JPH0633603U - 主軸内ワーク振れ止め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の分割筒体から成る案内筒が軽量に製作
でき、交換作業が極めて容易かつ迅速に行なえる主軸内
ワーク振れ止め装置を提供する。 【構成】 主軸の中空孔に嵌挿される振れ止め案内筒
と、前記主軸の後方に配置され、前記振れ止め案内筒に
挿通した棒状ワークを所定長さずつ送り出すワーク供給
装置と、前記主軸の前端に固着され、前記棒状ワークを
把持するチャックとを備えた工作機において、前記振れ
止め案内筒１０が、複数の樹脂製筒体１１，１２，１３
をスペーサ２０，２１を介し一定の間隔を隔てて連結し
て構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、工作機械において主軸の中空孔を通じて供給される棒状ワークの振 れ止め装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

長尺の棒状ワークを加工する工作機械にあっては、図３及び図４に示すように 、主軸１の後方に配置したワーク供給装置（バーフィーダ）３により棒状ワーク Ｗを主軸１の中空孔２に挿入し所定長さずつ間欠的に送り出す一方、主軸１の前 端に固着したチャック４によりワークＷを把持し主軸１を回転駆動することによ ってワークＷを回転させ旋削加工等を行なっている。このとき、チャック４とワ ーク供給装置３との間で支持され、主軸１の中空孔２内に位置している棒状ワー クＷの中間部分が主軸１の回転に伴う遠心力によって縄跳び状に振れ、加工精度 が低下するおそれがある。このような棒状ワークＷの振れを防止するため、ワー ク径に対応した振れ止め案内筒５が主軸１の中空孔２に嵌挿されている。そして 、この種の振れ止め案内筒５には、図３に示すような主軸１の全長にわたって延 びる鋼鉄製の一体型のものと、図４に示すように複数の樹脂製筒体５ａを中空孔 ２の全長にわたって直列状態に嵌挿したものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、一体型の鋼鉄製案内筒は重量が大きく、主軸の駆動負荷が大きくなる ばかりではなく、挿通する棒状ワークを傷つけ易いという問題があった。一方、 樹脂製案内筒は軽量で、柔らかく、かつ滑動性が良いので、挿通する棒状ワーク を傷つけないという点ですぐれているが、樹脂は内径加工が難しく、径に対して 筒体が長くなると加工精度が悪くなり芯が出にくいため、図４に示すように複数 の筒体５ａに分割して案内筒を構成しなければならない。しかも、この種の案内 筒は、ワーク径に合わせてその都度交換する必要があるので、複数の筒体５ａに 分割して構成した案内筒にあっては、各分割筒体５ａを一つずつ主軸１の後側方 に取り出し、異なる内径の筒体５ａを一つずつ再度挿入しなければならないので 、交換作業が極めて煩雑で、手間を要するという欠点があった。

【０００４】 本考案はこのような欠点を解決するもので、複数の分割筒体から成る振れ止め 案内筒が軽量に製作でき、しかも交換作業が極めて容易かつ迅速に行なえる主軸 内ワーク振れ止め装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の主軸内ワーク振れ止め装置は、前記振れ 止め案内筒が、複数の樹脂製筒体を互いに連結して構成されていることを特徴と する。前記樹脂製筒体はスペーサを介し一定の間隔を隔てて連結することが好ま しい。

【０００６】

【作用】

上記構成により、主軸の中空孔に嵌挿する振れ止め案内筒が、複数の樹脂製筒 体により軽量で、一体型に製作でき、交換作業が容易かつ迅速に行なえる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【０００８】 図１は、本考案に係るワーク振れ止め装置１０を示している。該ワーク振れ止 め装置１０は、ナイロン等の合成樹脂材料により同一径に成形した複数の筒体１ １，１２，１３をスペーサパイプ２０，スペーサリング２１を介し同軸上に一定 間隔を隔てた状態で互いに連結して構成されている。前側筒体１１は中間筒体１ ２及び後側筒体１３より長く形成され、前端開口部１４が面取り加工されている と共に、後端面に３ないし４つのねじ穴１５が軸線と同心円上に、かつ周方向に 等間隔を隔てて設けられている。中間筒体１２は複数から成り、各中間筒体１２ には前側筒体１１のねじ穴１５に対応する貫通孔１６が設けられている。また、 後ろ側筒体１３には、中間筒体１２の貫通孔１６に対応する貫通孔１７が設けら れていると共に、後端にフランジ部１８が設けられている。なお、スペーサリン グ２１は、スペーサパイプ２０が樹脂製筒体１１〜１３に喰い込むことがないよ うに設けられているものである。

【０００９】 而して、前側筒体１１のねじ穴１５に螺着した３ないし４本の連結棒２３に、 図示のようにスペーサリング２１，スペサパイプ２０，スペーサリング２１及び 中間筒体１２の順序で順次嵌め合わせて行き、最後に後側筒体１３の貫通孔１７ を連結棒２３に嵌め合わせ、連結棒２３の突出端部に設けたねじ部２４にナット ２５を螺合して締め付けることにより、全体を長い筒状体に一体化する。

【００１０】 図２は、上記のように構成されたワーク振れ止め装置１０を組み込んだ旋盤主 軸部を示している。該旋盤主軸部の構成は、図３及び図４に示した従来装置と同 じであって、主軸１の後方にワーク供給装置（バーフィーダ）３が配置され、主 軸１の前端にアダプタ６を介してチャック４が固着されている。また、チャック ４を開閉するドローチューブ７が主軸１の中空孔２に軸方向に移動自在に嵌挿さ れている。ドローチューブ７は主軸１の後端に固着したチャックシリンダ８のシ リンダ軸８ａに連結され、チャックシリンダ８でドローチューブ７を軸方向に移 動してチャック４を開閉するようになっている。

【００１１】 ワーク振れ止め装置１０は、主軸１の後方からその中空孔２に挿入し、ドロー チューブ７の中空部を挿通して前側筒体１１をチャック４に内嵌すると共に、後 側筒体１３のフランジ部１８をチャックシリンダ８の後端部に固定リング９を介 して着脱自在に固定することにより装着される。そして、ワーク供給装置３から 送り出される棒状ワークＷが後側筒体１３に挿入され、中間筒体１２，……及び 前側筒体１１を挿通してチャック４に供給される。該ワークＷはチャック４の前 端から所定長さ突出した姿勢でチャック４により把持され、主軸１と共に回転さ せて旋削加工等を行なう。

【００１２】 上記の実施例では、複数に分割した筒体１１〜１３をスペーサ２０，２１を介 して連結したが、筒体１１〜１３を互いに隣接させて直接連結してもよい。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の主軸内ワーク振れ止め装置は、複数の樹脂製筒 体を連結して構成したから、軽量に製作でき、交換作業がきわめて容易かつ迅速 に行なうことができる。また、分割した複数の筒体をスペーサを介して連結する と、一層の軽量化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るワーク振れ止め装置の一部縦断側
面図である。

【図２】同ワーク振れ止め装置を装着した旋盤主軸部の
一部縦断側面図である。

【図３】従来装置を示す一部縦断側面図である。

【図４】別の従来装置を示す一部縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 主軸 ２ 中空孔 ３ ワーク供給装置（バーフィーダ） ４ チャック １０ ワーク振れ止め装置 １１ 前側筒体 １２ 中間筒体 １３ 後側筒体 ２０ スペーサパイプ ２１ スペーサリング ２２ 連結棒

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 主軸の中空孔に嵌挿される振れ止め案内
   筒と、前記主軸の前端に固着され、棒状ワークを把持す
   るチャックとを備えた工作機械において、 前記振れ止め案内筒が、複数の樹脂製筒体を互いに連結
   して構成されていることを特徴とする主軸内ワーク振れ
   止め装置。
2. 【請求項２】 前記案内筒が、複数の樹脂製筒体をスペ
   ーサを介し一定の間隔を隔てて連結して構成されている
   ことを特徴とする請求項１記載の主軸内ワーク振れ止め
   装置。