JPH06335780A - シーム溶接用ワイヤ及びシーム溶接方法 - Google Patents

シーム溶接用ワイヤ及びシーム溶接方法

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JPH06335780A
JPH06335780A JP14837593A JP14837593A JPH06335780A JP H06335780 A JPH06335780 A JP H06335780A JP 14837593 A JP14837593 A JP 14837593A JP 14837593 A JP14837593 A JP 14837593A JP H06335780 A JPH06335780 A JP H06335780A
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JP
Japan
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wire
seam welding
chromium
wires
welding
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JP14837593A
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Mitsuo Yoshida
光男 吉田
Junichi Morita
順一 森田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 飲料缶などの溶接缶を製造するためのシーム
溶接用ワイヤおよびそれを利用したシーム溶接方法を提
供する。 【構成】 表面硬さがビッカース硬さで200〜150
0であるシーム溶接用ワイヤ。また鋼板表面の下層に金
属クロム、その上層にクロム酸化物を形成せしめたクロ
ムめっき鋼板をラップし、該ラップ部に上記ワイヤによ
る電極ワイヤを介してシーム溶接を行なう。 【効果】 ワイヤの硬度が大なのでこれと接触する鋼板
表面のクロム酸化物の層が破壊され、良好な通電ができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシーム溶接用ワイヤ及び
これを利用したシーム溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】缶用材料としては錫めっき鋼板やクロム
めっき鋼板等があるが、このうちクロムめっき鋼板は安
価で塗装耐食性が極めて優れており飲料缶等に広く使用
されている。これら飲料缶等の缶胴接合は、周知のごと
く筒状に成形し、形成される重ね合わせ部をシーム溶接
により接合するものである。
【0003】しかしながらクロムめっき鋼板において
は、金属クロムの上層に生成せしめるクロム酸化物が通
電を阻害し溶接性を劣化させることから、溶接部を予め
研削してめっき皮膜を除去する方法がある。しかしこの
方法では、研削費用により製缶コストが増大するだけで
なく、研削粉が発生して作業環境悪化や製缶後の缶に付
着して製品の洗浄性低下等をもたらし、また溶接部近傍
の研削部の耐食性が劣化するなどの問題も有している。
そのため事前の研削なしの溶接を可能ならしめる試みも
なされている。例えば金属クロム表面に微細な凸部を生
成せしめて、電極としてワイヤをローラと鋼板の間に送
給し溶接時の電極(ワイヤ)加圧により凸部で酸化物を
破り、ラップした2枚の鋼板の接触面において両面の金
属クロム同士を直接接触させることにより通電を確実に
して溶接性を向上させることが知られている(特開昭6
1−281899)。
【0004】シーム溶接における接触抵抗は、図1の溶
接状況を示す断面図に示すごとく、ワイヤ1A、1Bと
クロムめっき鋼板2A、2B(以下鋼板と略記する)と
のそれぞれの接触面、鋼板2Aと鋼板2Bとの接触面で
生じる。なお、図中3A、3Bはシーム溶接機の通電ロ
ーラである。前記特開昭61−281899の方法で
は、ワイヤと鋼板の接触面近傍では、鋼板2A、2Bの
表面はクロム酸化物層の下層に高硬度の金属クロムによ
る微細な凸部を有する。しかし、ワイヤ1A、1Bの表
面硬度は、通常はワイヤ材質として導電性と熱伝導性に
優れた純銅が用いられるためにビッカース硬さで約10
0〜200程度と小さく、そのために接触面では鋼板側
微細凸部に対応してワイヤのへこみ変形が容易に起こ
り、酸化物が破壊されにくい状況となっている。一方、
後者の鋼板2Aと鋼板2Bとの接触面では、互いにクロ
ム酸化物層の下層に硬質で微細な凸部を有する金属クロ
ムが存在しているために、接触加圧時には容易に酸化物
層の破壊が生じる。本発明者の研究によれば、例えば前
者の接触抵抗は12.0mΩ、後者の接触抵抗は0.0
5mΩであり、圧倒的に前者の抵抗が大きく、前者(ワ
イヤと鋼板との接触面)での接触抵抗を小さくしない限
り溶接性の向上は望めない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
ワイヤと鋼板との接触抵抗が大きい問題を有利に解決
し、クロムめっき鋼板のシーム溶接性を向上させるため
になされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、表面硬さがビッカース硬さで200
〜1500であることを特徴とするシーム溶接用ワイヤ
である。また、鋼板表面の下層に金属クロム、その上層
にクロム酸化物を形成せしめたクロムめっき鋼板をラッ
プし、該ラップ部に電極ワイヤを介して電気抵抗溶接を
行なうに際して、前記電極ワイヤとして前記のシーム溶
接用ワイヤを用いることを特徴とするシーム溶接方法で
ある。
【0007】
【作用】缶胴のシーム溶接においては、電極ワイヤを溶
接すべきクロムめっき鋼板ラップ部に密接させて電気抵
抗溶接がなされるが、溶接部には図1に示すように接触
面が3つあり、良好な溶接性を確保するにはこれらすべ
ての接触面の接触抵抗を小さくすることが必要である。
周知のようにクロムめっき鋼板の表面皮膜は、鋼板上の
金属クロム層とその上層のクロム酸化物とから構成され
ており、金属クロムはビッカース硬さが約800〜10
00程度と非常に硬く、特に金属クロムが微細に凹凸形
態を形成している場合には、鋼板と鋼板を接触加圧する
と凸部において容易に酸化物層の破壊が起こり、両側の
金属クロム同士が直接接触するようになり、電気的導通
が確保されて接触抵抗が小さくなる。
【0008】一方、鋼板とワイヤの接触面においては、
従来用いられる純銅ワイヤの硬さがビッカース硬さで約
100〜200と金属クロムに比べて低く、加圧されて
も銅ワイヤが容易に変形するため上層のクロム酸化物の
破壊が起こり難い。本発明のごとく、ワイヤの表面硬度
をビッカース硬さで200〜1500とすると、加圧時
に鋼板側の金属クロム凸部に対応するワイヤ面において
もへこみ変形が起こりにくく、金属クロムとワイヤに挟
まれたクロム酸化物層の破壊が容易に起こることとな
る。このようにして本発明においては、シーム溶接部の
3つの接触面すべてにおいて接触抵抗が小さく維持され
て、良好な溶接性が発揮される。
【0009】本発明は、シーム溶接用ワイヤの表面硬さ
を規定しているが、ワイヤ内部の硬さは特に規定するも
のではない。したがって、ワイヤとしては従来用いられ
ている純銅ワイヤの表面にクロム、クロム−リン等のク
ロム合金、ニッケル、ニッケル−リン等のニッケル合金
等の硬質金属を主体とし、残部不可避的不純物からなる
金属層を単層又は複層めっきしたものでよく、また硬質
の炭化物、酸化物、窒化物の1種または2種以上を前記
金属層中に分散したものでもよい。さらには、TiN、
ZrB2 等の導電性を有する硬いセラミック皮膜をめっ
きしたものでもよく、金属層とセラミック皮膜を複層め
っきしたものでもよい。このめっき方法としては、電気
めっき、溶融めっきあるいは蒸着めっき等のいずれの方
法でもかまわない。
【0010】ワイヤの材質としては、純銅以外に銅に
錫、クロムや亜鉛等の合金元素を添加した銅基合金等で
もよい。銅基合金等、ワイヤ自体の硬さが硬い場合で
も、更に硬質皮膜をワイヤ表面に施してもよい。更に、
前記した硬質皮膜をワイヤ表面に形成する方法はなんら
規定するものではないが、予め硬質皮膜を形成したワイ
ヤを溶接機に供給しても良いし、溶接スピードと該皮膜
形成のための加工速度が合致するならば、シーム溶接機
の中の一工程として行うことも可能である。
【0011】本発明におけるワイヤの表面とは最表面か
ら少なくとも0.01μmの深さを意味しており、最低
この厚さの表面硬度を本発明の規定する硬度にすれば効
果が発揮される。ワイヤの表面硬度は、ビッカース硬さ
で200〜1500が良い。ビッカース硬さが200未
満だと柔らか過ぎて、接触するクロムめっき鋼板上のク
ロム酸化物層を破壊する効果が乏しい。ビッカース硬さ
が1500を超しても効果はほぼ飽和しており、ワイヤ
を偏平に加工する際の加工性が低下するなどの弊害が大
きくなり不利となる。なお、ワイヤ最表面に極めて薄い
酸化膜層があっても本発明の効果は変わらない。
【0012】ワイヤ以外の溶接条件、例えば溶接速度、
電極加圧力、溶接電流値、溶接電流波形、溶接電流・周
波数等は特に規定するものではない。
【0013】また、本発明で用いるクロムめっき鋼板
は、めっき原板上に下層に金属クロム、その上層にクロ
ム酸化物を有する、通常の缶用クロムめっき鋼板で良
い。めっき原板表面には通常、粗度と称する微細な凹凸
があり、クロムめっき後もこの粗度はそのまま存在す
る。この微細な凹凸のために、図1での3つの接触面全
てにおいて、加圧時にクロムめっき鋼板上層のクロム酸
化物の破壊が生じる。また特開昭61−281899の
ようにクロムめっき鋼板のめっき皮膜下層の表面に金属
クロム微細凸部を形成すれば更にクロム酸化物の破壊が
生じ易いので好ましい。
【0014】クロムめっき量としては特に規定するもの
ではないが、缶用鋼板の場合は、金属クロムが20〜2
00mg/m2 、その上層にクロム酸化物3〜20mg
/m2 (クロム量として)で十分であり、このまま缶用
鋼板として用いることができる。一方、例えばクロムめ
っき時に生成したクロム酸化物をめっき液あるいはドラ
ッグアウトタンク浴への浸漬または水洗等により除去
し、CrO3 を主剤とする別浴で電解等により均質な新
たなクロム酸化物を金属クロム上に生成せしめることも
できる。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに述べ
る。
【0016】クロムめっき鋼板としては、めっき原板は
低炭素鋼で板厚0.19mmであり、CrO3 を主剤と
する浴中で50A/dm2 で8回に分けて陰極電解して
90mg/m2 の金属クロムと12mg/m2 のクロム
酸化物を析出させた。また接触抵抗測定前、溶接テスト
前に210℃×20分の空焼きを施した。
【0017】ワイヤとしては、実施例4以外は市販の純
銅ワイヤを用い、実施例1〜3、5、6は、銅上にクロ
ムめっきを施し、めっき厚みにより表面硬さを調節し
た。また実施例7は銅上にニッケルめっきを施した。実
施例4は、錫添加銅合金(Cu−0.7%Sn)を用い
た。一方、比較例1〜3は、市販の純銅ワイヤをそのま
ま用いた。ワイヤの表面硬度は、荷重1gでのビッカー
ス硬さにより測定した。
【0018】接触抵抗は所定の偏平加工した銅ワイヤを
巻き付けた電極輪により、2枚重ねした供試鋼板を上下
より50kgfで加圧し、1Aの微小電流を流し、板〜
板及び板〜電極(銅ワイヤ)間の電圧を測定し、接触抵
抗を算出した。(鋼板、銅ワイヤのバルク抵抗は、接触
抵抗に比べ小さいので無視できる。)
【0019】さらに実際に溶接を行ない溶接電流適正範
囲を求めた。シーム溶接の条件は、溶接速度50mp
m、電極加圧力50kgf、溶接電流波形は正弦波、周
波数400Hzである。これにより適正電流範囲の下限
は溶接強度、上限は散り発生により決定した。
【0020】表1に上記試験結果をまとめて示す。本発
明の実施例は電極と板との接触抵抗が小さく、適正溶接
電流範囲も広い。これに対しワイヤの表面硬度が小さい
比較例では電極(ワイヤ)と板との接触抵抗が高く、適
正溶接電流範囲が狭くなっている。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明のシーム溶接ワイヤやシーム溶接
方法を用いると、鋼板とワイヤとの接触面近傍での局部
発熱や散り発生が改善でき、良好なシーム溶接が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シーム溶接方法における溶接状況を示す断面図
【符号の説明】
1A、1B ワイヤ 2A、2B 鋼板 3A、3B 通電ローラ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面硬さがビッカース硬さで200〜1
    500であることを特徴とするシーム溶接用ワイヤ。
  2. 【請求項2】 鋼板表面の下層に金属クロム、その上層
    にクロム酸化物を形成せしめたクロムめっき鋼板をラッ
    プし、該ラップ部に電極ワイヤを介して電気抵抗溶接を
    行なうに際して、前記電極ワイヤとして請求項1記載の
    シーム溶接用ワイヤを用いることを特徴とするシーム溶
    接方法。
JP14837593A 1993-05-28 1993-05-28 シーム溶接用ワイヤ及びシーム溶接方法 Withdrawn JPH06335780A (ja)

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