JP3210638U - 内燃機関のピストン - Google Patents
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Abstract
【課題】ピストンへのオイル量を増大させることなく、オイルによる効率的なピストンの冷却を可能とする内燃機関のピストンの提供にある。【解決手段】燃焼室を臨む頂面33へ向けて凹面状に形成された背面48を有するピストン本体30と、ピストン本体30の内部にて環状に形成されたクーリングチャンネル51と、オイルジェットから噴射されるオイルを、背面48からクーリングチャンネル51へ流入可能とするオイル流入孔52と、を有する内燃機関のピストン13において、ピストン本体30は、クーリングチャンネル51の最上部51Aから、背面48へ向けてピストン本体30を貫通する連通孔55を有し、連通孔55の孔断面積は、クーリングチャンネル51の流路断面積より小さい。【選択図】 図3
Description
本考案は、内燃機関のピストンに関し、特に、ピストン本体の内部にクーリングチャンネルを設けたピストンに関する。
内燃機関のピストンに関する従来技術としては、例えば、特許文献1に開示されたピストンの給油装置が知られている。この種の給油装置では、ピストン内部に、空洞部、オイル入口通路、オイル出口通路が穿設されている。また、ピストンの背面には、溝状ガイドが設けられている。溝状ガイドの底面に空洞部のオイル出口通路の開口が設けられている。ピストンの下降行程で、オイル出口通路から流出したオイルが、溝状ガイド内の背面の中央部に集まり、下死点に達したピストンが上昇へ移ると、溝状ガイドの端部付近に溜まったオイルは、コンロッドの小端部へ落下する。コンロッドの小端部には、ピストンの背面から落下するオイルをピストンピンに案内するオイル穴が穿設されている。
ところでは、近年では、内燃機関のダウンサイジング化により比出力(気筒の容積当たりの出力)の向上が図られている。このため、特許文献1に開示されたクーリングチャンネル(空洞部)を備えたピストンであっても熱量増加による高温化を回避できないという問題がある。この問題の対策として、例えば、オイルジェットのオイル噴射量の増大やオイルジェットの増設により、クーリングチャンネルを通るオイル量を増やし、ピストンの冷却を図ることは可能である。しかしながら、この種の対策では、オイルポンプの負荷が増大し、その結果、燃料消費率が増大する。
本考案は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本考案の目的は、ピストンへのオイル量を増大させることなく、オイルによる効率的なピストンの冷却を可能とする内燃機関のピストンの提供にある。
上記課題を達成するため、本考案は、燃焼室を臨む頂面へ向けて凹面状に形成された背面を有するピストン本体と、前記ピストン本体の内部にて環状に形成されたクーリングチャンネルと、オイルジェットから噴射されるオイルを、前記背面から前記クーリングチャンネルへ流入可能とするオイル流入孔と、を有する内燃機関のピストンにおいて、前記ピストン本体は、前記クーリングチャンネルの最上部から、前記背面へ向けて前記ピストン本体を貫通する連通孔を有し、前記連通孔の孔断面積は、前記クーリングチャンネルの流路断面積より小さいことを特徴とする。
本考案では、クーリングチャンネル内のオイルは、下死点から上死点へ向けて上昇するとき、ピストン上昇時の慣性力によりクーリングチャンネルの下部に留まる。ピストンが上死点へ達すると、クーリングチャンネル内のオイルは、ピストン上昇時の慣性力によりクーリングチャンネルの最上部を含む上部へ移動する。連通孔がクーリングチャンネルの最上部から、背面へ向けてピストン本体を貫通しているため、クーリングチャンネルの上部へ移動するオイルは連通孔を通って背面側の空間へ流出する。ピストンが上死点から下死点へ向けて下降するとき、背面側の空間へ流出したオイルは、下降するピストンの背面に押し付けられて背面に沿って移動する。背面に沿って移動するオイルによりピストンを効率的に冷却することができる。
また、上記の内燃機関のピストンにおいて、前記連通孔の出口は、前記背面の中央部に設けられている構成としてもよい。
この場合、背面の中央部に設けた出口からオイルが流出され、ピストンにおいて高温になりやすい部位を背面の中央部を通じて効率的に冷却することができる。
この場合、背面の中央部に設けた出口からオイルが流出され、ピストンにおいて高温になりやすい部位を背面の中央部を通じて効率的に冷却することができる。
また、上記の内燃機関のピストンにおいて、前記連通孔は、前記クーリングチャンネルの通るオイルを流出するオイル流出孔として機能する構成としてもよい。
この場合、連通孔は、クーリングチャンネルからオイルを流出するオイル流出孔としての機能を兼用とすることができるから、連通孔とオイル流出孔をピストン本体にそれぞれ設ける必要が無く、ピストン本体に対する加工を削減することができる。
この場合、連通孔は、クーリングチャンネルからオイルを流出するオイル流出孔としての機能を兼用とすることができるから、連通孔とオイル流出孔をピストン本体にそれぞれ設ける必要が無く、ピストン本体に対する加工を削減することができる。
本考案によれば、ピストンへのオイル量を増大させることなく、オイルによる効率的なピストンの冷却を可能とする内燃機関のピストンを提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態における内燃機関のピストンを図面に基づき説明する。本実施形態の内燃機関は、車両に搭載される4気筒直列ディーゼルエンジンである。本実施形態のピストンはこのディーゼルエンジンに用いるピストンである。
以下、第1の実施形態における内燃機関のピストンを図面に基づき説明する。本実施形態の内燃機関は、車両に搭載される4気筒直列ディーゼルエンジンである。本実施形態のピストンはこのディーゼルエンジンに用いるピストンである。
図1に示すディーゼルエンジン10のシリンダブロック11には、シリンダ12が形成されている。図1ではシリンダ12は1つしか図示されないが、シリンダブロック11には、4個のシリンダ12が形成されている。このシリンダ12の内部には、ピストン13が摺動自在に収容されている。なお、図1では、上死点に位置するピストン13を実線により示し、下死点に位置するピストン13を二点鎖線により示す。
シリンダブロック11の上部には、シリンダヘッド14が接合されている。ピストン13の上方の空間は、シリンダブロック11、ピストン13およびシリンダヘッド14により区画された燃焼室15である。シリンダブロック11のシリンダ12の下方にはクランク室16が形成されている。
ピストン13はピストンピン17によってコンロッド18の一端(図1の上端)と回動可能に連結され、コンロッド18の他端はクランク室16内に配設されたクランクシャフト(図示せず)のクランクピン19と回動可能に連結されている。
シリンダブロック11のクランク室16には、ピストン13の背面へ向けてオイルを噴射するオイルジェット20が取り付けられている。また、シリンダブロック11には、オイルジェット20にオイルを供給するためのオイル流路21が形成されている。シリンダブロック11には冷却用のウォータージャケット22、23が備えられている。
図2、図3に示すピストン13のピストン本体30は、例えばアルミニウム合金製である。ピストン本体30は、燃焼室15側の部位であるピストンヘッド部31と、ピストンヘッド部31から延在する筒状のスカート部32を備えている。
ピストンヘッド部31の頂面33には、有底円筒状の凹部34が形成されている。凹部34内の空間部は燃焼室15に連通する。凹部34における側壁面35は、凹部34の底面側に向かって拡径するように形成されている。従って、ピストンヘッド部31の頂面33側には、凹部34の中心へ向けてせり出すリップ部36が形成されている。凹部34の底面の中央部には、底面側から隆起して形成された凸部37が形成されている。側壁面35の下端部と凸部37の外周面の下端部とは、断面円弧面を介して連続する。
ピストンヘッド部31は、周縁部にランド部38を有している。ランド部38の外周面に複数のリング溝39、40、41が形成されている。リング溝39〜40には、図示はされないピストンリングが装着される。
スカート部32は、クランク室16側に開口する開口42と、ピン孔43を有する一対のボス部44を有している。ピン孔43は、コンロッド18と連結されたピストンピン17を回動可能に支持する。ピン孔43における内周面45の外側寄りには、環状溝46が設けられている。この環状溝46は、ピストンピン17の脱落を防止するスナップリング(図示せず)が嵌め込まれるものである。
ピストン本体30の頂面33の反対側には背面48が形成されている。背面48は、スカート部32の内周面49から延在し、ピストンヘッド部31へ向けて凹面状に形成されている。背面48は、ピストンピン17に支持されるコンロッド18の一端と干渉しないようにピン孔43よりも頂面33側に形成されている。背面48の深さは、ピストン13の径方向の軸線(ピストン本体30の径方向の中心の示す線)Pへ向かうにつれて頂面33側へ深くなる。
図2に示すように、ピストン本体30の内部には、環状のクーリングチャンネル51が形成されている。クーリングチャンネル51は、ピストン13を冷却する冷媒であるオイルを循環させるための中空部である。クーリングチャンネル51は、ピストン本体30の冷却を効率よく行うため、ピストン本体30の内部の中心付近に配設されるように穿設されている。図1に示すように、燃焼室15と背面48との間であって、ピン孔43よりも頂面33側に位置している。
図3に示すように、クーリングチャンネル51の流路断面は楕円状である。クーリングチャンネル51の流路断面における楕円の長軸Mは、上方へ向かうにつれてピストン本体30の径方向外側へ向かうように傾斜している。クーリングチャンネル51の流路断面の楕円の短軸Nは長軸Mと直交する。クーリングチャンネル51の最上部51Aは、クーリングチャンネル51において頂面33に最も近く、開口42から最も離れた部位である。クーリングチャンネル51の最下部51Bはクーリングチャンネル51において頂面33から最も離れ、開口42から最も近い部位である。
ピストン本体30には、クーリングチャンネル51の円周方向の1箇所から開口42へ向けて開口させたオイル流入孔52が形成されている。オイル流入孔52は、クーリングチャンネル51と連通する。オイル流入孔52の軸線とオイルジェット20から噴射されるオイルの噴射軸線は一致する。オイルジェット20から噴射されたオイルは、オイル流入孔52を通じてクーリングチャンネル51へ注入される。
ピストン本体30には、クーリングチャンネル51の円周方向の1箇所から開口42へむけて開口させたオイル流出孔53が形成されている(図1を参照)。オイル流出孔53は、クーリングチャンネル51と連通しており、オイル流入孔52から円周方向において180°離れた位置に形成されている。オイル流入孔52からクーリングチャンネル51へ注入されたオイルは、クーリングチャンネル51を通過した後、オイル流出孔53を通じて排出される。
オイル流入孔52にはオイルジェット20から供給される低温のオイルが通り、オイル流出孔53にはオイルは冷却に使用された高温のオイルが通る。このため、オイル流入孔52は、エンジンにてより高温となる部位(例えば、エキゾーストマニホールド設置側)と近くなるように設け、オイル流出孔53は、エンジンにてより低温の部位(例えば、インテークマニホールド設置側)と近くなるように設けることが好ましい。
ピストン本体30には、クーリングチャンネル51の最上部51Aから背面48へ向けて貫通する一対の連通孔55が形成されている。連通孔55は、クーリングチャンネル51を通るオイルの一部を通すことにより、ピストン本体30において高温になりがちな部位(例えば、凸部37)の冷却を図るために設けられている。連通孔55は背面48からクーリングチャンネル51へドリル工具を通す孔明け加工により形成されている。
本実施形態の連通孔55は、図2に示すように、クーリングチャンネル51の周方向においてオイル流入孔52とオイル流出孔53との中間に位置する。図3に示すように、連通孔55の入口56はクーリングチャンネル51の最上部51Aに設けられている。連通孔55の出口57は背面48の中央部に設けられている。背面48の中央部は、凹部34をピストン13の軸線P方向へ向けて背面48に投影したときに背面48と重畳する部位である。出口57は、ピストン13の軸線P方向においてクーリングチャンネル51の最下部51Bよりも凹部34側に位置する。連通孔55の軸線方向は、ピストン13の軸線Pへ向かう。連通孔55は、入口56から出口57へ向かうにつれてピストン13の軸線P方向において凹部34から離れる。連通孔55の軸線はピストン13の径方向および軸線P方向に対して傾斜している。
連通孔55の孔断面積は、連通孔55がクーリングチャンネル51の最上部51Aに連通できるようにクーリングチャンネル51の流路断面積よりも小さく設定されている。
次に、本実施形態のピストン13のオイルによる冷却について説明する。エンジン駆動時では、ピストン13はシリンダ12内において往復動を繰り返す。エンジン駆動時においてオイルジェット20は冷却のためのオイルを常に噴射する。噴射されたオイルはオイル流入孔52を通じてクーリングチャンネル51に注入される。オイルジェット20からクーリングチャンネル51に注入されるオイルの流量は一定であり、クーリングチャンネル51ではオイルと空気が共に存在する。
クーリングチャンネル51のオイルは、ピストン13の往復動による慣性力で振り動かされ、クーリングチャンネル51の上部と下部との間を往復移動するとともに、オイル流出孔53へ向かう。オイルはピストン13との熱交換を行い、ピストン13との熱交換によりピストン本体30から熱を奪って昇温したオイルは、クーリングチャンネル51にて開口されたオイル流出孔53よりクランク室16へ向けて流下される。
ところで、本実施形態では、クーリングチャンネル51を通るオイルの一部は、連通孔55を通り、ピストン本体30の背面48を通じてピストン13を冷却する。連通孔55を通るオイルによる冷却を説明するため、エンジン駆動時におけるピストン13の動作毎のオイルの挙動について説明する。
図4に示すように、ピストン13が上死点へ向けて上昇するとき、クーリングチャンネル51内のオイルLは、慣性力によりクーリングチャンネル51の最下部51Bを含む下部に溜まる。このとき、クーリングチャンネル51のオイルLは連通孔55に届かないため、オイルLは連通孔55を流れず、オイル流出孔53へ向けて移動し、オイル流出孔53から流下する。
次に、ピストン13が上死点に達すると、クーリングチャンネル51のオイルLは慣性力によってクーリングチャンネル51の下部から最上部51Aを含む上部へ移動する。クーリングチャンネル51の上部へ移動したオイルLの一部は、入口56から連通孔55を通り、出口57から背面48側の空間へ吹き出される。連通孔55を流れないオイルLはオイル流出孔53へ向けて移動する。
次に、ピストン13が下死点へ向けて下降するとき、オイルLは慣性力によりクーリングチャンネル51の上部に留まり続け、連通孔55を通るオイルLは出口57から背面48側の空間へ吹き出される。背面48側の空間へ吹き出されたオイルLは下降中のピストン13の背面48に押し付けられる。背面48が凹面状に形成されているため、背面48に押し付けられるオイルLは、背面48の中心へ向けて移動し、背面48を移動するオイルLにより、背面48を通じたピストン13の冷却が行われる。背面48のオイルLは、背面48の中央部および凸部37を冷却する。連通孔55を流れないオイルLはオイル流出孔53へ向けて移動する。
ピストン13が下死点へ達すると、クーリングチャンネル51のオイルLは、慣性力によりクーリングチャンネル51の上部から下部へ移動する。このため、オイルLは連通孔55を流れず、出口57から背面48へのオイルLの吹き出しが止まる。次に、ピストン13は上死点へ向けて再び上昇する。下死点では、他のタイミングと比べて最も多くのオイルがクーリングチャンネル51へ注入される。
このように、オイルジェット20によりクーリングチャンネル51にオイルLが注入されるが、クーリングチャンネル51を通るオイルLによるピストン13の冷却と、連通孔55を流れるオイルLによるピストン13の冷却が行われる。ピストン13が上死点から下死点へ向けて下降するときに、オイルLは連通孔55を流れ、連通孔55を流れるオイルLは、背面48を通じたピストン13の冷却を行う。
本実施形態に係るピストン13は以下の作用効果を奏する。
(1)クーリングチャンネル51内のオイルLは、ピストン13の下死点から上死点へ向けて上昇するとき、ピストン13上昇時の慣性力によりクーリングチャンネル51の下部に留まる。ピストン13が上死点へ達すると、クーリングチャンネル51内のオイルLは、ピストン13の上昇時の慣性力によりクーリングチャンネル51の最上部51Aを含む上部へ移動する。連通孔55がクーリングチャンネル51の最上部51Aから、背面48へ向けてピストン本体30を貫通しているため、クーリングチャンネル51の上部へ移動するオイルLは連通孔55を通って背面48側の空間へ流出する。ピストン13が上死点から下死点へ向けて下降するとき、背面48側の空間へ流出したオイルLは、下降するピストン13の背面48に押し付けられて背面48に沿って移動する。背面48に沿って移動するオイルLにより、ピストン13へのオイル量を増大させることなく、ピストン13を効率的に冷却することができる。
(1)クーリングチャンネル51内のオイルLは、ピストン13の下死点から上死点へ向けて上昇するとき、ピストン13上昇時の慣性力によりクーリングチャンネル51の下部に留まる。ピストン13が上死点へ達すると、クーリングチャンネル51内のオイルLは、ピストン13の上昇時の慣性力によりクーリングチャンネル51の最上部51Aを含む上部へ移動する。連通孔55がクーリングチャンネル51の最上部51Aから、背面48へ向けてピストン本体30を貫通しているため、クーリングチャンネル51の上部へ移動するオイルLは連通孔55を通って背面48側の空間へ流出する。ピストン13が上死点から下死点へ向けて下降するとき、背面48側の空間へ流出したオイルLは、下降するピストン13の背面48に押し付けられて背面48に沿って移動する。背面48に沿って移動するオイルLにより、ピストン13へのオイル量を増大させることなく、ピストン13を効率的に冷却することができる。
(2)連通孔55の出口57は、背面48の中央部に設けられているため、背面48の中央部に設けた出口57からオイルLが流出されるため、ピストン13において高温になりやすい部位を背面48の中央部を通じて効率的に冷却することができる。
(3)背面48が凹面状であるため、背面48に押し付けられるオイルLは、ピストン13の下降時に背面48の中心へ向けて移動することができ、背面48を移動するオイルLにより、背面48を通じたピストン13の冷却を効率的に行うことができる。
(4)一対の連通孔55を設けているため、一対の連通孔55を通るオイルLは、背面48を通じたピストン13の均等な冷却を行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るピストンについて説明する。本実施形態は、連通孔がオイル流出孔を兼用する点で、第1の実施形態と異なる。第1の実施形態と同じ構成については第1の実施形態の説明を援用し、共通の符号を用いる。
次に、第2の実施形態に係るピストンについて説明する。本実施形態は、連通孔がオイル流出孔を兼用する点で、第1の実施形態と異なる。第1の実施形態と同じ構成については第1の実施形態の説明を援用し、共通の符号を用いる。
図5(a)、図5(b)に示すように、ピストン60のピストン本体30には、クーリングチャンネル51の円周方向の1箇所から背面48へむけて開口させた連通孔61が形成されている。連通孔61は、オイル流入孔52から円周方向において180°離れた位置に形成されている。
連通孔61の入口62はクーリングチャンネル51の最上部51Aに設けられている。連通孔61の出口63は背面48の中央部に設けられている。出口63は、ピストン60の軸線方向においてクーリングチャンネル51の最下部51Bよりも凹部34側に位置する。連通孔61の軸線方向は、ピストン60の軸線(ピストン本体30の中心線)Pへ向かう。連通孔61は、入口62から出口63へ向かうにつれてピストン60の軸線P方向において凹部34から離れる。連通孔61の軸線はピストン60の径方向および軸線P方向に対して傾斜している。
連通孔61は、背面48を通じたピストン60の冷却を図るオイルを通す機能を有するほか、クーリングチャンネル51を通るオイルを全て通すオイル流出孔としての機能を兼用する。従って、オイル流入孔52からクーリングチャンネル51へ注入されたオイルは、クーリングチャンネル51を通過した後、連通孔55を通じて排出される。
本実施形態のピストン60は、第1の実施形態の(1)〜(3)と同等の作用効果を奏する。また、連通孔61は、背面48を通じたピストン60の冷却を図るオイルを通す機能を有するほか、クーリングチャンネル51を通るオイルを全て通すオイル流出孔としての機能を兼用する。このため、連通孔とオイル流出孔をピストン本体30にそれぞれ設ける必要がなく、ピストン60に対する加工を削減することができ、製作コストを抑制することができる。
本考案は、上記の実施形態に限定されるものではなく考案の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 上記の実施形態では、ピストン本体に連通孔を1本又は2本設ける場合について説明したがこの限りではない。ピストン本体に設ける連通孔の数は、特に制限されない。例えば、図6(a)に示す別例1のようにピストン本体30に4本の連通孔71を設けてもよい。連通孔71の数が増えることにより、背面48において広範囲にオイルを行きわたらせることができ、背面48を通じたオイルによりピストン13がより冷却される。また、オイル流入孔およびオイル流出孔を備えるピストン本体の場合でも1本の連通孔を設けるようにしてもよい。
○ 上記の実施形態では、ピストン本体に設けた連通孔の軸線がピストン本体の中心へ向かうとしたがこの限りではない。連通孔の軸線がピストン本体の中心へ向かわないように連通孔を設けてもよい。例えば、図6(b)に示す別例2のように、連通孔72の軸線がピストン本体30の軸線Pを外れた方向へ向かう連通孔72としてもよい。この場合、上記の実施形態と同様に背面48を通じたピストン本体30の冷却が可能である。また、ピストン13における温度分布に偏りがあっても、温度分布の偏りに合わせてオイルを背面48に行きわたらせることができる。
○ 上記の実施形態では、連通孔の軸線はピストンの径方向および軸線方向に対して傾斜しているとしたが、この限りではない。連通孔の軸線は、例えば、ピストンの径方向と一致してもよい。
○ 上記の第1の実施形態では、連通孔は、クーリングチャンネルの周方向においてオイル流入孔とオイル流出孔の間の中間に位置するとしたが、この限りではない。連通孔は周方向において設ける位置は特に制限されない。例えば、図6(c)に示す別例3のように、一対の連通孔73をクーリングチャンネル51の周方向においてオイル流入孔52に近い位置に設けるようにしてもよい。この場合、クーリングチャンネル51においてオイル流入孔52から連通孔73までの距離が短いため、温度の低いオイルを連通孔73に通すことができ、背面48を通じてピストン本体30をより冷却することができる。
○ 上記の実施形態では、内燃機関としての4気筒直列ディーゼルエンジンを例示して説明したが、内燃機関は、ディーゼルエンジンに限定されず、ガソリンエンジンであってもよく、直列型エンジンであればよい。また、内燃機関の気筒数は4気筒に限定されない。
○ 上記の実施形態では、ピストン本体に設けた連通孔の軸線がピストン本体の中心へ向かうとしたがこの限りではない。連通孔の軸線がピストン本体の中心へ向かわないように連通孔を設けてもよい。例えば、図6(b)に示す別例2のように、連通孔72の軸線がピストン本体30の軸線Pを外れた方向へ向かう連通孔72としてもよい。この場合、上記の実施形態と同様に背面48を通じたピストン本体30の冷却が可能である。また、ピストン13における温度分布に偏りがあっても、温度分布の偏りに合わせてオイルを背面48に行きわたらせることができる。
○ 上記の実施形態では、連通孔の軸線はピストンの径方向および軸線方向に対して傾斜しているとしたが、この限りではない。連通孔の軸線は、例えば、ピストンの径方向と一致してもよい。
○ 上記の第1の実施形態では、連通孔は、クーリングチャンネルの周方向においてオイル流入孔とオイル流出孔の間の中間に位置するとしたが、この限りではない。連通孔は周方向において設ける位置は特に制限されない。例えば、図6(c)に示す別例3のように、一対の連通孔73をクーリングチャンネル51の周方向においてオイル流入孔52に近い位置に設けるようにしてもよい。この場合、クーリングチャンネル51においてオイル流入孔52から連通孔73までの距離が短いため、温度の低いオイルを連通孔73に通すことができ、背面48を通じてピストン本体30をより冷却することができる。
○ 上記の実施形態では、内燃機関としての4気筒直列ディーゼルエンジンを例示して説明したが、内燃機関は、ディーゼルエンジンに限定されず、ガソリンエンジンであってもよく、直列型エンジンであればよい。また、内燃機関の気筒数は4気筒に限定されない。
10 ディーゼルエンジン
11 シリンダブロック
12 シリンダ
13、60 ピストン
14 シリンダヘッド
15 燃焼室
16 クランク室
18 コンロッド
19 クランクピン
20 オイルジェット
30 ピストン本体
34 凹部
48 背面
51 クーリングチャンネル
51A 最上部
52 オイル流入孔
53 オイル流出孔
55、61、71、72、73 連通孔
56、62 入口
57、63 出口
L オイル
P 軸線(ピストン)
11 シリンダブロック
12 シリンダ
13、60 ピストン
14 シリンダヘッド
15 燃焼室
16 クランク室
18 コンロッド
19 クランクピン
20 オイルジェット
30 ピストン本体
34 凹部
48 背面
51 クーリングチャンネル
51A 最上部
52 オイル流入孔
53 オイル流出孔
55、61、71、72、73 連通孔
56、62 入口
57、63 出口
L オイル
P 軸線(ピストン)
Claims (3)
- 燃焼室を臨む頂面へ向けて凹面状に形成された背面を有するピストン本体と、
前記ピストン本体の内部にて環状に形成されたクーリングチャンネルと、
オイルジェットから噴射されるオイルを、前記背面から前記クーリングチャンネルへ流入可能とするオイル流入孔と、を有する内燃機関のピストンにおいて、
前記ピストン本体は、前記クーリングチャンネルの最上部から、前記背面へ向けて前記ピストン本体を貫通する連通孔を有し、
前記連通孔の孔断面積は、前記クーリングチャンネルの流路断面積より小さいことを特徴とする内燃機関のピストン。 - 前記連通孔の出口は、前記背面の中央部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストン。
- 前記連通孔は、前記クーリングチャンネルの通るオイルを流出するオイル流出孔として機能することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関のピストン。
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JP2017001103U JP3210638U (ja) | 2017-03-14 | 2017-03-14 | 内燃機関のピストン |
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Publication Number | Publication Date |
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EP3511556A1 (en) * | 2018-01-12 | 2019-07-17 | Dong Yang Piston Co., Ltd. | Piston for internal combustion engine |
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