JPH063359U - 表面強化処理パチンコ球 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】製造工程が簡略で耐摩耗性、強度、硬度に優
れ、着色も可能なパチンコ球、併せて軽量なパチンコ球
を得る。 【構成】鋼球またはチタンやチタン合金製の球に耐腐食
性、耐摩耗性に優れ強度、硬度の大きい、ＴｉＮ、Ｔｉ
Ｃ、ＴｉＣＮ、ＣｒＮ、ＷＮ、ＴａＮ、ＴｉＡｌＮ等の
蒸着膜を物理蒸着法で形成した、表面強化処理パチンコ
球。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はパチンコ球の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、パチンコ球としては鋼球にクロムメッキを施したものが一般的である。 鋼球にクロムメッキをしたパチンコ球は、その製造過程が比較的簡素で、品質も 安定しているため、広く使用されている。また金属球や金属とセラミックからな る球にセラミックをコーティングしたものも提案され、パチンコ球の着色も可能 となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

金属球にセラミックをコーティングした場合、耐摩耗性、強度、硬度に優れ、 着色も可能であるが、製造工程が複雑でコスト面に問題がある。一般的な鋼球に クロムメッキをしたパチンコ球は、製造が簡単である反面、着色は出来ず、耐摩 耗性等に問題を残している。本考案は製造工程が簡略で、耐摩耗性、強度、硬度 に優れ、着色も可能なパチンコ球を得ることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案のパチンコ球は、鋼球に耐腐食性、耐摩耗性に優れ強度、硬度の大きい 金属を蒸着法にて保護皮膜を形成することにより作られる。蒸着する金属として は、ＴｉＮ、ＴｉＣ、ＴｉＣＮ、ＣｒＮ、ＷＮ、ＴａＮ、ＴｉＡｌＮ等の耐腐食 性、耐摩耗性に優れ、高強度、高硬度なものが適している。蒸着はマグネトロン スパッタ法など、成形膜付着速度が速く、成形膜密度が大きく機材との密着性に 優れた蒸着法で行うことが必要である。

【０００５】

【実施例】

本考案のパチンコ球の実施例を以下に示す。図１に示すように、鋼球１にバレ ルメッキで耐腐食性に優れ、かつ硬度の大きいＰｄメッキを施す。さらに、パラ ジウム層２の上に蒸着膜層３を形成させる。蒸着に使用する金属としては、Ｔｉ Ｎ、ＴｉＣ、ＴｉＣＮ、ＣｒＮ、ＷＮ、ＴａＮ、ＴｉＡｌＮなどがを用いた。こ の場合は、膜の付着が速く、膜の密度、密着性に優れたマグネトロンスパッタ法 で蒸着した。蒸着時にはバッチ槽内で球を揺動させることにより均質な蒸着膜を 形成させることができた。蒸着後は固体潤滑剤を含有するワックスを研磨剤に混 入してガラ研磨加工により表面を平滑にして完成球を得た。上記の蒸着金属のい ずれを用いた場合も表面硬度は２０００ＨＶ以上のものが得られた。

【０００６】 図２は鋼球のかわりにチタン球ないしはチタン合金球４を用いた場合で、この 場合はパラジウム層を設けることなく、直接マグネトロンスパッタ法で蒸着膜５ を形成させた。蒸着時は上記同様にバッチ内で球を揺動させて均質な蒸着膜５を 得た。蒸着後は前記と同様に固体潤滑剤を含有するワックスを研磨剤に混入して ガラ研磨加工により表面を平滑にして完成球を得た。蒸着した金属は鋼球の場合 と同夜にＴｉＮ、ＴｉＣ、ＴｉＣＮ、ＣｒＮ、ＷＮ、ＴａＮ、ＴｉＡｌＮで、い ずれも表面硬度は２０００ＨＶ以上のものが得られた。

【０００７】

【考案の効果】

本考案の表面強化処理パチンコ球は耐腐食性、耐摩耗性に優れ、高強度、高硬 度なものとなり、着色も可能となるなどの効果がある。また、特にチタン、チタ ン合金製の球を用いると軽量となり、取り扱いが容易で、パチンコ機械にかかる 衝撃を抑えることが出来る効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のパチンコ球の実施例の断面図である。

【図２】本考案のパチンコ球の他の実施例の断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 鋼球 ２ パラジウム層 ３ 蒸着膜層 ４ チタンないしはチタン合金球 ５ 蒸着膜層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パチンコ球の表面に、ＴｉＮ、ＴｉＣ、Ｔ
   ｉＣＮ、ＣｒＮ、ＷＮ、ＴａＮ、またはＴｉＡｌＮから
   選択された材料からなる物理蒸着層を形成したことを特
   徴とする表面強化処理パチンコ球。