JPH06336650A - ねじり特性の優れた駆動伝達系部品 - Google Patents

ねじり特性の優れた駆動伝達系部品

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JPH06336650A
JPH06336650A JP14854693A JP14854693A JPH06336650A JP H06336650 A JPH06336650 A JP H06336650A JP 14854693 A JP14854693 A JP 14854693A JP 14854693 A JP14854693 A JP 14854693A JP H06336650 A JPH06336650 A JP H06336650A
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JP14854693A
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Michitomo Uemura
実千知 植村
Manabu Watanabe
学 渡辺
Yatsuka Takada
八束 高田
Noritaka Miyamoto
典孝 宮本
Masazumi Onishi
昌澄 大西
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Toyota Motor Corp
Aichi Steel Corp
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Toyota Motor Corp
Aichi Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ねじり特性に優れた駆動伝達系部品。 【構成】 重量比で、C;0.45〜0.60%、S
i;1.50〜2.50%、Mn;0.40〜1.20
%、P;0.020%以下、S;0.010%以下、N
i;0.10〜1.00%、Cr;0.20〜0.40
%、Mo;0.20〜0.40%と、V;0.05〜
0.40%、Nb;0.03〜0.40%のうち1種ま
たは2種、O;0.0020%以下、N;0.0050
〜0.0200%を含有し、残部がFeおよび不純物元
素からなる鋼に高周波焼入を行った後、焼戻しを施した
駆動伝達系部品である。本発明はSiを1.5%以上添
加したので必要なねじり強度が確保しつつ、C含有量の
上限を0.60%に抑えることができ、焼割れと加工性
の劣化を防止することができた。また、Ni、Cr、M
oの適量添加により焼入性を向上させ、優れたねじり特
性を有する駆動伝達系部品を得ることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機械装置等、特に自動車
等におけるシャフト等軸形状を有する部品であって、か
つ高いねじり応力を受ける部位への使用に適した駆動伝
達系部品に関する。
【0002】
【従来の技術】シャフト等軸形状を有する自動車部品等
においては、ねじりトルクが負荷されるため、高い静ね
じり強度、ねじり疲労強度が要求される。従来、これら
の部品に対しては、高周波焼入処理を前提として、JI
S S43C〜S53C等の中炭素鋼が広く使用されて
いる。
【0003】高周波焼入処理は、浸炭焼入、窒化等の他
の表面硬化法に比べて、硬化層深さが深くできるため
に、静ねじり強度、ねじり疲労強度等のねじり特性の向
上方法としては非常に有効的な方法であり、また、高周
波焼入処理においては、硬化層の硬さを高くする必要が
あり、そのため比較的炭素量の多いS43C〜S53C
等の中炭素鋼が用いられている。
【0004】また、高周波焼入によって、高強度化を可
能とする公知先行技術として、特開昭60−16954
4号公報に示される出願がある。この発明は、必須成分
として、C:0.30〜0.80%、Si:0.40〜
2.0%、Mn:0.40〜2.0%、P:0.010
%以下、S:0.030%以下、O:0.0030%以
下、残部Feおよび不純物からなる鋼に高周波焼入を行
って、疲労強度を高めた高強度機械構造用部品およびそ
の製造方法に関するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、自動車用エンジ
ンは急速に高性能化が進められ、特に等速ジョイント、
プロペラシャフト等のシャフト類の駆動伝達系部品に対
しては、エンジンの高出力化とともに負荷されるねじり
トルクが高くなっている。このねじりトルクの増加に対
する対応として、重量増や部品のサイズアップを行うこ
とは技術的に容易であるが、軽量化の要請が極めて強く
なってきているため、部品の高強度化により、できるだ
け重量増加を行わずに対応できる技術が要求されてい
る。しかしながら、S43C〜S53C等の中炭素鋼に
対し高周波焼入を施しても、この要求を満足することは
不可能である。
【0006】従来より高い静ねじり強度、ねじり疲労強
度を得るために、炭素量を0.60%超に高めた鋼の使
用も考えられるが、炭素量を高めると鍛造時の割れ、高
周波焼入による割れ、歪み等の問題点の解決が必要にな
る。また、部品成形面においては、従来の熱間鍛造から
温間鍛造、冷間鍛造への移行傾向があり、炭素量の増加
は加工性の著しい低下をまねき、適切でない。
【0007】また、前記公報に記載された発明は、疲労
強度の向上を重視した発明であるが、主として歯車を対
象とした発明であって、ねじり強度の向上に関しては全
く検討されていない。そしてこの発明は請求項2、3に
おいて、Ni、Cr、Mo、N、Nb、V等を含んでも
良いと文言上書かれているが、実施例ではたとえばNi
を含んだものにはCrやMoは含まれず、またMoを含
んだものにはNiやCrが含まれないなど、十分な硬化
深さが得られるかどうかについては何ら考慮されないも
のである。従って、硬化深さ、さらには焼割れの防止や
部品成形時の加工性まで考慮した優れたねじり強度を有
する駆動伝達系部品の開発が強く望まれていた。
【0008】本発明は自動車用等の高周波焼入部品に使
用される従来鋼の前記のごとき問題点に鑑みてなされた
ものであって、従来技術では得ることが困難な、高い静
ねじり強度、および、ねじり疲労強度を有し、かつ鍛造
等の加工性にも優れた駆動伝達系部品を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明においては、焼割
れの防止と加工性の確保を重視しているため、C含有量
の上限は0.60%に規制しなければならず、C量の調
整のみでは静ねじり強度及びねじり疲労強度の向上に対
する要求を満足することができない。そこで、本発明者
等は、Si添加による焼戻し軟化抵抗性の向上に着目
し、ねじり強度との関係について調査し、以下に示す知
見を得た。
【0010】すなわち、Si含有量の下限を1.50%
に規制して焼戻し軟化抵抗性を向上させることにより、
従来にない、高い静ねじり強度及びねじり疲労強度が得
られることを見出した。Si量の多量添加により、炭素
量を焼割れや加工性の劣化が起きない範囲に規制しても
十分満足できるねじり特性を得ることができる。
【0011】静ねじり強度及びねじり疲労強度を向上さ
せるためには、鋼の焼入性を向上させ、高周波焼入によ
る硬化深さを大きくすることが必要である。そのために
Cr、Ni、Mo等の合金の添加が考えられるが、これ
らの合金を添加すると高周波焼入れ時の部品の歪、割れ
等が増大し、また鍛造性が著しく阻害される等の部品の
製造性の低下を招く。そこで、さらに研究を進めた結
果、従来のSCr、SCM等のJIS鋼に比べ少ないC
r量に抑え、代わりにNiを添加することによって製造
性の低下を招くことなく必要な焼入性を確保できること
を見出した。具体的には、Ni;0.10〜1.00
%、Cr;0.20〜0.40%、Mo;0.20〜
0.40%の添加によって高周波焼入において必要な硬
化深さを得られることを知見した。なお、硬化層(焼入
後の組織が50%以上のマルテンサイト組織である層)
の深さを部品の半径の0.5倍以上とすることによっ
て、優れたねじり特性を得ることができる。
【0012】また、高い静ねじり強度及びねじり疲労強
度を得るために硬化深さを大きくするには比較的長時間
の加熱時間を要するが、その結果ミクロ組織が粗大化し
て靱性の低下を招く可能性がある。従って、本発明では
V、Nbを適量添加するとともに、N含有量を50〜2
00ppmに規制することで高周波焼入層のミクロ組織
の微細化を図った。なお、V、Nbは前記組織の微細化
効果とともに析出強化によりねじり特性向上にも寄与す
る。さらに、高周波焼入層の靱性の確保のためには、M
oを0.20%以上添加しP、S、Oの含有量を低減す
ることが有効である。本発明は、これらの複合効果によ
り、強靱な深い高周波焼入層が得られ、その後焼もどし
を施すことにより、高い静ねじり強度及びねじり疲労強
度を有する駆動伝達系部品の提供を可能としたものであ
る。
【0013】本発明であるねじり特性の優れた駆動伝達
系部品は、前記の知見に基づいて完成されたものであっ
て、重量比で、C;0.45〜0.60%、Si;1.
50〜2.50%、Mn;0.40〜1.20%、P;
0.020%以下、S;0.010%以下、Ni;0.
10〜1.00%、Cr;0.20〜0.40%、M
o;0.20〜0.40%と、V;0.05〜0.40
%、Nb;0.03〜0.40%のうち1種または2
種、O;0.0020%以下、N;0.0050〜0.
0200%を含有し、残部がFeおよび不純物元素から
なる鋼に高周波焼入を行った後、焼戻しを施したことを
特徴とする。なお、本発明で言う駆動伝達系部品とは、
例えば自動車のCVJの中間シャフト等駆動力を伝達す
るために高いねじり応力が負荷される部品のことを指
す。
【0014】
【作用】本発明対象鋼は、Siを1.5%以上添加して
ねじり強度の向上を図っているので、必要な強度を確保
しつつC含有量の上限を0.60%に抑えることがで
き、焼割れと加工性の劣化を防止することができた。ま
た、Ni、Cr、Moの適量添加により焼入性を向上さ
せ、かつV、Nbの添加、Nの適量化を行ったので、硬
化深さの確保と焼入層のミクロ組織の粗大化防止を図る
ことができた。本発明は、これらの複合効果により、製
造性を低下させることなく高い静ねじり強度及びねじり
疲労強度を有する駆動伝達系部品を得ることができた。
【0015】本発明の駆動伝達系部品に使用する鋼の組
成範囲を限定した理由について以下に説明する。 C;0.45〜0.60% Cは必要な高周波焼入硬さおよび内部硬さを得るために
必要な元素であり、所望の焼入れ硬さおよび内部硬さを
確保するためには、0.45%以上含有させることが必
要である。しかし、0.60%を越えて含有すると、高
周波焼入時に割れが発生し易くなるので、上限を0.6
0%とした。
【0016】Si;1.50〜2.50% Siは焼戻し軟化抵抗を高め、優れたねじり特性を得る
ために必要な元素であり、前記効果を得るためには少な
くとも1.50%以上、望ましくは2.00%を越えて
含有させる必要がある。しかし、2.50%を越えて含
有させると、脱炭による影響で優れたねじり特性を安定
して確保することが困難となるので、上限を2.50%
とした。
【0017】Mn;0.40〜1.20% Mnは製鋼時の溶鋼の脱酸に必要な元素であると共に、
基地を強化するために必要な元素であって、前記効果を
得るためには、少なくとも0.40%以上含有させる必
要がある。しかし、1.20%を越えて含有させると、
加工性並びに被削性が低下し、かつ高周波焼入れ時に割
れが発生し易くなるので上限を1.20%とした。
【0018】P;0.020%以下 Pは粒界に偏析して、ねじり強度、靱性を低下する有害
な元素であるので、可及的に少ない方が好ましく、上限
を0.020%以下とした。
【0019】S;0.010%以下 Sは硫化物系介在物を生成し、ねじり強度と鍛造性を阻
害する。また、高周波焼入層の靱性を確保するためにも
できるだけ低減することが望ましく、上限を0.010
%以下とした。
【0020】Ni;0.10〜1.00% Niは鋼の焼入性を向上させる元素であり、特に高周波
焼入による硬化深さの増大に大きな効果がある。また、
Niの添加により必要なCr添加量を抑え、高周波焼入
時の歪、割れ発生等の防止を図るために不可欠な元素で
ある。前記効果を得るためには少なくとも0.10%以
上含有させる必要がある。しかし、1.00%を越えて
含有させると、加工性および被削性を低下し、高周波焼
入時の割れの発生が却って起きやすくなるため、上限を
1.00%とした。
【0021】Cr;0.20〜0.40% Crは鋼の焼入性を向上させる元素であり、高周波焼入
における硬化深さの増大に大きな効果がある。そのため
少なくとも0.20%以上含有させる必要がある。しか
し、0.40%を越えて含有させると鍛造性を低下し、
高周波焼入時の割れが発生を助長するため、上限を0.
40%とした。
【0022】Mo;0.20〜0.40% Moは鋼の焼入性と靱性を向上させる元素であり、特に
高周波焼入による硬化深さの増大に大きな効果がある。
そのため少なくとも0.20%以上含有させる必要があ
る。しかし、0.40%を越えて含有させると、高周波
焼入時の割れが発生の可能性があるため、上限を0.4
0%とした。
【0023】V;0.05〜0.40%、Nb;0.0
3〜0.40% VおよびNbは、高周波焼入層のミクロ組織微細化によ
る靱性の確保及び析出強化によるねじり特性向上のため
に必要な元素である。前記効果を得るためにはVにあっ
ては0.05%以上、Nbにあっては0.03%以上の
少なくとも1種を含有させる必要がある。しかし、いず
れの元素も0.40%を越えて含有させても、その効果
が飽和するので、上限を0.40%とした。
【0024】O;0.0020%以下 Oは酸化物系介在物を生成し、高周波焼入層の靱性を低
下させる元素であり極力低減させる必要がある。所望の
高周波焼入層の靱性を確保するためには、その含有量を
0.0020%以下にする必要がある。
【0025】N;0.0050〜0.0200% Nは、結晶粒を微細化し高周波焼入層の靱性の確保のた
めに必要な元素である。前記効果を得るためには少なく
とも0.0050%以上含有させる必要がある。しか
し、0.0200%を越えて含有させても、その効果が
飽和するので、その上限を0.0200%とした。
【0026】以上説明した各成分が添加された鋼を用
い、高周波焼入を施した後、焼もどしを行うことによっ
て、優れたねじり強度を有する駆動伝達系部品を製造す
ることができる。なお、焼もどし条件は前記した成分範
囲内の各鋼に応じて適切に調整することが必要である
が、温度を150〜350℃、加熱時間を30〜120
分とすることによって、優れたねじり強度を確保するこ
とができる。
【0027】
【実施例】本発明の実施例を比較例および従来例と対比
して説明し本発明の効果を明らかにする。表1に示す化
学成分からなる本発明鋼、比較鋼および従来鋼を電気炉
にて溶製し、分塊圧延後、熱間圧延した丸棒より、試験
片を作製した。表1において、No.1〜10鋼は本発
明鋼であり、No.11〜21は比較鋼であり、No.
22は従来鋼S53Cである。なお、比較鋼のうちN
o.11鋼はC含有量が本発明の組成範囲より少ない比
較鋼、No.12鋼はC含有量が本発明の組成範囲より
多い比較鋼、No.13鋼はSi含有量が本発明の組成
範囲より少ない比較鋼、No.14鋼はSi含有量が著
しく低い比較鋼、No.15鋼はSi含有量が本発明の
組成範囲より多い比較鋼、No.16〜18鋼はMn、
Ni、Cr含有量がそれぞれ本発明の組成範囲より少な
い比較鋼、No.19鋼はCr含有量が本発明の組成範
囲より多い比較鋼、No.20鋼はMo含有量が本発明
の組成範囲より少ない比較鋼、No.21鋼はV、Nb
含有量が本発明の組成範囲より少ない比較鋼である。
【0028】
【表1】
【0029】これら供試鋼について、静ねじり強度、ね
じり疲労強度、焼割れおよび硬化深さについて評価し
た。得られた結果は表2に示した。なお、静ねじり強度
については、35φの中実試験片を20KHzで高周波
焼入れし、180℃で90分焼もどしを行い、ねじり試
験機を用いて破断したときの最大剪断応力を測定して評
価した。また、ねじり疲労強度は、同試験片を用い、共
振型ねじり疲労試験機により、繰り返し数200万回に
おける疲労強度を測定して評価した。また、表2に示す
硬化深さは、前記条件にて高周波焼入れして硬化深さが
半径の0.5倍以上のものについては○、0.5倍未満
のものについては×で示したものである。
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように、従来鋼であるN
o.22は、静ねじり強度が1450MPa、ねじり疲
労強度が350MPaであった。一方、比較鋼のうちN
o.11鋼はC含有量が本発明の組成範囲より少なかっ
たので、静ねじり特性およびねじり疲労強度が不足し、
比較鋼No.12鋼はC含有量が本発明の組成範囲より
多かったので、焼割れが発生しねじり強度が測定できな
かった。
【0032】比較鋼No.13およびNo.14はSi
含有量が本発明の組成範囲より少なかったので、ねじり
強度、ねじり疲労強度ともに低かった。No.15鋼は
Si含有量が本発明の組成範囲より多かったので、表面
の脱炭が他の鋼種に比べて多くなり、静ねじり強度が1
640MPa程度、ねじり疲労強度が450MPa程度
と低いものであった。比較鋼No.16、No.18お
よびNo.20鋼はMn、Cr、Mo含有量がそれぞれ
本発明の組成範囲より少なかったので、必要な硬化深さ
が得られず、ねじり強度が1582〜1641MPa、
ねじり疲労強度は420〜450MPaであって、所期
のねじり強度が得られなかった。また、比較鋼No.2
1はVおよびNbの含有量が本発明の組成範囲より少な
かったので、硬化深さは得られたものの、同様に所期の
ねじり特性が得られなかった。なお、比較鋼No.17
はNi含有量が少なく、比較鋼No.19はCr含有量
が高かったので、焼割れが発生しねじり強度が測定でき
なかった。
【0033】これに対して本発明の組成範囲内の鋼であ
るNo.1〜10は、C含有量の適正化を図り、Ni、
Cr、Mo量の適正化によって焼割れを防止できるとと
もに、静ねじり強度が1722〜1932MPa、ねじ
り疲労強度が460〜620MPaという非常に優れた
ねじり特性を得ることができた。さらに、以上記載した
結果をもとにCVJの中間シャフトを従来より高応力設
計して試作し、テストを行ったが、問題なく使用できる
ことが確認できた。
【0034】
【発明の効果】本発明のねじり特性の優れた駆動伝達系
部品は以上説明したように、重量比で、C;0.45〜
0.60%、Si;1.50〜2.50%、Mn;0.
40〜1.20%、P;0.020%以下、S;0.0
10%以下、Ni;0.10〜1.00%、Cr;0.
20〜0.40%、Mo;0.20〜0.40%と、
V;0.05〜0.40%、Nb;0.03〜0.40
%のうち1種または2種、O;0.0020%以下、
N;0.0050〜0.0200%を含有し、残部がF
eおよび不純物元素からなる鋼に高周波焼入を行った
後、焼戻しを施したことを特徴とするものであって、S
iを1.5%以上添加してねじり強度の向上を図ってい
るので、必要な強度を確保しつつC含有量の上限を0.
60%に抑えることができ、焼割れと加工性の劣化を防
止することができた。また、Ni、Cr、Moの適量添
加により焼入性を向上させ、かつV、Nbの添加、Nの
適量化を行ったので、硬化深さの確保と焼入層のミクロ
組織の粗大化防止を図ることができた。本発明は、これ
らの複合効果により、製造性を低下させることなく高い
静ねじり強度及びねじり疲労強度を有する駆動伝達系部
品を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 八束 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内 (72)発明者 宮本 典孝 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大西 昌澄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、C;0.45〜0.60%、
    Si;1.50〜2.50%、Mn;0.40〜1.2
    0%、P;0.020%以下、S;0.010%以下、
    Ni;0.10〜1.00%、Cr;0.20〜0.4
    0%、Mo;0.20〜0.40%と、V;0.05〜
    0.40%、Nb;0.03〜0.40%のうち1種ま
    たは2種、O;0.0020%以下、N;0.0050
    〜0.0200%を含有し、残部がFeおよび不純物元
    素からなる鋼に高周波焼入を行った後、焼戻しを施した
    ことを特徴とするねじり特性の優れた駆動伝達系部品。
JP14854693A 1993-05-27 1993-05-27 ねじり特性の優れた駆動伝達系部品 Pending JPH06336650A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007246975A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Komatsu Ltd 鉄鋼製の軸の製造方法
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