JPH0633911A - 流体圧アクチュエータのピストン位置検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】誤動作を生じることなく流体圧アクチュエータ
のピストン位置を正確に検知できるピストン位置検出装
置を提供する。 【構成】非磁性材料のシリンダ１１内に滑動自在に収納
されたピストン１２に第１のマグネット１３を取付け、
第１のマグネットの移動軌跡の一部に接近したシリンダ
の外側に、第１のマグネットの磁極と反発する磁極を有
する第２のマグネット１７を、シリンダに関して半径方
向に移動自在にケーシング１５内に設け、更にケーシン
グ内に第２のマグネットの反発力によって駆動されかつ
スナップ駆動される接点機構２５を配設する。 【効果】外部磁界等のノイズ影響を受けても、シリンダ
位置に応じて接点機構を正確に動作させることができ、
精度と信頼性を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばスポット溶接機
等のワークをクランプする流体圧アクチュエータのピス
トン位置を検出して、そのクランプが正常であるか否か
の判断を行なう流体圧アクチュエータのピストン位置検
出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のピストン位置検出装置と
しては図１に示す如き構造のものがある。すなわち、１
は溶接機のワーク２を挾持するための一対のクランプで
あって、このクランプ１は、エア又は液体の流体圧を供
給するシリンダ３内に内装されているピストン４に接続
されているピストン軸５にジョイント６を介して連結さ
れており、流体圧で動作するピストン４の移動力で、ク
ランプ１がワーク２を挾持又は解放するものである。そ
してクランプ１によるワーク２の挾持が確実になされて
いるか否かの判断を行なうために、ピストン４の位置検
知を行なっており、このピストン４の位置検知手段とし
てピストン４の周面にマグネット７を埋設し、またシリ
ンダ３の外側定位置には、上記マグネット７の接近によ
り動作する近接スイッチ８を配置して、マグネット７の
接近による近接スイッチ８の動作で発信し、この発信で
ピストン４がクランプ１を図面において右方向に引き寄
せた位置、すなわちワーク２がクランプ１により完全挾
持されていることを検知しているものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記近接ス
イッチ８は、ＭＲ素子を組込んでいるスイッチであるこ
とから、この近接スイッチ８を溶接機の近傍において使
用した場合に、溶接機に接続されている電源ケーブル
が、この近接スイッチ８に接近したり接触すると、その
電源ケーブルから発生する強磁界が近接スイッチ８内部
のＭＲ素子や回路に作用し、これによって近接スイッチ
８が誤動作するという不具合があった。さらにこの近接
スイッチ８を使用することで複雑な処理回路が必要とな
って経済性の点でも不具合があった。

【０００４】また上記近接スイッチ８にかえ、図２に示
すようにリードスイッチ９を用いることも提案されてい
るが、このリードスイッチ９は、耐振性に欠けるため
に、例えば溶接作業場から発生する振動等を受けること
によりチャタリングを生じ、このリードスイッチのチャ
タリング現象によって誤動作を生じることもある等の不
具合もあった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、かかる従来の
不具合に着目してなされたもので、前記のＭＲ素子内装
の近接スイッチ、又はリードスイッチにかえ、ピストン
に取付けられているマグネットの磁力により反発動作す
るマグネットを組込み、このマグネットによる動作でス
ナップ駆動される接点板を内装してなるスイッチを設け
て、誤動作を生じることなく流体圧アクチュエータのピ
ストン位置を正確に検知できるピストン位置検出装置を
提供することにある。

【０００６】

【実施例】以下に本発明を図面に示す実施例に基いて詳
細に説明する。

【０００７】実施例Ｉ 図３乃至図６において、１１は流体アクチュエータの、
非磁性体からなるシリンダであって、このシリンダ１１
内には、ピストン１２が内装され、さらにこのピストン
１２の周面には、該ピストンの半径方向に着磁された環
状の第１のマグネット１３が嵌着されている（この第１
のマグネット１３のみの形状を図４（ａ）で示す）。１
４はシリンダ１１の外側かつ所定位置に固定されるスイ
ッチであって、このスイッチ構造は、ケーシング１５の
内部中央に突設されている支柱状のガイド部１６によっ
て摺動可能に保持されている環状の第２のマグネット１
７を有するが、この第２のマグネット１７は、その軸方
向に着磁されているものであり、しかもその軸方向が前
記ピストン１２の半径方向と一致されるように上記ガイ
ド部１６により支持されているものである。なおこの第
２のマグネット１７のみの形状を図４（ｂ）で示す。

【０００８】第２のマグネット１７の上側にはスペーサ
１８が被着され、このスペーサ１８の中央部には疣１９
が突設されている。２０はケーシング１５の上側開口部
に被着される蓋板であって、この蓋板２０の裏側には、
固定電極板２１と、この固定電極板２１に絶縁体２２を
介して隔設される可動電極板２３とからなる接点機構２
５が固定されている。なお可動電極板２３は、例えば図
５（ａ）、（ｂ）に示すように、スリット２３−１によ
りブリッジ状に形成されてスナップアクションを行なう
ことができる接点部２３−２を有するもの、あるいは図
５（ｃ）、（ｄ）に示すように、凹曲面形状に形成され
て、その中央部がスナップアクションを生じる接点板２
３−３であってもよい。２４は、前記接点機構２５とス
ペーサ１８との間に介装されてスペーサ１８を、接点機
構２５より遠ざけるように付勢しているスプリングを示
す。

【０００９】以上が本実施例の構造であるが、次にその
作用について述べると、流体アクチュエータにより、溶
接機のワークを完全挾持したことにより、ピストン１２
が図６に示す所定位置に到達すると、第１のマグネット
１３と第２のマグネット１７との間で反発力が生じ、そ
の結果第２のマグネット１７は、スプリング２４の弾圧
力に抗して押し上げられる。この第２のマグネット１７
が押し上げられたことによって、スペーサ１８の疣１９
によって可動電極板２３が押し上げられ、この可動電極
板２３と固定電極板２１との接触がなされてピストン１
２が所定位置に位置されていること、すなわちワークの
クランプが確実に行なわれていることが電気的信号によ
って検出される。

【００１０】またピストン１２が復元移動すれば、第１
のマグネット１３と第２のマグネット１７との反発力が
解除されるために、第２のマグネット１７はスプリング
２４の弾圧力で押し下げられその結果可動電極板２３は
固定電極板２１より離れスイッチの開路となる。

【００１１】このように本実施例にあっては、第１のマ
グネット１３と第２のマグネット１７の磁気作用を利用
してスイッチ機構の閉、開動作を行なうものであるが、
第２のマグネット１７の反発動作は、スプリング２４を
介して可動電極板２３を押動操作するものであるから、
このスプリング２４の弾圧作用により第２のマグネット
１７に外部振動が作用しても、該第２のマグネット１７
が揺動されることなく可動電極板２３の押動操作が確実
に維持できる。

【００１２】また可動電極板２３は、スナップアクショ
ンを有する構造となしていることから、それら電極板２
３，２１との接触時（閉路時）に、そのスイッチ機構に
外部振動が伝達されたとしても、上記スイッチ機構のチ
ャタリングが生じ難く、スイッチ動作の信頼性が向上さ
れる。

【００１３】実施例ＩＩ 図７において、本実施例は、環状である第２のマグネッ
ト１７の中央孔内に、スペーサ１８を嵌着させ、このス
ペーサ１８の内部に、ケーシング１５内底部とスペーサ
１８内上部との間に介在されるスプリング２４を設けた
ものである。従ってこの実施例の場合は、例えば第１の
マグネット１３と第２のマグネット１７とのギャップが
大きいことが原因で接点機構２５を動作、すなわち可動
電極板２３を押動するための磁力反発力が充分に得られ
ないとき、上記スプリング２４による弾圧力を利用して
可動電極板２３を確実に押動操作することができる特長
がある。

【００１４】実施例ＩＩＩ 図８において、この実施例は、前記固定電極板２１と可
動電極板２３とからなる接点機構２５を、市販のタクト
スイッチ２６にかえて使用したものである。従ってこの
実施例によれば、上記各実施例と同等の作用を得ながら
も、スイッチ機構１４の設計工数、組立工数が削減でき
経済性を大幅に高められるという特長がある。

【００１５】実施例ＶＩ 図９において、この実施例は、前記実施例におけるスイ
ッチ機構１４の外周面に、磁気シールドキャップ２７を
被着したものであって、この実施例によれば、外部磁界
（ノイズ）の影響を受けやすい場所であっても、そのス
イッチ機構のノイズによる誤動作を未然に防止し動作信
頼性をさらに高められることができる。

【００１６】

【発明の効果】以上のように本発明は、非磁性材料のシ
リンダ１１内に滑動自在にピストン１２が収納され、か
つ前記ピストン１２に第１のマグネット１３が取り付け
られた流体圧アクチュエータにおいて、前記第１のマグ
ネット１３の移動軌跡の一部に接近した前記非磁性材料
のシリンダ１１の外側に、前記第１のマグネット１３の
磁極と反発する磁極を有する第２のマグネット１７を、
前記シリンダ１１に関して半径方向に移動自在にケーシ
ング１５内に設け、更に該ケーシング１５内に前記第２
のマグネット１７の反発力によって駆動されかつスナッ
プ駆動される接点機構２５を配設してなる流体圧アクチ
ュエータのピストン位置検出装置であるから、これによ
ればピストン１２に取付けられている第１のマグネット
１３と、ケーシング１５内に設けられている第２のマグ
ネット１７との磁気的反発力によって接点機構２５をス
ナップ駆動することができるので、外部磁界等のノイズ
影響を受けても、シリンダの位置に応じて接点機構を正
確に動作せしめることができ、精度と信頼性に優れたピ
ストン位置検出装置が提供できるという効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例のピストン位置検出装置の構造説明図。

【図２】従来例のピストン位置検出装置の他の例を示し
た構造説明図。

【図３】本発明実施例のピストン位置検出装置の構造説
明図。

【図４】本発明実施例に用いられている第１，第２マグ
ネットの斜視図。

【図５】本発明実施例に用いられている可動電極板の構
造説明図。

【図６】本発明実施例の動作説明図。

【図７】本発明の第２実施例を示した構造説明図。

【図８】本発明の第３実施例を示した構造説明図。

【図９】本発明の第４実施例を示した構造説明図。

【符号の説明】

１１…シリンダ １２…ピストン １３…第１のマグネット １４…スイッチ １５…ケーシング １６…ガイド部 １７…第２のマグネット １８…スペーサ １９…疣 ２０…蓋板 ２１…固定電極板 ２２…絶縁体 ２３…可動電極板 ２４…スプリング ２５…接点機構 ２６…タクトスイッチ ２７…磁気シールドキャップ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 非磁性材料のシリンダ（１１）内に滑動
   自在にピストン（１２）が収納され、かつ前記ピストン
   （１２）に第１のマグネット（１３）が取り付けられた
   流体圧アクチュエータにおいて、前記第１のマグネット
   （１３）の移動軌跡の一部に接近した前記非磁性材料の
   シリンダ（１１）の外側に、前記第１のマグネット（１
   ３）の磁極と反発する磁極を有する第２のマグネット
   （１７）を、前記シリンダ（１１）に関して半径方向に
   移動自在にケーシング（１５）内に設け、更に該ケーシ
   ング（１５）内に前記第２のマグネット（１７）の反発
   力によって駆動されかつスナップ駆動される接点機構
   （２５）を配設してなる流体圧アクチュエータのピスト
   ン位置検出装置。