JPH0633994Y2 - 全舞端係止構造 - Google Patents

全舞端係止構造

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JPH0633994Y2
JPH0633994Y2 JP3622290U JP3622290U JPH0633994Y2 JP H0633994 Y2 JPH0633994 Y2 JP H0633994Y2 JP 3622290 U JP3622290 U JP 3622290U JP 3622290 U JP3622290 U JP 3622290U JP H0633994 Y2 JPH0633994 Y2 JP H0633994Y2
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健次 村松
英雄 山岸
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株式会社三協精機製作所
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、全舞駆動源の全舞の端部をケースに係止す
る全舞端係止構造に関する。
(従来の技術) 全舞駆動源の全舞は、香箱と称される全舞巻上げ軸を有
するケースに収納されていて、その外方端部に形成され
た首部をケースに形成された係止部に係止されている。
そして、全舞は、ケース体に形成された全舞巻込み口か
ら全舞収納室に挿入される。このとき、全舞は、ケース
体に形成された案内部に沿ってケース内に巻き込まれて
ゆき、上記首部が上記案内部に位置した時点でこの首部
が係止部に係合するようになっている。
(考案が解決しようとする課題) 案内部に押し付けられながら全舞巻込み口からケース内
に引き込まれる全舞は、自身が有する弾性によって係合
部へ移動してその首部を係合させられるのであるが、こ
の首部が案内部に引っ掛ってしまい係止部に確実に係止
されない、という問題がある。首部と案内部の相対的な
幅の差を大きくすれば、引っ掛りの頻度は減少するが、
全舞端部やケースの係止部の強度が低下するという問題
が出てくる。
そこで、本考案の目的は、巻込み時にその端部が引っ掛
り難い構造の全舞端部係止構造の提供にある。
(課題を解決するための手段) 本考案の全舞端係止構造は、全舞巻込み口の両側に、全
舞の挿入を案内する第1案内面と、首部のケース外方へ
の移動を許しこの首部をケース体の係止部へ案内する第
2案内面とを有する案内突部を設け、この案内突部の挿
入側端部を尖らせると共に上記第1案内面を全舞収納室
の略接線方向に沿うか若しくは接線方向より内向きに形
成したことを特徴とする。
(作用) 全舞巻込み口から挿入される全舞は、案内突部の第1案
内面に案内されながら全舞収納室に案内される。全舞の
首部が案内突部に位置すると、この首部は、第2の案内
面に案内されて係止部へ導かれ係止される。
(実施例) 以下、図示の一般例に基づいて本考案を詳細に説明す
る。
第3図及び第7図において、全舞駆動源のケース体は、
第1ケース1と、第2ケース2と、両ケースの間に配設
された中板3(第6図参照)とからなっている。第1ケ
ース1と第2ケース2は、中板3を間に置いて、第2ケ
ース2の弾性係合爪2aを第1ケース1の係合部1aに係合
させることにより互いに一体化される。
第1図乃至第3図において、第1ケース1と第2ケース
2は、全舞4に先端4a(第4図参照)を係止した全舞巻
上げ軸5を回転自在に支持している。全舞巻上げ軸5の
一端には、全舞巻込み時に該軸を回転駆動する軸(図示
せず)が嵌合される角孔5aが形成されている。全舞巻上
げ軸5の軸方向中間部には、遠心方向に拡開する習性を
有する複数個のラチェット爪6が形成されていて、その
係合端6aは円周方向にやや幅広く形成されている。回転
体としての全舞巻上げ軸5には、その外周に大径歯部7a
と小径歯部7bを、その内周にラチェット爪6に係脱する
係合部7cをそれぞれ形成されたラチェット輪7が相対的
に回転可能に挿通されている。係合部7cは、ラチェット
爪6の係合端6aに補形的な形状に形成された湾曲係合部
7caと、係合端6aに非係合の斜面部7cbとからなってい
る。係合部7cと係合端6aとの間には、潤滑用油脂が塗布
されている。ラチェット輪7は、中板3に形成された孔
3aを貫通している。
第1ケース1には、歯車8a(第8図参照)を圧入された
出力軸8が回転自在に挿通されている。出力軸8の両端
部には、出力部材例えば自動車玩具の車輪が圧入固定さ
れる。歯車8aには、第2ケース2の軸孔2bと第1ケース
1の軸孔1bに回転自在に支持された二段歯車9の大径歯
部9aが常時噛み合っている。二段歯車9は、中板3の孔
3bを貫通している。二段歯車9の大径歯部9aには、巻上
げ用歯車10が常時噛み合っている。この歯車10は、第2
ケースの円弧孔2cと、中板3の円弧孔3cに回転自在に支
持されている。各円弧孔2c,3cは、二段歯車9の回転中
心軸線を中心として形成されていて、巻上げ用歯車10を
二段歯車9の周りに遊星移動させる。巻上げ用歯車10
は、全舞を巻き上げるときには、二段歯車9の回転に連
れて第2図に示す位置に移動してラチェット輪7の小径
歯部7bに噛み合い、全舞解放時には、ラチェット輪7の
回転に連れて開放用歯車11が移動し、二段歯車9を回転
せしめ、該歯車9の回転に連れて、該小径歯部7bとの噛
合を解除される。
ラチェット輪7の大径歯部7aには、解放用歯車11の小径
歯部11aが常時噛み合っている。解放用歯車11は、中板
3の円弧孔3dと第1ケース1の円弧孔1dに回転自在に支
持されている。各円弧3d,1dは、全舞巻上げ軸7の回転
軸線を中心として形成されていて、巻上げ軸7が全舞巻
き上げ方向に回転させられるときには、歯車11の大径歯
部11bを二段歯車9の小径歯部9bから離間させる向きに
移動させ、巻上げ軸7が全舞解放方向に回転させられる
ときには、歯車11の大径歯部11bを二段歯車9の小径歯
部9bと、増速歯車12の小径歯部12aとに噛合させる。増
速歯車12は、第1ケース1の軸孔1eと、第2ケース2の
軸孔2eに回転自在に支持されていて、その小径歯部12a
を中板3に形成された長孔3eに貫通させている。
増速歯車12の大径歯部12bは、第1ケース1に形成さた
支軸1fと第2ケースに形成された支軸2fに回転自在に支
持された雁木車13の歯部13aに常時噛み合っている。雁
木車13の歯部13bには、第1ケース1に形成された軸孔1
gと中板3に形成された軸孔3gで回転自在に支持された
雁木14の爪部14a,14bが交互に係合する。雁木車13は、
中板3の孔3hを貫通している。雁木車13は、全舞巻き上
げ時には解放用歯車11と増速歯車12とが離れることによ
り回転せず、全舞解放時にのみ回転させられる。
ここで、全舞巻込み口の構造を詳細に説明する。第1
図,第4図及び第7図において、第1ケース1の一部1k
と、これに対向する第2ケース2の一部2kで全舞巻込み
口15が形成されている。この全舞巻込み口15は、全舞4
の幅よりやや大きい幅を有する巻込み部16と、この巻込
み部16より幅狭の係止部17とからなっている。係止部17
は、第1ケース1の案内突部1mと、第2ケース2の案内
突部2mとで形成されている。各案内突部1m,2mは、互い
に対称形に形成されているので、第1ケース1の方を代
表させてその構造を説明する。
第1図,第2図及び第4図において、案内突部1mは、全
舞収納室18の接線Lに略添って伸びる第1案内面1nと、
挿入側端部1sから係止部17に向かって伸びる第2案内面
1tとからなっている。ここで、全舞4の後端の構造を説
明すると、第5図に示すように、全舞の後端には、係止
部17の幅と略等しい幅を有し、長さlの首部4bが形成さ
れている。この首部4bの長さlは、係止部17の長さTよ
りやや長く形成されている。また、この長さlは、挿入
端部の幅を寸法tとしたとき、t<lとなるように形成
されることが望ましい。第2案内面1tは、巻込み口15か
ら挿入される全舞4の首部4bが接線方向の外方即ちケー
ス外方に向かうのを許し且つこの首部4bを係止部17に向
けて案内する機能を与えられている。案内突部1mは、挿
入側端部1sから係止部17に向かうに連れて次第に幅が広
くなるように形成されていて、係止部の強度を充分なら
しめている。なお、挿入側端部1sは、第1図及び第4図
に示すように、面取りされていても良いし、第2図に示
すように、部分円柱面に形成されても良い。また、第1
案内面1nとしては、第1図に鎖線1nAで示すように、接
線Lよりもやや内向きに形成されても良い。
全舞4を全舞収納室18に巻き込む前に、各歯車列が組み
込まれる。この場合、ケース体からその両端部を長く突
出させられる出力軸8を最後に組み込むようにすると、
全体の組み立て性が良いのであるが、これの近傍には、
出力軸8の挿入を妨げる位置に増速歯車12が配設されて
いる。そこで、増速歯車12の小径歯部12aが貫通してい
る中板3の穴3eを出力軸8から遠ざかる向きの長穴とし
て形成してある。そして、出力軸8を除く各歯車列を組
み込んだのち、第9図に示すように、増速歯車12を長穴
3e内において出力軸の挿入の邪魔にならない位置まで傾
けておいて軸8を挿入する。出力軸8の挿入後に増速歯
車12を元の位置に戻しておいて、第1ケース1に第2ケ
ース2を係合させる。
次に、全舞を巻込む場合の作動を説明する。第4図にお
いて、全舞巻込み口15から全舞収納室18に挿入された全
舞4の先端4aを全舞巻上軸5に係合させたのち、該軸5
を反時計方向に回転させて巻込み部16(第7図参照)か
ら全舞を巻き込む。全舞4は、それ自身の有する弾性に
よって第1案内面1nに当接し該面を摺擦しながら巻き込
まれる。巻き込み動作が進み、全舞の首部4bが第1案内
面1nに対応すると、全舞後端は、ケース外方に向かって
矢印a方向に振り出され、鎖線で示すように、首部の端
縁4c(第5図参照)で第2案内面1tを摺擦しながら巻き
込まれる。第2案内面1tで案内される全舞の首部4bは、
最終的には第1図及び第7図に示すように、係止部17に
係合する。第1案内面1nを摺擦しながら巻き込まれる全
舞の首部4bは、挿入端部1sが尖らせてあるため、矢印a
方向への移動がスムーズとなり、その案内面を第2案内
面1tに替えられて確実に係止部17へ向かうことになる。
全舞の巻込みを終えた全舞駆動源の作用を説明する。第
2図において、出力軸8を時計方向に回転させると、こ
れに連動して二段歯車9が回転して巻上げ用歯車10を遊
星移動させて全舞巻上軸5を反時計方向に回転駆動して
全舞4を巻き上げる。このとき、全舞巻上軸の大径歯部
7aが解放用歯車11を図のように遊星移動させて、該歯車
11と二段歯車9及び増速歯車12との噛合を断っているの
で、雁木車13と雁木14が作動させられず、出力軸8は減
速作用を受けることなく全舞巻上げ方向に回転させられ
る。全舞巻上げが完了したのちも更に出力軸8を巻上方
向に回転させると、ラチェット輪7(第1図参照)がラ
チェット爪6を撓ませて回転し、全舞巻上軸5に対する
過負荷を回避する。このとき、係合部7cから抜け出した
ラチェット爪6の係合端6aは、次の係合部の斜面部7cb
に沿ってこの係合部に落ち込む。
出力軸8に対する巻上動作を断つと、全舞の解放力によ
って全舞巻上軸5が時計方向に回転させられて、解放用
歯車11を同方向に遊星移動させ、該歯車11を二段歯車9
と増速歯車12とに噛み合わせて各歯車をそれぞれ時計方
向に回転させる。増速歯車12によって回転させられる雁
木車13は、雁木爪14によってその回転を減速されて調速
され、全舞巻上軸5が略一定の速度で回転させられる。
従って、出力軸8も略一定の速度で回転駆動されること
になる。全舞4が解放されるとき、ラチェット輪7は、
ラチェット爪6で押動されるのであるが、係合端6aに比
べて係合部7cの幅を大きくしてあるので、係合部7cに貯
溜されている潤滑用油脂を全部押し出してしまうことが
ない。また、相隣る係合部7c同士の間隔を大きくしてい
るので、ラチェット爪6が係合部を乗り越えるときに湾
曲係合部7caを摩滅させることがなく、ラチェット機構
のライフを長く保つことができる。係合部7c同士の間隔
を大きくすると、ラチェット音が大きくなるが、全舞の
巻き上げ完了をこのラチェット音で認識できるので、こ
の音の発生はむしろ好都合である。
ところで、全舞4が巻き上げられていない状態におい
て、出力軸8を全舞解放時と同方向(第2図において反
時計方向)に回転させると、これに連動する二段歯車9
が解放用歯車11を押動して、出力軸と雁木車13との間の
回転伝達を断つ。従って、雁木車13が回転しないので、
雁木爪14が揺動せず、不快な雑音が発生しない。
(考案の効果) 以上のように、本考案によれば、案内突部の挿入側端部
を尖らせると共に第1案内面を略接線方向(この方向よ
りやや内向き)に沿わせて形成したので、巻き込まれる
全舞の耳部が容易に係止部へ移動するから、全舞端部が
引っ掛ることなく巻込みができてその端部の係止ができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す全舞駆動源の部分断面
側面図、第2図は第2ケースと中板を除いた状態を示す
同上の側面図、第3図は同上の平断面図、第4図は全舞
巻込み口の構造と全舞端部係止動作を説明する要部側面
図、第5図は全舞の後端を示す平面図、第6図は中板を
示す平面図、第7図は全舞巻込み口を示す全舞駆動源の
右側面図、第8図は出力軸の一例を示す平面図、第9図
は歯車の支持構造の一例を示す平面図である。 1,2,3……ケース体としての第1ケース,第2ケース,
中板,1s……挿入側端部,1n,1nA……第1案内面,1t……
第2案内面,4……全舞,4b……首部,1m……案内突部,15
……全舞巻込み口,17……係止部,L……接線,5……回転
体としての全舞巻上げ軸。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケース体の全舞巻込み口から挿入した全舞
    の先端を回転体に係止し、その後端に形成した首部をケ
    ース体に係止した全舞駆動源において、 上記全舞巻込み口の両側に全舞の挿入を案内する第1案
    内面と、ケース外方への首部の移動を許しこの首部をケ
    ース体の係止部へ案内する第2案内面を有する案内突部
    を設け、 この案内突部の挿入側端部を尖らせると共に上記第1案
    内面を全舞収納室の略接線方向に沿うか若しくは接線方
    向より内向きに形成したことを特徴とする全舞端係止構
    造。
JP3622290U 1990-04-04 1990-04-04 全舞端係止構造 Expired - Fee Related JPH0633994Y2 (ja)

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