも示すように、フォースランド34
とスカート部16の間に凹状に窪む周溝35が形成さ
れ、冷却フィン30はこの周溝35からフィン状に隆起
して形成される。冷却フィン30の先端部36は、フォ
ースランド34の下端とスカート部16の上端を直線状
に結ぶ包絡線Sより所定距離だけ低く形成され、シリン
ダ壁面に接触しないようになっている。なお、図示した
各部の寸法差は、便宜上実際よりも誇張して大きくして
あるが、実際にはかなり小さいものである。
【0031】各冷却フィン30はピストン1の軸方向に
対して傾斜し、隣り合う冷却フィン30の上端部30a
が互いに接続するヘ字状に配置されることにより、互い
に波状に連なっている。
【0032】各冷却フィン30の上端部30aはフォー
スランド34に連接して形成されることにより、ピスト
ン1の小型化がはかられている。
【0033】隣り合う冷却フィン30の下端部30bの
間に開口部39が形成される。各冷却フィン30はこの
開口部39に向けて下降するように傾斜し、ピストン1
の上昇時に各冷却フィン30に沿って流れる潤滑油を開
口部39に集めるようになっている。
【0034】フォースランド34にリング溝14と周溝
35を結ぶドレーン溝29が形成される。こドレーン溝
29と冷却フィン30間の開口部39は互いにピストン
1の軸と平行な同一線上に配置される。
【0035】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0036】ピストン1の上昇時に、リング溝14にオ
イルリング24を介して集められた潤滑油は、図4に矢
印で示すように、ドレーン溝29を通って周溝35に拡
がり、ピストン1の摺動方向に対して傾斜する冷却フィ
ン30に沿って開口部40に集められ、開口部40を通
って冷却フィン30の下方に排出される。
【0037】ピストン1の下降時に、スカート部16と
シリンダ壁面の間に介在する潤滑油の多くは、図5に矢
印で示すように、ピストン1の摺動方向に対して傾斜す
る冷却フィン30に沿って開口部40から遠ざかる方向
に集められる。これにより、冷却フィン30を介してシ
リンダ壁面に供給される潤滑油量が過剰なることを防止
し、燃焼室に持ち去られる潤滑油の消費量を低減すると
ともに、ピストン1のフリクションを低減できる。
【0038】同じくピストン1の下降時に、潤滑油の一
部は、図5に矢印で示すように、開口部40からドレー
ン溝29を通ってリング溝14に流入し、オイルリング
24を介してシリンダ壁面に適正な潤滑油膜を形成す
る。これにより、シリンダ壁面に油膜が切れてスカッフ
現象を起こすことを防止できる。
【0039】ピストン1はその頂部11が高温の燃焼ガ
スにさらされるが、この頂部11に受ける熱は、ランド
部15に介装されたピストンリングまたはスカート部1
6からシリンダに逃げる放熱経路と、ピストンピン4を
介してコンロッド5へ逃げる放熱経路と、ピストン1と
シリンダ壁面の間に供給される潤滑油によって持ち去ら
れる放熱経路があり、これらの放熱経路を介してピスト
ン1の冷却が行われる。
【0040】ランド部15とスカート部16の間に複数
の冷却フィン30が突出形成されることにより、ピスト
ン1とシリンダ壁面間における潤滑油の流れに対するピ
ストン1の表面積が増大し、上記潤滑油によって持ち去
られるピストン1の放熱量が増える。
【0041】この結果、ピストン1はランド部15の小
型化がはかられて、ランド部15からシリンダ壁面への
放熱量が減少しても、冷却フィン30を介して潤滑油に
よって持ち去られるピストン1の放熱量がそれを補い、
ピストン1の冷却性が十分に確保できる。
【0042】また、冷却フィン30の突出高さを、ラン
ド部15とスカート部16を結ぶ包絡線Sより低く設定
することにより、冷却フィン30がシリンダ壁面に接触
することがなく、ピストン1のシリンダ壁面に対する接
触面積を増大させることなく、フリクションを増大させ
ることが抑えられる。
【0043】次に、図6に示した他の実施例は、ピスト
ン1に冷却フィン40によって集められた潤滑油をピス
トン1の裏側に排出するドレーン穴41を形成するもの
である。なお、図1、図2との対応部分には同一符号を
付して示すことにする。
【0044】ピストン1は燃焼室を画成する頂部11
と、2本のリング溝12,13が形成されたランド部1
5と、ランド部15の下方に連なりピストン1の姿勢を
保つスカート部16を有する。
【0045】各リング溝12,13は、ピストン頂部1
1から連なるトップランド31、セカンドランド32、
サードランド33の間に形成される。リング溝の本数を
減らすことにより、ランド部15の小型化がはかられて
いる。
【0046】燃焼室に近いリング溝12にはコンプレッ
ションリングが介装され、クランク室に近いリング溝1
3にはオイルリングが介装される。コンプレッションリ
ングがピストン1とシリンダ壁面の隙間を塞ぐ働きをす
る一方、オイルリングがシリンダ壁面に形成される潤滑
油膜を調節する働きをする。
【0047】サードランド33とスカート部16の間に
凹状に窪む周溝45が形成され、冷却フィン40はこの
周溝45からフィン状に隆起して形成される。冷却フィ
ン40の先端部46は、サードランド33の下端とスカ
ート部16の上端を直線状に結ぶ包絡線より所定距離だ
け低く形成され、シリンダ壁面に接触しないようになっ
ている。
【0048】各冷却フィン40はそれぞれヘの字状に配
置され、互いに波状に連なっている。隣り合う冷却フィ
ン40の上端部40aはサードランド33から離して形
成される。
【0049】隣り合う冷却フィン40の下端部40bの
間に開口部49が形成される。各冷却フィン40はこの
開口部49に向けて下降するように傾斜し、ピストン1
の上昇時に各冷却フィン40に沿って流れる潤滑油を開
口部49に集めるようになっている。
【0050】周溝45には各冷却フィン40によって集
められた潤滑油をピストン1の裏側に排出するドレーン
穴41がそれぞれ形成される。ドレーン穴41は冷却フ
ィン40の上端部40aの直下方に近接して配置され
る。
【0051】サードランド33にリング溝13と周溝3
5を結ぶドレーン溝47が形成される。このドレーン溝
47と冷却フィン40間の開口部49とは互いにピスト
ン1の軸と平行な同一線上に配置される。
【0052】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0053】ピストン1の上昇時に、リング溝13にオ
イルリングを介して集められた潤滑油は、図7に矢印で
示すように、ドレーン溝29を通って周溝35に拡が
り、ピストン1の摺動方向に対して傾斜する冷却フィン
40に沿って開口部40に集められ、開口部40を通っ
て冷却フィン40の下方に排出される。
【0054】ピストン1の下降時に、スカート部16と
シリンダ壁面の間に介在する潤滑油の多くは、図8に矢
印で示すように、ピストン1の摺動方向に対して傾斜す
る冷却フィン40によって開口部40から遠ざかりドレ
ーン穴41に近づく方向に集められる。各冷却フィン4
0によって集められた潤滑油はドレーン穴41を通って
ピストン1の裏側に排出される。ドレーン穴41の数ま
たは開口径を任意に設定することにより、冷却フィン4
0を介してシリンダ壁面に供給される潤滑油量を適正に
し、燃焼室に持ち去られる潤滑油の消費量を低減すると
ともに、ピストン1のフリクションを低減することがで
きる。
【0055】ピストン1の下降時に、潤滑油の一部は、
図8に矢印で示すように、開口部40からドレーン溝2
9を通ってリング溝13に流入し、オイルリングを介し
てシリンダ壁面に適正な潤滑油膜を形成することによ
り、シリンダ壁面に油膜が切れてスカッフ現象を招くこ
とを防止することができる。
【0056】ランド部15とスカート部16の間に複数
の冷却フィン40が突出形成されることにより、ピスト
ン1とシリンダ壁面間における潤滑油の流れに対するピ
ストン1の表面積が増大し、上記潤滑油によって持ち去
られるピストン1の熱量が増えて、ピストン1の冷却性
が確保される。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、ピストンリングが介装されるランド部と、ランド部
の下方に連なりピストンの姿勢を保つスカート部と、ラ
ンド部とスカート部の間で凹状に窪む周溝と、周溝から
ピストンの軸方向に対して傾斜して隆起する冷却フィン
とを備えたため、冷却フィンを介して潤滑油によって持
ち去られるピストンの放熱量が増え、ピストンの冷却性
が高められる。
【0058】請求項2記載の発明は、冷却フィンの突出
高さを、ランド部の下端とスカート部の上端を直線状に
結ぶ包絡線より低く設定したため、冷却フィンがシリン
ダ壁面に接触することがなく、ピストンのシリンダ壁面
に対する接触面積を増大させることなく、フリクション
を増大させることが抑えられる。
【0059】請求項3記載の発明は、複数の冷却フィン
をピストンの軸方向に対して傾斜して形成し、隣り合う
冷却フィンの上端部を互いに接続するとともに、隣り合
う冷却フィンの下端部の間に開口部を形成したため、冷
却フィンを介してシリンダ壁面に供給される潤滑油量が
調節されることにより、シリンダ壁面に適正な潤滑油膜
が形成され、シリンダ壁面に油膜が切れてスカッフ現象
を起こすことを防止するとともに、燃焼室に持ち去られ
る潤滑油の消費量を低減するとともに、ピストンのフリ
クションを低減できる。
【0060】請求項4記載の発明は、複数の冷却フィン
をピストンの軸方向に対して傾斜して形成し、各冷却フ
ィンの上端部の近傍に位置して周溝とピストンの裏側を
連通するドレーン穴を形成したため、ドレーン穴を通っ
て潤滑油の排出が行われ、ドレーン穴の数または開口径
を任意に設定することにより、冷却フィンを介してシリ
ンダ壁面に供給される潤滑油量を適正にし、燃焼室に持
ち去られる潤滑油の消費量を低減するとともに、ピスト
ンのフリクションを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すピストンの側面図。
【図2】同じくピストンの正面図。
【図3】同じくピストンの輪郭図。
【図4】同じくピストン上昇時における潤滑油の流れを
示す説明図。
【図5】同じくピストン下降時における潤滑油の流れを
示す説明図。
【図6】他の実施例を示すピストンの正面図。
【図7】同じくピストン上昇時における潤滑油の流れを
示す説明図。
【図8】同じくピストン下降時における潤滑油の流れを
示す説明図。
【図9】従来例を示すエンジンの断面図。
【符号の説明】
1 ピストン 15 ランド部 16 スカート部 29 ドレーン溝 30 冷却フィン 35 周溝 39 開口部 40 冷却フィン 41 ドレーン穴 45 周溝 49 開口部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンリングが介装されるランド部
    と、ランド部の下方に連なりピストンの姿勢を保つスカ
    ート部と、ランド部とスカート部の間で凹状に窪む周溝
    と、周溝からピストンの軸方向に対して傾斜して隆起す
    る冷却フィンとを備えたことを特徴とする内燃機関のピ
    ストン装置。
  2. 【請求項2】 冷却フィンの突出高さを、ランド部の下
    端とスカート部の上端を直線状に結ぶ包絡線より低く設
    定したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関のピス
    トン装置。
  3. 【請求項3】 隣り合う複数の冷却フィンをピストンの
    軸方向に対して傾斜して形成し、各冷却フィンの上端部
    を互いに接続するとともに、隣り合う冷却フィンの下端
    部の間に開口部を形成したことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の内燃機関のピストン装置。
  4. 【請求項4】 複数の冷却フィンをピストンの軸方向に
    対して傾斜して形成し、各冷却フィンの上端部の近傍に
    位置して周溝とピストンの裏側を連通するドレーン穴を
    形成したことを特徴とする請求項1、2または3記載の
    内燃機関のピストン装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009545691A (ja) * 2005-09-03 2009-12-24 カーエス コルベンシュミット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング リング溝の下に配置され環状に延びる半径方向の凹部を備えたピストン
DE102014201845A1 (de) * 2014-02-03 2015-08-06 Federal-Mogul Nürnberg GmbH Kolben für einen Verbrennungsmotor

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