JPH06337104A - 触媒燃焼装置 - Google Patents

触媒燃焼装置

Info

Publication number
JPH06337104A
JPH06337104A JP5125676A JP12567693A JPH06337104A JP H06337104 A JPH06337104 A JP H06337104A JP 5125676 A JP5125676 A JP 5125676A JP 12567693 A JP12567693 A JP 12567693A JP H06337104 A JPH06337104 A JP H06337104A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
catalyst body
combustion
temperature
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5125676A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Kubota
亨 久保田
Yuka Kawabata
由佳 河端
Katsuyoshi Kumazawa
克義 熊澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP5125676A priority Critical patent/JPH06337104A/ja
Publication of JPH06337104A publication Critical patent/JPH06337104A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Spray-Type Burners (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 通電により発熱可能な導電性触媒体21に対
する着火時に必要な電力量を減少させつつ、着火時間の
短縮化図り、かつ燃焼器全体として充分な燃焼量を得
る。 【構成】 気化器27側から直列に配置された触媒体2
1,23のうち気化器27側の触媒体21を通電により
発熱可能な導電性触媒体とし、着火時に、この触媒体2
1に通電するとともに、気化器27に供給する燃料量を
通常燃焼時より少なくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、供給された燃料を触
媒体上で燃焼させる触媒燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】触媒体上での表面燃焼である触媒燃焼
は、通常の気相燃焼と燃焼方式が全く異なるため、多く
の特徴を有している。例えば、燃焼温度を1000℃以
下と低く抑えることができるため、サーマルNOの発
生を少くすることができる。また、触媒表面での接触反
応であるため、燃焼器自体が輻射体になり、暖房器に利
用した場合には、快適な輻射暖房を得ることができる。
そのほか、燃焼温度が低いために火炎に対する恐れが少
い、通常燃焼器に必要であった燃焼室といったスペース
が不要になるので燃焼器をコンパクトにできる、などの
メリットがある。
【0003】触媒体上で良好な燃焼を行わせるには、燃
料と空気との混合気である反応ガスの量が触媒体の容積
または表面積に対して適正な量であること、そして反応
ガスに対して触媒表面が充分に活性化した温度に保持さ
れている必要がある。通常、白金(Pt)やパラジウム
(Pd)などの貴金属触媒と炭化水素系の燃料との組み
合わせの場合では、この表面温度は最低500℃程度必
要である。すなわち、約500℃にならなければ充分な
触媒燃焼反応を得ることができず、その温度に達しない
場合には、未燃ガス成分、例えば人体に有害な一酸化炭
素(CO)であるとか、臭いの原因となる炭化水素など
が生じる。
【0004】また、ストーブなどの実際の機器において
は、着火時には触媒体の温度が周囲温度にまで低下して
いるため、そのままの状態で反応ガスを供給しても着火
が起こらず、未反応ガスが排出されてしまう。そのた
め、着火前に触媒体を予熱した後反応ガスを供給すると
いった着火動作が必要となる。
【0005】従来の一般的な予熱方法としては、触媒体
の上流側に設けた予熱バーナあるいは予熱ヒータで空気
を一旦加熱し、この加熱した空気を触媒体に送り込むこ
とによって触媒体を予熱する方法を用いていた。しか
し、このような予熱方法を用いると、次に示すような多
くの問題がある。
【0006】すなわち、予熱バーナ,予熱ヒータどちら
の場合も、一旦熱媒としての空気を加熱してから触媒体
を間接的に予熱するので非効率的である。つまり、触媒
体以外にも多量の空気を加熱する必要があり、また周囲
の通路なども同時に加熱するので、エネルギの大きな無
駄とともに時間的にも長くかかるという欠点がある。ま
た、予熱空気自体に温度むらが生じるのは避けられず、
そのため触媒体の温度にもむらが生じ、着火時に触媒体
の低温部から未反応ガスが通過し、臭気、白炎の発生と
いった問題が発生することが考えられる。さらに、予熱
バーナあるいは予熱ヒータを設置するスペースを設ける
必要があるので、装置が大きくなるといった欠点もあ
る。またそれだけ余分なコストアップにもつながる。
【0007】予熱バーナとして石油バーナを用いる場合
には、気化器の予熱時間等予熱バーナ自身の立ち上がり
時間が加わるためにさらに多くの時間が必要になる。そ
のうえ予熱バーナは気相燃焼であるために当然NOxの
発生があり、着火初期といっても低NOxといった特徴
が損なわれることは好ましくない。また、炭素は触媒毒
の一種であり、予熱バーナの着火あるいは消火時に僅か
に発生する炭素(煤)でもそれが触媒に付着すると触媒
の性能低下を来す虞がある。石油バーナの場合には、こ
こからの未燃ガスは、触媒がまだ充分に活性化していな
いので、放出され、臭気の発生の可能性もある。
【0008】予熱ヒータを用いる場合には、空気を加熱
するための大容量のヒータを備える必要があり、それに
伴う大容量のリレー回路や太い導線等本来燃焼器には必
要のない電気部品が増加し、コストアップの要因やラン
ニングコストアップの要因となる。
【0009】さらに、ストーブなどの実際の機器におい
ては、ON−OFF運転のない快適な暖房感を得るため
に暖房能力を幅広く変化させる必要があるが、触媒燃焼
器では暖房能力、すなわち燃焼量を変化させた場合には
それに応じて触媒の温度も変化することになる。
【0010】図7は、従来の触媒燃焼器の典型的な性能
特性図である。触媒温度は反応ガス量の増加とともに上
昇し、温度T2 に達したところで上流側の混合気へ逆火
する。また逆に反応ガス量を減少させると触媒温度も低
下し、温度T1 に達したところで未燃分としてのCO濃
度が許容値を越える。どちらもそれぞれ燃焼の限界を示
している。すなわち触媒温度がT1 となる反応ガス量G
1 が燃焼量の下限、T2 となるG2 が上限ということに
なる。通常反応ガス量G1 とG2 との比は最大でも1:
3と言われている。
【0011】図8は、暖房能力と触媒温度との関係を示
している。反応ガス量はほぼ暖房能力に対応するので図
7と同様に暖房能力には限界があり、反応ガス量G1
2にそれぞれ対応する暖房能力Q1 ,Q2 がそれぞれ
暖房能力の下限と上限ということになる。暖房能力の可
変幅も当然最大でも1:3程度となる。最近は住宅の断
熱性がどんどん良くなっており、一度希望の設定温度に
まで室温を上げた後はそれほど大きな暖房能力を必要と
しない。したがってON−OFF運転のない快適な暖房
を行うためには暖房能力可変幅が1:3程度では充分で
はなく、1:10程度が必要であると言われている。当
然従来の触媒燃焼器ではON−OFF運転が必要にな
り、それに伴う室温の変動からくる不快感、また同時に
省エネルギの観点からも問題がある。さらに触媒の温度
が暖房能力に応じて変化するために絶えずヒートショッ
クといった問題がつきまとい、ましてON−OFF運転
ともなるとヒートショックの程度も非常に大きなものと
なり、触媒の寿命自体を短くするといった問題があっ
た。
【0012】この欠点を解決する方法として、触媒体の
担体が通電によって発熱可能な抵抗値を有するハニカム
状の成型体からなり、この担体の電力供給のための電流
投入端子部分から通電し、触媒体を直接電流で加熱し、
触媒体が活性化温度に達した後に、反応ガスを供給する
方法がある。
【0013】この方法では、触媒体の予熱を触媒体の通
電による自己発熱によって行なわせるので、空気のよう
な熱媒を用いた間接的な加熱に比べて、無駄なエネルギ
を用いることがなく、しかも短時間で予熱し、着火する
ことができる。また、触媒体を均一に加熱することがで
きるので、未燃分を出さないクリーンな着火が可能とな
る。また、触媒燃焼時にも、電流値を制御することで、
触媒温度を触媒体が充分に活性な温度領域に維持できる
ので、触媒燃焼中は、反応ガスの量に拘らず触媒体の温
度を一定にすることができて、燃焼量の下限をほぼ零ま
で拡大することができ、暖房能力の可変幅を非常に大き
くすることができる。このため、従来のようにON−O
FF運転の必要がなく、効率的で快適な暖房感が得られ
るとともに、触媒の長寿命化も図ることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、触媒燃焼器
には、通常厚さ10mmで、400cell/ inch2 の触媒体
を用いるが、この触媒体で燃焼させることのできる燃焼
量は、10kcal/h・cm2程度が限界である。このような
触媒体の直径を、通常の93mm程度とした場合には、燃
焼量は700kcal/hが限界であり、これは一般家庭用の
暖房器の暖房能力の上限値が3000kcal/hであること
を考えると少なすぎ、これ以上の燃焼量を得ようとして
燃料を供給すると、触媒体の温度が触媒の耐熱温度を越
えてしまい、寿命が短くなるだけでなく、未燃のガス成
分がスリップしてしまう。
【0015】これを防ぐには、触媒体の厚さを増すか、
複数枚の触媒体を組み合わせる必要がある。その一例と
して、複数枚の触媒体を直列に配置し、供給した燃料混
合気を各段の触媒体で燃焼させて行く方法がある。この
多段の触媒燃焼器では、各触媒体を通電することで発熱
可能な導電性担体とした場合、実用上必要な着火するま
での時間である数分以内に触媒体を活性化するための通
電に必要な電力は、一般に1000Wを越えてしまう。
これは、一般家庭用機器では、電力量が多過ぎ、また同
時に液体燃料を加熱し気化させる気化器への通電も行わ
なければならないため問題である。すなわち、すでに着
火時、通常気化器の加熱で使用される電力は500Wも
必要としており、一般家庭で使用するには、さらに触媒
加熱に大電力を使用することはできない。また気化器の
通電と時間的に分けて加熱する方法もあるが、着火に必
要な時間が必要以上に長くなってしまい不便である。
【0016】また、導電性担体に用いる素材として有力
なものに、フェライト系ステンレス箔を用いたハニカム
構造のものがあるが、一般に抵抗値はそれほど高くな
く、そのため通常直径93mm程度で、厚さ10mm、40
0cell/ inch2 以上の触媒では、商用電圧100Vを印
加すると、電流値が大きすぎるため、実用上使用できな
い。ハニカム構造の導電性担体の抵抗値を上げる工夫と
して、金属箔を薄くする方法があるが、薄くすることは
組成的に限界があり、量産することができなくなる。こ
のため、触媒体の厚さを10mmとすると、抵抗値は10
Ω程度にしかならず、商用電圧100Vを印加すると電
力は1000Wとなり、触媒担体が急激に温度が上り、
過熱してしまう。また、触媒担体に接続するリード線
も、大電流対応の太いものを使う必要があり、コスト的
にも構造的にも無理がある。これは、触媒体の厚さが厚
く数が多いほど、その傾向がさらに大きくなる。また、
触媒体全体を導電性担体で作製すると、コスト的に高く
なるという欠点もある。
【0017】そこで、この発明は、通電により発熱可能
な触媒体に対する着火時に必要な電力量を減少させつ
つ、着火時間の短縮化図り、かつ充分な燃焼量を得るこ
とを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明は、第1に、供給された燃料を触媒体上で
燃焼させる触媒燃焼装置において、前記触媒体を複数直
列に配置し、この複数の触媒体のうち燃料供給の最上流
側の触媒体を通電によって発熱可能な導電性触媒体と
し、着火動作時には、前記導電性触媒体に通電するとと
もに、燃料供給量を通常燃焼時より少なくした構成とし
てある。
【0019】第2に、第1の構成において、導電性触媒
体に供給する燃料と空気との混合気は、通常燃焼時より
燃料に対する空気の割合を小さくした構成としてある。
【0020】
【作用】第1の構成によれば、着火時には燃料供給の最
上流側の触媒体に通電加熱し、この加熱した触媒体に供
給する燃料を通常燃焼時よりも少なくし、これにより通
電に必要な電力量が少なくて済むとともに、着火時間も
短縮され、未燃焼ガスの発生も抑制される。着火後は、
導電性触媒体の下流の触媒体が導電性触媒体の輻射熱で
加熱され、この触媒体上でも燃焼することで、充分な燃
焼量が得られる。
【0021】第2の構成によれば、着火時に導電性触媒
体に供給される混合気中の燃料に対する空気の割合が通
常燃焼時より小さく、このため導電性触媒体の温度の急
激な低下が抑制される。
【0022】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づき説明
する。
【0023】図1は、この発明の一実施例による触媒燃
焼装置を適用した石油ストーブの外観斜視図で、図2は
その内部構造図である。筐体1の前面上部には、暖房運
転の開始及び停止や温度設定などの操作を行う操作パネ
ル3が設けられ、操作パネル3上の各種スイッチを操作
することで、内蔵するマイクロコンピュータなどからな
る制御回路によって各種の制御動作がなされる。筐体1
の内部の右側部には液体燃料である石油を入れる石油タ
ンク5が収納され、石油タンク5は蓋7を開放すること
で取り出すことができる。石油タンク5の図中で左側方
には、風防8内に設置される図3に示すような触媒燃焼
装置9が設けられている。触媒燃焼装置9の前方の筐体
1の前面には、温風を吹き出すルーバ付吹き出し口11
が形成されている。筐体1の底部には石油が漏れたとき
の受け皿兼台13が設けられている。
【0024】石油タンク5内の石油は、その底部から流
出して図示しない油溜めに送られた後、フィルタによっ
て埃が除かれる。フィルタ通過後の石油は、電磁ポンプ
15により銅製の燃料パイプ17を通して触媒燃焼装置
9に供給される。電磁ポンプ15は、前述した制御回路
によって流量を調整できる。
【0025】触媒燃焼装置9は、上部に開口部19aを
備えた触媒筒19を有し、この触媒筒19内のほぼ中央
部には通電によって発熱可能な導電性触媒体を構成する
第1触媒体21が、上部開口部19a付近には通常の第
2触媒体23がそれぞれ配置され、第1触媒体21の下
方の隔壁板25には燃料パイプ17を経て送られる液体
燃料を気化させる気化器27が設置されている。
【0026】気化器27は、上部が開口した円筒部材2
9内にメタルメッシュ31からなる蒸発体が充填されて
おり、円筒部材29の周囲にはシーズヒータ33が熱的
に接合されている。気化器27は気化器カバー35で覆
われており、気化器27で気化された燃料蒸気は、気化
器カバー35の周囲に形成された燃料供給口35aから
第1触媒体21の上流の第1燃焼室37に供給される。
隔壁板25の下方の空間39には、モータ41により回
転するファン43が設置され、ファン43の回転により
触媒筒19の外部から燃焼用空気が隔壁板25に形成さ
れた空気供給口25aを通して第1燃焼室37に流入
し、ここで気化器27にて蒸気となった燃料と混合して
混合気を形成する。
【0027】触媒筒19の外周壁には、空間39及び、
第1触媒体21と第2触媒体23との間の第2燃焼室4
5にそれぞれ接する部位に、空気供給口19b,19c
が形成されている。これらの空気供給口19b,19c
を覆うように触媒筒19の外周には空気供給ダクト47
が設けられ、触媒筒19と空気供給ダクト47との間に
空気供給通路49が形成される。ファン43の回転によ
って発生する燃焼用空気は、空間39からこの空気供給
通路49を通して第2燃焼室45にも供給される。ま
た、第1燃焼室37に接する触媒筒19の外周壁にも小
孔19dが形成されている。
【0028】触媒筒19上端の開口部19aから排出さ
れる燃焼ガスは、触媒燃焼装置9の下方に配置された横
風ファン50により送られる対流空気に伴われて、筐体
1の前面の排出口11から温風として外部に排出されて
暖房に供される。
【0029】第1触媒体21は、図4(a)にその半分
のみを示す平面図で、図4(b)に側面断面図で示すよ
うに、外周部に外側電極51が、中心部に内側電極53
がそれぞれ装着されている。外側電極51は周囲が絶縁
碍子55で覆われ、この絶縁碍子55は触媒筒19の内
壁に装着された支持部材56上に載置された状態で第1
触媒体21が触媒筒19に支持される。外側電極51の
外周部及び、中央電極53の下方への突出端部には、電
力を供給するためのリード棒57及び59の一端がそれ
ぞれ接続され、リード棒57及び59の他端は触媒筒1
9及び空気供給ダクト47を貫通して外部に引き出され
ている。リード棒57及び59と触媒筒19及び空気供
給ダクト47との間には絶縁碍子61及び63が介装さ
れている。リード棒57及び59は剛性があり、第1触
媒体21を支持する役割も果たしている。
【0030】第1触媒体21の詳細を、図4(a)のA
部の拡大された詳細図である図5(a)及び、図5
(a)のB部の拡大された詳細図である図5(b)に基
づき説明する。コルゲート状に成型した導電性の触媒担
体65の両面に、アルミナのウォッシュコート層を形成
し、その上に白金またはパラジウムの触媒層67を設
け、このコルゲート状部材の両側に平板の導電性の触媒
担体69を配置してある。触媒担体69の触媒担体65
側の面にも、アルミナのウォッシュコート層を介して白
金またはパラジウムの触媒層71を設けてある。このよ
うな構造のものを一組として、シリカ製の絶縁テープ7
3を間に設けた状態で幾層にも渦巻状に巻き込んで図4
のような円盤状の触媒体21が作製される。渦巻状に巻
き込まれた触媒体21は、中央部分が重力で落下する可
能性があるが、前述した中央電極53が中央部分を支持
しているので、このような事態は発生しない。触媒担体
65,69の素材は、例えばFe60%,Cr35%,
Al5%のフェライト系ステンレス箔(厚さ50μm)
を用いる。ステンレス箔の固有抵抗値は、140μΩ/
cm である。
【0031】第1触媒体21の厚さは8mmで、触媒体と
しては薄いものとなっている。一方、第2触媒体23の
厚さは50mmであり、その触媒担体には第1触媒体21
と同様にフェライト系ステンレスのコルゲートハニカム
構造のものを使用しているが、各層は全てスポット溶接
されている。
【0032】このような構成とすることで、第1触媒体
21の触媒担体65,69の抵抗値は約12Ωとなり、
これに50Vの電圧を印加すると、消費電力は約200
Wとなり、触媒担体65,69の熱容量から考えて、約
1分程で触媒燃焼着火に必要な400度℃まで加熱する
ことができる。一方、第2触媒体23の大きさは、燃焼
器に必要な暖房能力から算出されたものであり、一般家
庭用の石油暖房器の暖房能力の上限値である3000 k
cal / h の能力が必要であるとすると、一般的な直径1
00mm程度の触媒体では、第1触媒体21よりかなり大
きくなり、実用上5〜10倍の大きさである。
【0033】実際に、触媒担体65,69に50Vの電
圧を印加するには、変圧器で商用電圧100Vを降圧し
て用いるか、トライアックで電力量制御して実質50V
印加に相当するように電力量を調整するかしなくてはな
らないが、気化器27の500Wのシーズヒータ33と
触媒担体65,69とを直列接続して抵抗分割すれば、
複雑な回路を形成しなくて済む。このとき、気化器27
の温度が充分暖まっても、第1触媒体21が充分活性化
していなければ、気化器27に燃料が供給されないよう
な機構になっているものとする。また、着火後は、第1
触媒体21に通電する必要はないが、これは、リレー切
り替え回路によって、気化器27のシーズヒータ33に
のみ商用電圧100Vが印加されるよう切り替えるよう
にすればよい。
【0034】気化器27にはサーミスタなどの温度セン
サが取り付けられて気化器27の温度が一定に制御さ
れ、一方第1触媒体21には非接触の温度センサが取り
付けられ、この温度センサは第1触媒体21からの赤外
線を検出してその温度を求め、これにより加熱時に活性
化温度になるよう制御される。
【0035】図6は、触媒燃焼装置9における着火時の
動作を示すフローチャートである。まず、操作パネル3
上の運転スイッチを投入すると(ステップ101)、第
1触媒体21の触媒担体65,69が通電されるととも
に、気化器27のシーズヒータ33にも通電され、これ
らがほぼ同時に加熱される(ステップ103)。
【0036】第1触媒体21の温度が400℃を越えて
活性化温度になるとともに、気化器27の温度が350
℃を越えて液体燃料を気化できる温度になったら(ステ
ップ105)、この時点で石油が電磁ポンプ15により
気化器27に送られるとともに、ファン43により燃焼
用空気が第1燃焼室37に送られる(ステップ10
7)。第1触媒体21及び気化器27の加熱時間は、ほ
ぼ同じであって約1分程度であり短縮化され、消費電力
は第1触媒体21が200W、気化器27のヒシーズヒ
ータ33が500Wであって低消費電力化されている。
【0037】気化器27に供給される石油燃料は、第1
触媒体21で充分燃やし切れる程度の少ない量、燃焼量
として400kcal/h程度に電磁ポンプ15で絞られてい
る。また、石油燃料と燃焼用空気との比である当量比
(燃料/空気)は、通常燃焼時に比べて大きくしてあ
る。すなわち、通常燃焼では、この値は0.3〜0.6
としているが、着火時には0.5〜0.6として空気の
割り合いを小さくしている。
【0038】気化器27に送られた液体の石油はここで
蒸発気化し、第1燃焼室37に流出して燃焼用空気とで
混合気を形成する。この混合気は、活性化温度に達して
いる第1触媒体21に接触することで着火燃焼する(ス
テップ109)。着火にあたっては、供給される混合気
が通常燃焼時より少ない量であるため、未燃ガスの発生
はほどんどなく、また当量比が通常燃焼時より大きくな
っているので、供給される空気による第1触媒体21の
温度低下は、極めて小さいものとなり、着火が容易とな
って未燃ガスの発生が抑制される。
【0039】第1触媒体21上で燃焼が開始され、これ
により発生する輻射熱と熱風とが第2触媒体23に及ぶ
と、第2触媒体23の温度が上昇する。第2触媒体23
の温度が触媒燃焼に必要な温度、約400℃を越えると
(ステップ111)、電磁ポンプ15による石油の供給
量及び、ファン43による燃焼用空気の供給量をそれぞ
れ増加させて、供給する混合気の量及び比を通常燃焼時
のものとする(ステップ113)。第2触媒体23の温
度が、約400℃に達するまでの時間は約3分である。
なお、気化器27の温度はサーミスタで一定に制御され
るが、触媒体の燃焼熱を回収することで気化はより促進
され、このようにすることでシーズヒータ33の加熱に
要する電力が少なくて済む。
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように、第1の発明に
よれば、複数直列に配置した触媒体のうち燃料供給の最
上流側の触媒体を通電によって発熱可能な導電性触媒体
とし、着火動作時に、導電性触媒体に通電して加熱する
とともに、燃料供給量を通常燃焼時より少なくする構成
としたので、通電に必要な電力量が少なくて済むととも
に、着火時間も短縮され、しかも未燃焼ガスの発生も抑
制される。着火後は、導電性触媒体の下流の触媒体が導
電性触媒体の輻射熱で加熱され、この触媒体上でも燃焼
し、充分な燃焼量を得ることができる。
【0041】第2の発明によれば、導電性触媒体に供給
する燃料と空気との混合気を、通常燃焼時より燃料に対
する空気の割合を小さくしてあるので、着火時に供給さ
れる空気による触媒体の温度の急激な低下が抑制され、
着火が容易になされて未燃焼ガスの発生も抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による触媒燃焼装置を適用
した石油ストーブの外観斜視図である。
【図2】図1の石油ストーブの内部構造図である。
【図3】図1の石油ストーブに適用される触媒燃焼装置
の断面図である。
【図4】(a)は図3の触媒燃焼装置に使用される導電
性触媒体の半分を示す平面図、(b)は(a)の側面断
面図である。
【図5】(a)は図4(a)のA部の拡大図、(b)は
図5(a)のB部の拡大図である。
【図6】図1の触媒燃焼装置を適用した石油ストーブの
着火時の制御動作を示すフローチャートである。
【図7】従来の触媒燃焼装置の性能特性図である。
【図8】従来の触媒燃焼装置の暖房能力と触媒温度との
関係を示す特性図である。
【符号の説明】
9 触媒燃焼装置 21 第1触媒体(導電性触媒体) 23 第2触媒体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給された燃料を触媒体上で燃焼させる
    触媒燃焼装置において、前記触媒体を複数直列に配置
    し、この複数の触媒体のうち燃料供給の最上流側の触媒
    体を通電によって発熱可能な導電性触媒体とし、着火動
    作時には、前記導電性触媒体に通電するとともに、燃料
    供給量を通常燃焼時より少なくしたことを特徴とする触
    媒燃焼装置。
  2. 【請求項2】 導電性触媒体に供給する燃料と空気との
    混合気は、通常燃焼時より燃料に対する空気の割合が小
    さいものとしたことを特徴とする請求項1記載の触媒燃
    焼装置。
JP5125676A 1993-05-27 1993-05-27 触媒燃焼装置 Pending JPH06337104A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5125676A JPH06337104A (ja) 1993-05-27 1993-05-27 触媒燃焼装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5125676A JPH06337104A (ja) 1993-05-27 1993-05-27 触媒燃焼装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06337104A true JPH06337104A (ja) 1994-12-06

Family

ID=14915910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5125676A Pending JPH06337104A (ja) 1993-05-27 1993-05-27 触媒燃焼装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06337104A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008527300A (ja) * 2005-01-14 2008-07-24 ベバスト・アクチィエンゲゼルシャフト 燃料と酸化剤の均一な混合物を提供するための装置および方法
JP2010276331A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Samsung Sdi Co Ltd 触媒燃焼器及び燃料改質器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008527300A (ja) * 2005-01-14 2008-07-24 ベバスト・アクチィエンゲゼルシャフト 燃料と酸化剤の均一な混合物を提供するための装置および方法
JP2010276331A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Samsung Sdi Co Ltd 触媒燃焼器及び燃料改質器
US8617269B2 (en) 2009-05-28 2013-12-31 Samsung Sdi Co., Ltd. Catalytic combustor and fuel reformer having the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR950011463B1 (ko) 촉매연소장치
EP0529368B1 (en) Catalytic combustion apparatus and method
WO1997048945A1 (fr) Chambre de combustion catalytique
JPH06337104A (ja) 触媒燃焼装置
JP3250058B2 (ja) 燃料電池用原料改質装置のメタノールバーナ
JPH07127816A (ja) 触媒燃焼装置及び触媒体の製造方法
JP3767104B2 (ja) 触媒燃焼装置
JP2006501435A (ja) 後燃焼装置
JPH06337105A (ja) 触媒燃焼装置
JPS6126757Y2 (ja)
JPH06137522A (ja) 触媒燃焼装置
JPS6137524B2 (ja)
JPS6349219Y2 (ja)
GB2243310A (en) Catalytic burner
JP3216911B2 (ja) 気化器及びその加熱方法
JPH0217306A (ja) 多孔体バーナ
JP2000310403A (ja) 触媒燃焼装置
JPS60207818A (ja) 液体燃料燃焼装置
JPH062820A (ja) 燃焼装置
JP3313520B2 (ja) 触媒燃焼装置の制御方法
JPS59131811A (ja) 燃焼装置
JP2001165434A (ja) 蒸発式燃焼装置
JP3300149B2 (ja) 触媒燃焼装置
JPH04186019A (ja) カイロの点火方法
EP0119279A1 (en) Catalytic combustion arrangement