JPH06335401A - 導電性スリッパ - Google Patents

導電性スリッパ

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JPH06335401A
JPH06335401A JP2909194A JP2909194A JPH06335401A JP H06335401 A JPH06335401 A JP H06335401A JP 2909194 A JP2909194 A JP 2909194A JP 2909194 A JP2909194 A JP 2909194A JP H06335401 A JPH06335401 A JP H06335401A
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vinyl chloride
chloride resin
slipper
laminated sheet
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Takuro Suzuki
卓郎 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた帯電防止効果が長期間にわたって持続
し、かつ安価であって、電子機器やICなどを製造する
クリーンルームや、静電気による誤動作が心配されるオ
フィス、コンピュータールームなどで好適に使用される
導電性スリッパを提供する。 【構成】 導電性可塑剤を含有する塩化ビニル系樹脂層
と、導電性を付与された基布とを積層してなる導電性塩
化ビニル系樹脂積層シートによって少なくとも底面およ
び中敷きの一部が被覆され、かつ底面に使用されている
導電性塩化ビニル系樹脂積層シートと中敷きに使用され
ている導電性塩化ビニル系樹脂積層シートが一体化もし
くは接触していることを特徴とする導電性スリッパ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータールー
ム、IC作業所、エレクトロニクス関連の作業所等で好
適に使用される導電性スリッパに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューター等の電子機器等の
高性能化、小型化が進み、オフィスはもちろんのこと、
一般家庭でも広く使用されている。これらの電子機器
は、非常に繊細で、わずかな静電気でも誤動作等が発生
するといった問題があった。また、上記の電子機器を製
造するクリーンルーム等では、わずかな静電気でもIC
等が破壊されてしまうため、人間に帯電する静電気に対
し注意する必要がある。そのため、従来では導電性の靴
を使用したり、作業者の手首にアースバンドを取り付け
たりして、人体に帯電した静電気を外部に逃がす等の手
段によって、静電気対策を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な導電性の靴は、高価なものであるばかりか、作業所内
外の出入りの際の着脱が面倒であるといった欠点を有
し、またアースバンドは、作業者にリード線を取り付け
てなるため、作業者の行動範囲が制限され、自由な行動
が取れないといった欠点を有する。
【0004】そこで、導電性のカーボンブラックやカー
ボン繊維、あるいは金属粉末や金属繊維等を配合した導
電性ゴムや導電性プラスチックと基布とを積層した積層
シートを用いたスリッパ等の簡易履物や、帯電防止剤を
含有する合成樹脂材料を用いたスリッパ等の簡易履物等
が提案されている。しかし、導電性カーボンブラックや
カーボン繊維を配合したものでは、得られる製品が黒色
系のものに制限されてしまい、また金属粉末等を配合し
たものでは、製品が高価なものとなってしまうという問
題がある。しかも、上記のカーボンブラック等を配合し
たものは、粉末状の導電性付与材料を配合したものであ
るため、導電性のばらつきが大きいばかりでなく、粉塵
等の発生を伴いやすく、静電気と同様に粉塵をも嫌うク
リーンルーム等では使用には不適である。また、帯電防
止剤を配合した合成樹脂材料を使用した場合、充分な帯
電防止効果を得るためには、多量の帯電防止剤を配合す
る必要があり、帯電防止剤がブリードアウト、スウェッ
トアウトしたり、帯電防止効果が長期にわたって持続し
ないといった問題があった。
【0005】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたものであって、優れた帯電防止効果が長期間にわ
たって持続し、かつ安価であって、電子機器やIC等を
製造するクリーンルームや、静電気による誤動作が心配
されるオフィス、コンピュータールーム等で好適に使用
される導電性スリッパを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性スリッパ
は、導電性可塑剤を含有する塩化ビニル系樹脂層と、導
電性を付与された基布とを積層してなる導電性塩化ビニ
ル系樹脂積層シートによって、少なくとも底面および中
敷きの一部が被覆され、底面および中敷きに使用されて
いる導電性塩化ビニル系樹脂積層シートが一体化もしく
は接触していることを特徴とするものである。
【0007】以下、図面に基づいて本発明の導電性スリ
ッパについて説明する。図1は、本発明の導電性スリッ
パの一実施例を示す側面図、図2は図1のA部分の拡大
断面図である。
【0008】本発明の導電性スリッパに使用される導電
性塩化ビニル系樹脂積層シート4は、塩化ビニル系樹脂
に導電性可塑剤、安定剤、その他必要に応じて添加され
る各種添加剤を配合した導電性塩化ビニル系樹脂層4a
と導電性を付与された基布4bとを積層してなるもので
ある。
【0009】塩化ビニル系樹脂としては、通常の塩化ビ
ニル系樹脂シートに使用されるものであれば特に限定さ
れない。具体的には、平均重合度が800〜4000、
好ましくは800〜1800のポリ塩化ビニル、または
塩化ビニルを主体とする他モノマーとの共重合樹脂(例
えば、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル−
塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビ
ニル共重合樹脂)や、これらの樹脂と相溶性のある樹脂
(例えばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビ
ニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合樹脂、ポリビニルアルコール)とのブレン
ド物などが挙げられる。
【0010】上記の塩化ビニル系樹脂に配合される導電
性可塑剤としては、下記化1あるいは化2に示される化
合物が特に好適に用いられる。
【化1】 (式中、R1 は置換基を有していてもよい炭素数2〜2
2の脂肪族、脂環族、芳香族、あるいは複素環式炭化水
素基、R2 は炭素数1〜15の直鎖、もしくは分岐のア
ルキル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表
す。mは1〜25の整数である。)
【化2】 (式中、R3 、R4 は炭素数1〜15の直鎖、もしくは
分岐のアルキル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレ
ン基を表す。Bは硫黄〔S〕、酸素〔O〕、または脂肪
族、脂環族あるいは芳香族炭化水素基を表す。m、nは
1〜7の整数、kは1または2、r、pは1〜4の整数
である。)
【0011】上記の導電性可塑剤は、1種を単独で用い
てもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また上
記の導電性可塑剤の添加量は、塩化ビニル系樹脂100
重量部に対し、5〜45重量部、好ましくは10〜45
重量部である。導電性可塑剤の種類や添加量は、使用す
る塩化ビニル系樹脂の種類、採用するシートの製造方
法、求められる導電性などに合わせて適宜選定すればよ
い。
【0012】本発明の導電性塩化ビニル系樹脂積層シー
ト4の塩化ビニル系樹脂層4aには、上記の導電性可塑
剤と、塩化ビニル系樹脂シート等に通常使用される公知
の可塑剤(以下、汎用可塑剤と記すことがある)を併用
することもできる。汎用可塑剤として具体的には、ジ−
2−エチルヘキシルフタレートなどのフタル酸エステル
系可塑剤、トリクレジルホスフェートなどのリン酸エス
テル系可塑剤、ジ−2−エチルヘキシルアジペートなど
のアジピン酸エステル系可塑剤、ジ−2−エチルヘキシ
ルセバケートなどのセバチン酸エステル系可塑剤、ジ−
2−エチルヘキシルアゼレートなどのアゼライン酸エス
テル系可塑剤、ポリプロピレンアジペートなどのポリエ
ステル系可塑剤などが挙げられる。上記の汎用可塑剤
は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して
用いてもよい。
【0013】上記の汎用可塑剤の添加量は、0〜120
重量部で、導電性可塑剤と汎用可塑剤を併用する場合
は、導電性可塑剤の添加量(X)と汎用可塑剤の添加量
(Y)が下記数1に示す条件を満足する範囲とするのが
好ましい。
【数1】
【0014】本発明の導電性塩化ビニル系樹脂積層シー
ト4の塩化ビニル系樹脂層4aには、上記の導電性可塑
剤、汎用可塑剤以外にも必要に応じて塩化ビニル系樹脂
に配合される各種添加剤、例えばアゾジカルボアミド、
オキシビスベンゼンスフォンヒドラジドなどの熱分解型
化学発泡剤、Ba−Zn系複合安定剤、Ca−Zn系複
合安定剤、Na−Zn系複合安定剤、Ca−Na系複合
安定剤、Cd−Zn系複合安定剤などの安定剤、タル
ク、炭酸カルシウム、カオリンなどの充填剤、エポキシ
化大豆油、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エステルな
どの二次可塑剤、酸化チタン、縮合アゾ系顔料などの着
色剤を配合することもできる。これらの添加剤の種類、
添加量は従来の塩化ビニル系樹脂シートなどで使用され
るものと同様の種類、添加量でよい。
【0015】本発明の導電性塩化ビニル系樹脂積層シー
ト4に使用される基布としては、合成繊維からなるもの
であっても、天然繊維からなるものであってもよい。合
成繊維として具体的には、レーヨン、ナイロン、ポリア
ミドなどの高吸水性繊維、キュプラ、アセテート、ビニ
ロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタンなどの低
吸水性繊維などが挙げられる。天然繊維として具体的に
は、羊毛、綿、絹、麻などの繊維が挙げられる。上記の
繊維は、単独もしくは組み合わせて基布とすることがで
き、編布、織布、不織布などいずれの形態であってもよ
い。また、繊維の形態としても短繊維、長繊維のどちら
でも使用可能である。
【0016】上記の繊維よりなる基布は、各種手段にて
導電性が付与されるが、これは基布に導電性が付与され
ていないと、得られた導電性塩化ビニル系樹脂積層シー
トの帯電防止性能が充分に発揮されないからである。
【0017】導電付与方法としては、上記の編布、織
布、不織布などに導電性樹脂液を含浸処理する方法、抄
紙法により、不織布などを製造する際に導電性繊維や導
電性粉末、導電処理された繊維や粉末を混抄する方法、
導電処理された繊維を織り込んだり編み込む方法などが
あるが、特に重合することにより電子共役系ポリマーを
形成し得るモノマーを、酸化重合剤によりドーパントの
存在下で重合させ、基布の繊維表面近傍に電子共役系ポ
リマー層を形成させる方法が最適である。
【0018】電子共役系ポリマーを形成するモノマーと
しては、分子構造中に共役二重結合を有するもので、具
体的には、ピロール、チオフェン、アニリン、フラン、
インドールまたはこれらの誘導体などの複素五員環式化
合物や複素六員環式化合物などが挙げられる。
【0019】ドーパントとしては、一般に使用されてい
る塩素、ヨウ素、臭素などのハロゲン類、5フッ化リン
酸などのルイス酸、塩酸、硫酸などのプロトン酸、塩化
第二鉄などの遷移金属塩化物類、過塩素酸銀、フッ化ホ
ウ素銀などの遷移金属化合物、クロル酢酸、p−トルエ
ンスルホン酸(塩)、ベンゼンスルホン酸(塩)、ナフ
タレン−1,5−ジスルホン酸(塩)などの有機酸
(塩)などのアクセプター型のドーパントを使用するこ
とができる。
【0020】酸化重合剤としては、塩化第二鉄などの遷
移金属塩化物などが使用できる。尚、塩化第二鉄などの
遷移金属塩化物類は、ドーパントとしての作用も有する
ため、特に他のドーパントを併用しなくてもよいが、前
記ドーパントと併用すると更に導電性を向上させること
ができる。
【0021】本発明に使用される導電性基布4bは、織
布、編布、不織布等の形態とした後に導電性を付与して
もよいし、繊維の状態で導電性を付与した後、編み上
げ、織り上げ等して導電性基布4bとしてもよい。
【0022】繊維の状態で導電性を付与した後、織り上
げたり編み上げたりして得られる導電性基布4bとして
は、全繊維が導電性繊維にて構成されたものに限られ
ず、導電性を付与した繊維を、導電性を付与しない繊維
と所望の割合で混合して共に織り上げたり編み上げたも
のであってもよい。このようにして得られた織布または
編布を用いることにより、従来の導電性を付与していな
い基布を用いた塩化ビニル系樹脂積層シートと同様の触
感、風合いの導電性塩化ビニル系樹脂積層シート4が得
られる。また、導電性を付与した繊維と導電性を付与し
ない繊維の割合を変えることによって、所望の導電性を
有する基布を得ることができる。尚、導電性を付与した
繊維と導電性を付与しない繊維の割合は、全繊維中導電
性を付与した繊維が5%以上となるようにするのが好ま
しい。
【0023】以上の導電性可塑剤を含有する塩化ビニル
系樹脂層4a、および導電性を付与させた基布4bとを
積層させた導電性塩化ビニル系樹脂積層シート4の製造
方法としては、カレンダー法、ペースト法など従来の汎
用可塑剤を使用した塩化ビニル系樹脂積層シートの場合
と全く同様の方法で製造することができる。また、上記
の導電性塩化ビニル系樹脂積層シート4の塩化ビニル系
樹脂層4aは、単層であってもよく、複層であってもよ
いのは勿論のこと、塩化ビニル系樹脂層を複層とする場
合、それぞれが異なる配合からなる塩化ビニル系樹脂層
とすることも可能である。
【0024】カレンダー法、ペースト法などの公知の手
段にて製造された導電性塩化ビニル系樹脂積層シート4
は、必要に応じて各種合成樹脂を主成分とする上引き層
や印刷層を設けることもできるし、各種表面処理により
色調調整、艶調整、表面保護などの目的のために表面処
理を施すことも可能である。このときの上引き層等は、
導電性が損なわれない程度の厚みとする。また、本発明
に使用される導電性塩化ビニル系樹脂積層シート4は、
必要に応じてエンボスロールによって絞模様を付与する
などの二次加工を施すこともできる。
【0025】本発明の導電性スリッパ1は、少なくとも
底面3および中敷き2の一部を上記の導電性塩化ビニル
系樹脂積層シート4によって被覆し、スリッパ周辺で縫
着または接着等の手段により接合されている。このと
き、少なくともスリッパと床面と接触する部分および足
が接触する部分の一部は導電性塩化ビニル系樹脂積層シ
ート4により構成され、かつ各々の導電性塩化ビニル系
樹脂積層シート4同志が一体化もしくは人が履いたとき
に接触するように構成することが必要である。尚、より
優れた導電性を得るためには、導電性スリッパ1に使用
する塩化ビニル系樹脂積層シートは、その全てが上記の
導電性塩化ビニル系樹脂積層シート4とするのが望まし
いのは言うまでもない。
【0026】
【作用】本発明の導電性スリッパは、塩化ビニル系との
相溶性に優れた導電性可塑剤を含有した塩化ビニル系樹
脂層と導電性を付与した基布とを積層してなる導電性塩
化ビニル系樹脂積層シートによって少なくとも底面と中
敷きの一部を被覆し、且つ底面および中敷きに使用した
導電性塩化ビニル系樹脂積層シートが一体化もしくは接
触するように構成されているので、優れた帯電防止効果
を示すものである。
【0027】
【実施例】以下に、具体的な実施例を挙げ本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定され
るものではない。
【0028】〔実施例1〕表1の配合からなる塩化ビニ
ルペーストを、離型紙上にドクターナイフにより250
g/m2 (約0.3mm厚)となるようにコーティング
し、140℃で1分間ゲル化のための加熱処理を行なっ
た後、200℃で2分間キュアーのための加熱処理を行
い、導電性可塑剤を含む塩化ビニル系樹脂層を得た。
【表1】 エマルジョン重合塩化ビニル系樹脂 *1 100重量部 導電性可塑剤 *2 35重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 35重量部 Ba−Zn系複合安定剤 3重量部 顔料(TiO2 ) 5重量部 *1 住友化学工業社製 PX−QHP *2 化3に示す一般式で表される化合物
【化3】 (式中、R3 、R4 は炭素数1〜15の直鎖、もしくは
分岐のアルキル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレ
ン基を表す。m、nは1〜7の整数、r、pは1〜4の
整数である。)
【0029】ナイロンパイル基布を0.01mol/k
gのピロール、0.023mol/kgの塩化第二鉄を
含む水溶液に180分間浸漬した後、充分に水洗いし、
乾燥させることによって、導電性基布を得た。
【0030】上記の塩化ビニル系樹脂層上にポリウレタ
ン系接着剤をドクターナイフにより50g/m2 となる
ようにコーティングし、接着剤が完全に乾燥する前に、
前記導電性基布を圧着させ、90℃で2分間乾燥し、導
電性塩化ビニル系樹脂積層シートを得た。得られた導電
性基布の漏洩抵抗値を「労働省産業安全研究所技術指針
静電気用品構造基準」第24〜27頁記載の「導電性防
止用マット」に定められた性能試験法により、印加電圧
100W、アース間距離20cm、温度20.3℃、湿
度54%の条件下で測定した結果、2.0MΩであっ
た。
【0031】スリッパ底部を構成する中板とクッション
剤からなる中芯材の上下面をそれぞれ上記の導電性塩化
ビニル系樹脂積層シートで覆い、これらの導電性塩化ビ
ニル系樹脂積層シートをスリッパ周辺部でポリエステル
系の糸で縫製し、前胛部分を構成する部材を取り付けて
導電性スリッパを得た。得られた導電性スリッパについ
て、日本工業規格JIS T−8103記載の「静電気
帯電防止安全・作業靴」に定められた性能測定法第二試
験方法により、試験電圧直流500V、温度21.0
℃、湿度50%の条件下で、電気抵抗を測定したとこ
ろ、6.0×105 Ωであった。
【0032】〔実施例2〕導電性塩化ビニル系樹脂層を
表2に示す配合物をバンバリーミキサーで混練りし、次
いで最終ロール温度175℃のカレンダーで圧延して得
られた厚み0.3mmのシートとする以外は、実施例1
と同様にして導電性スリッパを得た。得られた導電性ス
リッパに使用された導電性塩化ビニル系樹脂積層シー
ト、および導電性スリッパについて実施例1と同様の試
験を行なったところ、導電性塩化ビニル系樹脂積層シー
トの漏洩抵抗値は4.3MΩ、導電性スリッパの電気抵
抗は1.3×106 Ωであった。
【表2】 サスペンジョン重合ポリ塩化ビニル系樹脂 *3 100重量部 導電性可塑剤 *2 35重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 35重量部 Ba−Zn系複合安定剤 3重量部 顔料(TiO2 ) 5重量部 *3 チッソ石油化学社製 ストレートSL(平均重合
度 1050)
【0033】〔実施例3〕基布を、52デニールのアク
リル繊維を、0.01mol/kgのピロール、0.0
23mol/kgの塩化第二鉄を含む水溶液に180分
間浸漬した後、充分に水洗いし、乾燥させることによっ
て得られた導電性繊維と、30デニールのポリエステル
繊維とを20/80の割合で両面メリヤス編みにして作
成した導電性基布に代える以外は、実施例1と同様にし
て導電性スリッパを得た。得られた導電性スリッパに使
用された導電性塩化ビニル系樹脂積層シート、および導
電性スリッパについて実施例1と同様の試験を行なった
ところ、導電性塩化ビニル系樹脂積層シートの漏洩抵抗
値は4.6MΩ、導電性スリッパの電気抵抗は2.1×
106 Ωであった。
【0034】〔比較例1〕導電性可塑剤35重量部を、
ジ−2−エチルヘキシルフタレート35重量部に代える
以外は、実施例1と同様して導電性スリッパを得た。得
られた導電性スリッパに使用された導電性塩化ビニル系
樹脂積層シート、および導電性スリッパについて実施例
1と同様の試験を行なったところ、導電性塩化ビニル系
樹脂積層シートの漏洩抵抗値は200MΩ、導電性スリ
ッパの電気抵抗は6.0×108 Ωであった。
【0035】〔比較例2〕導電性を付与していないナイ
ロンパイル基布を使用する以外は、実施例1と同様して
導電性スリッパを得た。得られた導電性スリッパに使用
された導電性塩化ビニル系樹脂積層シート、および導電
性スリッパについて実施例1と同様の試験を行なったと
ころ、導電性塩化ビニル系樹脂積層シートの漏洩抵抗値
は400MΩ、導電性スリッパの電気抵抗は1.3×1
9 Ωであった。
【0036】〔比較例3〕塩化ビニル系樹脂層を表3に
示す配合に代える以外は、比較例2と同様して導電性ス
リッパを得た。得られた導電性スリッパに使用された導
電性塩化ビニル系樹脂積層シート、および導電性スリッ
パについて実施例1と同様の試験を行なったところ、導
電性塩化ビニル系樹脂積層シートの漏洩抵抗値は200
0MΩ以上を示し、導電性スリッパの電気抵抗は5.7
×1011Ωであった。
【表3】 エマルジョン重合塩化ビニル系樹脂 *1 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 70重量部 帯電防止剤(第4級アンモニウム塩) *4 3重量部 Ba−Zn系複合安定剤 3重量部 顔料(TiO2 ) 5重量部 *4 アメリカンサイアミド社製 CATANAL
LS
【0037】
【発明の効果】本発明の導電性スリッパは、優れた帯電
防止効果を示し、かつ金属繊維などの高価な材料を用い
ることなく、従来の塩化ビニル系樹脂積層シートを用い
たスリッパと略同じ製造コストでもって、安価に製造す
ることができる。また、本発明の導電性スリッパを着用
することにより、作業者はリード線などを付けずに済む
ので、行動範囲は全くの自由であり、作業所内外の出入
りの際の着脱も容易である。従って、電子機器を製造す
るためのクリーンルームやコンピューター等を使用する
オフィスなど、静電気を嫌う場所で好適に使用され、し
かも上記のような場所での作業性も向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す側面図である。
【図2】 図1中のA部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 導電性スリッパ 2 中敷き 3 底面 4 導電性塩化ビニル系樹脂積層シート 4a 導電性可塑剤を含有する塩化ビニル系樹脂層 4b 導電性を付与された基布 5 中芯材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性可塑剤を含有する塩化ビニル系樹
    脂層と導電性を付与された基布とを積層してなる導電性
    塩化ビニル系樹脂積層シートによって、少なくとも底面
    および中敷きの一部が被覆され、且つ底部に使用されて
    いる導電性塩化ビニル系樹脂積層シートと中敷きに使用
    されている導電性塩化ビニル系樹脂積層シートが一体化
    もしくは接触していることを特徴とする導電性スリッ
    パ。
  2. 【請求項2】 導電性可塑剤を含有する塩化ビニル系樹
    脂層と導電性を付与された基布とを積層してなる導電性
    塩化ビニル系樹脂積層シートによって、底面および中敷
    きが被覆され、且つ底部に使用されている導電性塩化ビ
    ニル系樹脂積層シートと中敷きに使用されている導電性
    塩化ビニル系樹脂積層シートが一体化もしくは接触して
    いることを特徴とする導電性スリッパ。
  3. 【請求項3】 導電性可塑剤が化1または化2に示す一
    般式で表される化合物であることを特徴とする請求項1
    または2記載の導電性スリッパ。 【化1】 (式中、R1 は置換基を有していてもよい炭素数2〜2
    2の脂肪族、脂環族、芳香族、あるいは複素環式炭化水
    素基、R2 は炭素数1〜15の直鎖、もしくは分岐のア
    ルキル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表
    す。mは1〜25の整数である。) 【化2】 (式中、R3 、R4 は炭素数1〜15の直鎖、もしくは
    分岐のアルキル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレ
    ン基を表す。Bは硫黄〔S〕、酸素〔O〕、または脂肪
    族、脂環族あるいは芳香族炭化水素基を表す。m、nは
    1〜7の整数、kは1または2、r、pは1〜4の整数
    である。)
  4. 【請求項4】 塩化ビニル系樹脂層が、導電性可塑剤5
    〜45重量部、汎用可塑剤0〜120重量部含有するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の導電性スリッ
    パ。
  5. 【請求項5】 導電性可塑剤の含有量(X)と汎用可塑
    剤の含有量(Y)が下記数1に示す条件を満足すること
    を特徴とする請求項4記載の導電性スリッパ。 【数1】
  6. 【請求項6】 導電性基布が、基布の繊維表面近傍に電
    子共役系ポリマー層を形成させることにより導電性を付
    与されていることを特徴とする請求項1または2記載の
    導電性スリッパ。
  7. 【請求項7】 導電性基布が、繊維表面近傍に電子共役
    系ポリマー層を形成させた繊維と、電子共役系ポリマー
    層を形成しない繊維とを共に編み上げまたは織り上げた
    編布または織布である請求項1または2記載の導電性ス
    リッパ。
  8. 【請求項8】 繊維表面近傍に電子共役系ポリマー層を
    形成させた繊維が、基布を構成する全繊維中5%以上で
    ある請求項7記載の導電性スリッパ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001096109A1 (en) * 2000-06-16 2001-12-20 Texon Uk Limited Conductive laminated insole and stiffeners
JP2002336004A (ja) * 2001-05-14 2002-11-26 Achilles Corp 履物用の静電防止材及び履物
JP2013059412A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Sumitomo Rubber Ind Ltd 帯電防止靴
CN115226992A (zh) * 2022-09-01 2022-10-25 南通君江材料科技有限公司 高信赖性的低电荷累积态的导静电型防静电鞋及加工方法

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