JPH06336529A - コロナ放電処理方法 - Google Patents

コロナ放電処理方法

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JPH06336529A
JPH06336529A JP12759293A JP12759293A JPH06336529A JP H06336529 A JPH06336529 A JP H06336529A JP 12759293 A JP12759293 A JP 12759293A JP 12759293 A JP12759293 A JP 12759293A JP H06336529 A JPH06336529 A JP H06336529A
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corona discharge
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resin molded
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electrode
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範顕 岩田
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阿久津顕右
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有害な火花放電の発生を防止して、樹脂成形
品の縁部まで確実に処理を施すことができるとともに、
樹脂成形品に対する表面処理効果が高く、樹脂成形品の
形状変更にも容易に対応できるコロナ放電処理方法を提
供する。 【構成】 三次元形状の樹脂成形品10を放電電極40
と対向電極20の間に配置し、両電極20、40間に高
電圧を印加してコロナ放電を発生させ、樹脂成形品10
の表面にコロナ放電処理を施す方法において、パルス幅
が1μs以上、印加電圧(波高値)/極間距離で表され
る平均電界強度が4〜20kv/cm 、パルス頻度が10pp
s 以上の高電圧パルスによりコロナ放電を発生させると
ともに、樹脂成形品10および両電極20、40が収容
された処理空間100を、温度10〜45℃で相対湿度
40%以下に維持しておくことで、良好なコロナ放電処
理が施せるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コロナ放電処理方法
に関し、詳しくは、様々な三次元形状を有する樹脂成形
品に対して、塗装性や印刷性、接着性などを向上させる
ために、コロナ放電による表面処理を行う方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンなどからなる樹脂フィル
ムの表面にコロナ放電処理を施すことによって、フィル
ム表面の印刷性や接着性を向上できることは良く知られ
ており、各種製品の製造に利用されている。樹脂フィル
ムだけでなく、立体的な凹凸すなわち三次元形状を有す
る樹脂成形品の表面に対しても、常圧下でコロナ放電処
理を行って、塗装性や接着性などを向上させることが行
われている。
【0003】従来のコロナ放電処理では、放電電極と対
向電極の一対の電極を用い、この一対の電極の間に被処
理物を配置しておき、常圧下で電極間に高電圧をかけて
コロナ放電を発生させることによって、被処理物の表面
にコロナ放電処理を施す。このとき、電極間にかける高
電圧としては、通常、交流高周波電圧が用いられてい
た。交流高周波電圧は、コロナ放電が発生し易く、表面
処理の効果に優れているとされている。また、特開昭4
7−4890号公報には、フィルムに対するコロナ放電
処理に、パルス幅が100〜200μs程度の高電圧パ
ルスを用いることによって、処理効果が向上するとされ
ている。
【0004】被処理物が三次元形状を有する樹脂成形品
の場合、凹凸のある表面に対して良好なコロナ放電処理
を行うことが要求され、平坦なフィルムや板材に比べて
様々な制約があるため、種々の改良方法が提案されてい
る。例えば、特開昭57−119931号公報には、対
向電極に保持された被処理物に対して、放電電極の先端
位置が、常に、被処理物の表面から一定の距離を保よう
にして、対向電極および被処理物と放電電極とを相対的
に移動させながら、対向電極と放電電極の間に交流高周
波電圧を印加してコロナ放電を発生させ、被処理物の表
面にコロナ放電処理を施す方法が開示されている。特開
昭62−57431号公報には、放電先端部が曲面形状
を有する放電電極を、被処理物の表面に沿って相対的に
移動させながら、20〜30kHzの交流高周波出力を
印加して、コロナ放電処理を行う方法が開示されてい
る。
【0005】ところが、これらの三次元形状を有する樹
脂成形品に対するコロナ放電処理方法では、火花放電が
起こり易く、樹脂成形品の外周や開孔部の内周などに存
在する縁部に十分な処理が施し難いという問題があっ
た。これは、従来の方法では、放電電極が樹脂成形品の
縁部に近づくと、放電電極と対向電極の間の距離、いわ
ゆる極間距離が小さくなるため、表面処理に効果のある
コロナ放電を安定して維持することができず、空気層の
絶縁破壊による火花放電を起こしてしまうのである。火
花放電を起こさないようにするには、印加電圧を下げれ
ばよいが、そうすると、十分なコロナ放電処理効果が上
がらなくなる。
【0006】このような問題を解決する方法として、特
開昭62−57431号公報には、樹脂成形品の開孔部
に、エポキシ樹脂などの誘電体からなる緩衝板を嵌入し
ておき、開孔部でコロナ放電が乱れないようにする技術
が開示されている。しかし、この方法では、樹脂成形品
の開孔部形状に対応する緩衝板を用意し、この緩衝板
を、樹脂成形品や対向電極の所定位置に取り付けておく
手間がかかり、作業能率や電極作製効率が大変に悪いと
いう欠点がある。また、開孔部と緩衝板の間にわずかで
も隙間があいていると、この隙間を通して絶縁破壊が起
こり火花放電を生じるという問題もある。
【0007】上記のような従来技術の問題点を解消する
べく、本願発明者らは、放電電極に印加する高電圧の波
形について研究した結果、波高値が10〜100kv、
パルス幅が1μs以下、パルス頻度が10〜1000pp
s のパルス幅が極めて狭い高電圧パルスを用いれば、火
花放電を起こし難く、良好なコロナ放電が発生すること
を見い出し、このような高電圧パルスを用いたコロナ放
電処理方法を、特願平3−98818号にて特許出願し
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したパ
ルス幅の極めて狭い高電圧パルスを用いた場合、コロナ
放電処理の効果を上げようとして高い印加電圧で実施す
ると、極端にエネルギー効率が悪くなってしまうので、
電極間距離を大きくすることができないという欠点があ
った。従来の方法では、実用的にコロナ放電処理が可能
な電極間距離は3〜5cm未満であり、この電極間距離よ
りも分厚く様々な形状を有する三次元形状物品を処理す
る場合には、満足できる結果が得られなかった。
【0009】これは、前記従来技術のような、パルス幅
1μs以下の高電圧パルスであれば、火花放電の発生は
良好に阻止できるのであるが、このようなパルス幅の狭
い高電圧パルスでは、電極間距離を大きく、例えば5cm
以上にした場合には、コロナ放電処理に必要なコロナス
トリーマ(加速された電子流れ)が形成され難く、ま
た、コロナストリーマが形成されても、有効なコロナ放
電のエネルギーが小さく、樹脂成形品の表面に対する表
面処理効果が小さいのである。
【0010】そのため、樹脂成形品の表面にコロナ放電
処理の効果を十分に与えるには、処理時間を極端に長く
とったり、樹脂成形品の表面に近接して放電電極を配置
しておく必要がある。処理時間が長くかかると、生産性
が低下してしまうため、工業的な実施には適さない。ま
た、樹脂成形品の表面近くに放電電極を配置しなければ
ならないと、樹脂成形品の形状が複雑な三次元形状を有
するものの場合、放電電極の構造が複雑になり、電極の
作製に手間がかかり、コスト的にも高くつくことにな
る。樹脂成形品の形状が少しでも変わる毎に、放電電極
を作製し直すのでは、樹脂成形品の形状変更が頻繁にあ
る用途には採用できない。また、ひとつのコロナ放電処
理ラインで形状の異なる樹脂成形品を処理する場合に
は、樹脂成形品が変わる毎に、電極を取り替えなければ
ならず、大変に面倒な作業が必要となる。
【0011】そこで、この発明の課題は、上記のような
従来技術の問題点を解消し、有害な火花放電の発生を防
止して、樹脂成形品の縁部まで確実に処理を施すことが
できるとともに、樹脂成形品に対する表面処理効果が高
く、しかも、電極の作製が簡単で、樹脂成形品の形状変
更にも容易に対応できるコロナ放電処理方法を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかるコロナ放電処理方法は、三次元形状を有
する樹脂成形品を放電電極と対向電極の間に配置し、両
電極間に高電圧を印加してコロナ放電を発生させること
により、樹脂成形品の表面にコロナ放電処理を施す方法
において、パルス幅が1μs以上、印加電圧(波高値)
/極間距離で表される平均電界強度が4〜20kv/cm 、
パルス頻度が10pps 以上の高電圧パルスによりコロナ
放電を発生させるとともに、樹脂成形品および両電極が
収容された処理空間を、温度10〜45℃で相対湿度4
0%以下に維持しておく。
【0013】樹脂成形品の材料は、ポリプロピレン、ポ
リエチレンその他のポリオレフィン系樹脂など、コロナ
放電処理によって表面の特性を向上させることのできる
任意の樹脂からなるものが用いられる。前記ポリオレフ
ィン系樹脂は、極性基をもたないため、接着性や印刷性
が悪いという問題があり、これらの特性を向上させるた
めにコロナ放電処理が有効である。樹脂成形品の材料に
は、上記樹脂に加えて、ゴム材料や顔料、充填剤、酸化
防止剤、紫外線防止剤などの各種添加剤が必要に応じて
含まれるのは言うまでもない。
【0014】樹脂成形品の形状は、樹脂成形品の利用目
的に合わせて、凹凸部やリブあるいは開孔部など、任意
の三次元形状を有するものが用いられる。この発明は、
一部に開孔部が形成された樹脂成形品に対して良好な処
理効果が発揮できる。樹脂成形品の具体例としては、自
動車用のインストルメントパネルパッド(いわゆるイン
パネパッド)、バンパー、モール等が挙げられる。
【0015】放電電極および対向電極の構造は、基本的
には、通常の樹脂成形品に対するコロナ放電処理装置の
場合と同様でよく、既知の電極構造が自由に採用でき
る。具体的には、例えば、対向電極としては、樹脂成形
品の下面形状にほぼ沿った曲面あるいは平面からなる板
状もしくは面状の電極が用いられる。対向電極と樹脂成
形品は密着している必要はなく、対向電極と樹脂成形品
の間に隙間があったり、対向電極と樹脂成形品の間に誘
電体が介在していてもよい。したがって、樹脂成形品が
複雑な凹凸を有するものであっても、対向電極の形状は
比較的単純な曲面や平面からなるものでよい。対向電極
の材料としては、銅、アルミ、ステンレスその他の、通
常の放電装置で用いられる導電材料が使用される。対向
電極の厚みは、その形状や寸法によっても異なるが、通
常1.0mm程度以上が好ましい。また、FRPや合成樹
脂からなる本体の表面に、導電材料からなる薄い箔やフ
ィルムを貼着して対向電極を構成することもできる。さ
らに、対向電極は、連続した板もしくは面状でなくて
も、細い線材が縦横に配置された網あるいはカゴ状のも
のや、板に多数の孔やスリットを形成したものなども用
いられる。
【0016】放電電極としては、コロナ放電処理で一般
的に用いられている公知の形状の放電極の構造が用いら
れる。具体的には、例えば、樹脂成形品の外周から一定
の距離をおいた位置に端縁を有する薄板状もしくはナイ
フエッジ状の電極を並べて配置するものが用いられる。
また、針状の電極をブラシ状に並べたものでもよい。放
電電極も、樹脂成形品の外形状に厳密に対応している必
要はない。放電電極の材料も、前記対向電極の場合と同
様である。放電電極を、前後あるいは左右に揺動させた
り、隣接して配置された放電電極に交互に高電圧パルス
供給したりすれば、樹脂成形品の表面に均一なコロナ放
電処理を施すのに有効である。放電電極を揺動させる代
わりに、樹脂成形品のほうを揺動させても同様の効果が
達成できる。
【0017】放電電極と対向電極の間の距離すなわち極
間距離が、後述する条件を満たすように設定しておく。
放電電極と対向電極を互いに平行に配置しておけば、全
ての位置で極間距離が同じになるが、電極の位置によっ
て極間距離が多少違う場合があってもよい。放電電極お
よび対向電極の、一方もしくは両方を移動自在に設けて
おけば、必要に応じて、極間距離を変更することもでき
る。
【0018】コロナ放電処理においては、放電電極と対
向電極の間に印加する高電圧パルスの波形によって、発
生するコロナ放電の特性あるいは樹脂成形品に対する処
理効果が変わる。この発明では、高電圧パルス波形の諸
要素のうち、まず、パルス幅を1μs以上、好ましくは
2〜20μsに設定する。一般的な処理条件では、3〜
10μsが好ましい。パルス幅が1μs未満では、極間
距離を大きくした場合、樹脂成形品に対する表面処理効
果が弱く、エネルギー効率が極端に低くなる。パルス幅
が大きくなり過ぎると、有害な火花放電(いわゆるスパ
ーク)が発生し易くなり好ましくない。
【0019】つぎに、印加電圧(波高値)/極間距離で
表される平均電界強度を4〜20kv/cm 、好ましくは6
〜10kv/cm に設定する。平均電界強度が4kv/cm 未満
では、有効なコロナ放電が発生し難く、表面処理効果が
乏しくなる。平均電界強度が20kv/cm を超えると、有
害な火花放電(スパーク)が発生し易くなり、何れも好
ましくない。
【0020】印加電圧は、樹脂成形品に対してコロナ放
電処理を行う放電電極と対向電極の間に実際に印加され
ている電圧の波高値で規定する。具体的に印加電圧を測
定するには、放電電極と対向電極の間に流れている高電
圧パルス波形の波高値を実測すればよい。好ましい印加
電圧の範囲は、極間距離の値によって異なり、例えば、
極間距離が30cmの場合には、印加電圧を120〜30
0kvの範囲、より好ましくは160〜240kvの範囲に
設定する。印加電圧が比較的高く、かつ、平均電界強度
が6kv/cm 以上になる場合には、対向電極と樹脂成形品
の間に、後述する誘電体を介在させておくのが望まし
い。
【0021】極間距離は、放電電極と対向電極との間の
距離で規定される。実際の極間距離は、コロナ放電処理
を施す樹脂成形品の最大寸法に合わせて決めればよい。
この発明では、極間距離を5cm以上に設定でき、実用的
には、例えば樹脂成形品がバンパーの場合は、極間距離
を25〜35cmの範囲に設定するのが好ましい。つぎ
に、パルス頻度を10pps 以上に設定する。通常の処理
条件では、50〜100pps に設定される。パルス頻度
が10pps 未満では、単位時間当たりの有効なコロナ放
電処理のエネルギーが小さく、表面処理に要する時間が
長くかかり、好ましくない。パルス頻度が200pps を
超えると、前記のようなパルス幅および平均電界強度
で、このような高いパルス頻度の高電圧パルスを発生さ
せることは技術的に難しくなる。パルス頻度を300pp
s を超える範囲に設定しようとすると、高電圧発生装置
が非常に大掛かりになり、設備コストが過大になり、工
業的に採算が取れなくなるので好ましくない。
【0022】上記のような高電圧パルスを発生させる高
電圧パルス発生装置は、基本的には従来のコロナ放電処
理方法における高電圧パルス発生装置と同様のものが使
用できる。高電圧パルス発生装置は、商用交流電源ある
いは直流電源から、前記のような高電圧パルスを発生す
ることができれば、具体的な回路の構造は任意に設定で
きる。従来、インパルス高電圧発生器として利用されて
いる各種の回路構造あるいは装置が使用できる。
【0023】対向電極と樹脂成形品の間に誘電体を介在
させておくと、前記条件範囲内において、印加電圧(波
高値)が高くかつ平均電界強度が高い場合でも、有害な
火花放電(スパーク)の発生を確実に防止できる。誘電
体としては、塩ビ樹脂、テフロン樹脂その他の通常の誘
電体材料が用いられる。誘電体の厚みは、1mm以上、好
ましくは5〜20mmの範囲で用いられる。誘電体の厚み
が1mm未満では、目的とする火花放電の防止効果が十分
に達成できない。誘電体の厚みが20mmを超えても、火
花放電の防止効果はあまり違わず、誘電体の嵩が高くな
ったり、コストが増大したりする欠点のほうが大きくな
る。誘電体の形状は、対向電極の表面形状にほぼ沿うよ
うな曲面状あるいは平面状でよく、樹脂成形品に密着し
ている必要もない。対向電極の表面に、比較的薄い誘電
体層を形成する場合、対向電極として、1.0mm以上、
望ましくは1.6mm以上の板材を用いれば、十分な機械
的強度あるいは耐久性を持たせることができる。誘電体
の裏面に、銅やアルミなどの導電材料の薄い箔や膜を形
成しておき、この導電層を前記した対向電極として利用
することができる。この場合には、機械的強度を持たせ
るために、誘電体の厚みを厚めに形成しておくのが好ま
しく、一般的には約5mm以上が好ましい。
【0024】工業的にコロナ放電処理を行う場合、樹脂
成形品をコンベアなどで移送しながら、この樹脂成形品
の移送経路の上下に配置した放電電極と対向電極の間で
コロナ放電を発生させれば、効率的にコロナ放電処理を
行うことができる。樹脂成形品は、コンベアと共に移動
する対向電極の上に載せた状態で移送することができ
る。
【0025】この発明では、上記のようなコロナ放電処
理を行う空間、すなわち、少なくとも前記樹脂成形品お
よび両電極が収容された処理空間を、温度および湿度を
調節維持可能に構成しておく。具体的には、両電極を、
周囲の環境とは別に、温度および湿度を調節可能な空調
設備を備えた処理室に配置しておき、この処理室に、樹
脂成形品を送り込んで、処理室内でコロナ放電処理を行
えばよい。処理室は、周囲が完全に壁などで遮蔽された
空間であってもよいが、前記した温度および湿度の調節
が可能であれば、部分的に開放された空間であっても構
わない。たとえば、間仕切りで仕切られただけの空間
や、両端が開放されたトンネル状の空間であってもよ
い。樹脂成形品をコンベアなどの搬送手段で連続的に移
送する場合は、この搬送手段が、処理室を通過するよう
に配置しておけばよい。処理室は、樹脂成形品の出入り
口から、外気が侵入したり内部の空調雰囲気が漏れたり
しないように、開閉自在な扉を取り付けておいたり、エ
アカーテンなどの遮蔽手段を設けておくことができる。
【0026】処理空間は、温度10〜45℃で相対湿度
40%以下に維持しておく。したがって、処理空間に設
ける空調設備は、外部環境の温度湿度条件に関わらず、
処理空間内を前記条件に維持できる程度の空調能力を備
えた設備を用いる。相対湿度が40%を超えると、充分
なコロナ放電処理効果が得られなかったり、処理効果に
バラツキが生じ易くなったりする。また、コロナ放電処
理の処理時間を短くする場合には、相対湿度をより少な
い状態に維持しておいたほうが好ましい。具体的には、
相対湿度30%以下に維持しておくことが望ましい。コ
ロナ放電処理の効果を良好にするためには、温度条件
を、20〜40℃に維持しておくことが望ましい。上記
条件範囲内で、温度条件が30℃以上の場合、絶対湿度
を0.02kg水分/kg乾燥空気に維持しておくことが好
ましい。
【0027】処理空間を構成する処理室を、外部環境に
対して、温度および湿度を遮断できる構造にしておくだ
けでなく、防音あるいは防電磁構造にしておけば、コロ
ナ放電処理に伴って発生する騒音や漏洩電磁波を遮断す
ることができる。
【0028】
【作用】高電圧パルスによるコロナ放電で樹脂成形品の
表面処理を行う場合、高電圧パルスの波形によって、コ
ロナ放電の特性が変わり、樹脂成形品に対する表面処理
作用にも違いが生じることは知られている。従来、火花
放電を起こさせずにコロナ放電処理を行うためには、パ
ルス幅を1μs以下にしなければならないと考えられて
いた。そして、このようなパルス幅で、樹脂成形品の表
面に十分なコロナ放電処理作用を施すには、電極と樹脂
成形品の表面を近接させておく必要があると考えられて
いた。
【0029】これに対し、この発明のように、パルス幅
を1μs以上に設定しても、平均電界強度が4〜20kv
/cm 、パルス頻度が10pps 以上であれば、樹脂成形品
の表面処理に有害な火花放電(スパーク)が発生し難
く、良好なコロナ放電処理が可能である。また、火花放
電が若干発生したとしても、例えば、対向電極と樹脂成
形品の間に、簡単な構造の誘電体を介在させることで、
コロナ放電処理の効果を損なうことなく、火花放電(ス
パーク)の防止が可能である。
【0030】これは、一般的に、高電圧パルスによる放
電現象は、パルス幅が広くなるにつれて、コロナ放電か
ら火花放電へと移行し易くなる。しかし、コロナ放電と
火花放電は、理論的に厳密に区別できるものではなく、
コロナ放電あるいは火花放電の何れとも言える段階、あ
るいは、両方が存在するような状態も存在するものと考
えられる。パルス幅が1μs未満であれば、ほぼ完全に
火花放電が存在しないような状態にできるが、パルス幅
が1μs以上であっても、樹脂成形品の表面処理に悪影
響がない程度には火花放電の発生を抑えることができる
のである。
【0031】一方、パルス幅が広くなるほど、有効な放
電エネルギーが増えるため、樹脂成形品に対する表面処
理作用は強くなる。あるいは、コロナ放電が樹脂成形品
の表面を遠くまで延びることになる。すなわち、処理能
率が向上し、短い時間で目的とする表面処理効果が達成
できることになる。また、極間距離を広げても、十分な
強さのコロナ放電を発生させることができ、良好な表面
処理効果が達成されるので、樹脂成形品の表面にごく近
接して各電極を配置する必要がなくなる。したがって、
より単純な形状の対向電極および放電電極を用い、樹脂
成形品から離れた位置に放電電極を配置することができ
る。その結果、複雑な形状の樹脂成形品であっても、電
極の形状は比較的単純な形状が採用でき、樹脂成形品毎
に各電極の形状を変える必要もなくなる。
【0032】つぎに、平均電界強度およびパルス頻度の
影響について説明する。放電現象は、その空間に加えら
れた電界の強さに影響される。すなわち、同じ印加電圧
でも、極間距離が長い場合と短い場合では、単位距離当
たりの電圧の大きさ、すなわち電界の強さが異なり、コ
ロナ放電あるいは火花放電の発生状態が変わってくる。
また、1回のパルスで与えられる有効な放電エネルギー
の大きさが同じであっても、パルス頻度が増減すれば、
一定時間内に与えられる放電エネルギーの総量も増減
し、その結果、樹脂成形品に対する表面処理効果も変わ
ってくる。したがって、前記のようなパルス幅に設定し
た上で、平均電界強度を4〜20kv/cm 、パルス頻度を
10pps 以上に設定しておけば、確実に良好なコロナ放
電処理効果が達成できると同時に、有害な火花放電の発
生を抑えることが容易になるのである。
【0033】つぎに、上記条件範囲において、平均電界
強度を6〜20kv/cm の範囲に設定すると、コロナ放電
処理効果が高まる。しかし、この場合、平均電界強度が
小さい場合よりも火花放電が発生し易くなる。そこで、
このような場合には、対向電極と樹脂成形品の間に、厚
さ1mm以上の誘電体を介在させておけば、誘電体が火花
放電の発生を確実に阻止することになる。
【0034】上記のようなコロナ放電処理を行う際に、
両電極および樹脂成形品が配置される処理空間の、温度
および湿度条件が変わると、表面処理効果に影響が出
る。従来、たとえば、塗装の前処理工程としてコロナ放
電処理を行う場合、塗装ラインの一部に、コロナ放電処
理装置が組み込まれていた。塗装ラインでは、樹脂成形
品の表面への塵埃などの付着を防止するために、環境中
への塵埃の飛散を抑える必要がある。環境の湿度が高い
と、塵埃が飛散し難くなるので、従来、塗装ラインが設
置された工場全体の環境を、高湿度状態に維持しておく
のが普通であった。具体的には、少なくとも湿度60%
以上に維持されていた。そのため、コロナ放電処理装置
も、このような高湿度環境に設置されていた。
【0035】コロナ放電処理を行う処理空間が、高湿度
環境であると、コロナ放電によりプラズマ化された反応
ガスラジカル(主に酸素ガスラジカル)が、樹脂成形品
の表面に到達して所定の処理が行われる前に、空気中の
水分子が反応ガスラジカルを失活させてしまうために、
処理効果が低下する。また、反応ガスラジカルと樹脂成
形品との反応は、温度が低いと反応が起こり難くなる。
【0036】そこで、前記処理空間を、周囲の環境とは
別に、温度10〜45℃で相対湿度40%以下に維持し
ておけば、コロナ放電処理が良好に行われることにな
る。すなわち、このような環境では、コロナ放電が生じ
る放電領域が、一定の温度範囲内に維持されることで、
コロナ放電で発生したラジカルと樹脂成形品表面との反
応が良好かつ安定に行われる。また、放電領域の湿度が
低いので、空気中の水分子量が減少し、ラジカルの失活
が起こり難くなる。その結果、樹脂成形品表面の活性化
が良好に行われ、コロナ放電処理の表面処理効果が高ま
る。
【0037】
【実施例】ついで、この発明の実施例について、図面を
参照しながら以下に説明する。図1は、この発明にかか
るコロナ放電処理方法を実施するための装置の概略構成
と回路構造を表している。樹脂成形品10は対向電極2
0の上に搭載され、樹脂成形品10の上方には放電電極
40が配置されている。放電電極40と対向電極20に
つながる回路には、波形成形回路52と負極性高電圧電
源50が設けられている。負極性高電圧電源50は、通
常の各種高電圧装置と同様に、所望の高電圧電流が発生
できるものである。波形成形回路52には、パルス発生
のための固定ギャップスイッチ53、インダクタンス
L、充放電コンデンサC、負荷抵抗R1 が設けられてい
る。固定ギャップスイチ53は、いわゆる球ギャップス
イッチと呼ばれるものである。波形成形回路52の回路
定数などの条件を適当に設定することにより、所望の特
性を示す高電圧パルスが、放電電極40と対向電極20
の間に加えられることになる。
【0038】そして、樹脂成形品10および両電極2
0、40を収容された空間100が、内部の温度および
湿度を調節可能な空調処理室100になっている。図2
は、空調処理室100および空調設備の構造を表してい
る。空調処理室100の内部には、前記した対向電極2
0や放電電極40などのコロナ放電処理設備Pが設置さ
れている。空調処理室100には、一側から他側へと通
過するコンベアラインCが設けられている。コンベアラ
インCは、樹脂成形品10を搬送するものであり、図示
しない塗装ラインの全体にわたって敷設されている。前
工程から送られてきた樹脂成形品10が、図中左側から
空調処理室100内に入り、コロナ放電処理設備Pでコ
ロナ放電処理を受けた後、図中右側から空調処理室10
0を出て、次の工程へと送り出される。
【0039】空調処理室100には、空調配管106が
接続されている。図2は、空調処理室100の平面図を
表しているが、図中の上下側の側壁中央に、空調配管1
06の空気入口102、102を備え、図中の左右側の
側壁に、空気出口104、104を備えている。すなわ
ち、空調配管106の空調空気が、空調処理室100の
中央に供給された後、左右に分かれて空調処理室100
内を通過した後、コンベアラインCの入口側および出口
側から出ていくことになる。
【0040】空調配管106には、加熱用の熱交換器1
10と、冷却用の空調器120が設けられている。加熱
用熱交換器110には、蒸気配管112が導入され、加
熱用熱交換器110で、空調配管106内の空気を加熱
するとともに、熱を奪われた蒸気配管112側の蒸気ま
たは水分を含む空気は、ドレイン114から排出され
る。冷却用空調器120には、冷却水配管122が導入
されていて、空調配管106の空気を冷却するととも
に、この空気中の湿気すなわち水分を除去できるように
なっている。
【0041】このようにして、空調処理室100内の雰
囲気が、所定の温度範囲および湿度範囲に調節されるこ
とになる。図3および図4にはそれぞれ、空調処理室1
00への空調空気の供給構造の異なる実施例を表してい
る。基本的な構造は、前記図2の実施例と同じであるの
で、異なる部分を主に説明する。
【0042】図3では、空調処理室100のうち、コン
ベアラインCの入口側の側壁に、空気入口102、10
2が設けられ、コンベアラインCの出口側の側壁に、空
気出口102、102が設けられている。空調空気は、
コンベアラインCすなわち樹脂成形品10の搬送方向に
沿って流れることになる。図4では、空調処理室100
の四隅において、図中の上下側の側壁に空気入口102
…が設けられ、図中の左右側の側壁に空気出口104…
が設けられている。空調空気は、空調処理室100の四
隅を横切る形で流れることになる。
【0043】上記した図2〜図4のように、空調処理室
100に設ける空気入口102および空気出口104の
配置によって、空調処理室100内における温度湿度の
調節効率や温度湿度の安定性などの特性を調整すること
ができる。また、コロナ放電処理を行う際には、放電領
域に活性化された反応ガスプラズマが高い濃度で存在し
ているほうがよいので、空調空気の流れを制御して、反
応ガスプラズマを散逸させないようにしている。
【0044】つぎに、図5は、空調処理室100内に設
置されたコロナ放電処理設備Pの具体的構造を表してい
る。樹脂成形品10として、ポリプロピレン樹脂からな
り、概略コ字形をなす自動車用のバンパーを用い、この
樹脂成形品10の表面に塗装を行うための前処理とし
て、コロナ放電処理を施す。樹脂成形品10は、その下
面形状に沿う断面コ字形の屈曲板状をなす対向電極20
の上に搭載されている。樹脂成形品10の裏面には複雑
な凹凸が存在するが、対向電極20の表面は平坦でよ
く、樹脂成形品10との間には隙間があいていてもよ
い。対向電極20は支持台30に取り付けられており、
この支持台30は、下面四隅に設けられた車輪32で、
床面に設置されたレール34上を走行する。また、支持
台30の下面中央には駆動コンベア36が連結され、こ
の駆動コンベア36をモータやチェーン駆動機構等で直
線的に走行させることにより、支持台30および樹脂成
形品10を、矢印方向に走行駆動させることができる。
また、支持台30に取り付けられて側方に延びる集電子
31が、支持台30の走行経路に沿って設置されアース
されているバスバー33に接触している。支持台30
は、集電子31をバスバー33に摺動させながら走行す
るので、対向電極20および支持台30は、常にアース
されている。
【0045】樹脂成形品10の走行経路の上方には、コ
字形に屈曲した細い帯板状をなす放電電極40が一定間
隔毎に並んでいる。放電電極40の板厚は0.1〜0.
2mm程度、板幅は10〜50mm程度のものを用いるのが
好ましい。放電電極40の下端縁形状は、樹脂成形品1
0の上端縁形状とおおまかに対応している程度であり、
放電電極40の下端縁と対向電極20の表面はほぼ平行
に配置され、数10cm程度の間隔があいている。放電電
極40の上部は、棒状の接続金具42で支持されるとと
もに電気的に一体連結されている。放電電極40は、接
続金具42にボルト等で着脱自在に取り付けられ、必要
に応じて、放電電極40の取付ピッチを変更できるよう
になっている。接続金具42は、その両端が、塩化ビニ
ルなどの絶縁材からなるフレーム44に取り付けられて
いる。また、接続金具42には、高圧ケーブル46が接
続され、高圧ケーブル46は、図示しない高電圧パルス
発生装置に接続されている。絶縁材からなるフレーム4
4は、絶縁碍子48を介して床面に設置されている。
【0046】したがって、対向電極20の上に搭載され
た樹脂成形品10が、放電電極40の下を走行するとと
もに、放電電極40と対向電極20の間に高電圧パルス
を印加して、コロナ放電を発生させ、樹脂成形品10の
表面にコロナ放電処理を施すことができる。図6は、高
電圧パルスの波形を表している。この波形は、放電電極
40と対向電極20の間に印加される電圧の波形を、オ
シログラフで測定した場合に得られる波形である。
【0047】波形P0 は、従来使用されていたパルス幅
が1μs以下の高電圧パルスの波形であり、パルス幅t
が0.2μs、波高値Vp が50kv程度のものである。
これに対し、波形P1 は、この発明で用いる高電圧パル
スの一例を示す波形である。この波形は、いわゆる減衰
振動波形を示している。このような減衰振動波形では、
パルス幅tは、第1波のパルス幅で規定し、具体的には
t=4μsとなっている。波高値Vpも、第1波で規定
し、200kvを示している。したがって、この実施例で
は、従来の波形P0 に比べて、はるかにパルス幅tが広
く、波高値Vp の大きな波形P1 を用いることになる。
そして、図7に示すように、このような波形P1 を、一
定時間毎に繰り返し発生させる。この実施例では、約4
/60秒毎にひとつのパルスを発生しており、パルス頻
度は15pps となる。
【0048】前記した図1の高電圧パルス発生装置にお
いて、回路中の負荷抵抗R1 により、高電圧パルスの減
衰時間を調節でき、負荷抵抗R1 が大きくなるほど減衰
時間も長くなる。インダクタンスLの値で、パルス幅t
が設定される。充放電コンデンサCは、放電電極の総延
長によっても異なるが、通常、処理放電領域の静電容量
の10倍程度の値に設定される。
【0049】さらに、充放電コンデンサーCの値に合わ
せて、適当な値の保護抵抗R2 を用いるのが好ましい。
保護抵抗R2 の値その他の条件により、パルス頻度が決
定され、その結果、樹脂成形品10に所定のコロナ放電
処理を施すのに必要な処理時間の長さが変わる。具体的
には、例えば、充放電コンデンサーの容量Cを一定とし
て、保護抵抗R2 を大きくすれば、パルス頻度が小さく
なり、保護抵抗R2 を小さくすれば、パルス頻度は大き
くなる。通常の処理条件では、パルス頻度が20〜10
0pps であれば、処理に必要な時間は1〜6分程度にな
る。固定ギャップスイッチ53は、通常球形のものが用
いられるが、先端に小さな突起のある雪ダルマ型のもの
が良好な性能を発揮できる。固定ギャップ53の周囲空
間に、温度や湿度を調整制御した圧縮空気を供給するよ
うにしておけば、より良好で安定した性能を発揮でき
る。図1のパルス成形回路52では、共振現象が生じ
て、入力される電圧よりも高い放電電圧が得られるよう
になり、安全性と経済性の両方の面で好ましいものとな
る。
【0050】樹脂成形品10にコロナ放電処理を行う前
には、従来の方法と同様に、各種の前処理を行っておく
ことができる。例えば、樹脂成形品10の表面を清浄に
保つために、溶剤洗浄や、酸、アルカリ洗浄を施し、こ
れを水洗し乾燥させた後にコロナ放電処理を行うのが好
ましい。但し、上記のような洗浄工程は、樹脂成形品1
0を射出成形等で成形する際、あるいは成形後の保管中
に、油やゴミ等で汚染されることがないようにしておけ
ば、洗浄工程を経ずに、そのままコロナ放電処理を行う
こともできる。
【0051】洗浄工程の具体例について説明すると、次
のような工程を順次行うことができる。まず、50〜6
0℃で0.5〜1分のシャワースプレーによるアルカリ
洗浄を行う。ついで、40〜50℃で0.5分のシャワ
ースプレーによる湯洗を行う。つぎに、40〜50℃で
0.5分の中和調整を行う。再び、40〜50℃で0.
5分の湯洗を行った後、90〜100℃で4〜5分かけ
て乾燥させ、前記したようなコロナ放電処理を行う。コ
ロナ放電処理は、例えば、20〜30℃で3〜6分程度
行えばよい。コロナ放電処理を行った後は、通常の塗装
工程に持ち込まれる。
【0052】つぎに、図8〜図12には、電極構造の異
なる実施例を示す。図8のように、概略L字形の樹脂成
形品10に対して、樹脂成形品10の下面に沿って、同
じL字形をなす対向電極20を用い、放電電極40も同
じL字形に形成している。この場合、対向電極20と放
電電極40は平行をなしているから、極間距離Wは何れ
の位置でも同じである。この図8の実施例や次の図9に
示す実施例のように、放電電極40および対向電極20
に屈曲部分あるいは湾曲部分がある場合、この部分の曲
率半径を50mm以上に設定しておくのが好ましい。これ
は、曲率半径が小さすぎると、この曲率半径が小さな部
分とその他の部分でコロナ放電の発生状態が異なってし
まい、樹脂成形品10の表面に対するコロナ放電処理が
不均一になる場合があるためである。
【0053】図9では、放電電極40として、針状の電
極を多数並べたものを用いている。針状電極の先端から
はコロナ放電が発生し易いので、良好なコロナ放電処理
効果が達成できる。図10の実施例は、前記図5の実施
例とほぼ同じであり、コ字形に屈曲された板状の対向電
極20と、細いコ字形帯状をなす放電電極40が一定間
隔毎に多数並べられている。
【0054】図11の実施例は、対向電極20を、細い
線材をカゴ状に組み合わせて構成しており、全体の概略
形状は、前記図10の実施例の場合と同様である。この
実施例のように、対向電極20が部分的に空間を有する
ものであっても、その隙間の間隔や密度を適当に設定し
ておけば、放電電極40との間で良好なコロナ放電を発
生させることが可能である。
【0055】放電電極40あるいは対向電極20を分割
構造にしておくと、樹脂成形品10の形状に合わせて、
分割された電極の配置を変えることによって、極間距離
の調整を細かく行うことができる。つぎに、図12は、
対向電極20と樹脂成形品10の間に誘電体60を介在
させた場合を示している。図のように、隣り合う放電電
極40、40の中間位置で、対向電極20の上に配置さ
れた誘電体60に切れ目62が設けられていると、各放
電電極40の放電が強くなり、しかも、火花放電が生じ
ることもない。その結果、対向電極20の表面が完全に
誘電体60で覆われている場合よりも、良好なコロナ放
電処理が行える。
【0056】つぎに、この発明のコロナ放電処理方法の
より具体的な実施例について説明する。 −実施例1− 樹脂成形品10として、三井石油化学製PPテストピー
ス,M4800(150mm×60mm×3mm)を用いた。
【0057】図13(a) のAに示すように、空調設備が
設置された処理室(図示せず)に、対向電極20、放電
電極40および樹脂成形品10を配置し、前記図1に示
したのと同様の回路構造を備えた高電圧パルス発生回路
500で高電圧パルスを発生させて、コロナ放電処理を
行った。処理室内は、温度35±3℃、相対湿度32±
5%に維持しておいた。
【0058】なお、一部の実施例では、対向電極20の
上に、誘電体60として10mm厚の塩ビシートを全面を
覆うように設置し、その上に、樹脂成形品10を載せ
た。放電電極40と対向電極20の間の極間距離Wを1
5〜30cmに設定して、高電圧パルスを印加した。高電
圧パルスの波形を、種々変えて、樹脂成形品10にコロ
ナ放電処理を施した。高電圧パルフ波形の諸特性を、オ
シロスコープで実測した。処理時間は、1〜5分間に設
定した。比較のために、同じ装置を用いて、従来のコロ
ナ放電処理方法における高電圧パルスでも処理を行った
結果を、比較例1.6 〜1.9 として示している。但し、こ
の比較例では、印加電圧を50kv以上にすることは困難
であり、印加電圧が50kv以上のデータは得られなかっ
た。
【0059】コロナ放電処理が施された樹脂成形品10
に塗装を行った。塗料として、NBC社製R−271
(2液硬化型ウレタン塗料)を用い、常法により塗装を
行い乾燥させた。乾燥は90℃で30分間行った。24
時間放置した後、180°ピーリングテストを行って、
塗料の剥離強度を測定し、コロナ放電処理の効果を確認
した。表1〜表4に試験結果を示している。
【0060】
【表1】 極間距離30cm、パルス幅4μs ────────────────────────────────── 誘電体 波高値 平均電界強度 パルス頻度 剥離強度 kv kv/cm pps g/cm ────────────────────────────────── 処理時間 1分 3分 5分 ────────────────────────────────── 実施例1.1 あり 230 7.7 10 500 700 1000 実施例1.2 あり 230 7.7 20 1000 1200 1500 実施例1.3 あり 230 7.7 60 1500 1800 2000 実施例1.4 あり 230 7.7 100 1500 2000 2000 実施例1.5 あり 180 6.0 20 300 500 800 実施例1.6 あり 180 6.0 100 1000 1200 1200 実施例1.7 なし 180 6.0 20 500 800 1200 実施例1.8 なし 180 6.0 100 1200 1500 1800 実施例1.9 あり 120 4.0 20 100 150 250 実施例1.10 あり 120 4.0 100 300 450 600 実施例1.11 なし 120 4.0 20 200 350 500 実施例1.12 なし 120 4.0 100 600 800 1000 比較例1.1 なし 230 7.7 10 スパーク発生 比較例1.2 あり 100 3.3 20〜100 0 0 0 比較例1.3 なし 100 3.3 100 0 0 50 ──────────────────────────────────
【0061】
【表2】 極間距離15cm、パルス幅4μs ────────────────────────────────── 誘電体 波高値 平均電界強度 パルス頻度 剥離強度 kv kv/cm pps g/cm ────────────────────────────────── 処理時間 1分 3分 5分 ────────────────────────────────── 実施例1.13 あり 180 12.0 20 1800 2000 2000 実施例1.14 あり 180 12.0 100 1900 2000 2000 実施例1.15 あり 120 8.0 20 1200 1500 1800 実施例1.16 あり 120 8.0 100 1800 2000 2000 実施例1.17 あり 120 8.0 100 1800 2000 2000 実施例1.18 なし 60 4.0 20 150 300 450 実施例1.19 なし 60 4.0 100 550 700 900 比較例1.4 なし 180 12.0 20 スパーク発生 比較例1.5 なし 120 8.0 20 スパーク発生 比較例1.6 あり 60 4.0 20 0 0 0 比較例1.7 あり 60 4.0 100 0 0 60 ────────────────────────────────── ※ 実施例1.14では、わずかにスパークが認められたが、 処理効果に悪影響はなかった。
【0062】
【表3】 極間距離6cm、パルス幅0.2μs ────────────────────────────────── 誘電体 波高値 平均電界強度 パルス頻度 剥離強度 kv kv/cm pps g/cm ────────────────────────────────── 処理時間 1分 3分 5分 ────────────────────────────────── 比較例1.6 なし 50 8.0 20 0 50 100 比較例1.7 なし 50 8.0 100 100 300 500 ──────────────────────────────────
【0063】
【表4】 極間距離3cm、パルス幅0.2μs ────────────────────────────────── 誘電体 波高値 平均電界強度 パルス頻度 剥離強度 kv kv/cm pps g/cm ────────────────────────────────── 処理時間 1分 3分 5分 ────────────────────────────────── 比較例1.8 なし 30 8.0 20 1000 1200 1500 比較例1.9 なし 30 10.0 100 1500 1800 2000 ────────────────────────────────── 上記試験の結果、表3および表4に示した、従来のパル
ス幅の極めて狭い高電圧パルスを用いる方法(比較例1.
6 〜1.9 )では、極間距離が小さい(3cm)ときには良
好なコロナ放電処理効果が得られるが、極間距離を少し
でも大きく(6cm)すると、処理効果が極端に低下して
しまう。また、試験に用いた図1の高電圧パルス発生回
路(但し、インダクタンスLのない場合)では、パルス
幅0.2μsで、波高値を50kv以上にすることは困難
であり、波高値を50〜60kv以上にした場合には、十
分な処理効果は得られなかった。
【0064】これに対し、この発明の実施例では、極間
距離が30cmであっても、実用上十分なコロナ放電処理
効果が上げられることが実証できた。また、表1の結果
から、平均電界強度が4 kv/cm未満(比較例1.2 、1.3
)では、コロナ放電処理の効果がないことが判る。表
1および表2の結果から、平均電界強度が7 kv/cm以上
では、誘電体がないとスパークが発生するが(比較例1.
1 、1.4 、1.5 )、誘電体を用いることで良好なコロナ
放電処理が可能になることが判る(実施例1.1 〜1.4 、
1.13〜1.17)。また、誘電体を設けた場合、6kv/cm 未
満では処理効果が不十分であるが、6kv/cm 以上であれ
ば、パルス頻度を上げることで処理効果を高められるこ
とが判る。さらに、平均電界強度が4 kv/cmでは、誘電
体がなければ良好な処理効果が挙げられるが(実施例1.
18、1.19)、誘電体が存在するとコロナ放電処理が行え
ない場合(比較例1.6 、1.7 )が出てくる。そこで、こ
の発明の実施上、平均電界強度が比較的低い範囲(4〜
6kv/cm )では、誘電体を介在させないほうがよい場合
がある。
【0065】−実施例2− 図13(a) および(b) のA〜Fに示すように、放電電極
40と対向電極20の間の空間で、樹脂成形品10の位
置や姿勢を変えて、前記実施例1.2 と同じ処理条件でコ
ロナ放電処理を行った。処理時間は3分間に設定した。
ピーリングテストの評価は、樹脂成形品10の表面のう
ち、図中に矢印で示す上面(水平姿勢の場合)および垂
直側面(垂直姿勢の場合)について行った。また、図
中、Hb 、Hc 、He 、Hf は、樹脂成形品10の誘電
体60の表面からの高さを示している。表5に、試験の
結果を示している。
【0066】
【表5】 ──────────────────────────── 姿勢 高さ 剥離強度 H cm g/cm ──────────────────────────── 実施例2.1 図13(a) A 水平 0 1100 実施例2.2 図13(a) B 水平 10 1140 実施例2.3 図13(a) C 水平 20 1260 実施例2.4 図13(b) D 垂直 0 1100 実施例2.5 図13(b) E 垂直 10 1250 実施例2.6 図13(b) F 垂直 20 1060 ──────────────────────────── 上記試験の結果、電極間における樹脂成形品10の姿勢
や位置が変わっても、コロナ放電処理の効果に大きな違
いはなく、何れも、実用上十分な処理効果が達成されて
いる。また、樹脂成形品10を対向電極20と密着させ
ていなくても、良好なコロナ放電処理が可能であること
も確かめられた。
【0067】−実施例3− つぎに、処理室の温度および湿度条件を変えて、同様の
試験を行った。図1の高電圧パルス発生回路において、
波高値Vp=200kv、パルス頻度F=100pps に設
定した。樹脂成形品10として、三井石油化学製PPテ
ストピースX−50を用いた。対向電極20の上には、
誘電体60として10mm厚の塩ビシートを全面を覆うよ
うに設置し、その上に、樹脂成形品10を載せた。放電
電極40と対向電極20の間の極間距離Wは30cmであ
った。電圧波形から、パルス幅は3μs、平均電解強度
は7kv/cm であった。
【0068】処理後の樹脂成形品10に、前記実施例と
同様の塗装を行った。その後、樹脂成形品10の表面に
1mm碁盤目カットを施し、残存率を計測して評価した。
表6に試験結果を表している。
【0069】
【表6】 <処理時間1.5分> ────────────────────────────── 温度 ℃ 10 20 30 35 40 ────────────────────────────── 相対湿度 約90% 50/100 57/100 * * * 約70% 55/100 80/100 90/100 98/100 * 約40% 95/100 99/100 100/100 100/100 100/100 約35% 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 ────────────────────────────── *:温湿度条件が設定できず、データが得られなかった。
【0070】
【表7】 <処理時間3.0分> ────────────────────────────── 温度 ℃ 10 20 30 35 40 ────────────────────────────── 相対湿度 約90% 77/100 98/100 * * * 約70% 90/100 99/100 98/100 98/100 * 約40% 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 約35% 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 ────────────────────────────── *:温湿度条件が設定できず、データが得られなかった。 上記試験結果をみれば、処理時間1.5分の場合には、
相対湿度35%以下で、ほぼ充分な処理効果が得られる
ことが判る。また、温度が20℃以上であれば、相対湿
度40%程度でも良好な結果が得られている。処理時間
を3.0分にすれば、より広い相対湿度および温度範囲
で、良好な結果が得られることが判る。
【0071】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかるコロナ
放電処理方法によれば、コロナ放電を発生させるための
高電圧パルス波形として、特定範囲のパルス幅、平均電
界強度およびパルス頻度の波形を用いることにより、処
理を施す樹脂成形品と電極を近接させておかなくても、
コロナ放電処理の効果が良好に発揮できるとともにに、
有害な火花放電を起こすことがない。
【0072】その結果、樹脂成形品の形状に厳密に合わ
せて、放電電極あるいは対向電極を作製する必要がなく
なる。また、樹脂成形品の形状変更があっても、電極ま
で作製し直す必要もなくなる。したがって、電極作製の
手間および時間が大幅に削減でき、コロナ放電処理全体
の作業能率を高め、作業コストも低減できる。さらに、
ひとつのコロナ放電処理ラインで、形状の異なる樹脂成
形品に対して、いちいち電極を取り替えることなく、連
続的に処理することも可能になり、形状の異なる樹脂成
形品の大量処理を必要とする各種製品の生産現場に適用
すれば、コロナ放電処理の作業性向上あるいは作業コス
ト低減に大きく貢献することができる。
【0073】特に、処理空間の温度および相対湿度を、
前記した範囲に維持しておくことにより、コロナ放電処
理の効果を高めることができるとともに、外部環境の変
化に影響を受けずに、安定した品質で表面処理を行うこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例となるコロナ放電処理装置
の概略構成および高電圧パルス発生装置の回路構成を表
す回路図
【図2】 空調処理室の構造を表す概略構造図
【図3】 空調処理室の別の実施例を表す概略構造図
【図4】 空調処理室の別の実施例を表す概略構造図
【図5】 コロナ放電処理設備の全体斜視図
【図6】 高電圧パルスのひとつのパルスの波形を表す
線図
【図7】 高電圧パルスの発生状態を経時的に表す線図
【図8】 電極配置の具体例を表す正面図
【図9】 電極配置の別の具体例を表す正面図
【図10】 電極配置の別の具体例を表す斜視図
【図11】 電極配置の別の具体例を表す斜視図
【図12】 誘電体を用いる場合の電極配置の具体例を
表す斜視図
【図13】 性能確認試験を行ったときの電極配置を表
す概略説明図
【符号の説明】 10 樹脂成形品 20 対向電極 40 放電電極 60 誘電体 100 空調処理室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三次元形状を有する樹脂成形品を放電電
    極と対向電極の間に配置し、両電極間に高電圧を印加し
    てコロナ放電を発生させることにより、樹脂成形品の表
    面にコロナ放電処理を施す方法において、パルス幅が1
    μs以上、印加電圧(波高値)/極間距離で表される平
    均電界強度が4〜20kv/cm 、パルス頻度が10pps 以
    上の高電圧パルスによりコロナ放電を発生させるととも
    に、樹脂成形品および両電極が収容された処理空間を、
    温度10〜45℃で相対湿度40%以下に維持しておく
    ことを特徴とするコロナ放電処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法において、高電圧パルス
    の平均電界強度が6kv/cm 以上であるとともに、樹脂成
    形品と対向電極の間に、厚さ1mm以上の誘電体を介在さ
    せておくコロナ放電処理方法。
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