JPH06335089A - 圧電素子およびその製造方法 - Google Patents

圧電素子およびその製造方法

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JPH06335089A
JPH06335089A JP5141304A JP14130493A JPH06335089A JP H06335089 A JPH06335089 A JP H06335089A JP 5141304 A JP5141304 A JP 5141304A JP 14130493 A JP14130493 A JP 14130493A JP H06335089 A JPH06335089 A JP H06335089A
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JP
Japan
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film
transparent electrode
electrode layer
piezoelectric element
piezoelectric
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JP5141304A
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Akihiko Abe
昭彦 阿部
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電素子を透明にする際、透明度を高くし、
かつ強度も高くする。 【構成】 柔軟性を有するPET等の可視光透過率の高
いフィルムからなる支持フィルム12の上面には、IT
Oからなる透明電極層13、フッ化ビニリデン−トリフ
ルオロエチレン共重合体等からなる圧電膜14、ITO
からなる透明電極層15および支持フィルム12と同じ
材質のフィルムからなる保護フィルム16がこの順で設
けられている。この場合、支持フィルム12により圧電
素子11全体にある程度の強度を持たせることができる
ので、圧電膜14および透明電極層13、15の各膜厚
をできるだけ薄くしても、全体の強度を高くすることが
できる。また、ITOや上記共重合体等の透明度があま
り高くなくても、圧電膜14および透明電極層13、1
5の各膜厚をできるだけ薄くすることにより、全体の透
明度も高くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は圧電素子およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば電気音響変換素子として用いられ
る圧電素子には、図6に示すように、ポリフッ化ビニリ
デンやフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合
体等の強誘電性高分子からなる圧電膜1の上下両面に電
極層2、3を設け、各電極層2、3にリード線4、5を
接続した構造のものがある。そして、両リード線4、5
を介して両電極層2、3間に交流信号を印加すると、圧
電膜1が面方向に伸縮することにより、圧電素子が全体
的に振動し、音が発生することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
構造の圧電素子を透明にしたい場合には、電極層2、3
をITO等の透明な導体で形成することが考えられる。
この場合、ITO等の導体およびポリフッ化ビニリデン
やフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体等
の強誘電性高分子の透明度が共にあまり高くないので、
圧電素子全体の透明度を高くするには、圧電膜1および
電極層2、3の各膜厚をできるだけ薄くする必要があ
る。しかしながら、圧電膜1および電極層2、3の各膜
厚をできるだけ薄くした場合には、圧電素子全体の強度
がかなり低下し、圧電素子自体にしわができやすくなっ
てしまう。そして、圧電素子自体にしわができると、電
圧が印加されたとき、しわの部分における圧電膜1に絶
縁破壊が生じて孔が開いてしまうことがあるという問題
がある。この発明の目的は、透明度を高くすることがで
き、かつ強度も高くすることのできる圧電素子およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の圧電素子
は、可視光透過率の高いフィルムからなる支持フィルム
の少なくとも片面に第1の透明電極層、強誘電性高分子
からなる圧電膜および第2の透明電極層をこの順で設け
たものである。請求項2記載の圧電素子は、前記第2の
透明電極層の表面に可視光透過率の高いフィルムからな
る保護フィルムを設けたものである。請求項3記載の圧
電素子の製造方法は、可視光透過率の高いフィルムから
なる支持フィルムの片面に第1の透明電極層、圧電膜を
形成するための強誘電性高分子膜および第2の透明電極
層をこの順で形成するようにしたものである。請求項4
記載の圧電素子の製造方法は、可視光透過率の高いフィ
ルムからなる支持フィルムの片面に第1の透明電極層を
形成し、可視光透過率の高いフィルムからなる保護フィ
ルムの片面に第2の透明電極層を形成し、前記第1と第
2の透明電極層のうち一方の透明電極層の表面に圧電膜
を形成するための強誘電性高分子膜を形成し、他方の透
明電極層と前記強誘電性高分子膜とを接着するようにし
たものである。
【0005】
【作用】この発明によれば、可視光透過率の高いフィル
ムからなる支持フィルムにより圧電素子全体にある程度
の強度を持たせることができるので、圧電膜および透明
電極層の各膜厚をできるだけ薄くしても、全体の強度を
高くすることができ、また圧電膜および透明電極層の各
膜厚をできるだけ薄くすることにより、全体の透明度も
高くすることができる。
【0006】
【実施例】図1はこの発明の第1実施例における圧電素
子を示したものである。この圧電素子11では、柔軟性
を有するPET等の可視光透過率の高いフィルムからな
る支持フィルム12の上面に第1の透明電極層13、圧
電膜14、第2の透明電極層15および支持フィルム1
2と同じ材質のフィルムからなる保護フィルム16をこ
の順で設け、各透明電極層13、15に第1のリード線
17および第2のリード線18を接続した構造となって
いる。
【0007】次に、この圧電素子11の製造方法の一例
について説明する。まず、支持フィルム12の上面にス
パッタリング、蒸着、印刷等の方法によりITO等の透
明な導体からなる第1の透明電極層13を膜厚1μm以
下に形成する。次に、第1の透明電極層13に第1のリ
ード線17を接続する。次に、第1の透明電極層13の
上面に、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重
合体等をケトン系等の溶剤に溶解させた溶液をコーティ
ングやキャスティング等の方法により展開し、溶剤を乾
燥させることにより、強誘電性高分子膜14aを膜厚1
0〜50μm程度に形成する。強誘電性高分子膜14a
は透過性、圧電性を有し得る範囲であれば、これに限ら
ない。次に、強誘電性高分子膜14aの上面に、ITO
等の透明な導体を溶剤に溶解させた溶液をコーティング
やキャスティング等の方法により展開し、溶剤を乾燥さ
せることにより、第2の透明電極層15を膜厚1μm以
下に形成する。次に、第2の透明電極層15に第2のリ
ード線18を接続する。次に、両リード線17、18を
介して第1の透明電極層13と第2の透明電極層15と
の間に直流高電圧を印加し、強誘電性高分子膜14aに
電場配向を施して圧電膜14とする。次に、第2の透明
電極層15の上面に保護フィルム16を接着等の方法に
よって設ける。保護フィルム16の膜厚は支持フィルム
12の膜厚よりも薄くしてもよく、また同じ膜厚として
支持機能を持たせるようにしてもよい。なお、保護フィ
ルム16は必ずしも必要ではない。また、フッ化ビニリ
デン−トリフルオロエチレン共重合体の場合には、1軸
延伸等による高分子配向を施さなくても、音響特性の低
下が著しくないので、この例では延伸処理を省略してい
る。
【0008】次に、この圧電素子11の製造方法の他の
例について、図2を参照しながら説明する。まず、支持
フィルム12の上面にスパッタリング、蒸着、印刷等の
方法により第1の透明電極層13を形成し、次いで第1
の透明電極層13に第1のリード線17を接続し、次い
で第1の透明電極層13の上面に上記と同様の方法によ
り強誘電性高分子膜14aを形成する。一方、保護フィ
ルム16の下面にスパッタリング、蒸着、印刷等の方法
により第2の透明電極層15を形成し、次いで第2の透
明電極層15に第2のリード線18を接続する。そし
て、第2の透明電極層15を強誘電性高分子膜14aの
上面に透明な接着剤(図示せず)を介して接着する。次
に、両リード線17、18を介して第1の透明電極層1
3と第2の透明電極層15との間に直流高電圧を印加
し、強誘電性高分子膜14aに電場配向を施して圧電膜
14とする。なお、強誘電性高分子膜14aを第2の透
明電極層15の下面に設け、強誘電性高分子膜14aを
第1の透明電極層13の上面に接着するようにしてもよ
い。
【0009】このように、この圧電素子11では、可視
光透過率の高いフィルムからなる支持フィルム12を備
えているので、この支持フィルム12により圧電素子1
1全体にある程度の強度を持たせることができる。この
結果、圧電膜14の膜厚を10〜50μm程度というよ
うにできるだけ薄くするとともに、透明電極層13、1
4の膜厚を1μm以下というようにできるだけ薄くして
も、全体の強度を高くすることができる。また、このよ
うに、圧電膜14および透明電極層13、15の各膜厚
をできるだけ薄くすることができるので、全体の透明度
も高くすることができる。
【0010】次に、図3はこの圧電素子11を液晶表示
パネル21に組み込んだ状態を示したものである。液晶
表示パネル21は、相対向する面に透明電極22、23
が設けられた上下2枚の透明基板24、25をシール材
26を介して貼り合わせ、シール材26の内側における
両透明基板24、25間に液晶27を封入し、上側の透
明基板24の上面に上側の偏光板28を設け、下側の透
明基板25の下面に下側の偏光板29を設けた構造とな
っている。そして、液晶表示パネル21の上側の偏光板
28の上面に圧電素子11の支持フィルム12が設けら
れている。また、圧電素子11と液晶表示パネル21と
の間に空隙を有しても、何ら差し支えることはない。こ
の場合、圧電素子11全体の透明度が高いので、液晶表
示パネル21の表示品質に悪影響を与えることがない。
【0011】なお、この発明は上述した第1実施例に限
定されるものではない。例えば、図4に示す第2実施例
のように、支持フィルム12の上下両面に第1の透明電
極層13、13、圧電膜14、14、第2の透明電極層
15、15および保護フィルム16、16をこの順で設
けた構造としてもよい。また、図5に示す第3実施例の
ように、2枚の圧電膜31a、31bの間に中間透明電
極層31cを介在させ、内側の圧電膜31aの内面に内
側透明電極層31dを設け、外側の圧電膜31bの外面
に外側透明電極層31eを設けてなるもの、つまりバイ
モルフ構造の圧電体31、31を支持フィルム32の上
下両面に設けた構造としてもよい。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、可視光透過率の高いフィルムからなる支持フィルム
により圧電素子全体にある程度の強度を持たせることが
できるので、圧電膜および透明電極層の各膜厚をできる
だけ薄くしても、全体の強度を高くすることができ、ま
た圧電膜および透明電極層の各膜厚をできるだけ薄くす
ることにより、全体の透明度も高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例における圧電素子の断面
図。
【図2】この第1実施例の圧電素子の他の製造方法を説
明するために示す断面図。
【図3】この第1実施例の圧電素子を液晶表示パネルに
組み込んだ状態の断面図。
【図4】この発明の第2実施例における圧電素子の断面
図。
【図5】この発明の第3実施例における圧電素子の断面
図。
【図6】従来の圧電素子の一例の断面図。
【符号の説明】
11 圧電素子 12 支持フィルム 13 第1の透明電極層 14 圧電膜 14a 強誘電性高分子膜 15 第2の透明電極層 16 保護フィルム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光透過率の高いフィルムからなる支
    持フィルムの少なくとも片面に第1の透明電極層、強誘
    電性高分子からなる圧電膜および第2の透明電極層をこ
    の順で設けてなることを特徴とする圧電素子。
  2. 【請求項2】 前記第2の透明電極層の表面に可視光透
    過率の高いフィルムからなる保護フィルムを設けてなる
    ことを特徴とする請求項1記載の圧電素子。
  3. 【請求項3】 可視光透過率の高いフィルムからなる支
    持フィルムの片面に第1の透明電極層、圧電膜を形成す
    るための強誘電性高分子膜および第2の透明電極層をこ
    の順で形成することを特徴とする圧電素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 可視光透過率の高いフィルムからなる支
    持フィルムの片面に第1の透明電極層を形成し、可視光
    透過率の高いフィルムからなる保護フィルムの片面に第
    2の透明電極層を形成し、前記第1と第2の透明電極層
    のうち一方の透明電極層の表面に圧電膜を形成するため
    の強誘電性高分子膜を形成し、他方の透明電極層と前記
    強誘電性高分子膜とを接着することを特徴とする圧電素
    子の製造方法。
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