JPH0633655B2 - 棟換気装置用支持部材 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、棟の両側に屋根を傾斜させた、日本家屋のよ
うな屋根構造の棟部に換気装置を設置、固定するための
支持部材に関するものである。

〔従来の技術〕

日本家屋の如く、棟から両側へ屋根を傾斜させた屋根構
造において、棟の全長或いは一部を開口して換気装置を
設置する技術は、本願出願人が、特願昭６１−９２３２
０号（特開昭６２−２４８７４５号）として提供してい
る。

この換気装置は、棟部を開口して通気部とし、この通気
部を跨ぐようにしてタルキ間隔ごとに棟金具を設置、固
定し、この棟金具により換気部を支持するようにしてあ
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

家屋の棟は、その長さ方向において、視覚的には直線状
であるが、棟長さを端から端まで厳密に計測すると、途
中には波打ち或いは蛇行等の凹凸現象が見られ、必ずし
も直線状態ではない。従って、棟をその全長或いは一部
において、屋根下地材を棟頂部で結合することなく開口
し、通気空間を形成したとしても、前記の如き棟金具を
タルキ間隔ごとに設置した時、各金具は凹凸箇所におい
て左右に位置ずれを生ずることがある。従って、この金
具の位置調節をするか、金具の上方に連結する遮蔽部材
や棟金具の位置調節をしなければ換気部を安定して設置
することができないものであった。

また、日本家屋の屋根勾配は規格、統一されたものでは
なく、家屋ごとに屋根勾配を異にし、更には一軒の家屋
でも両側の屋根勾配を異にすることがある。

前記の換気装置を支持する棟金具は工場において量産さ
れ、タルキとの連結板は屋根勾配に沿って形成してある
としても、全ての屋根勾配に一致するものではない。従
って、屋根の傾斜角度と連結板との傾斜角度が異なる場
合には、屋根上において連結板をたたく等して傾斜角度
を屋根勾配に合わせる必要がある。しかし、連結板に力
を加えて変形させると、その変形にともなう影響が金具
全体にもおよび、金具自体が変形する危険性がある。こ
のような場合にも、換気装置を安定して支持できない恐
れがある。

本発明は、上記する従来の棟上の換気装置の構築技術に
鑑み、棟長さ方向に波打ち或いは蛇行等の凹凸箇所があ
っても、常にその中心を一致させて換気装置の設置を可
能とした支持部材を提供することを目的とする。

また、本発明は、屋根の傾斜角度が異なる場合でも、換
気装置を常に安定して設置することのできる支持部材を
提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本発明支持部材は、支持金
具と位置調節金具から構成している。

換気装置を支持する基体となる支持金具は、保持板の両
側下方に支持板を垂直状に連設し、この支持板の下部に
連結板を連設したものであり、調節金具は、支持金具の
上部に連結するとともに棟長さ方向に対して直交する方
向に位置間隔を微調整可能としたものである。これによ
って、棟長さ方向中心と換気装置の中心とを一致させる
ことができる。

また、支持金具の連結板は支持板の下端外側へ上向きに
湾曲させる。これにより、屋根勾配を異にしても、連結
板を変形させることなく、すべての屋根勾配に対応させ
ることが可能である。

〔実施例〕

以下図面に従って、本発明を詳細に説明する。

第１図、第２図は本発明支持部材の一実施例を示し、符
号１は支持金具、２は位置調節金具である。

支持金具１は、帯状金属板の中央部を平板状の保持板３
とし、この保持板３の両側を下方へ垂直に折曲して支持
板４とし、両支持板４の下部を外側へ下向きに折曲して
平板状の連結片５を連設した形状を有している。６は、
保持板３の両端部上に突設した連結ネジ、７は後記する
補助野地板の載置片であるが、この載置片７は必ずしも
必要なものではない。

また、調節金具２は帯状金属板の中央部を、前記の保持
板３と平行な連結板８とし、連結板８の長さ方向両端に
は下方へ傾斜状に支持板９を連設し、支持板９の先端部
には掛止爪１０を形成した形状を有している。

図中１１は、連結板８の両端部に、連結板８の長さ方向
に沿って長く形成した調節孔であり、前記の連結ネジ６
はこの調節孔１１を通って連結板８の上方へ挿通可能と
なっている。

次に、上記支持金具１と調節金具２とからなる支持部材
の使用状態について説明する。

第３図、第４図に示すように図示しない母屋により支持
される屋根下地材１２は、棟頂部において結合すること
なく棟部間を開口して通気空間１３を形成する。両側の
下地材１２上には、棟の長さ方向に沿いかつ通気空間１
３の範囲内で所定の間隔ごとにタルキ１４を配設し、両
側のタルキ１４間には、通気空間１３を跨ぐようにして
前記支持金具１を立設状態で設置する。そして、タルキ
１４とその上面に接地する連結片５とをネジ、ビス等で
固定する。このようにして、棟の長さ方向に沿って設置
した全てのタルキ１４上に支持金具１を設置して固定す
る。

次に、タルキ１４上に固定した各支持金具１に調節金具
２を連結する。

まず、連結板８の調節孔１１内に、前記保持板３上に突
設した連結ネジ６を挿通し、連結板８の上下をナット１
５で締め付け、支持金具１に対して調節金具２を所定の
高さ位置に固定する。支持金具１に対して調節金具２を
連結、固定する時、調節金具２は調節孔１１により、連
結板８の長さ方向、即ち棟長さ方向と直交する方向に移
動可能であるから、各調節金具２の中心を棟方向に沿っ
て一致させることができる。尚、図中１６は、通気空間
１３の両側に立設した雨押えであり、調節金具２の掛止
爪１０はこの雨押え１６上に載っている。また、符号１
７は野地板、１８は補助野地板である。

以上のようにして通気空間１３を跨ぐようにして支持金
具１をタルキ１４上に固定し、支持金具１には調節金具
２を連結した後に換気装置を構築するが、この換気装置
としては前記特願昭６１−９２３２０号に示した換気装
置を使用することができる。更には、第５図、第６図に
示すように、本願出願人の提供による特願昭６０−２０
５００８号（特開昭６２−６３７４９号）の屋根構造材
を換気部材として使用することができる。

即ち、この換気部材１９を、上端を結合して山形状に連
結し、両換気部材１９の下端をパッキン２０を介してそ
れぞれ前記雨押え１６上に載せるとともに換気部材１９
の下端に突設した受桟２１を前記調節金具２の掛止爪１
０内に掛止し、所要箇所をネジ、ビス等により連結、固
定する。尚、換気部材１９の連結上端や両側面の開口
部、その他の隙間、空間等は、図示しない棟押えや雨押
え等により密閉する。

上記の構成とすることより、換気部材１９を通して屋内
換気が可能であり、また排煙機能をあわせて発揮するこ
とができる。

上記の説明において、連結ネジ６および調節孔１１は二
箇所に設けた場合であるが、保持板３の中央部に一本の
連結ネジ６を突設し、連結板８の中央部に調節孔１１を
一つ設けたものであってもよい。

第７図は本発明支持部材に使用する支持金具の他の実施
例を示すものであり、以下、詳細に説明する。

この支持金具２２は帯状金属板の中央部を平板状の保持
板２３とし、この保持板２３の両側を下方へ垂直に折曲
して支持板２４とし、両支持板２４の下部に連結片２５
を連設し、保持板２３の両端上には連結ネジ２６を突設
したことは前記の支持金具１と同じである。本実施例で
は、連結片２５を、支持板２４の下端から外側上方へ湾
曲させたことを特徴としている。

連結片２５を上記の構成としたことにより、第８図に示
すように、連結片２５をタルキ１４上に載せた時、連結
片２５を形成する湾曲面のある一面がタルキ１４に点接
触することになり、この接地面をネジ、ビス等で固定す
ればよい。また、同図のように、仮に両側の屋根勾配を
異にする場合でもそれぞれの連結片２５の湾曲面は接地
可能であるから、タルキ１４との固定を完全にすること
ができる。尚、この支持金具２２に前記の調節金具２を
連結して使用し、換気装置を構築することは前記の実施
例と同様である。

〔発明の効果〕

以上説明した本発明によれば、タルキ１４に立設して固
定する支持金具１、２２の保持板３、２３上に連結ネジ
６、２６を突設し、また調節金具２の連結板８には連結
ネジ６、２６に対応する位置に調節孔１１を形成したこ
とにより、支持金具１、２２と調節金具３は高さ位置を
可変可能に連結することができる。また、調節金具３は
棟の長さ方向に直交する方向に位置調節を可能であるか
ら、全ての調節金具３は棟長さ方向においてその中心を
一致させて設置することができる。

従って、棟方向に波打ち、蛇行等の凹凸面があっても、
調節金具３の横方向の位置調節により中心を直線状とす
ることができ、換気装置は棟に関係なく安定して構築す
ることができる。

更に、両側の屋根勾配が異なり、支持金具１がある程度
傾斜してタルキ１４に固定されても、調節孔１１により
調節金具３の高さ位置を調節することにより、調節金具
３のみは平行な状態とすることができる。

更にまた、支持部材２２の連結片２５は、支持板２４の
下端外側に上向きに湾曲させることにより、タルキ１４
との接地面が複数の点接触となるので、全ての屋根勾配
に対応できる。しかも、両側の屋根勾配を異にしても、
支持金具２２の保持板２３は傾斜することがない。従っ
て、調節金具３の連結作業を簡単に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明支持部材の正面図、第２図は同斜視図、
第３図は支持金具をタルキに取りつけた状態の斜視図、
第４図は支持金具と調節金具とを連結した使用状態を示
す正面図、第５図は換気装置を設置した状態の斜視図、
第６図は第５図の要部の正面図、第７図は支持金具の他
の実施例を示す斜視図、第８図は同使用状態を示す正面
図である。 １は支持金具、２は調節金具、３は保持板、４は支持
板、５は連結片、６は連結ネジ、７は載置片、８は連結
板、９は支持板、１０は掛止爪、１１は調節孔、１２は
屋根下地材、１３は通気空間、１４はタルキ、１９は換
気部材、２２は支持金具、２３は保持板、２４は支持
板、２５は連結片、２６は連結ネジである。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】帯状金属板の中央部を平板状の保持板３、
   ２３とし、この保持板３、２３の両側を下方へ垂直に折
   曲して支持板４、２４とするとともに両支持板４、２４
   の下部外方向に連結片５、２５を折曲連設し、保持板
   ３、２３上には連結ネジ６、２６を突設した支持金具１
   と、 帯状金属板の中央部を連結板８とし、連結板８の両端下
   方には、先端に掛止爪１０を有する支持板９を連設する
   とともに連結板８には前記連結ネジ６が挿通可能な調節
   孔１１を設けた調節金具２と、 から成ることを特徴とする棟換気装置用支持部材。
2. 【請求項２】連結片５は平板状である請求項１記載の棟
   換気装置用支持部材。
3. 【請求項３】連結片５、２５は湾曲したものである請求
   項１記載の棟換気装置用支持部材。