JP2004108960A - 到来方向推定装置及び到来方向推定方法 - Google Patents

到来方向推定装置及び到来方向推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】予期しない障害物によってアンテナパターンが変化してしまった場合に、アンテナ特性の変化量の大きなアンテナ素子を除いたアンテナ素子を用いて、高精度に到来方向を推定する。
【解決手段】到来電波を複数のアンテナで受信し、複数のアンテナからの複数の受信信号の中から、前記複数のアンテナ素子数の総数よりも1素子少ないアンテナ素子数で、前記アンテナ素子に対応する受信信号で到来方向推定を行い、この到来方向推定を全てのアンテナ素子の組み合せで行い、これら推定結果の変化から特性変化の最大のアンテナ素子を判定し、特性変化の最大のアンテナ素子を除いた他のアンテナ素子に対応する前記出力受信信号を用いて到来電波の推定を行うことを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は移動体通信用基地局、電波監視装置、レ−ダ装置などで用いられる到来波方向推定装置及び到来方向推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体通信用基地局、電波監視装置、レ−ダ装置においては、到来してくる電波の方向を精度良く推定する到来方向推定装置が望まれている。
【0003】
高精度に到来方向を推定する方法として、複数のアンテナ素子の受信信号を用いるMUSIC(Multiple Signal Classification)(例えば非特許文献1)が存在する。
【0004】
このMUSICを用いた到来方向推定装置は、複数のアンテナ、複数のアンテナにそれぞれ接続された複数の受信器、複数の受信器に接続された到来方向推定手段とから構成される。到来方向推定手段は、すべてのアンテナからの受信信号と使用しているアンテナパタ−ン(振幅と位相)を用いて到来方向推定を行う。
【0005】
MUSICを用いて精度良く到来方向推定を行うためには、アンテナおよび受信器のキャリブレ−ションが重要である。キャリブレ−ションが不完全であると到来方向の推定誤差が大きくなり精度が大幅に劣化してしまう。
【0006】
アンテナおよび受信器のキャリブレ−ション方法は、      例えば特許文献1の「アダプティブアンテナの校正方法」に示されている。アダプティブアンテナでは到来方向を推定し、その方向にビ−ムを向けたりする機能も有しているので、到来方向推定装置を含んでいるものである。
【0007】
このキャリブレ−ション方法は、既知の方向に送信装置を設置し、送信装置からの送信波を到来方向推定装置に設けられた複数のアンテナで受信する。この受信信号は到来方向推定装置に設けられたアナログ受信器及びA/D変換器を通過して、デジタル信号に変換される。到来方向推定装置からみた送信装置の方向と複数のアンテナの配置が既知であり、また、到来方向推定装置の複数のアナログ受信器の特性が同一であれば、デジタル信号の位相差は所定の値となり、また、振幅も所定の値となる。
【0008】
ところが、一般的にアンテナおよびアナログ受信器はばらつきを有しているために、振幅と位相は所定の値とならない。そこで、振幅と位相を所望の値とする為の校正値を計算する。これをデジタル受信信号へ乗算することで、キャリブレ−ションすることが可能となる。
【0009】
ところが、上述の方法は、設計段階では予期していない看板、柱などの電波の散乱、吸収をする障害物がアンテナ近傍に存在し、アンテナパタ−ンが角度によって異なる変化をした場合には、キャリブレ−ションすることが不可能となる。何故ならば、送信装置は特定の方向にしかないために、その方向のみの校正値しか求めることができない。特に、地震などの災害時に到来方向推定装置の近傍に障害物が存在してしまった場合には、大きな問題となる可能性がある。
【0010】
また、MUSICを用いて到来方向推定を行う場合には、アンテナの振幅と位相パタ−ンを用いて到来方向推定を行うので、アンテナパタ−ンのキャリブレ−ションができない場合には推定精度が劣化する大きな問題となる。
【0011】
このような場合の解決方法としては、全ての方向に送信装置を配置し、全ての方向の校正値を求めれば良い。ところが、全ての方向に送信装置を置くことはコスト的に大きな問題があり、現実的でない。
【0012】
他の方法として、看板、柱等の影響を数値シミュレ−ションなどで明確にする方法がある。ところがこの場合にも、到来方向推定装置を設置した後に、看板の形が変わったり、位置が変わったり、あるいは、電気的な媒質定数が変化する可能性がある。
【0013】
また、障害物が複雑な形状となった場合には、数値シミュレ−ションを実行できない場合もある。
【0014】
以上説明したように、従来の到来方向推定装置におけるキャリブレ−ション方法は、アンテナパタ−ンそのものが、障害物の影響で変化してしまった場合には、適用することができない問題点があった。また、障害物の影響を数値シミュレ−ションで定量評価することも可能だが、簡易な構造の障害物であり、かつ、時間的に変化しない場合のみに適用できる方法であるために、適用できる場合が極めて限定されてしまう問題があった。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−217760公報(第6頁−第9頁、第1図−第3図)
【0016】
【非特許文献1】
R。 O。 Schmit、“Multple Emitter Locationand Signal Parameter Estimation”、IEEETrans。 Antennas and Propagation、 vol。AP−34、 no。3、 pp。 276−280、 March、 1986。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の到来方向推定装置におけるキャリブレ−ション方法では、角度特性のないキャリブレ−ションは可能であったが、角度特性を有するアンテナパタ−ンのキャリブレ−ションを行うことができない問題点があった。
【0018】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、アンテナパタ−ンのキャリブレ−ションを可能とし、高精度に到来方向の推定が可能な到来方向推定装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の到来方向推定装置及び到来方向推定方法は、到来電波を複数のアンテナで受信し、複数のアンテナからの複数の受信信号の中から、前記複数のアンテナ素子数の総数よりも1素子少ないアンテナ素子数で、前記アンテナ素子に対応する受信信号で到来方向推定を行い、この到来方向推定を全てのアンテナ素子の組み合せで行い、方向推定結果の平均値から最も差のある結果となるアンテナ素子の組み合せを選択し、前記アンテナ素子の組み合せで用いていないアンテナ素子を前記特性変化の最大のアンテナ素子と判定し、前記特性変化の最大のアンテナ素子を除いた他のアンテナ素子に対応する前記出力受信信号を用いて到来電波の推定を行うことを特徴とするものである。
【0020】
また、到来電波を複数のアンテナで受信し、複数のアンテナからの複数の受信信号の中から、前記複数のアンテナ素子数の総数よりも1素子少ないアンテナ素子数で、前記アンテナ素子に対応する受信信号でMUSIC法を用いて到来方向推定を行い、前記到来方向推定を全てのアンテナ素子の組み合せで行い、MUSICスペクトラムの値が最も小さくなる結果となるアンテナ素子の組み合せを選択し、前記組み合せで用いていないアンテナ素子を特性変化の最大のアンテナ素子と判定し、前記特性変化の最大のアンテナ素子を除いた他のアンテナ素子に対応する前記出力受信信号を用いて到来電波の推定を行うことを特徴とするものである。
【0021】
また、到来電波を複数のアンテナで受信し、複数のアンテナからの複数の受信信号の中から、前記複数のアンテナ素子数の総数よりも1素子少ないアンテナ素子数で、前記アンテナ素子に対応する受信信号で到来波数推定を行い、この推定結果の平均値から最も差のある結果となるアンテナ素子の組み合せを選択し、前記アンテナ素子の組み合せで用いていないアンテナ素子を前記特性変化の最大のアンテナ素子と判定し、前記特性変化の最大のアンテナ素子を除いた他のアンテナ素子に対応する前記出力受信信号を用いて到来電波の推定を行うことを特徴とするものである。
【0022】
また、複数のアンテナ素子の中で特性変化の最大のアンテナ素子を判定し、前記特性変化の最大のアンテナ素子と判定されない複数のアンテナ素子を用いて到来方向推定を行い、前記複数のアンテナ素子の推定到来方向における、前記複数のアンテナ振幅パターンの補正値と前記アンテナ位相パターンの補正値を算出し、この算出した補正値をもとに前記補正値の算出されている2方向の角度差が、あらかじめ設定した値よりも小さい場合には、2方向間の補正値を補間計算で算出し、これら補間補正値、前記算出した補正値及び前記受信信号をもちいて電波の到来方向を推定することを特徴とするものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係わる到来方向推定装置の構成図である。
【0024】
到来方向推定装置は、到来してくる電波を受信する8本の複数のアンテナ素子(1−1〜1−8)、複数のアンテナ素子(1−1〜1−8)に接続する8個の受信機(2−1〜2−8)、これら受信機(2−1〜2−8)の受信信号の中から、複数のアンテナ素子(1−1〜1−8)の全素子数よりも少ない数の受信信号を選択する受信信号選択器3、受信信号選択器3の出力受信信号を用いて到来方向推定を行う到来方向推定器4、この到来方向推定器4の推定結果を用いて、特性変化の大きなアンテナ素子を判定する判定器5、この判定器5の判定結果に基づいて、受信信号選択器3を制御する選択制御器6とから構成される。
【0025】
本発明の実施の形態では、全アンテナ素子数よりも1素子少ないアンテナ素子数で到来方向推定を行い、到来方向推定を全てのアンテナ素子の組み合せで行い、方向推定結果の平均値から最も差のある結果となる組み合せを選択し、この組み合せで用いていないアンテナ素子を特性変化の大きなアンテナと判定することを特徴とするものである。
【0026】
本実施の形態における到来方向推定装置は、装置の近傍に存在する設計段階では予想できない障害物の影響によるアンテナパターンの変化の大きなアンテナ素子を判定することができる。そして、変化の小さいアンテナ素子のみで到来方向推定することが可能となり、到来方向推定精度を向上することが可能となる。以下、本実施の形態の詳細について説明をする。
【0027】
アンテナ素子(1−1〜1−8)は到来してくる電波を受信できる様に設計されていれば、どのようなアンテナを用いても良い。ビーム幅の広いダイポールアンテナでも良いし、ビーム幅の狭い八木・宇田アンテナでも良い。また、複数のアンテナ配置はいかなる配置でも構わない。リニアアレイでも、円形アレイでも、矩形アレイでも構わない。
【0028】
また、受信機(2−1〜2−8)は、アンテナで受信した信号を後段の到来方向推定器で到来方向が推定できるような受信信号へ変換することを行う。例えば、増幅器、周波数変換器、フィルター、A/D変換器などで構成されている。
また、受信信号選択器3では、受信機(2−1〜2−8)の出力である受信信号の中から、アンテナ素子の全素子数よりも少ない数の受信信号を選択して出力する。この、選択方法は、詳細に後述する。
【0029】
また、受信信号選択器3の出力である選択された受信信号を用いて、到来方向推定器4で到来方向を推定する。ここでの到来方向推定方法はいかなる方法を用いてもかまわない。モノパルス方法、ビーム走査方法、あるいは、MUSICといった高分解能アルゴリズムを用いてもよい。
【0030】
また、到来方向推定器4の推定結果を用いて、アンテナ特性変化の大きな素子を判定器5で判定する。以下に、アンテナ特性変化の大きな素子を判定する方法、および、受信信号選択器3の選択方法について図2のフローチャートを用いて詳細に説明をする。
【0031】
アンテナ特性変化の大きな素子を判定するために、全アンテナ素子数よりも1素子少ないアンテナ素子数で到来方向推定を行う(step21)。本実施の形態のように全素子数が8素子の場合には、7素子を選びこの7素子の受信信号を用いて到来方向推定を行う。そして、この到来方向推定をすべての素子の組み合せで行う(step22)。アンテナ素子数が8素子の場合には、8通りの組み合せで到来方向推定を行う。
【0032】
そして、この8通りの推定結果から設計段階では予測できない障害物によるアンテナ特性変化の大きなアンテナ素子を判定することができる。ここでは、8通りの推定結果の平均値を計算し(step23)、この平均値ともっとも差のある結果となるアンテナ素子の組み合せを選択する(step24)。そして、この組み合せで使用していないアンテナ素子をもっとも変化の大きなアンテナ素子と判定する(step25)。
【0033】
このような手順によって、アンテナ特性変化の大きなアンテナ素子を判定できる理由を説明する。全アンテナ素子数が8素子(#1〜      #8)である場合に、この中に1素子(#8)だけアンテナ特性変化の大きな素子があると仮定する。この場合、アンテナ特性変化の大きな素子を用いた到来方向推定結果は類似した結果となる性質を有する。一方、アンテナ特性変化の大きな素子を用いていない推定結果は、異なる結果となる性質を有する。
【0034】
つまり、全素子数が8素子(#1〜#8)の場合には、7通りの組み合せ((1)#2〜#8,(2)#1,#3〜#8,(3)#1〜#2,#4〜#8,(4)#1〜#3,#5〜#8,(5)#1〜#4,#6〜#8,(6)#1〜#5,#7〜#8,(7)#1〜#6,#8)の推定結果は、特性変化の大きなアンテナ(#8)を用いているので、類似した結果が得られることとなる。そして、1通りの組み合せ(#1〜#7)は、特性変化の大きなアンテナ(#8)を用いていないので、この結果だけはほかの結果と違う値となる。
【0035】
図3にシミュレーションによる結果を示す。図3(a)のような8素子のアレイアンテナ(#1〜#8)を仮定し、その近傍に障害物Xを設置した。障害物Xの近傍のアンテナ#8の特性を最も変化させるような条件で計算を行った。図3(b)は7素子を選択しない8通りの推定結果を示している。図3(b)より、アンテナ#8を選択した組み合せのみ、他の結果とは異なる結果となっており、上述の説明をシミュレーションによっても確認することができている。
【0036】
以上説明したように、8通りの推定結果の平均値との差がもっとも大きな組み合せを選択し、この組み合せで用いていないアンテナ素子をアンテナ特性変化の大きなアンテナ素子と判定することが可能となる。なお、これらの複数の組み合せの制御は受信信号制御器6を用いて行っている。
【0037】
したがって、このように判定することでアンテナ特性変化の大きなアンテナ素子と判定されなかったアンテナ素子のみを用いて到来方向推定することが可能となり、推定精度の向上を実現することができる。なお、図3(b)から明らかな様に、アンテナ特性変化の大きな#8を用いない推定結果は、誤差の小さいものとなっている。
以上説明したように、本実施の形態における到来方向推定装置においては、設計段階で予期することができないアンテナ近傍の障害物の影響によってアンテナ特性が最も変化してしまったアンテナ素子を判定することができ、アンテナ特性変化の大きなアンテナ素子と判定されたアンテナ素子以外の受信信号のみ用いて到来方向推定が可能となるので、推定精度の向上が可能となる。
【0038】
また、本発明によれば、障害物以外にも、受信機が故障してしまった場合や、アンテナの整合回路が故障してしまった場合など、さまざまな要因でアンテナ性能が設計値と変わってしまった場合でも、故障してしまったアンテナを判定することができ、到来方向推定精度の向上が可能となる。
【0039】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。この実施の形態では、到来方向推定装置の構成は第1の実施の形態と同じであるが、アンテナ特性変化の大きなアンテナ素子を2つ判定することを特徴とする。以下に、詳細に説明をする。
【0040】
障害物の形状や、個数などによっては、アンテナ特性変化の大きなアンテナ素子が1素子ではなく、2素子となる場合がある。このような場合には、2素子を判定する必要がある。本実施の形態においては、この判定を、第1の実施の形態を拡張した方法でおこなう。
【0041】
はじめに、第1の実施の形態と同じように、アンテナ特性変化の大きなアンテナ素子を1素子だけ判定する。次に、判定されなかった残りのアンテナ素子を用いて、同様に、次に特性変化の大きな素子を判定する。以下に、図4のフローチャートを用いて具体的に説明をする。
【0042】
全アンテナ素子数が8素子の場合で説明をする。はじめに、7素子の8通りの組み合せで到来方向推定を行い、その結果の平均値との差から、特性変化の大きなアンテナアンテナを判定する。これは、第1の実施の形態と同じである(step41〜step45)。
【0043】
次は、残りの7素子の中から6素子を選択し到来方向推定を行う(step46)。次に、7通りの組み合せで到来方向推定を行う(step47)。次に、7通りの結果の平均値を計算する(step48)。さらに、7通りの結果の平均値との差が最大となる素子の組み合せを選択する(step49)。次に、この組み合せで用いていないアンテナ素子を特性変化の大きな素子と判定することができる(step50)。なお、このように判定することで特性変化の大きなアンテナ素子を選択できる理由については、第1の実施の形態での説明と同じなので省略する。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態によれば、アンテナ特性変化の大きな素子が複数ある場合でも、それらの素子を判定することができる。その結果、変化の少ない素子のみを用いて到来方向推定することが可能となり、推定精度の向上を実現することができる。
【0045】
なお、本実施の形態ではアンテナ変化の大きなアンテナ素子を2素子として、これらを判定する方法に関して述べているが、変化の大きなアンテナ素子が3素子以上の場合でも、同様な手順を繰り返し行うことで、これらを判定することが可能であり、精度のよい推定が実現できることとなる。
【0046】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本発明の実施の形態では、到来方向推定装置の構成は第1の実施の形態と同じであるが、アンテナ特性変化の大きなアンテナ素子を判定する方法が異なる。以下に、アンテナ素子の判定方法を図5のフローチャートを用いて詳細に説明をする。
【0047】
はじめに、全アンテナ素子数よりも1素子少ないアンテナ素子数で到来方向推定を行う(step51)。ここでは、MUSIC法を用いて到来方向推定を行う。次に、この到来方向推定を全ての素子の組み合せで行う(step52)。次に、MUSICスペクトラムの値が最も小さくなる結果となる組み合せを選択する(step53)。次に、前記組み合せで用いていないアンテナ素子を特性変化の大きなアンテナと判定する(step54)。
【0048】
MUSICで到来方向推定を行う場合には、直交性を利用して到来方向推定を行う。そして、到来方向においては、MUSICスペクトラムが無限大となる。ただし、実際にはノイズの影響で無限大とならず、大きな値を有する。図6にこの様子を示す。MUSICスペクトラムの最大値の方向を到来方向推定とするものである。
【0049】
しかし、アンテナパターンの変化が大きい場合には、図6に示すようにスペクトラムの最大値は小さくなる。これは、アンテナの特性変化量をMUSIC法の計算に入れることができないために、直交性が大きく崩れるためである。したがって、MUSICスペクトラムの最大値が小さな場合には、アンテナ特性の変化の大きなアンテナ素子が含まれていると判断することができる。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態によれば、MUSIC法によって到来方向推定を行う場合に、このスペクトラムの最大値から、アンテナ変化の大きなアンテナ素子を判定することができ、判定されたアンテナ素子以外の素子を利用して到来方向推定することが可能となり、推定精度の向上が可能となる。
なお、本実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、アンテナ特性変化の大きなアンテナ素子が複数ある場合には、同様の手順を複数回繰り返すことによって、複数の変化の大きな素子を判定することが可能となる。
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図7は本発明に係わる到来方向推定装置の構成図である。
【0051】
到来方向推定装置は、到来してくる電波を受信する8本のアンテナ素子(1−1〜1−8)、これらアンテナ素子(1−1〜1−8)に接続する8個の受信機(2−1〜2−8)、これら受信機(2−1〜2−8)の受信信号の中から、8本のアンテナ素子(1−1〜1−8)の全素子数よりも少ない数の受信信号を選択する受信信号選択器3、受信信号選択器の出力受信信号を用いて到来波数推定を行う到来波数推定器11、到来波数推定器の推定結果を用いて、特性変化の大きなアンテナ素子を判定する判定器5、この判定器5の判定結果に基づいて、受信信号選択器3を制御する選択制御器6、及び選択された受信信号により到来方向推定を行う到来方向推定器4とから構成される。
【0052】
本実施の形態は、全アンテナ素子数よりも1素子少ないアンテナ素子数で到来波数推定を行い、到来波数推定を全てのアンテナ素子の組み合せで行い、波数推定結果の平均値から最も差のある結果となる組み合せを選択し、この組み合せで用いていないアンテナ素子を特性変化の大きなアンテナと判定することを特徴とするものである。
【0053】
本実施の形態においては、第1の実施の形態と異なる点は、到来波数推定の結果を利用してアンテナ特性変化の大きなアンテナ素子を判定することである。以下に、この部分の説明を詳細に行い、他の部分の説明は、第1の実施の形態と同じであるので説明を省略する。
【0054】
本実施の形態においては、到来波数推定の結果からアンテナ特性変化の大きなアンテナ素子を判定する。すなわち、到来波数推定器11では未知の到来波の数を求めるが、アンテナ特性の変化に応じて推定される到来波の数が異なるので、到来波数推定器11から出力された結果を判定手段5に入力し、この判定手段では到来波の数の平均値から最も差のある結果となる組み合せのアンテナ素子を選択し、この組み合せで用いていないアンテナ素子を特性変化の大きなアンテナ素子と判定する。
【0055】
なお、到来波数推定方法は、AIC(Akaike Information Criteria)やMDL(Minimum Description Length)(M。 Wax、 and T。 Kailath、” Detectionof signal by information theoretic criteria、” IEEE Trans。、 vol。 ASSP−33、 no。 2、 pp。 387−392、 April 1985)等を用いてもよいし、受信信号から計算される相関行列の固有値分布から推定してもよい。ここで、波数推定方法はどのような方法でも、推定できる方法を利用することが可能である。
【0056】
ここで、第1の実施の形態で到来方向推定の結果を用いて変化の大きなアンテナ素子を判定した場合と同様に、波数推定においても、アンテナ特性変化の大きなアンテナ素子の受信信号を用いた場合には、推定結果が異なるものとなる。特に、アンテナ付近の障害物以外にも、受信機の故障や、アンテナの整合回路の故障など、受信特性が大きく劣化する場合に、特に変化が大きくなる。また、到来波数が、複数の場合には、到来方向推定では分布のばらつきの度合いにより、判断が難しい場合があり、このような場合には、波数推定で判断することは有効となる。
【0057】
次に、波数推定について図8のフローチャートを用いて説明する。はじめに、アンテナの全素子数よりも1素子少ない条件で到来波数推定を行う(step81)。次に、全ての素子の組み合せで到来波数推定をおこなう(step82)。次に、全ての波数推定の結果の平均値を計算する(step83)。次に、平均値から最も差のある結果となる組み合せを選択する(step84)。最後に、この組み合せで用いていないアンテナ素子を特性変化の大きなアンテナ素子と判定することが可能となる(step85)。
【0058】
したがって、第1の実施の形態の説明と同様に、アンテナの全素子数よりも1素子少ない条件の全ての組み合せで到来波数推定を行い、これらの平均値から最も差のある結果となる組み合せを選択し、この組み合せで用いていないアンテナ素子を特性変化の大きなアンテナ素子と判定することが可能となる。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態においては、到来波数推定結果から、アンテナ特性変化の大きなアンテナ素子を判定することが可能となり、判定されないアンテナ素子を用いて到来方向推定が可能となり、精度のよい到来方向推定が可能となる。
【0060】
なお、本実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、アンテナ特性変化の大きなアンテナ素子が複数ある場合には、同様の手順を複数回繰り返すことによって、複数の変化の大きなアンテナ素子を判定することが可能となる。
【0061】
次に、本発明の第5の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図9は本発明に係わる到来方向推定装置の構成図である。
【0062】
本実施の形態における到来方向推定装置は、到来してくる電波を受信する8本のアンテナ素子(1−1〜1−8)、8本のアンテナ素子(1−1〜1−8)に接続する8個の受信機(2−1〜2−8)、これら受信機(2−1〜2−8)の受信信号の中から、8本のアンテナ素子(1−1〜1−8)の全素子数よりも少ない数の受信信号を選択する受信信号選択器3、受信信号選択器の出力受信信号を用いて到来方向推定を行う到来方向推定器4、この到来方向推定器4の推定結果を用いて、特性変化の大きなアンテナ素子を判定する判定器5、この判定器5の判定結果に基づいて、受信信号選択器3を制御する選択制御器6、アンテナ振幅パターンの補正値とアンテナ位相パターンの補正値を算出する補正値算出器7、補正値を保存する補正値保存器8、補正値保存器で保存された補正値の算出されている2方向の角度差が、あらかじめ設定した値よりも小さい場合には、2方向間の補正値を補間計算で算出する補正値補間器9、複数の受信機の受信信号と補正値保存器で保存されている補正値を用いて、電波の到来方向推定を行う第2の到来方向推定器10とから構成されるものである。
【0063】
以下、本発明の詳細を図10のフローチャートを用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同一内容の部分に関しては説明を省略する。
【0064】
8本のアンテナ素子(1−1〜1−8)の付近に、設計段階では予想できない障害物が存在してしまう場合がある。この場合には、アンテナの振幅パターンとアンテナの位相パターンが角度ごとに異なった変化をしてしまう。その結果、到来方向推定精度は大幅に劣化するものとなる。そこで、以下の手順によって、アンテナパターンの補正値を算出する。なお、アンテナパターンの補正値を算出することで、特性変化の大きなアンテナの受信信号も到来方向推定に使用可能となる。その結果、角度分解能の向上や、同時に扱える到来波数の数が大幅に増えるといった効果が得られる。
【0065】
ここでは、任意の方向から到来してくる到来波を用い、この到来波を特性変化の大きなアンテナと判定されない複数のアンテナ素子を用いて到来方向推定を行う。ここで、特性変化の大きなアンテナは、実施の形態1〜3と同じように判定する(step101〜step106)。
【0066】
次に、この推定された方向とこのときの受信信号を用いてアンテナパターンの補正値を補正値算出器7で算出する(step107)。以下に補正値の求め方を説明する。
【0067】
電波の到来方向が既知である場合の受信信号間の振幅差と位相差は、アンテナの振幅と位相パターンによって決まってくる。ここでの、位相パターンとは、アンテナそのものの絶対値の位相パターンと、アンテナの配置場所による違いで生じる相対的な位相差を両方含めたものである。また、振幅と位相パターンはアンテナ間の相互結合も含んでいるものとする。設計段階であらかじめアンテナの振幅と位相パターンは求めることができるので、到来方向が既知であれば、受信信号間の振幅差と位相差はある値となる。
【0068】
ところが、アンテナパターンが障害物の影響で変化してしまった場合には、受信信号は設計値の放射パターンを用いて計算した値から変化する。そのために、受信信号間の振幅差と位相差は、設計値から変化する。ここで、設計値からの変化量は、アンテナの振幅と位相の変化量に対応するものとなる。したがって、これを補正値として用いることができる。
【0069】
以上説明した場合では、到来方向が既知の場合であるが、本実施の形態によれば、(step101〜step106)によりアンテナ特性の変化の少ないアンテナ素子のみを用いて到来方向推定することが可能となるので、精度のよい推定が可能であり、推定誤差が小さい。したがって、方向既知の到来波で算出する補正値と同等の精度で補正値を算出することが可能である。
【0070】
次に、算出された方向のアンテナパターンの振幅と位相の補正値を、補正値保存器8で保存する(step108)。
【0071】
ところが、この補正値は、電波の到来してくる方向しか求めることができない。そこで、補正値補間器9で補正値の補間を行い、広い角度における補正値を計算する(step9)。以下に図11を用いて説明をする。
【0072】
図11(a)は本発明の到来方向推定装置と未知方向あるいは推定された方向の2つの送信源の配置をX−Y平面にしめしたもので、到来方向推定装置をO点、2つの信号源をP1及びP2に示しており、P1は角度θ1、P2は角度θ2の地点を示している。
【0073】
補正値補間器9では、補正値の算出されている隣り合う2方向の角度差(θ2−θ1)が、あらかじめ設定した値よりも小さい場合には、2方向間の補正値を補間計算で算出する。アンテナパターンは、障害物で変化してしまうが、一般的に、角度に対して滑らかな変化をする。従って、補正値の求まっている角度の値を利用して、補正値の求まっていない角度の値を補間計算で予測することが有効である。補間の方法は、1次補間で求めることができる。または、2次以上の補間方法でもよい。
【0074】
補間計算で求めた補正値は図 (b)に示すように真値とはならない。ところが、補正値の算出されている、隣り合う2方向の角度差(θ2−θ1)が、あらかじめ設定した値よりも小さい場合にのみに補間を行うようにすることに限定させている。そのために、補間計算によって悪い補正値を算出する確率を大幅に減らすことができる。ここで、隣り合う2方向の角度差に対して設定する値は、用いるアンテナの種類、配置方法、使用周波数、障害物の種類によってそれぞれ異なる。そこで、前もって、シミュレーションや実験を行い決めれば良い。この補間計算で求めた補正値を補正値保存器3に保存する(step1010)。
【0075】
以上説明した様に、アンテナ特性の変化の少ない素子のみで到来方向推定を行い、この精度のよい推定結果とこのときの受信信号を用いて、アンテナパターンの補正値を算出することが可能となる。
【0076】
最後に、第2の到来方向推定器10では、補正値保存器8に保存されている補正値を用いて、到来方向推定する(step1011)。
【0077】
したがって、到来方向推定に算出された補正値を用いることで、角度ごとのキャリブレーションが可能となるので精度の良い到来方向推定が可能となる。また、角度分解能の向上や同時に扱える波数が増えるといった利点がある。
【0078】
また、補間計算を用いて補正値を算出しているので、到来波数の数が少なくても、広い角度にわたって補正値を算出できる利点を有している。
【0079】
なお、補間の方法は1次補間で求めることができるが、複数の補正値を使用して2次補間で求めることもできるし、他のいかなる方法で求めても良い。また、外挿法を用いて、2つの角度間以外の角度の補正値を算出しても良い。
【0080】
なお、本実施の形態においては、補正値の算出されている隣り合う2方向の角度差が、あらかじめ設定した値よりも大きい場合には、補間計算を行わないので、その角度の間では補正値がない。そこで、補正値が算出されている角度は、補正値を用いて到来方向推定を行い、補正値が算出されていない角度は、特性変化の大きなアンテナと判定されない複数のアンテナ素子を用いて到来方向推定を行うようにすることが有効である。補正値が算出されているならば、全ての素子を用いた高分解能な推定を行うことが可能となる。また、補正値が算出されていないならば、特性変化の小さいアンテナ素子のみを用いて、最低限の到来方向推定をすることが可能となるからである。
【0081】
また、図2に示したフローチャートで到来方向推定を行い、この結果を用いて校正値を計算すると説明をしたが、図4,図5に示したフローチャートで到来方向推定を行い、この結果を利用して校正値を計算することももちろん可能である。以上の説明では、到来波の周波数に関して述べていなかったが、周波数帯域幅の非常に広い場合には、以下のように取り扱えば良い。まず、周波数帯域幅が広いと、周波数によって、障害物からの影響の受け方が異なる。したがって、周波数を複数に分割し、それぞれの周波数に対して、補正値を算出すれば良い。
【0082】
また、補正値の補間は、ある周波数に対して、2つの角度の間で計算することと、ある角度に対して、2つの周波数の間で計算することが有効である。なぜならば、一般に、角度と周波数に対し滑らかに特性が変化するからである。このようにすると、補正値を算出するための到来波の数が少ない場合でも、広い角度範囲、そして、広い周波数範囲において、補正値を算出することが可能となる。
【0083】
さらに、2次元(Az、El)の方向推定を行う場合がある。この場合にも、2方向間の補間計算を行うことで、広い角度範囲で補正値を算出することが可能となる。
【0084】
さらに、2次元(Az、El)の方向推定で、周波数帯域幅が広い場合がある。この場合には、周波数帯域幅を複数に分割し、また、方向と周波数の両方で、補間計算を行うことで、広い角度範囲、そして、広い周波数範囲で補正値を計算することが可能となる。
【0085】
また、本発明の補正値補間器では、補正値が算出される毎に、補間計算を再び行い、補正値を再計算することで、精度の良い補正値が得られる。なぜならば、補正値の得られる角度の数が増えるにつれて、2つの方向の角度差が小さくなり、補間精度の向上が期待できるからである。従って、装置の運用を長い間行うことで、補正値の精度は向上していく。つまり、本発明を用いることで、長い間同じ装置を使用することが可能になり、低コストで装置を維持することが可能となる。
【0086】
また、本発明の補正値算出に係る器、および、到来方向推定器をデジタル信号処理で実施することで、複数の器を一つの処理装置で実行することもできる。この場合には、機器の小型化や、省電力化も可能となり、また、アルゴリズムの変更もソフトウエアの入れ替えだけで済むので、簡易となり有効な方法であるといえる。
【0087】
また、本発明をアダプティブアンテナへ適用することも可能である。通信に用いるアダプティブアンテナでは、通信相手へパターンのビームを向けたり、逆に、通信相手以外へパターンのヌルを向けたりする。このときに、アンテナパターンが付近の障害物によって変化してしまった場合には、精確にビームを向けたり、ヌルを向けたりすることができなくなる。そこで、本発明を用いて、アンテナパターンのキャリブレーションを行うことで、アダプティブアンテナの性能を大幅に向上することが可能となる。
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、到来方向推定装置及び到来方向推定方法において、アンテナの放射パターンが、アンテナ近傍の障害物によって変化してしまった場合でも、変化の大きいアンテナを判定し、判定されない素子のみで到来方向推定を行うことができるので、高精度な到来方向推定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る到来方向推定装置。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る到来方向推定を示すフロー図。
【図3】素子の組み合せを変えた場合の到来方向推定結果を示す図。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る到来方向推定を示すフロー図。
【図5】本発明の他の実施の形態に係るMUSIC法による到来方向推定を示すフロー図。
【図6】MUSICスペクトラムを示す図。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る到来方向推定装置。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る到来方向推定を示すフロー図。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る到来方向推定装置。
【図10】本発明の他の実施の形態に係る到来方向推定を示すフロー図。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る補間計算の求め方を表す図。
【符号の説明】
1−1〜1−8・・・アンテナ素子
2−1〜2−8・・・受信機
3・・・受信信号選択器
4・・・到来方向推定器
5・・・判定器
6・・・選択制御器
7・・・補正値算出器
8・・・補正値保存器
9・・・…補正値補間器
10・・・第2の到来方向推定器
11・・・到来波数推定器

Claims (14)

  1. 到来してくる電波を受信する複数のアンテナ素子と、
    前記複数のアンテナ素子のそれぞれに接続した複数の受信機と、
    前記複数の受信機の受信信号の中から、前記複数のアンテナ素子の全素子数よりも少ない数の受信信号を選択する受信信号選択手段と、
    前記受信信号選択手段からの選択された出力受信信号を用いて到来方向推定を行う到来方向推定手段と、
    前記到来方向推定手段の推定結果を用いて、前記複数のアンテナ素子の中で特性変化の最大のアンテナ素子を判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて、前記受信信号選択手段を制御する選択制御手段とから構成される到来方向推定装置であり、
    前記特性変化の最大のアンテナ素子を除いた他のアンテナ素子に対応する前記出力受信信号を用いて前記到来方向推定手段により到来電波の推定を行う到来方向推定装置。
  2. 前記判定手段は、前記アンテナ素子数の総数よりも1素子少ないアンテナ素子数で到来方向推定を行い、この到来方向推定を全てのアンテナ素子の組み合せで行い、方向推定結果の平均値から最も差のある結果となるアンテナ素子の組み合せを選択し、前記アンテナ素子の組み合せで用いていないアンテナ素子を前記特性変化の最大のアンテナ素子と判定することを特徴とする請求項1記載の到来方向推定装置。
  3. 請求項2記載の到来方向推定装置において、
    前記特性変化の最大のアンテナ素子以外のアンテナ素子を用いて、このアンテナ素子数よりも1素子少ないアンテナ素子数で到来方向推定を行い、
    前記到来方向推定結果の平均値から最も差のある結果となる組み合せを選択し、前記組み合せで用いていないアンテナ素子を特性変化の大きな第2のアンテナ素子と判定し、
    前記特性変化の最大のアンテナ素子及び前記特性変化の大きな第2のアンテナ素子前記を除いた他のアンテナ素子に対応する前記出力受信信号を用いて前記到来方向推定手段により到来電波の推定を行う到来方向推定装置。
  4. 前記判定手段は、前記アンテナ素子数の総数よりも1素子少ないアンテナ素子数でMUSIC法を用いて到来方向推定を行い、前記到来方向推定を全てのアンテナ素子の組み合せで行い、MUSICスペクトラムの値が最も小さくなる結果となるアンテナ素子の組み合せを選択し、前記組み合せで用いていないアンテナ素子を特性変化の最大のアンテナ素子と判定することを特徴とする請求項1記載の到来方向推定装置。
  5. 請求項4記載の到来方向推定装置において、
    前記特性変化の最大のアンテナ素子以外のアンテナ素子を用いて、このアンテナ素子数よりも1素子少ないアンテナ素子数でMUSIC法を用いて到来方向推定を行い、
    前記到来方向推定を全てのアンテナ素子の組み合せで行い、MUSICスペクトラムの値が最も小さくなる結果となるアンテナ素子の組み合せを選択し、前記組み合せで用いていないアンテナ素子を特性変化の大きい第2のアンテナ素子と判定し、
    前記特性変化の最大のアンテナ素子及び前記特性変化の大きな第2のアンテナ素子前記を除いた他のアンテナ素子に対応する前記出力受信信号を用いて前記到来方向推定手段により到来電波の推定を行う到来方向推定装置。
  6. 到来してくる電波を受信する複数のアンテナ素子と、
    前記複数のアンテナ素子のそれぞれに接続した複数の受信機と、
    前記複数の受信機の受信信号の中から、前記複数のアンテナ素子の全素子数よりも少ない数の受信信号を選択する受信信号選択手段と、
    前記受信信号選択手段から選択された出力受信信号を用いて到来波数推定を行う到来波数推定手段と、
    前記到来波数推定手段の推定結果を用いて、前記複数のアンテナ素子の中で特性変化の最大のアンテナ素子を判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて、前記素子選択手段を制御する受信信号選択制御手段と、
    前記受信信号選択手段から選択された出力受信信号を用いて到来方向推定を行う到来方向推定手段とから構成される到来方向推定装置であり、
    前記判定手段は、前記アンテナ素子数の総数よりも1素子少ないアンテナ素子数で到来波数推定を行い、この到来波数推定を全てのアンテナ素子の組み合せで行い、到来波数推定結果の平均値から最も差のある結果となるアンテナ素子の組み合せを選択し、前記アンテナ素子の組み合せで用いていないアンテナ素子を前記特性変化の最大のアンテナ素子と判定し、
    前記特性変化の最大のアンテナ素子を除いた他のアンテナ素子に対応する前記出力受信信号を用いて前記到来方向推定手段により到来電波の推定を行う到来方向推定装置。
  7. 請求項5記載の到来方向推定装置において、
    前記特性変化の最大のアンテナ素子以外のアンテナ素子を用いて、このアンテナ素子数よりも1素子少ないアンテナ素子数で到来波数推定を行い、
    前記到来波数推定結果の平均値から最も差のある結果となる組み合せを選択し、前記組み合せで用いていないアンテナ素子を特性変化の大きな第2のアンテナ素子と判定し、
    前記特性変化の最大のアンテナ素子及び前記特性変化の大きな第2のアンテナ素子前記を除いた他のアンテナ素子に対応する前記出力受信信号を用いて前記到来方向推定手段により到来電波の推定を行う到来方向推定装置。
  8. 請求項1から請求項7記載の到来方向推定装置において、
    前記特性変化の最大のアンテナ素子と判定されない複数のアンテナ素子を用いて到来方向推定を行い、
    前記複数アンテナ素子の推定到来方向における、前記複数のアンテナ振幅パターンの補正値と前記アンテナ位相パターンの補正値を算出する補正値算出手段と、前記補正値を保存する補正値保存手段と、
    前記補正値保存手段で保存された補正値の算出されている2方向の角度差が、あらかじめ設定した値よりも小さい場合には、2方向間の補正値を補間計算で算出する補正値補間手段と、
    前記複数の受信機の受信信号と前記補正値保存手段で保存されている補正値を用いて、電波の到来方向推定を行う第2の到来方向推定手段とから構成される到来方向推定装置。
  9. 請求項8記載の到来方向推定装置において、
    前記補正値が算出されている角度は、前記補正値を用いて到来方向推定を行い、前記補正値が算出されていない角度は、特性変化の最大のアンテナ素子と判定されない複数のアンテナ素子を用いて到来方向推定を行うことを特徴とする到来方向推定装置。
  10. MUSIC法を用いて到来方向推定を行うことを特徴とする、請求項1乃至請求項9記載の到来方向推定装置。
  11. 到来電波を複数のアンテナで受信し、複数のアンテナからの複数の受信信号の中から、前記複数のアンテナ素子数の総数よりも1素子少ないアンテナ素子数で、前記アンテナ素子に対応する受信信号で到来方向推定を行い、この到来方向推定を全てのアンテナ素子の組み合せで行い、方向推定結果の平均値から最も差のある結果となるアンテナ素子の組み合せを選択し、前記アンテナ素子の組み合せで用いていないアンテナ素子を前記特性変化の最大のアンテナ素子と判定し、
    前記特性変化の最大のアンテナ素子を除いた他のアンテナ素子に対応する前記出力受信信号を用いて到来電波の推定を行うことを特徴とする到来方向方法。
  12. 到来電波を複数のアンテナで受信し、複数のアンテナからの複数の受信信号の中から、前記複数のアンテナ素子数の総数よりも1素子少ないアンテナ素子数で、前記アンテナ素子に対応する受信信号でMUSIC法を用いて到来方向推定を行い、前記到来方向推定を全てのアンテナ素子の組み合せで行い、MUSICスペクトラムの値が最も小さくなる結果となるアンテナ素子の組み合せを選択し、前記組み合せで用いていないアンテナ素子を特性変化の最大のアンテナ素子と判定し、
    前記特性変化の最大のアンテナ素子を除いた他のアンテナ素子に対応する前記出力受信信号を用いて到来電波の推定を行うことを特徴とする到来方向方法。
  13. 到来電波を複数のアンテナで受信し、複数のアンテナからの複数の受信信号の中から、前記複数のアンテナ素子数の総数よりも1素子少ないアンテナ素子数で、前記アンテナ素子に対応する受信信号で到来波数推定を行い、この推定結果の平均値から最も差のある結果となるアンテナ素子の組み合せを選択し、前記アンテナ素子の組み合せで用いていないアンテナ素子を前記特性変化の最大のアンテナ素子と判定し、
    前記特性変化の最大のアンテナ素子を除いた他のアンテナ素子に対応する前記出力受信信号を用いて到来電波の推定を行うことを特徴とする到来方向方法。
  14. 請求項11から請求項13記載の到来方向推定方法において、
    前記特性変化の最大のアンテナ素子と判定されない複数のアンテナ素子を用いて到来方向推定を行い、
    前記複数のアンテナ素子の推定到来方向における、前記複数のアンテナ振幅パターンの補正値と前記アンテナ位相パターンの補正値を算出し、この算出した補正値をもとに前記補正値の算出されている2方向の角度差が、あらかじめ設定した値よりも小さい場合には、2方向間の補正値を補間計算で算出し、これら補間補正値、前記算出した補正値及び前記受信信号を用いて電波の到来方向を推定することを特徴とする到来方向推定方法。
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