JPH06339519A - 固着可能な歯科用及び医科用顆粒状骨補填材及びその製造方法 - Google Patents

固着可能な歯科用及び医科用顆粒状骨補填材及びその製造方法

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JPH06339519A
JPH06339519A JP6086630A JP8663094A JPH06339519A JP H06339519 A JPH06339519 A JP H06339519A JP 6086630 A JP6086630 A JP 6086630A JP 8663094 A JP8663094 A JP 8663094A JP H06339519 A JPH06339519 A JP H06339519A
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phosphate
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calcium phosphate
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dental
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Masaya Sumida
政哉 澄田
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 欠損部に充填後に散逸せず、顆粒相互間の固
着性に優れ、生体に害(感染症の危険等)を及ぼさない
顆粒状骨補填材及びその製造方法を提供すること。 【構成】Ca/P比が1.5を超え、1.8以下である
リン酸カルシウムを減圧熱分解して得られたα−リン酸
カルシウムとリン酸四カルシウムとの混合物あるいは、
Ca/P比が1.5を超え、1.67未満であるリン酸
カルシウムを1000℃以上の温度で焼成して得られた
α−リン酸三カルシウムとハイドロキシアパタイトとの
混合物から成り、200〜500μmの粒径を有するこ
とを特徴とする歯科用及び医科用顆粒状骨補填材であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固着可能な歯科用及び
医科用顆粒状骨補填材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】ハイドロキシアパタイト
は、その優れた生体親和性及び骨伝導能から歯科用ある
いは医科用骨補填材として応用が広く研究されており、
既に数種のものが実用に供されている。従来、骨補填材
には、顆粒状のものと、予め成形されたブロック状骨補
填材とがあるが、特に、顆粒状骨補填材は、任意の形状
の欠損部に随意に充填することができるので、広く用い
られている。
【0003】しかしながら、従来の顆粒状骨補填材に
は、顆粒相互間の固着がないため、新生骨と骨性癒着す
る前に散逸してしまうことが多かった。この欠点を克服
するため、すなわち、顆粒を相互に固着させるためにフ
ィブリン糊を固着剤として用いる試みがなされている
が、フィブリン糊はヒトの血液から製造されるので、肝
炎、エイズ等に感染する危険性があった。
【0004】
【発明の目的】本発明の目的は、欠損部に充填後に散逸
せず、顆粒相互間の固着性に優れ、生体に害(感染症の
危険等)を及ぼさない顆粒状骨補填材及びその製造方法
を提供することにある。
【0005】
【発明の概要】本発明は、Ca/P比が1.5を超え、
1.8以下であるリン酸カルシウムを減圧熱分解して得
られたα−リン酸三カルシウムとリン酸四カルシウムと
の混合物から成り、200〜500μmの粒径を有する
ことを特徴とする歯科用及び医科用顆粒状骨補填材を提
供するものである。本発明による上記顆粒状骨補填材の
製造方法は、Ca/p比が1.5を超え、1.8以下で
あるリン酸カルシウムを減圧熱分解してα−リン酸三カ
ルシウムとリン酸四カルシウムとの混合物を生成させ、
200〜500μmの粒径を有する顆粒に造粒すること
を特徴とする。
【0006】本発明はさらに、Ca/P比が1.5を超
え、1.67未満であるリン酸カルシウムを1000℃
以上の温度で焼成して得られたα−リン酸三カルシウム
とハイドロキシアパタイトとの混合物から成り、200
〜500μmの粒径を有することを特徴とする歯科用及
び医科用顆粒状骨補填材を提供するものである。本発明
による上記顆粒状骨補填材の製造方法は、Ca/P比が
1.5を超え、1.67未満であるリン酸カルシウムを
1000℃以上の温度で焼成してα−リン酸三カルシウ
ムとハイドロキシアパタイトとの混合物を生成させ、2
00〜500μmの粒径を有する顆粒に造粒することを
特徴とする。
【0007】上記のような2種のリン酸カルシウム系化
合物の混合物からなる顆粒を製造する場合には、それぞ
れ予め別々に合成した化合物をボールミル等で機械的に
混合して原料粉末とし、さらにこれを顆粒状に成形して
もよいが、これでは工程が複雑になるばかりでなく、完
全に均一に混合することは困難であり、固着の際に充分
に固着しないおそれがある。そこで、本発明において
は、所定のCa/P比のリン酸カルシウムを焼成して所
望の混合物を生成させ、これを顆粒製造の原料粉末とす
る。
【0008】Ca/P比が1.5を超え、1.67未満
であるリン酸カルシウムを1000℃以上、好ましくは
1150〜1450℃の温度で焼成すると、α−リン酸
三カルシウムとハイドロキシアパタイトとの混合物が得
られる。焼成温度が1000℃未満であると、ハイドロ
キシアパタイトとα−リン酸三カルシウムの二相混合物
を生じない。
【0009】原料とするリン酸カルシウムのCa/P比
は、製造工程において反応させる水酸化カルシウムとリ
ン酸との混合比率を変えることによって変化させること
ができる。そして、原料とするリン酸カルシウムのCa
/P比を変化させることにより、最終的に生成するα−
リン酸三カルシウムとハイドロキシアパタイトの比率を
所望のものに変化させることができる。
【0010】また、原料として用いるリン酸カルシウム
は、例えば湿式法により合成した後、ロ過、遠心分離、
噴霧乾燥等の手段により乾燥した後、粉末化することが
好ましい。
【0011】また、Ca/P比が1.5を超え、1.8
未満であるリン酸カルシウムを減圧下に焼成すると、α
−リン酸三カルシウムとリン酸四カルシウムとの混合物
が得られ、この混合物を顆粒製造の原料粉末とすること
ができる。減圧下の焼成は、1150〜1450℃で行
うのが好ましい。
【0012】顆粒の成形方法としては、高速撹拌造粒
法、プレスにより圧粉体を作成した後、粉砕する方法、
湿式でケーキを作成した後、粉砕する方法等があるが、
これらに限定されるものではない。また、焼成後に顆粒
状に成形してもよい。
【0013】本発明においては、原料粉末及び顆粒を上
記のような方法で製造することができるが、顆粒の平均
粒径は100μm以上であることが好ましく、粒径が2
00〜500μmであるのがより好ましい。100μm
未満であると、マクロファージなどの細胞に貪食されや
すくなる。
【0014】上記のようにして得られた顆粒に酸性水溶
液を滴下することによって顆粒相互間が良好に固着する
ので、得られた顆粒は、骨充填材として好適である。
【0015】酸性水溶液としては、塩酸、硫酸などの無
機酸を含む水溶液を使用することもできるが、一般にこ
れらの無機酸よりも毒性の低い有機酸を用いるのが好ま
しい。有機酸としては、例えば酢酸、クエン酸、リンゴ
酸、乳酸等の水溶液を使用することができる。また、有
機酸の中でも、特に毒性の低いクエン酸(ラットに対す
る経口のLD50が11700mg/kg)を用いるのが
さらに好ましい。
【0016】酸の水溶液は、好ましくは30重量%以
上、より好ましくは40〜55重量%の濃度で使用され
る。酸の濃度があまり低いと、硬化後の強度が不十分と
なる傾向がある。
【0017】骨補填物を製造する場合には、顆粒(G)
/液剤(L)の重量比で1〜20、好ましくは1〜5と
なるように顆粒に酸性水溶液を滴下する。
【0018】
【実施例】次に、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。なお、例中
「%」は、特に断らない限り、「重量%」を意味するも
のとする。
【0019】実施例1 リン酸水溶液と水酸化カルシウム懸濁液を反応させてハ
イドロキシアパタイトを合成する公知方法においてリン
酸水溶液を、化学量論のハイドロキシアパタイトを合成
する際に必要な量の1.06倍にして水酸化カルシウム
懸濁液と反応させてリン酸カルシウムスラリーを得た。
これを噴霧乾燥して粉末化した後、過酸化水素水溶液で
再びスラリー化してポリプロピレン容器に流し込み、乾
燥後、ケーキを得た。このケーキを粉砕し、200〜5
00μmに整粒した後、1200℃で焼成してハイドロ
キシアパタイトとα−リン酸三カルシウムとから成る顆
粒を得た。この顆粒の粉末X線回折図を図1に示す。図
中、Aはハイドロキシアパタイトの主ピーク、Bはα−
リン酸三カルシウムの主ピークである。この顆粒0.5
gに40%クエン酸水溶液0.1mlを滴下したところ、
約10分後に顆粒が相互に強固に固着した。
【0020】実施例2 リン酸水溶液と水酸化カルシウム懸濁液を公知の方法に
よって反応させてハイドロキシアパタイトスラリーを得
た。これを噴霧乾燥して粉末化した後、過酸化水素水溶
液で再びスラリー化してポリプロピレン容器に流し込
み、乾燥後、ケーキを得た。このケーキを粉砕し、20
0〜500μmに整粒した後、1200℃で1時間1.
3×10-4Pa の減圧下で焼成した。得られた顆粒のX
線回折部を図2に示す。図中、aはリン酸四カルシウム
の主ピーク、bはα−リン酸三カルシウムの主ピークで
ある。この顆粒0.5gに45%クエン酸水溶液0.1
mlを滴下したところ、約10分後に顆粒が相互に強固に
固着した。
【0021】実施例3 実施例2でクエン酸を用いる代わりに45%リンゴ酸を
用いたところ、約20分後に顆粒が相互に強固に固着し
た。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、散逸することなく、欠
損部にとどまり、酸性溶液の滴下によって容易にかつ良
好に固着し、生体に対して無害な顆粒状骨補填材を提供
することができ、優れた歯科及び医科用顆粒状骨補填材
として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で調製した顆粒のX線回折図
である。
【図2】本発明の実施例2で調製した顆粒のX線回折図
である。
【符号の説明】
A・・・ハイドロキシアパタイトの主ピーク B・・・α−リン酸三カルシウムの主ピーク a・・・リン酸四カルシウムの主ピーク b・・・α−リン酸三カルシウムの主ピーク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ca/P比が1.5を超え、1.8以下
    であるリン酸カルシウムを減圧熱分解して得られたα−
    リン酸三カルシウムとリン酸四カルシウムとの混合物か
    ら成り、200〜500μmの粒径を有することを特徴
    とする歯科用及び医科用顆粒状骨補填材。
  2. 【請求項2】 Ca/P比が1.5を超え、1.8以下
    であるリン酸カルシウムを減圧熱分解してα−リン酸三
    カルシウムとリン酸四カルシウムとの混合物を生成さ
    せ、200〜500μmの粒径を有する顆粒に造粒する
    ことを特徴とする歯科用及び医科用顆粒状骨補填材の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 Ca/P比が1.5を超え、1.67未
    満であるリン酸カルシウムを1000℃以上の温度で焼
    成して得られたα−リン酸三カルシウムとハイドロキシ
    アパタイトとの混合物から成り、200〜500μmの
    粒径を有することを特徴とする歯科用及び医科用顆粒状
    骨補填材。
  4. 【請求項4】 Ca/P比が1.5を超え、1.67未
    満であるリン酸カルシウムを1000℃以上の温度で焼
    成してα−リン酸三カルシウムとハイドロキシアパタイ
    トとの混合物を生成させ、200〜500μmの粒径を
    有する顆粒に造粒することを特徴とする歯科用及び医科
    用顆粒状骨補填材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000000295A (ja) * 1998-04-16 2000-01-07 Merck Patent Gmbh 凝集促進剤を含むリン酸三カルシウム含有バイオセメントペ―スト
JP2001129073A (ja) * 1999-11-02 2001-05-15 Olympus Optical Co Ltd 骨補填材および骨補填材注入具
JP2002058735A (ja) * 2000-08-18 2002-02-26 Olympus Optical Co Ltd 顆粒状骨補填材
CN100340310C (zh) * 2005-05-08 2007-10-03 天津大学 β-TCP/HA复合生物材料的制备方法

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