JPH06334428A - アンテナ装置 - Google Patents

アンテナ装置

Info

Publication number
JPH06334428A
JPH06334428A JP11868093A JP11868093A JPH06334428A JP H06334428 A JPH06334428 A JP H06334428A JP 11868093 A JP11868093 A JP 11868093A JP 11868093 A JP11868093 A JP 11868093A JP H06334428 A JPH06334428 A JP H06334428A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mode information
initial
main beam
mode
beam direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11868093A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruichi Higuchi
晴一 樋口
Masaya Yamada
雅也 山田
Yoshizo Shibano
儀三 芝野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP11868093A priority Critical patent/JPH06334428A/ja
Publication of JPH06334428A publication Critical patent/JPH06334428A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な構成で到来電波を速やかに捕捉すること
ができるアンテナ装置を提供する。 【構成】アンテナ素子A1,A2,A3,A4の出力信
号は、移相器B1,B2,B3,B4を介して合成器1
に入力されて合成される。移相器B1,B2,B3,B
4における移相量を制御することで、合成放射指向性の
主ビーム方向が制御される。主ビーム方向は所定の量子
化間隔で量子化される。そして、量子化された主ビーム
方向に対応したモード番号が、CPU20から生成され
る。初期捕捉動作時には、まず、モードの走査が荒く行
われ、合成受信レベルが大きい初期把握モードが求めら
る。その後に、初期把握モードの周辺のモードが詳細に
走査され、合成受信レベルが最大となる初期捕捉モード
が求められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車などの移動体に
搭載されて用いられ通信衛星や地上に固定設置された通
信中継局などのような電波発生源からの電波を捕捉する
ことができるアンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地上に固定設置された通信中継局と自動
車などの移動体との間で通信を行う移動体通信において
は、移動体の移動に伴って移動体から見た通信中継局の
方向が刻々と変化する。そのため、移動体に搭載される
通信用アンテナには、無指向性に近い広い放射指向性を
有するものが適用され、電波の到来方向によらずに通信
中継局からの電波を受信できるようにするのが通常であ
る。
【0003】ところが、広い指向性のアンテナを用いる
と、どの方向からの電波も受信され、また、どの方向に
対しても電波が放射される。そのため、マルチパス等に
よるフェーディングが発生し、通信品質が劣化が避けら
れない。通信中継局ではなく通信衛星を利用した移動体
通信の場合、たとえば、放送衛星からの電波を自動車に
おいて受信する場合においても、事情は同じである。
【0004】したがって、移動体のアンテナには指向性
を持たせるとともに、通信中継局や通信衛星を追尾する
機能を持たせることが好ましい。すなわち、移動体の移
動に伴って移動体に対する通信中継局または通信衛星の
方向が変化しても、放射指向性の主ビーム方向が通信中
継局または通信衛星の方向を向くようにすることで、安
定した送受信を継続することができ、通信品質を向上す
ることができると考えられる。
【0005】また、固定通信の場合であっても、長期的
に見れば、送受信アンテナ間の電波の伝搬経路は環境に
よって左右される。したがって、移動体通信に限らず、
固定通信であっても、受信アンテナの放射指向性の主ビ
ーム方向を送信アンテナからの電波の到来方向に自動的
に向くようにすることが好ましい。また、アンテナビー
ムの方向を電波の到来方向に自動的に向けることができ
れば、アンテナの初期設定時において精密な方向調整を
行う必要がなくなるから、アンテナの初期設定作業を軽
減できる。
【0006】このように、通信用アンテナの指向性の主
ビームの方向を自動的に電波到来方向に合致させること
ができれば、種々の効果を生むことが期待される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようない
わば自動追尾機能を備えることは、アンテナ装置の構成
を複雑化するとともに、コストの増大に繋がるという問
題を生じさせる。そこで、本発明の目的は、上述の技術
的課題を解決し、簡単な構成でアンテナの指向性の主ビ
ーム方向を電波到来方向に自動的に向けることができる
アンテナ装置を提供することである。
【0008】また、本発明の他の目的は、アンテナの指
向性の主ビーム方向を速やかに電波到来方向に向けるこ
とができるアンテナ装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】上記の目的を
達成するための請求項1記載のアンテナ装置は、複数の
アンテナ素子と、各アンテナ素子にそれぞれ接続され、
移相量を可変制御することができる複数の移相手段と、
上記複数のアンテナ素子の上記複数の移相手段でそれぞ
れ移相された各出力を合成する合成手段と、この合成手
段の出力レベルを検出するレベル検出手段と、所定の量
子化間隔で量子化された上記複数のアンテナ素子の合成
放射指向性の主ビーム方向のいずれかに対応したモード
情報を生成するモード情報生成手段と、このモード情報
生成手段が生成したモード情報に基づいて上記複数の移
相手段の各移相量を制御し、上記複数のアンテナ素子の
合成放射指向性の主ビーム方向を制御するビーム方向制
御手段と、上記モード情報生成手段が生成することがで
きる全モード情報のなかから所定の規則に従って選択さ
れた全モード情報数よりも少ない所定数の初期把握用モ
ード情報のうちで、所定の電波を上記複数のアンテナ素
子に受信させたときに上記レベル検出手段が検出する上
記合成手段の出力レベルが最大となる初期把握用モード
情報を求める初期把握手段と、この初期把握手段によっ
て求められた初期把握用モード情報に対応する上記主ビ
ーム方向の近傍の所定の第1範囲内に主ビーム方向が存
在するモード情報のなかから、上記所定の電波を上記複
数のアンテナ素子に受信させたときに上記レベル検出手
段が検出する上記合成手段の出力レベルが最大となるモ
ード情報を初期捕捉モード情報として求める初期捕捉手
段とを含むことを特徴とする。
【0010】上記の構成によれば、複数のアンテナ素子
の出力を合成手段で合成したときの合成放射指向性の主
ビーム方向は、各アンテナ素子にそれぞれ接続された複
数の移相手段の各移相量を制御することによって、変化
させることができる。本発明では、上記の主ビーム方向
は、所定の量子化間隔で量子化されており、そのいずれ
かに対応したモード情報がモード情報生成手段から生成
される。
【0011】モード情報生成手段が生成したモード情報
は、ビーム方向制御手段に与えられる。ビーム方向制御
手段は、与えられたモード情報に対応する移相量を各移
相手段に設定し、これによって、モード情報に対応した
方向に上記主ビーム方向を制御する。合成手段の出力レ
ベルはレベル検出手段で検出されており、このレベル検
出手段の出力に基づいて電波の初期捕捉が行われる。す
なわち、レベル検出手段が検出する合成手段の出力レベ
ル(すなわち、受信レベル)が最大となるように、上記
モード情報が決定される。この決定されたモード情報を
上記モード情報生成手段が生成することによって、初期
捕捉が達成される。すなわち、合成放射指向性の主ビー
ム方向が自動的に電波到来方向を向く。
【0012】上記の初期捕捉は、本発明では、初期把握
手段と初期捕捉手段とによって2段階に行われる。すな
わち、初期把握手段による第1段階の初期捕捉では、全
モード情報のなかから所定の規則に従って選択された初
期把握用モード情報のうちで、受信レベルが最大となる
モード情報が求められる。つまり、全モード情報を走査
するのではなく、予め選択された所定数の初期把握用モ
ード情報のみが走査され、その中で最大受信レベルが得
られるものが求められる。したがって、この初期把握手
段による第1段階の初期捕捉は速やかに行える。
【0013】初期捕捉手段によって行われる第2段階の
初期捕捉では、初期把握手段によって求められた初期把
握用モード情報に対応した主ビーム方向の近傍の所定の
第1範囲内に主ビーム方向を有するモード情報のなかか
ら、最大受信レベルのモード情報が求められる。すなわ
ち、上記第1範囲内の全てのモード情報が走査され、最
大受信レベルのモード情報が初期捕捉モード情報とされ
る。この初期捕捉モード情報は、全モード情報のうちで
受信レベルが最大のモード情報である。
【0014】このようにして、本発明では、第1段階で
はモード情報を荒く走査して初期捕捉モード情報の存在
範囲を絞り込み、第2段階では絞り込まれた範囲内にお
いて詳細にモード情報を走査して初期捕捉モード情報を
求めるようにしている。そのため、全モード情報を詳細
に走査する場合に比較して、極めて短時間で初期捕捉を
達成できる。
【0015】請求項2記載のアンテナ装置は、上記初期
捕捉手段によって上記初期捕捉モード情報が求められた
後に、この初期捕捉捕捉モードに対応した主ビーム方向
の近傍の所定の第2範囲内に主ビーム方向が存在するモ
ード情報のなかから、上記所定の電波を上記複数のアン
テナ素子に受信させたときに上記レベル検出手段が検出
する上記合成手段の出力レベルが最大となるモード情報
を検出する手段と、検出されたモード情報と上記初期捕
捉モード情報とが一致するかどうかを判定する手段と、
上記検出されたモード情報と上記初期捕捉モード情報と
が一致する場合に、上記初期捕捉モード情報を確定させ
る手段と、上記検出されたモード情報と上記初期捕捉モ
ード情報とが一致しない場合に、上記初期把握手段およ
び上記初期捕捉手段を再び動作させる手段とをさらに含
むことを特徴とする。
【0016】この構成では、初期捕捉モードの再確認が
行われる。すなわち、初期捕捉モード情報に対応した主
ビーム方向の近傍の所定の第2範囲内に主ビーム方向を
有するモード情報が走査され、これらのモード情報のな
かで受信レベルが最大となるものが検出される。この検
出されたモード情報が初期捕捉モード情報と一致した場
合には、初期捕捉モードが正しいものとして確定させら
れる。もしも、一致しなければ、初期捕捉動作が再度行
われる。
【0017】なお、上記の第2範囲は上述の第1範囲よ
りも狭く設定されることが好ましい。このようにすれ
ば、初期捕捉モードの再確認を短時間で行えるから、と
りわけ、当該アンテナ装置が移動体に搭載されて用いら
れる場合に好適である。請求項3記載のアンテナ装置
は、上記モード情報生成手段から複数種類のモード情報
を生成させたときの上記レベル検出手段の検出結果と、
上記複数のアンテナ素子の合成放射指向性のパターンと
を照合して、上記初期捕捉モード情報に対応した主ビー
ム方向が上記所定の電波の到来方向に向いているかどう
かを判定する手段と、上記初期捕捉モード情報に対応し
た主ビーム方向が上記所定の電波の到来方向に向いてい
ると判定されたときに、上記初期捕捉モード情報を確定
させる手段と、上記初期捕捉モード情報に対応した主ビ
ーム方向が上記所定の電波の到来方向に向いていないと
判定されたときに、上記初期把握手段および上記初期捕
捉手段を再び動作させる手段とをさらに含むことを特徴
とする。
【0018】この構成でも、初期捕捉モード情報の再確
認が行われる。複数のアンテナ素子の合成放射指向性の
パターンはアンテナ素子の配置などによって定まるか
ら、複数種類のモード情報に対応した合成手段の出力レ
ベルを合成放射指向性のパターンと照合すれば、初期捕
捉モード情報に対応した主ビーム方向が電波到来方向に
向いているかどうかを調べることができる。
【0019】このような照合は、たとえば、合成放射指
向性のパターンが主ビームとその周辺にサブビームとを
有するものである場合には、初期捕捉モード情報に対応
した主ビーム方向にサブビームを向けることができる他
のモード情報の受信レベルが所定の閾値以上であるかど
うかを調べることによって行える。請求項4記載のアン
テナ装置は、上記合成手段に入力される前の上記移相手
段を介した各アンテナ素子の出力信号と上記合成手段で
合成された信号との位相差を検出する位相差検出手段
と、この位相差検出手段が各アンテナ素子毎に検出した
位相差に基づいて、上記モード情報生成手段が生成して
いるモード情報が適切か不適切かを判定する手段と、上
記モード情報生成手段が生成しているモード情報が不適
切であると判定されたときに、この不適切なモード情報
に対応した主ビーム方向よりも電波が到来する方向に近
い方向に主ビーム方向を設定することができる他のモー
ド情報を上記モード情報生成手段に生成させるモード情
報更新手段とをさらに含むことを特徴とする。
【0020】この構成では、電波源の自動追尾を行え
る。すなわち、移相手段を介したアンテナ素子の出力信
号と合成手段で合成された信号との位相差が検出され、
この位相差に基づいてモード情報の適否が判定される。
そして、モード情報が不適切であると判定されると、モ
ード情報更新手段はモード情報を更新する。すなわち、
モード情報生成手段に、電波到来方向に近い方向に上記
主ビーム方向を設定することができる他のモード情報を
生成させる。これにより、主ビーム方向を常に電波到来
方向に向けることができる。
【0021】請求項5記載のアンテナ装置は、上記モー
ド更新手段は、上記合成手段の出力レベルが所定の受信
レベル判定閾値未満のときに、上記モード情報生成手段
が生成しているモード情報に対応した主ビーム方向の近
傍の所定の第3範囲内に主ビーム方向が存在するモード
情報のなかから、上記合成手段の出力レベルが最大とな
るモード情報を求め、このモード情報を上記モード情報
生成手段に生成させる手段を含むものであることを特徴
とする。
【0022】この構成では、合成手段の出力レベルが所
定の受信レベル判定閾値未満になると、モード情報の更
新が行われる。すなわち、現在のモード情報に対応した
主ビーム方向の近傍の所定の第3範囲内に主ビーム方向
を有するモード情報のうちで、最大受信レベルのモード
情報が新たなモード情報となる。請求項6記載のアンテ
ナ装置は、移動体に搭載されて用いられるとともに、上
記モード更新手段は、上記移動体の姿勢変動に基づい
て、上記モード情報生成手段に生成させるべきモード情
報を更新する手段を含むものであることを特徴とする。
【0023】この構成では、移動体の姿勢変動によらず
に電波源の追尾を達成するために、移動体の姿勢変動に
基づいてモード情報の更新が行われる。
【0024】
【実施例】以下では、本発明の実施例を、添付図面を参
照して詳細に説明する。 1.基本構成 図1は本発明の一実施例の全体の構成を示すブロック図
であり、車両などの移動体に搭載されるアンテナ装置の
構成が示されている。通信衛星などからの電波を受信す
るためアンテナ素子A1,A2,A3およびA4は、た
とえば図2に示されているように、水平面に沿ったxy
平面上に、電波伝搬特性の相関関係が小さくなるように
等間隔で配置される。
【0025】アンテナ素子A1,A2,A3,A4はそ
れぞれ移相器B1,B2,B3,B4を介して合成器1
に接続されている。この合成器1で合成されて得られた
信号は通信端子Tに導出される。通信端子Tは、図示し
ない受信機に接続される。移相器B1,B2,B3,B
4は、後述するようにその移相量を可変制御することが
できるものである。移相器B1,B2,B3,B4は、
それぞれ移相器ドライバD1,D2,D3,D4によっ
て駆動される。
【0026】移相器ドライバD1,D2,D3,D4に
は、記憶手段としてのROM(リード・オンリ・メモ
リ)10から移相量に対応した制御信号が入力される。
ROM10のアドレス入力端子にはラッチング回路11
に保持されたアドレスデータが入力されており、このR
OM10は入力されたアドレスに格納されたデータを移
相器ドライバD1,D2,D3,D4に与える。ラッチ
ング回路11には、モード情報生成手段、初期把握手
段、初期捕捉手段、モード情報更新手段、およびビーム
方向制御手段などとして機能するCPU(中央処理装
置)20の出力ポートP5,P6からのデータが与えら
れる。また、ラッチング回路11には、保持データを不
変に保つ保持状態と、CPU20から与えられるデータ
を内部に読み込む設定許可状態とを切り換えるための制
御端子CTRが設けられている。この制御端子CTR
は、CPU20の出力ポートP7に接続されている。
【0027】一方、合成器1の出力信号は、切換えスイ
ッチS1を通って、レベル検出手段としての振幅検出回
路2と位相差検出回路3とに選択的に入力される。振幅
検出回路2の出力は、CPU20の振幅入力ポートP1
に入力され、位相差検出回路3の出力は位相差入力ポー
トP2に入力されている。スイッチS1は、CPU20
が出力ポートP4に導出する制御信号に基づきドライバ
5によって切り換えられる。
【0028】位相差検出回路3には、スイッチS1から
の信号のほかに、切換えスイッチS2からの信号も入力
されている。このスイッチS2は、合成器1に入力され
る以前のアンテナ素子A1,A2,A3,A4の出力信
号(正確には移相器B1,B2,B3,B4の出力信
号)を切り換えて順に出力するものである。その切換え
は、CPU20が出力ポートP3に導出する制御信号に
基づき、ドライバ5によって行われる。
【0029】なお、CPU20にはバス21が接続され
ており、このバス21には、ワークエリアなどとして用
いられるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)22、
図外のナビゲーションシステム等から車輪速データ等を
取得するためのインタフェース(I/F)23などが接
続されている。車輪速データとは、車両の前後四輪の各
回転速度に対応したデータである。
【0030】上述のような構成によって、当該装置の動
作開始時にはアンテナ素子A1,A2,A3,A4の合
成放射指向性の主ビーム方向を電波到来方向に向けるた
めの初期捕捉動作が行われる。そして、初期捕捉動作が
行われた後には、電波到来方向の変化に応じてその方向
に合成放射指向性の主ビーム方向を向けるための追尾動
作が行われる。合成放射指向性の主ビーム方向の制御
は、移相器B1,B2,B3,B4における各移相量を
制御することによって行われる。
【0031】たとえば、任意のアンテナ素子Ak(k=
1,2,3,4)が図3に示すようにxy平面上に配置
されているとすると、放射指向性の主ビーム方向をベク
トルP方向に向けるためには、アンテナ素子Akに接続
された移相器Bkの移相量Φ k を下記第(1) 式に示すよ
うに定めればよい。 Φk =−βRksinθPcos(φP −φk ) ・・・・ (1) ただし、Rk は原点Oからアンテナ素子Akまでの距離
(図2の配置では、R1 =R2 =R3 =R4 =R) φk はアンテナ素子Akの水平角 θP はベクトルPの垂直角 φP はベクトルPの水平角 β=2π/λ、λは自由空間波長 この第(1) 式に示された移相量Φk はθP ,φP の連続
関数であるが、これをデータ制御が容易に行えるように
適当に定めた移相ステップDΦで量子化する。このと
き、量子化された移相量Φk は下記第(2) 式のように表
される。
【0032】
【数1】
【0033】なお、移相ステップDΦは、放射指向性の
主ビーム方向切換え角度間隔、量子化による方位誤差お
よび不要放射ローブ等の指向性性能などを考慮して定め
られる。通常、DΦ=30度程度に設定することが妥当
な場合が多い。図4(a) および(b) は、移相量を30度
ずつ変化させることができる移相器Bkの構成例を示す
ブロック図である。図4(a) の構成例では、移相量がそ
れぞれ30度(=DΦ)、60度(=2・DΦ)、12
0度(=22 ・DΦ)、240度(=23 ・DΦ)の移
相器ユニット31,32,33,34がカスケード接続
されている。各移相器ユニット31,32,33,34
は、ドライバ36,37,38,39から制御端子31
a,32a,33a,34aにバイアス電圧を加えるこ
とにより、非バイアス時に比較してそのユニットに割り
当てられた値だけ位相遅れが生じるように構成されてい
る。バイアス電圧を加える移相器ユニット31,32,
33,34の組合せによって、0度乃至450度の間で
30度間隔で移相量を設定することができる。たとえ
ば、移相器ユニット32と移相器ユニット34とを同時
に駆動し、移相器ユニット31,33を非バイアス状態
とすれば、300度の位相遅れを生じさせることができ
る。
【0034】図4(b) の構成では、30度、60度、9
0度、・・・・・・・・、300度、330度のように、30度
間隔で駆動端子を設けた移相器40が用いられる。各駆
動端子は、ドライバd1,d2,d3,・・・・,d12に
よって駆動される。この構成では、ドライバd1,d
2,d3,・・・・,d12でいずれか1つの駆動端子を駆
動することによって、30度間隔で設定された任意の位
相遅れを生じさせることができる。 2.ビーム方向の設定方法 次に、放射指向性の主ビーム方向を設定する方法につい
て説明する。放射指向性の主ビーム方向を設定すること
は、図3のベクトルPの垂直角θP および水平角φP
設定することにほかならない。 2−1.設定ビーム方向の量子化 ビーム方向をCPU20によるディジタル処理によって
設定するためには、垂直角θP および水平角φP を量子
化することが必要である。ここでは、垂直角θ P は量子
化ステップdθP で量子化し、水平角φP は量子化ステ
ップdφP で量子化するものとする。
【0035】垂直角θP には、当該アンテナ装置の適用
システムによって規定される範囲が存在する。たとえ
ば、静止衛星からの電波を日本全国で受信することを目
的としたシステムでは、垂直角θP は20度〜70度の
範囲内の値をとることができればよい。この角度範囲外
に放射指向性の主ビーム方向を設定することは意味がな
いからである。垂直角θP が採りうる角度範囲がθ1
θ2 であるとすると、垂直角θP の量子化の結果とし
て、設定されうる垂直角θP の値は、θ1 ,θ1 +dθ
P ,θ1 +2dθP ,・・・・,θ2 となる。これを一般的
に表現すれば、下記第(3) 式のとおりとなる。
【0036】 θPj=θ1 +(j−1)dθP ・・・・ (3) ただし、j=1,2,3,・・・・である。水平角φP に関
しても同様であり、φ1 〜φ2 (移動体通信の場合には
φ1 =0°、φ2 =360°−dφP )の角度範囲で、
下記第(4) 式のとおりに量子化される。
【0037】 φPi=φ1 +(i−1)dφP ・・・・ (4) ただし、i=1,2,3,・・・・である。間隔dθP およ
びdφP は、アンテナ装置の総合指向性の観点から決定
される。たとえば、垂直角θP の間隔dθP は主放射ビ
ームの垂直半値角程度に設定され、水平角φP の間隔d
φP は主放射ビームの水平半値角程度に設定される。 2−2.ビーム方向の指定方法 CPU20によって、合成放射指向性の主ビーム方向を
指定する方法について説明する。
【0038】上述のように主ビーム方向を量子化する
と、jおよびiを定めれば主ビーム方向が決まる。そこ
で、jおよびiによって定まるビーム状態をモード
(j,i)と定義し、jおよびiをモード番号と定義す
る。この場合、CPU20からモード番号jおよびiを
出力したときに、各移相器B1,B2,B3,B4にモ
ード(j,i)に対応した移相量を設定することができ
る制御信号をROM10から出力させるようにしておけ
ば、CPU20によるビーム方向の指定が達成される。
【0039】たとえば、CPU20の出力としては、モ
ード番号jおよびiをそれぞれ並列出力型の2進数B
(j) ,B(i) で表現するものとし、B(j) を表現するた
めにJ本の出力端子を割り当て、B(i) を表現するため
にI本の出力端子を割り当てる。そして、たとえば、図
5に示されているように、ROM10のアドレス入力端
子A0 〜AI-1 をB(i) に対応させ、アドレス入力端子
I 〜AI+J-1 をB(j)に対応させる。2進数B(j) ,
B(i) とROM10のアドレス入力端子との上位/下位
の対応付けは、図5の場合と逆に設定されてもよい。た
だし、以下では、図5のような対応関係を前提として説
明する。
【0040】なお、図5では、I=7、J=3の場合が
示されている。また、この図5のROM10は、16ビ
ットのアドレスデータが入力される16本のアドレス入
力端子A0 〜A15を備えている。アドレス入力端子A0
〜A15に与えられたアドレス信号はデコーダ51でデコ
ードされて記憶部52に入力される。そして、記憶部5
2に記憶された16ビットのデータが出力端子O0 〜O
15に導出されることになる。
【0041】ROM10のアドレス入力端子A0 〜A15
に入力される入力アドレスIADD(j,i)は、結
局、下記第(5) 式で表されることになる。 IADD(j,i)=B(i+j・2I ) ・・・・ (5) ただし、iは水平角φP を指定するモード数(10進
数) jは垂直角θP を指定するモード数(10進数) B( )は( )内の数値を2進数表現することを表す
記号 なお、ROM10の残りのアドレス入力端子は全てロー
レベルに固定されているものとする(ただし、正論理で
ある。)。
【0042】すなわち、CPU20からはモード(j,
i)を指定するために並列型でB(j) ,B(i) を出力
し、ROM10には入力アドレスとして第(5) 式の値を
与えるものとする。 2−3.移相器ドライブデータ 移相器Bkを駆動するためのデータは、移相器Bkの具
体的な構成によって異なる。
【0043】まず、図4(a) の構成の移相器Bkを用い
る場合の移相器ドライブデータについて説明する。アン
テナ素子数(移相器の数)が4であり、DΦ=30°で
あり、ROM10のデータ出力端子が16本の場合、移
相器B1,B2,B3,B4とROM10のデータ出力
端子O0 〜O15との対応関係は、たとえば、図6のよう
に設定される。すなわち、最初の4ビット分の出力端子
0 〜O3 が移相器B1に割り当てられ、次の4ビット
分の出力端子O4 〜O7 が移相器B2に割り当てられ、
さらに次の4ビット分の出力端子O8 〜O11が移相器B
3に割り当てられ、上位の4ビット分の出力端子O12
15が移相器B4に割り当てられる。
【0044】移相器Bkのモード(j,i)に対する量
子化された移相量Φk は、上記第(2) 式に第(3) 式およ
び第(4) 式を代入することによって定められる。ここ
で、下記第(6) 式で表されるNk を計算してみると、こ
のNk は移相器Bkをドライブするために割り当てられ
たROM10の4本の出力端子の状態を2進数表現した
ものとなっている。
【0045】 Nk (j,i)=B(|Φk (j,i)/DΦ|) ・・・・ (6) たとえば、Φk (j,i)=−210°であるとする
と、 |Φk (j,i)/DΦ|=210/30=7 であるから、 Nk (j,i)=B(7)=(0111)2 ・・・・ (7) となる。この場合には、Nk の最下位ビットによって図
4(a) の移相器ユニット31(位相遅れは30°)、下
から2位のビットによって移相器ユニット32(位相遅
れは60°)、下から3位のビットによって移相器ユニ
ット33(位相遅れは120°)が励振される。その結
果、合計で210°の位相遅れが設定される。このよう
に、Nk (j,i)は、移相器Bkの励振状態を2進数
で表現したものであることがわかる。
【0046】ここで、図6を参照すると、移相器Bkを
駆動するROM10の出力端子は最下位ビット(端子O
0 に相当する。)よりも4(k−1)ビットだけ上位に
シフトしていることがわかる。したがって、ROM10
が出力端子O0 〜O15に出力する全体のデータは、下記
第(8) 式で表現されることになる。
【0047】
【数2】
【0048】一方、移相器Bkを図4(b) の構成で実現
する場合には、移相器Bkに与えられるROM10の出
力データOTDADAは、下記第(9) 式で表される(こ
の第(9) 式が正しいことは、容易に検証されるから、式
の誘導および証明は省略する。)。
【0049】
【数3】
【0050】この場合には、図4(b) の構成から理解さ
れるように、1つの移相器Bkを駆動するために12ビ
ットを要するから、図6に示されたような16ビット出
力のROMを用いる場合には、同様なROMが各移相器
Bkごとに必要となり、全体で4個のROMを要する。
ROMの有効利用という観点からは図4(a) の構成の方
が図4(b) の構成よりも優れていると言えるが、いずれ
の構成を採用するかについては、移相器の構成およびR
OMの有効利用の観点を勘案して総合的に判断すること
が好ましい。 2−4.ROMデータの設定 次に、ROM10へのデータの設定について説明する。
【0051】ROM10の入力データ(入力アドレス)
と出力データとが定まると、ROM10に必要なデータ
を書き込む必要がある。必要な全てのj,iについて、
まず、上記第(5) 式によって、ROM10への入力アド
レスIADD(j,i)を計算する。次に、IADD
(j,i)によってアプローチされるROM10のアド
レスを確認する。これは、使用するROMの取扱説明書
に従って確認することになるが、図5や図6に例示され
たような入力16ビット出力16ビットのROMでは、
2・IADD(j,i)および2・IADD(j,i)
+1が対応するメモリアドレスであることが多い。
【0052】このようにして決定されるROM10のメ
モリアドレスに、移相器構成に応じて、上記第(8) 式ま
たは上記第(9) 式によって定まるOTDATAまたはO
TDATAk (k=1,2,3,4)を書き込めば良
い。データの書込方法については、使用するROMの仕
様により定まる。 2−5.ビーム方向の設定 上述のようにして装置を構成することにより、主ビーム
方向の設定は、基本的には、CPU20が出力ポートP
5,P6にモード番号j,i(すなわち、上記第(5) 式
のデータ)を出力するだけで行われることになる。
【0053】ところが、当該アンテナ装置が車両などの
移動体に搭載される場合には、移動体の移動に伴ってビ
ーム方向を変化させる必要があり、また、当該アンテナ
装置が固定的に設置される場合であっても環境の変化に
伴ってビーム方向を変化させる必要が生じる。このよう
な動作を実現するために、後述するようにCPU20
は、その内部でビーム方向をどちらの方向に向けるのが
一番よいかを検討するための処理を行う。この処理中に
CPU20の出力が不所望な変化を示すと、それに応じ
てアンテナのビーム方向が変化し、通信の連続性が保証
されなくなるおそれがある。
【0054】この問題を避けるために、本実施例では、
図7に示す構成が採用されている。すなわち、CPU2
0とROM10との間にラッチング回路11が接続され
ている。このラッチング回路11は、データの設定を許
容する設定許可状態と、保持データを不変に保つ保持状
態との2つの状態を選択的にとることができるものであ
り、この動作状態を指定するための制御端子CTRを備
えている。この制御端子CTRには、CPU20の出力
ポートP7から動作指定信号が与えられる。たとえば、
制御端子CTRにローレベルの信号を与えるとラッチン
グ回路11は設定許可状態となり、ハイレベルの信号を
与えると保持状態となる。
【0055】したがって、出力ポートP7にハイレベル
の動作指定信号を出力させておけば、CPU20の出力
データが変化しても、ラッチング回路11の出力は不変
に保たれる。その結果、ROM10の出力データは不変
に保たれ、移相器B1,B2,B3,B4の動作状態は
変化しないから、ビーム方向が変化することがない。図
8は、CPU20の動作を説明するためのフローチャー
トである。CPU20は、通常は、出力ポートP7にハ
イレベルの動作指定信号を導出しておき(ステップm
1)、ラッチング回路11を保持状態としておいて、モ
ードを決定するための処理などを行う(ステップm
2)。そして、モードを変化させる必要がある場合に
は、新たに決定されたモード番号を出力ポートP5,P
6に出力し(ステップm3)、動作指定信号をローレベ
ルとする(ステップm4)。これにより、ラッチング回
路11には新たなデータが取り込まれ、アンテナの放射
ビームモードは、瞬間的に新たな指定状態に変化する。
その後、CPU20は直ちに動作指定信号をハイレベル
とし(ステップm1)、次のプロセスに移る。
【0056】すなわち、モードが決定する以前の期間に
は、ラッチング回路11は保持状態となり、ビーム方向
は不変に保たれる。そして、モードが決定した時点で、
ラッチング回路11は設定許可状態に制御される。この
ようにして、モード変更時の過渡的なビームの乱れを防
ぎつつ、安定した通信状態を保つことができる。なお、
CPU20の内部処理の影響によるビーム方向の変化を
防止するためには、図9に示す構成を採用することもで
きる。すなわち、この構成では、ROM10の入力側に
はラッチング回路11を設ける代わりに、ROM10の
出力側と移相器ドライバD1,D2,D3,D4との間
に、ラッチング回路11Aが設けられている。このラッ
チング回路11Aは、ラッチング回路11と同様な構成
を有する。そして、ラッチング回路11Aの制御端子C
TRには、CPU20の出力ポートP7からの信号が入
力されている。CPU20の動作は、図7に示された構
成の場合と同様である。
【0057】この構成では、CPU20の内部処理に応
じて出力ポートP5,P6に導出されるデータの変化に
伴い、ROM10への入力アドレスは変化する。しか
し、移相器ドライバD1〜D4に与えられるデータは、
ラッチング回路11によって不変に保つことができる。
これにより、結果的に、図7の構成の場合と同様な動作
が達成される。 3.アンテナの制御動作 次に、アンテナ素子A1〜A4の信号の位相を変化させ
ることにより、合成放射指向性の主ビーム方向を電波到
来方向に向けるための制御動作について説明する。この
制御動作は、当該アンテナ装置を設置して動作開始させ
るときに最初に電波源を捕捉するための初期捕捉動作
と、初期捕捉動作の後に移動体の移動や環境の変化に応
じて電波源を自動追尾するための追尾動作とを含む。 3−1.初期捕捉動作 先ず、初期捕捉動作について説明する。
【0058】通信を開始する以前には、アンテナの放射
ビームの方向がいずれの方向を向いているかが不明であ
る。そのため、電波を受信することができるようにアン
テナのをモードを設定する必要がある。そこで、アンテ
ナのモードを初期設定するに当たり、CPU20は、ド
ライバ5を制御して、切換えスイッチS1を振幅検出回
路2側に接続させる。そして、振幅検出回路2で検出さ
れる受信レベルが最大となるモードを見出す。この受信
レベルが最大値をとるモードが、初期捕捉のためのモー
ドとして決定されることになる。
【0059】このような初期捕捉は、設定可能な全モー
ドを順に走査して、受信レベルが最大となるモードを見
出すことによって行えると考えられる。しかし、全モー
ドを走査すると、初期捕捉に要する時間が長くなるた
め、あまり好ましくない。とりわけ、当該アンテナ装置
が車両などの移動体に搭載されて用いられる場合には、
移動体が常時動くことや、移動体が電波の受信が不可能
な場所(たとえば高層ビルの影など)に移動する可能性
があることなどを考えると、初期捕捉時間はできるだけ
短時間で行われることが好ましい。
【0060】そこで、アンテナの主ビーム方向を量子化
する際に、量子化ステップを荒く設定して、全モード数
を少なくすることが考えられる。しかし、初期捕捉時間
が充分に短縮されるほど量子化ステップを荒く設定する
と、モード間のいわば谷間における受信レベルが過度に
低下するおそれがあり、電波を受信する際の信頼性の低
下を招く。
【0061】このような問題を解決するために、本実施
例では、(a) モードの谷間における受信レベルの低下が
極力抑制されるように主ビーム方向の量子化ステップが
設定され、(b) 初期捕捉動作は一定の間隔でモードを走
査してモードの範囲を絞り込む第1段階と、第1段階で
絞り込まれた範囲内の全モードを走査して1つのモード
を選択する第2段階と、第2段階で選択された1つのモ
ードを再確認するための第3段階とからなる。
【0062】水平角φP に関する初期捕捉動作を例にと
って具体的に説明する。モード間の谷間における受信レ
ベル低下量を1dB以内にするには、4度単位の方位検索
が必要である。すなわち、水平角φP に対する量子化ス
テップdφP を4度とする必要がある。この場合、任意
の垂直角θP に対して、それぞれ90(=360/4)
個のモードが存在することになる。
【0063】図10は、本実施例のアンテナ装置の放射
指向性を表すテーブルであり、このテーブルは図11に
グラフ化されている。図10には、水平角が0°の方向
から電波をアンテナ素子A1〜A4に与え、このアンテ
ナ素子A1〜A4の合成放射指向性の主ビーム方向の水
平角φP を−180°〜180°の範囲において0.5
°間隔で変化させたときの受信レベルの変化が示されて
いる。なお、図10において、受信レベルを表す数値は
16進数で表されている。
【0064】図10から、水平角φP の量子化ステップ
dφP を4°に設定しておけば、モード間の谷間におけ
る受信レベルの低下量を1dB以内にできることが理解さ
れる。この場合、量子化された水平角φP は、上記第
(4) 式より、モード番号iを用いて下記第(10)式によっ
て表されることになる。 φPi=φ1 +4(i−1) ・・・・ (10) ただし、i=1,2,・・・・,90である。
【0065】一方、放射指向性パターンは、図11から
判るように、主ビームMBを中心とした左右対象のパタ
ーンとなり、主ビームMBの両側にサイドローブと呼ば
れるサブビームSB1,SB2(総称するときには「サ
ブビームSB」という。)が存在する。図11の例で
は、主ビームMBとサブビームSBとの間の方位差は1
5°である。 3-1-1. 第1段階の初期捕捉(初期把握動作) 第1段階の初期捕捉動作としての初期把握動作は、主ビ
ームMBまたはサブビームSBを捕捉する動作である。
この初期把握動作は図12のステップa11,ステップ
a12に示されている。
【0066】すなわち、主ビーム方向の垂直角θP を一
定にしておき、主ビーム方向の水平角φP が20°間隔
で設定されるように選択されたモードである初期把握用
モードが順に走査される(ステップa11)。具体的に
は、水平角φP に対応したモード番号iのうち、たとえ
ば、i=5n+1(n=0,1,2,・・・・)を満たすモ
ード番号iが順に設定される。これにより、18(=9
0/5)個の初期把握用モードが走査されることにな
る。各初期把握用モード設定時における受信レベルは、
振幅検出回路2で検出されて、入力ポートP1からCP
U20内に取り込まれる。そして、この受信レベルは、
RAM22に格納される。
【0067】18個の初期把握用モードの全てが走査さ
れた後に、CPU20はRAM22を参照して、最大受
信レベルの初期把握用モードを求めて、初期把握モード
とする(ステップa12)。図13は、図10のテーブ
ルを20°間隔でグループ化して再配列したテーブルで
ある。0°の方位から電波が到来している状態では、上
記第(10)式における初期値φ1 を零とした場合に、i=
5n+1を満たす18個のモード番号iを走査したする
と、図13のテーブル中第1行の左右方向に配列された
18個の値が受信レベルとしてRAM22に格納される
ことになる。そして、受信レベルが最大である番号1に
対応したモードが初期把握モードとして決定され、初期
把握方位は0°となる。なお、図13において左右方向
に配列された18個の値のうちの最大値に対応した欄内
には斜線が付されている。
【0068】一方、上記の初期値φ1 を0.5°,1.
0°,1.5°,・・・・としたときには、18個の初期把
握用モードに対応した受信レベルの値は、図13のテー
ブル中第2行、第3行、第4行、・・・・の左右方向に配列
された18個の値になると期待される。いずれの場合に
も、番号1または番号18に対応したモードが初期把握
モードとされることになる。このようにして、主ビーム
MBまたはサブビームSBの近傍のモードが初期把握モ
ードとして求められる。
【0069】なお、図13に示されているように、初期
把握方位は±17°の範囲内の値をとることになる。こ
のことは、初期把握動作によって決定されたモードに対
応した主ビーム方向は、電波到来方向に対して最大で±
17°の誤差を有している可能性があることを示してい
る。初期把握用モードを20°間隔に設定するのは、上
記のように主ビームMBとサブビームSBとの間の方位
差が15°であるからである。すなわち、初期把握用モ
ードの角度間隔を主ビームMBとサブビームSBとの方
位差よりも若干大きめに設定しておけば、主ビームMB
またはサブビームSBを確実に捕捉することができる。 3-1-2. 第2段階の初期捕捉動作 第2段階の初期捕捉動作は、図12のステップa21,
a22に示されている。
【0070】すなわち、初期把握動作によって得られた
初期把握モードに対応する初期把握方位の±約50°の
範囲に渡って、全モードが走査される(垂直角のモード
番号jに関しても走査が行われてもよいが、処理を短時
間に行うためには垂直角のモード番号jは一定としてお
くことが好ましい。)。具体的には、初期把握モードを
中心とした±12(≒50/4)モードの25個のモー
ドが走査される(ステップa21)。そして、各モード
設定時における受信レベルは、入力ポートP1からCP
U20に取り込まれ、RAM22に格納される。
【0071】たとえば、初期把握モードのモード番号i
が「6」であれば、モード番号i=84,85,・・・・,
90,1,2,・・・・,18のモードが走査される。もっ
とも、i=5n+1に対応したモードに関しては、初期
把握動作時に受信レベルがモニタされているから、これ
らのモードは必ずしも再走査する必要はない。さらに、
ステップa22では、CPU20は、RAM22を参照
し、初期把握モードを中心とした±12モードの受信レ
ベルのうちで最大のものを見出し、その最大の受信レベ
ルに対応したモードを初期捕捉モードとする。
【0072】なお、図11に示されているように、本実
施例では主ビームMBとサブビームSBとの方位差が1
5°程度であるので、ステップa21における処理で
は、±20°(±5モード)の範囲でモードの走査を行
えば初期捕捉を行えると考えられる。本実施例では、当
該アンテナ装置が搭載される移動体の揺動等による受信
レベルの変動の影響を考慮して、第2段階の初期捕捉動
作におけるモード走査範囲を広めに設定している。 3-1-3. 第3段階の初期捕捉動作(モード再確認動作) 初期捕捉動作の第3段階は、第2段階で得られた初期捕
捉モードを再確認して確定させるための動作である。こ
の動作は、図12のステップa31〜a34に示されて
いる。
【0073】まず、ステップa31では、初期捕捉モー
ドの左右±2モード(±約10°)の範囲の5モードが
走査され、各モードの受信レベルが取得されてRAM2
2に格納される。そして、走査された5モードのうちで
最大の受信レベルのモードが見出される。ステップa3
2では、ステップa31で得られたモードと、ステップ
a22で求められた初期捕捉モードとが一致するかどう
かが判断される。一致しているときには、ステップa3
3に処理が移り、不一致であれば、ステップa11に戻
る。
【0074】たとえば、初期捕捉モードの水平角φP
対応したモード番号iが「9」である場合には、i=
7,8,9,10,11の5モードが走査される。そし
て、この5モードのなかで、i=9のモードの受信レベ
ルが最大である場合には、ステップa33に進み、i=
9以外のモードの受信レベルが最大であるときにはステ
ップa11に戻る。
【0075】ステップa33では放射指向性パターンと
の照合が行われる。具体的には、ステップa32で一致
が確認された初期捕捉モードに対応した主ビームMBが
電波到来方向に向いていると仮定したときに、サブビー
ムSB1,SB2が電波到来方向に向いていると予想さ
れる各モードに対応した受信レベルが調べられる。つま
り、初期捕捉モードの主ビーム方向にサブビームを向け
ることができるモードの受信レベルがRAM22から読
み出される。それらのモードの受信レベルが所定の閾値
を超えている場合には、初期捕捉モードに対応した主ビ
ームMBが電波到来方向を向いているものとされ、初期
捕捉モードが確定される(ステップa34)。
【0076】その後は、後述する追尾動作のために必要
な受信レベル判定閾値が定められ(ステップa40)、
追尾動作の移る。受信レベル判定閾値は、たとえば、最
大受信レベルよりも5dBだけ小さな値とされる。なお、
ステップa31において初期捕捉モードを中心とした5
モードの範囲を再走査して初期捕捉モードの再確認を行
うようにしているのは、モードの再確認処理を短時間で
行うためである。すなわち、移動中の移動体の状態は刻
々と変化しているから、初期捕捉されたモードの再確認
を短時間に行わなければ、初期捕捉モードと再確認処理
時における最大受信レベルのモードとを一致させること
ができなくなる。そこで、充分に少ないモード数の範囲
である5モードの範囲を再走査することとしている。
【0077】なお、垂直角θP に関する初期捕捉も同様
にして行えるが、たとえば車両において放送衛星からの
電波を受信するような場合には、垂直角θP は一定の値
に固定してもよい。また、垂直角θP を固定しない場合
であっても、垂直角θP の量子化ステップdθP が充分
に大きい場合には、垂直角θP に対応したモード番号j
の全部に関してモードの走査を行ってもよい。 3−2.追尾動作 次に、移動体の移動や環境変化による電波到来方向の変
化に応じて、自動的に電波を捕捉するための追尾動作に
ついて、図14のフローチャートを参照して説明する。
【0078】ステップb1において、CPU20は、ド
ライバ5を制御し、切換えスイッチ路1を振幅検出回路
2側に接続させ、アンテナ素子A1〜A4の合成受信レ
ベルをモニタする。そして、合成受信レベルが、図12
のステップa40において設定された受信レベル判定閾
値よりも小さいときには、ステップb8に進み、追尾が
不良かどうかを判定するためのカウンタをカウントアッ
プする。合成受信レベルが閾値以上なら、ステップb2
に進み、次項において詳述する主ビーム方向の誤差判定
処理が行われる。
【0079】この場合に、CPU20は、ドライバ5を
制御して、切換えスイッチS1をアンテナ素子A1,A
2,A3,A4の出力(正確には移相器B1,B2,B
3,B4の出力)が順に位相差検出回路3に入力される
ように切り換える。これにより、位相差検出回路3で
は、合成器1の出力と各アンテナ素子A1,A2,A
3,A4の出力との位相差ΔΨ1 ,ΔΨ2 ,ΔΨ3 ,Δ
Ψ4 が順に検出される。この位相差ΔΨ1 ,ΔΨ2 ,Δ
Ψ3 ,ΔΨ4 は、入力ポートP2からCPU20内に取
り込まれて自動追尾のために用いられる。3-2-1. 電波
到来方向に対する主ビーム方向の誤差判定(ステップb
2の処理)アンテナ装置がモード(j,i)で動作して
いるものとし、このときのアンテナ素子A1〜A4の合
成放射指向性の主ビーム方向の方位が(θSj,φSi)で
あるとする。
【0080】この場合、移相器B1,B2,B3,B4
の設定移相量Φ1 ,Φ2 ,Φ3 ,Φ 4 は、アンテナ素子
A1,A2,A3,A4が図2のように配置されている
場合、下記第(11)式で表される。
【0081】
【数4】
【0082】実際の電波到来方向が(θS ,φS )であ
るとすると、アンテナ素子Akで受信されて、移相器B
kを通過した波ek は、常数を省略して、下記第(12)式
により与えられる。
【0083】
【数5】
【0084】よって、これらの波が合成器1で合成され
ると、合成器1の出力端子Tには、下記第(13)式で示さ
れる合成波eO が出力される。
【0085】
【数6】
【0086】なお、上記第(13)式の他にも、系統の構成
によって定まる位相変移が存在するが、これらをΨ0
含めて考えておけば、以下の議論の一般性が失われるこ
とはない。上記第(12)式および第(13)式から、移相器B
kの出力ek と合成器1の出力e O との移相差ΔΨ
k は、下記第(14)式で与えられる。
【0087】
【数7】
【0088】第(14)式により与えられる位相差ΔΨk
k=1,2,3,4に関して総和をとると、下記第(15)
式のとおりとなり、これにより、下記第(16)式によって
Ψ0を求めることができる。
【0089】
【数8】
【0090】よって、系統の物理的な構成により定まる
位相変移を除いた方位誤差と移相量Φk の量子化誤差と
にのみ起因する波ek の位相誤差ΔΨk0は、位相差ΔΨ
k を検出し、さらに、上記第(16)式に従ってΨ0 を求め
ることにより、下記第(17)式によって決定することがで
きる。
【0091】
【数9】
【0092】実際の使用環境では、種々の原因により誤
差が発生することがあるので、測定をN回繰り返し、下
記第(18)式に従って位相誤差ΔΨk0を求めることによ
り、測定時の誤差の影響を低減することが好ましい。な
お、N回の測定値のなかから、異常値を取り除き、残余
の測定値の平均をとるようにしてもよい。
【0093】
【数10】
【0094】合成放射指向性の主ビーム方向(θSj,φ
Si)と電波到来方向(θS ,φS )とが一致している場
合でも、ΔΨk0の絶対値は、最大でDΦ/2なる量子化
誤差を含む。そこで、誤差εを下記第(19)式で表し、下
記第(20)式に基づいて、主ビーム方向の適否を判定すれ
ばよい。すなわち、第(20)式が成立するときには、処理
は図14のステップb2からステップb10に移って上
記のカウンタがクリアされる。すなわち、主ビーム方向
は電波到来方向を向いているものとしてモードの変更は
行わない。また、第(20)式が不成立なら、図14のステ
ップb3以下のモード変更処理を行って主ビーム方向を
電波到来方向に向ける。
【0095】
【数11】
【0096】なお、第(20)式に基づく判定では、εにお
ける360°の整数倍のずれを除去しておくことが必要
である。また、定数ηが大きすぎるとアンテナビームの
方位が電波到来方向から大きくずれても、これを見逃す
おそれがある。すなわち、感度が悪くなる。また、定数
ηが小さすぎると、不必要なモード変更が繰り返される
おそれがある。そのため、量子化誤差を予め解析してお
き、ηを最適値に設定することが好ましい。 3-2-2. 追尾のためのモード変更(ステップb3以下の
処理) 電波到来方向に対する主ビーム方向の誤差が大きいと判
断されて処理がステップb3に移ると、移動体の旋回方
向が調べられる。すなわち、たとえば、CPU20は、
インタフェース23を介して車輪速度データを取得し、
前後四輪の車輪速データに基づいて、車両が右旋回中な
のか左旋回中であるのかを判断する。つまり、車両が旋
回しているときには内外輪差が生じることを理由して旋
回方向を判断する。
【0097】ステップb4では、移動体の旋回方向とは
反対方向に主ビーム方向が変化するように、水平角φP
に対応したモード番号iが1だけシフトされる。次い
で、ステップb5では、CPU20はドライバ5を制御
して切換えスイッチS1を振幅検出回路2側に接続さ
せ、合成受信レベルを取得する。そして、取得された合
成受信レベルが受信レベル判定閾値以上かどうかを判定
する。合成受信レベルが閾値以上ならステップb10に
進んでカウンタがクリアされ、合成受信レベルが閾値未
満なら、ステップb6に進む。
【0098】ステップb6では、ステップb5で設定さ
れたモードの周辺の左右±2モードの5モード分につい
てモードの走査が行われ、そのときの受信レベルがモニ
タされてRAM22に格納される。すなわち、モードの
変更が必要な場合であっても、掛け離れたモードへの変
更を要する場合は少ないと考えられ、周辺のモードにモ
ード変更すればよいのが通常である。そこで、現在のモ
ードの主ビーム方向の±10°程度の範囲に対応した上
記の5モード分についてモードの走査が行われる。そし
て、最終的に、その5モードのなかで、最も受信レベル
の高いモードが設定される。なお、この場合、垂直角θ
P に関するモードの走査が行われてもよい。ただし、当
該アンテナ装置が車両において静止衛星からの電波を受
信するために用いられる場合には、垂直角θP に関する
モードの走査は必ずしも必要ではない。
【0099】ステップb7では、ステップb6で設定さ
れたモードに対応した合成受信レベルがRAM22から
読み出され、受信レベル判定閾値と比較される。合成受
信レベルが受信レベル判定閾値以上なら、ステップb1
に戻り、合成受信レベルが受信レベル判定閾値未満な
ら、ステップb8において上述のカウンタがカウントア
ップされる。
【0100】ステップb9では、カウンタの値が所定の
閾値THを超えたかどうかが判断される。そして、閾値
を超えたときには、追尾が行えない状態となったものと
判断して、上述の初期捕捉動作が再度行われる。また、
カウンタの値が閾値THを超えていない場合には、ステ
ップb1に戻る。このようにして、アンテナモードは、
電波到来方向に近いビーム方向に対応したモードに更新
されていき、電波源の追尾が達成される。 4.むすび 以上のように本実施例によれば、合成放射指向性の主ビ
ーム方向を量子化してモードで表し、このモードによっ
てアンテナ素子A1〜A4に接続された移相器B1〜B
4の制御を行っている。そのため、回路構成が簡単で、
かつ、主ビーム方向を不必要なゆらぎを生じさせること
なく安定に制御できるという利点がある。
【0101】また、移相器B1〜B4とCPU系とだけ
で制御系を構成しているため、構成が簡単であり、経済
的である。さらに、電波源を初期捕捉するための初期捕
捉動作は、一定の間隔でモードを走査してモードの範囲
を絞り込む第1段階と、第1段階で絞り込まれた範囲内
の全モードを走査して1つのモードを選択する第2段階
とを含む。そのため、全てのモードを走査する場合に比
較して、初期捕捉時間を格段に短縮することができる。
【0102】初期捕捉が行われた後には、モードを変更
しながら、電波源を追尾していくことができる。 5.変形例 本発明の実施例の説明は、以上のとおりであるが本発明
は上記の実施例に限定されるものではない。たとえば、
上記の実施例では、4個のアンテナ素子A1〜A4を用
いた構成を例にとったが、アンテナ素子の数は4個に限
定されるものではない。
【0103】また、グループアンテナをアンテナ素子と
して用いることもできる。この場合、各グループアンテ
ナは複数のアンテナ素子を有しており、この複数のアン
テナ素子の出力を合成した信号が移相器を経て図1の合
成器1に入力されてさらに合成されることになる。その
他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を
施すことができる。
【0104】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、複数のア
ンテナ素子の出力を合成手段で合成したときの合成放射
指向性の主ビーム方向は、所定の量子化間隔で量子化さ
れており、この量子化された主ビーム方向に対応したモ
ード情報によって移相手段の移相量が制御される。これ
により、移相手段の移相量を制御するための構成を簡単
にすることができ、また、主ビーム方向の制御も安定す
る。
【0105】さらに、電波の初期捕捉では、先ず、モー
ド情報を荒く走査して初期捕捉モード情報の存在範囲を
絞り込み、絞り込まれた範囲内において詳細にモード情
報を走査して初期捕捉モード情報を求めるようにしてい
る。そのため、全モード情報を詳細に走査する場合に比
較して、極めて短時間で初期捕捉を達成できる。請求項
2または請求項3記載の発明によれば、初期捕捉モード
の再確認が行われるので、初期捕捉を確実に行える。
【0106】請求項4記載の発明によれば、モード情報
を更新することで電波源の追尾が行えるので、簡単な構
成で電波源の追尾を行える。請求項5記載の発明によれ
ば、合成手段の出力レベルが低くなったことに基づき、
現在のモード情報の周辺のモード情報を検索することに
よって新たなモード情報が見出されるから、モード情報
の更新を簡単な処理で行える。
【0107】請求項6記載の発明によれば、移動体の姿
勢変動に基づいてモード情報の更新が行われる。これに
よって、モード情報を更新するための処理を簡素化でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のアンテナ装置の全体の構成
を示すブロック図である。
【図2】複数のアンテナ素子の配置を説明するための図
である。
【図3】アンテナ素子の位置と主ビーム方向との関係を
示す図である。
【図4】移相器の構成例を示すブロック図である。
【図5】ROMの入力端子とモード番号との対応関係を
説明するためのブロック図である。
【図6】ROMの出力端子と移相器との対応関係を説明
するためのブロック図である。
【図7】ROMに関連する詳しい構成例を示すブロック
図である。
【図8】CPUの動作を説明するためのフローチャート
である。
【図9】ROMに関連する別の構成例を示すブロック図
である。
【図10】複数のアンテ素子の合成放射指向性を説明す
るための図である。
【図11】複数のアンテナ素子の合成放射指向性を説明
するための特性図である。
【図12】初期捕捉動作を説明するためのフローチャー
トである。
【図13】初期捕捉動作時におけるモードの走査を説明
するための図である。
【図14】追尾動作を説明するためのフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 合成器 2 振幅検出回路 3 位相差検出回路 10 ROM 11 ラッチング回路 20 CPU 22 RAM S1 切換えスイッチ S2 切換えスイッチ A1〜A4 アンテナ素子 B1〜B4 移相器 D1〜D4 移相器ドライバ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のアンテナ素子と、 各アンテナ素子にそれぞれ接続され、移相量を可変制御
    することができる複数の移相手段と、 上記複数のアンテナ素子の上記複数の移相手段でそれぞ
    れ移相された各出力を合成する合成手段と、 この合成手段の出力レベルを検出するレベル検出手段
    と、 所定の量子化間隔で量子化された上記複数のアンテナ素
    子の合成放射指向性の主ビーム方向のいずれかに対応し
    たモード情報を生成するモード情報生成手段と、 このモード情報生成手段が生成したモード情報に基づい
    て上記複数の移相手段の各移相量を制御し、上記複数の
    アンテナ素子の合成放射指向性の主ビーム方向を制御す
    るビーム方向制御手段と、 上記モード情報生成手段が生成することができる全モー
    ド情報のなかから所定の規則に従って選択された全モー
    ド情報数よりも少ない所定数の初期把握用モード情報の
    うちで、所定の電波を上記複数のアンテナ素子に受信さ
    せたときに上記レベル検出手段が検出する上記合成手段
    の出力レベルが最大となる初期把握用モード情報を求め
    る初期把握手段と、 この初期把握手段によって求められた初期把握用モード
    情報に対応する上記主ビーム方向の近傍の所定の第1範
    囲内に主ビーム方向が存在するモード情報のなかから、
    上記所定の電波を上記複数のアンテナ素子に受信させた
    ときに上記レベル検出手段が検出する上記合成手段の出
    力レベルが最大となるモード情報を初期捕捉モード情報
    として求める初期捕捉手段とを含むことを特徴とするア
    ンテナ装置。
  2. 【請求項2】上記初期捕捉手段によって上記初期捕捉モ
    ード情報が求められた後に、この初期捕捉捕捉モードに
    対応した主ビーム方向の近傍の所定の第2範囲内に主ビ
    ーム方向が存在するモード情報のなかから、上記所定の
    電波を上記複数のアンテナ素子に受信させたときに上記
    レベル検出手段が検出する上記合成手段の出力レベルが
    最大となるモード情報を検出する手段と、 検出されたモード情報と上記初期捕捉モード情報とが一
    致するかどうかを判定する手段と、 上記検出されたモード情報と上記初期捕捉モード情報と
    が一致する場合に、上記初期捕捉モード情報を確定させ
    る手段と、 上記検出されたモード情報と上記初期捕捉モード情報と
    が一致しない場合に、上記初期把握手段および上記初期
    捕捉手段を再び動作させる手段とをさらに含むことを特
    徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 【請求項3】上記モード情報生成手段から複数種類のモ
    ード情報を生成させたときの上記レベル検出手段の検出
    結果と、上記複数のアンテナ素子の合成放射指向性のパ
    ターンとを照合して、上記初期捕捉モード情報に対応し
    た主ビーム方向が上記所定の電波の到来方向に向いてい
    るかどうかを判定する手段と、 上記初期捕捉モード情報に対応した主ビーム方向が上記
    所定の電波の到来方向に向いていると判定されたとき
    に、上記初期捕捉モード情報を確定させる手段と、 上記初期捕捉モード情報に対応した主ビーム方向が上記
    所定の電波の到来方向に向いていないと判定されたとき
    に、上記初期把握手段および上記初期捕捉手段を再び動
    作させる手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1
    または2記載のアンテナ装置。
  4. 【請求項4】上記合成手段に入力される前の上記移相手
    段を介した各アンテナ素子の出力信号と上記合成手段で
    合成された信号との位相差を検出する位相差検出手段
    と、 この位相差検出手段が各アンテナ素子毎に検出した位相
    差に基づいて、上記モード情報生成手段が生成している
    モード情報が適切か不適切かを判定する手段と、 上記モード情報生成手段が生成しているモード情報が不
    適切であると判定されたときに、この不適切なモード情
    報に対応した主ビーム方向よりも電波が到来する方向に
    近い方向に主ビーム方向を設定することができる他のモ
    ード情報を上記モード情報生成手段に生成させるモード
    情報更新手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載のアンテナ装置。
  5. 【請求項5】上記モード更新手段は、上記合成手段の出
    力レベルが所定の受信レベル判定閾値未満のときに、上
    記モード情報生成手段が生成しているモード情報に対応
    した主ビーム方向の近傍の所定の第3範囲内に主ビーム
    方向が存在するモード情報のなかから、上記合成手段の
    出力レベルが最大となるモード情報を求め、このモード
    情報を上記モード情報生成手段に生成させる手段を含む
    ものであることを特徴とする請求項4記載のアンテナ装
    置。
  6. 【請求項6】上記アンテナ装置は、移動体に搭載される
    ものであり、 上記モード更新手段は、上記移動体の姿勢変動に基づい
    て、上記モード情報生成手段に生成させるべきモード情
    報を更新する手段を含むものであることを特徴とする請
    求項4または5記載のアンテナ装置。
JP11868093A 1993-05-20 1993-05-20 アンテナ装置 Pending JPH06334428A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11868093A JPH06334428A (ja) 1993-05-20 1993-05-20 アンテナ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11868093A JPH06334428A (ja) 1993-05-20 1993-05-20 アンテナ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06334428A true JPH06334428A (ja) 1994-12-02

Family

ID=14742550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11868093A Pending JPH06334428A (ja) 1993-05-20 1993-05-20 アンテナ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06334428A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6915120B2 (en) 2001-03-15 2005-07-05 Nec Corporation Information terminal apparatus having a variable directional antenna and control method thereof

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6915120B2 (en) 2001-03-15 2005-07-05 Nec Corporation Information terminal apparatus having a variable directional antenna and control method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6191734B1 (en) Satellite tracking apparatus and control method for vehicle-mounted receive antenna system
US6989787B2 (en) Antenna system for satellite communication and method for tracking satellite signal using the same
US7474898B2 (en) Mobile station controlling antenna directionality
US6278405B1 (en) AI antenna driving device and method for controlling the same
JPH11326491A (ja) レーダ装置の位相補正値決定方法
EP1553424B1 (en) Receiver, navigation system using receiver and multipath detection method and position detection method in receiver
JP3629195B2 (ja) 到来方向推定装置及び到来方向推定方法
CN107667480A (zh) 传输设备及其方法
JPH0369217A (ja) ダイバーシティ制御回路
JPH06334428A (ja) アンテナ装置
JP2641544B2 (ja) 受信アンテナの姿勢制御方法および装置
JP2005207837A (ja) 方向探知機
JPH06303022A (ja) アンテナ装置
JP3241532B2 (ja) 衛星追尾アンテナ装置
US5157407A (en) Tracking antenna apparatus on vehicle for satellite communication
JPS5946565A (ja) 方位検出装置
JPH05232205A (ja) アンテナ制御装置
WO2003039033A1 (fr) Recepteur a diversite spatiale, procede de commande de ce recepteur et programme associe
JPH05160814A (ja) スペースダイバーシチ方式
JP2761126B2 (ja) 待ち受け追尾用アンテナ駆動方式
JP3543632B2 (ja) ダイバーシチ無線装置及びダイバーシチ無線方法
KR20000056789A (ko) 개구면 결합 마이크로 스트립 배열 안테나를 이용한 이동체용 디지털 위성방송 서보 시스템의 제어장치 및 그 제어방법
JPH0829512A (ja) 移動体搭載アンテナの追尾制御方法及び追尾制御装置
KR100399531B1 (ko) 방향센서를 이용한 위성 안테나 및 그 동작방법
JP2004108960A (ja) 到来方向推定装置及び到来方向推定方法