JPH0633417Y2 - 機械化処理に適した採便管 - Google Patents

機械化処理に適した採便管

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JPH0633417Y2
JPH0633417Y2 JP1988001832U JP183288U JPH0633417Y2 JP H0633417 Y2 JPH0633417 Y2 JP H0633417Y2 JP 1988001832 U JP1988001832 U JP 1988001832U JP 183288 U JP183288 U JP 183288U JP H0633417 Y2 JPH0633417 Y2 JP H0633417Y2
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和雄 白岩
邦雄 多田
文夫 山縣
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ニットーハイ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、一般に微生物検査のために検査の対象となる
物体から所望量の被検物を採取する採取器具に関し、特
に検便のための採便管に関する。
従来技術とその問題点 従来、検便のために、被検物を採取する採便体と、それ
を収納する容器と、該容器の開口部を密封するキャップ
とを有する採便管は知られている。
従来の採便体としては、スプーンの基端部をキャップに
固定したもの、棒状体の先端に綿をかぶせた綿棒が典型
的である。
微生物検査を目的とした検便においては、検査対象物の
表面から被検物を採取することが重要である。また、適
量の被検物を採取することが望ましい。
採便から微生物検査までの間に時間を要する場合には、
試験管内にグリセリン保存液もしくはキャリブレア培地
等を封入し、被検物を保存液もしくは培地中に浸漬もし
くは埋没させて、被検物の乾燥,硬化,被検物中の微生
物の増殖,死滅を防止する必要がある。
被検物は、採便体を用いて通常はシャーレ中の培地表面
に塗沫されるが、被検物の塗沫量は単離したコロニーを
生ずるよう、極めて細く,希薄に塗沫することが必要で
ある。しかも、2度塗りがあってはならず、また培地表
面を損傷してはならない。従って、塗沫に当たつて、作
業者は過剰な被検物を除去した後に塗沫するが、その場
合においても、採便体を最初に接触させた培地部分には
濃厚に塗沫され、採便体が移動するに従って塗沫量が希
薄になる。この傾向を助長するために、一般には塗沫速
度を次第に加速することが行われている。その塗沫速度
はかなり速くなければならない。塗沫が、不適切である
と、単離したコロニーが得られず、適正な検査が行い得
ない。従って、塗沫作業は熟練を要する。
採便体としては、スプーン状のものが多用されており、
その形状の故に、専門家でない採取者が採便する場合に
は、検査対象物の表面から正しく被検物が採取されない
ことが多く、また過剰量の被検物が採取される場合が極
めて多かった。過剰量の被検物が採取された場合には、
塗沫に先立って、余分な被検物を布,不織布,紙などの
ウェブで拭い取った後、塗沫を行っていた。検査対象物
が液状の場合には、保存液もしくはキャリブレア培地に
よってスプーンから被検物が洗い落とされて、適正量の
被検物がスプーン表面に保持できなかった。また被検物
が極端に硬い場合には、培地内に被検物が充分で埋没せ
ず、従って被検物の乾燥,硬化,微生物の増殖,死滅な
どの問題があるばかりでなく、採便体表面に適正量の被
検物を付着させることができなかった。更に、塗沫作業
はスプーンの凸面(背面)で行うが、細く塗沫するため
にスプーンを立て過ぎると培地表面を損傷し、適正な検
査が不能になる。
採便体として綿棒を用いる場合にも、検査対象物の表面
から正しく被検物を採取されない場合が多く、また保水
性が高いこと及び綿棒表面が柔らかいことのために、細
く,希薄に塗沫することが困難であった。過剰量の被検
物は、上記と同様に拭い取る必要があった。検査対象物
が著しく硬い場合には、適正量の被検物をを採取するこ
とが困難であり、また無理に適正量の被検物を採取しよ
うとすると、綿棒が損傷を受ける虞れがあった。
また、何れの場合にも、塗沫作業は熟練した作業者によ
って行われなければならないが、上述の作業態様からも
理解されるように、検査者にとって不快で、かなり苛酷
な作業であり、従って仕事量に見合った作業者の確保が
困難であり、また人件費が嵩む。更に、悪臭対策,使用
済みの採便管及び夥しい量のウェブの廃棄などの問題が
あった。また、被検物中に法定伝染病などの病原菌が存
在する場合には、作業者への感染の問題に配慮しなけれ
ばならない。
従って、もしも塗沫作業が、過剰量の被検物の除去をウ
ェブを用いることなく、自動化(機械化)されたなら
ば、熟練作業者の確保,人件費の問題ばかりでなく、悪
臭対策,汚物処理及び衛生上の問題をも簡単に解決する
ことができ、極めて有用である。従って、自動化に適し
た採便管に対する潜在的需要があった。
しかしながら、採便時に過剰量の被検物を採取させず、
しかも幾分かは余分な量の被検物を採取させるための対
策が困難であったこと、過剰量の被検物が付着している
か否かを検出し、もしあれば、被検物の量が適量となる
まで、拭い取る作業を機械に行わせることが困難であ
り、また可能であっても、そのための設備にコストが嵩
む。
上述の問題点に鑑みて、本件出願人は、採便時の欠点、
運搬,保存時の欠点、及び塗沫作業を機械化する際の欠
点を解消した採便管について鋭意研究した結果、用手法
にも自動化方にも使用できる満足すべき採便管を開発す
るに至った。
問題点を解決する手段及びその効果 本願考案においては、保存液もしくは培地を収容する,
一端が開放した容器(例えば試験管)と、該容器の開口
部を密閉するキャップと、上記容器内に収容される採便
体とを有する採便管において、上記採便体を細長い棒状
体とし、該棒状体の先端部に近接した領域を曲面状と
し、該領域における表面を梨地状もしくは網目状等の微
細粗面状としている。
本考案の一実施例では、採便体が中実の棒状体のみから
できており、その先端部に近接した領域の表面を粗面と
している。
本考案の他の実施例では、採便体が細長い鞘体と、その
鞘体の長手方向に移動可能に収納された細長い棒状体と
からなっており、上記鞘体の先端部に開口を設け、その
開口を押し開いて棒状体が突出し得るようになってお
り、上記鞘体及び/又は棒状体の先端部に近接した領域
の表面を粗面としている。
本考案の更に他の実施例では、採便体が中空構造の細長
い棒状体もしくは袋状体を含み、中空の棒状体もしくは
袋状体の先端領域の表面を粗面とし、上記粗面を引き伸
ばす手段を設け、上記粗面が引き伸ばされたとき、粗面
の凹部に捕捉された被検物が引き伸ばされた棒状体もし
くは袋状体の表面に露出するようにしている。
採便体の先端部に近接した領域の表面を粗面とすること
により、被検物をその性状に拘わらず確実に捕捉するこ
とができる。また、運搬,保存中に、保存液もしくはキ
ャリブレア培地中に採便体の先端部を浸漬もしくは埋没
させたとき及び採便体をそれらから抜去するとき、被検
物を採便体の表面に確実に保持し、更に塗沫に当たっ
て、被検物が採便表面を移動する速度を調整することが
できる。
採便体が鞘体とその長手方向に移動可能に設けた細長い
棒状体とからなる場合には、鞘体から棒状体が突出させ
られるとき、棒状体の表面に付着した過剰量の被検物を
掻き落とすのに役立ち、あるいは鞘体に捕捉された被検
物を棒状体に被検物を適量に付着させるのに役立つ。
採便体が中空構造の細長い棒状体もしくは袋状体よりな
り、粗面を引き伸ばす手段を設けた場合には、粗面の凹
部に捕捉されていた被検物は、平滑化された表面に露出
されて、適量の塗沫が可能となる。粗面を平滑化する手
段としては、中空構造内に流体圧を与えて引き伸ばす
か、押棒で引き伸ばすなどの方法が簡便であるが、その
他の方法であっても良い。この場合、中空の棒状体もし
くは袋状体には、少なくとも長手軸方向における外力に
対してある程度の剛直性を与え、且つ、粗面が引き伸ば
され得るように適当な材料及び/又は構造を採用する必
要がある。かかる材料及び構造については、実施例を通
じて詳述する。
また、採便体の複数の構成要素の配置関係または係合関
係、採便体とキャップまたはキャップと容器との配置関
係、結合関係については様々な変形があり、それらにつ
いては実施例において詳述する。
実施例の説明 第1図は、従来の採便管の構成を概括的に説明する断面
図である。採便管は、容器10、キャップ20、採便体30か
らなる。容器10とキャップ20とは、捩込みによって、容
器の開口部を密封しているものとして示されている。し
かしながら、容器10とキャップ20との着脱構造は、機械
及び人手によって着脱でき、また容器の開口部を密封し
得るものであればいかなる構造であってもよい。例え
ば、一般のゴム栓,コルク栓と同様な「押し込み嵌め」
であっても、容器とキャップとの押し込み嵌合部に相補
的形状の凹凸を設けて,係止力を高めても良い。あるい
は、バヨネットマウントのような捩込み式のキャップで
あっても良い。かかる係合構造,密封構造は、様々な形
式のものが知られている。
採便体30とキャップ20とは、一体的に形成されても良
く、また別個に形成された後、採便体の基端部31cとキ
ャップ20とを互いに固定,結合しても良い。
採便体30は、その先端部に近接した領域の表面が粗面と
されている。採便体の塗沫に用いられる表面部分は必ず
しも粗面である必要はなく、可及的に細く,希薄な塗沫
が行えるよう半径の小さい曲面であるのが望ましい。
第2図a〜dには、採便体30が細長い中実の棒状体31の
みからなる場合の若干の実施例が示されている。第2図
においては、棒状体31の基端部分は省略されており、そ
の先端部分とシャーレS中の培地Cとが示されている。
第2図aの実施例では、棒状体31は先細の丸棒であり、
その先端部31a及び先端部に近接した領域31bの全表面が
梨地状の粗面となっている。この実施例では、棒状体31
を培地Cの表面に対して垂直もしくはあらゆる方向に傾
斜させて塗沫作業が行い得る。
第2図bの実施例では、棒状体31の先端部31aに近接し
た部分31bが膨らんでおり、網目状の粗面とされた表面
積が増大させられている。かくて、採取時における被検
物の硬度に関係無く、必要最小限度の被検物が採取で
き、棒状体31の保存液,キャリブレア培地中への浸漬,
埋没及びそれらからの抜去に際して粗面とされた表面に
保持する被検物の量を増大させることができ、また塗沫
の際に被検物が採便体の表面を移動する速度を低減する
効果がある。棒状体31の先端部31aは先細になってお
り、その先端部31aの表面は平滑であるものとして示さ
れている。
第2図cの実施例では、棒状体31の先端部31aに近接し
た部分31bの片側31b′が膨らんでおり(半円形断面)、
その片側31b′の表面が粗面とされている。棒状体31の
先端部31a及び膨らんでいない側31b″の表面は平滑にな
っている。この実施例では、第2図bの実施例とほぼ同
様な利点を有すると共に、棒状体31を培地Cの表面に対
して図示された方向に傾斜させた状態で被検物を培地C
に塗沫するのに適している。
第2図dの実施例では、棒状体31の先端部31aに近接し
た領域の片側31b′と,その反対側31b″との表面に異な
った種類(例えば、片側の粗面は、硬い被検物の採取に
適した粗面とし、反対側の粗面は液状または軟らかい被
検物の採取に適した粗面とする)の粗面が形成されてい
る。かかる棒状体31を用いる場合には、被検物を塗布し
た側を表示する手段をキャップ20に設けることにより、
自動化(機械化)処理の際に便利である。かかる表示手
段はキャップ上に長手軸に関して非対称な形状の識別キ
ャップをかぶせること、識別用の彩色マークを貼付する
こと、磁気マークを貼付することなど、様々な方法があ
り得る。
これらの棒状体31のキャリブレア培地への挿入に際し
て、先端部31a及び先端部に近接した領域31bの表面上の
被検物は先端部31aから基端部31cに向かって拭われる傾
向をもつが、抜去に際しては、基端部31cに向かって拭
われた被検物が先端部31a及びそれに近接した領域31bの
表面に再び適量の被検物を捕捉する。
棒状体31はキャップ20と一体的に形成されても良く、そ
れらを別個の部品として形成し、棒状体の基端部31cを
キャップ20に固定しても良い。
採便体30を長手軸に関して軸対称に形成した場合(例え
ば第2図a,b)には、採便体30がキャップ20の中心に固
定されることにより、採便体30が機械によって取り扱わ
れる際に、採便体の方向性がなくなり、塗沫の際に培地
を損傷する虞れがなくなる。採便体30を長手軸に関して
非軸対称に形成した場合(例えば第2図c)には、培地
Cに接触させるべき部分が正しく培地Cの表面に接する
よう、方向を選択して採便体30を機械に把持させなけれ
ばならない。把持方向の選択は、上記第2図dに関して
述べた方法及び、機械技術において知られている他の様
々な方法が利用可能である。
棒状体31の先端部31aに近接した領域31bの表面に形成さ
れる粗面は、1本以上の凹凸条、網目状の凹凸、配向,
長さ,形状が一定しない皺、又は梨地などによって所望
の深さに形成されることができる。詳述すれば、凹凸条
は棒状体31の長手軸と平行に配向された1本以上の凹凸
条、丸棒30の長手軸に直交する方向に配向された1本以
上の凹凸条,換言すれば,棒状体31の先端部31a及び/
又はそれに近接した領域表面31bに平行に設けた1本以
上のリング状の凹凸条、棒状体31の長手軸に対して傾斜
する方向に配向された1本以上の凹凸条等であっても良
い。凹凸条が棒状体31の長手軸に対して傾斜する方向に
配向されている実施例において、その凹凸条は、棒状体
31の長手軸に対して適当なピッチ角,ピッチ間隔を持っ
た,螺旋状に形成された1本以上の凹凸条であってもよ
く、また棒状体31の長手軸に対して傾斜する方向に配向
された断続的な複数の凹凸条であっても良い。
これらの棒状体31は、例えば、合成樹脂,合成ゴム,ガ
ラス,セラミクスあるいは金属などの材料で、且つ好ま
しくは生物学的に不活性な材料で形成するのが良い。勿
論、それらの材料の複合材料であっても良い。また、棒
状体31を無色透明、有色透明、あるいは白色乃至明色の
材料で形成し、透明度又は明度を光学的検出手段によっ
て判定することにより、非検物の付着量が適切か否かを
自動的に判定できるようにしても良い。
自動化法による塗沫の際、棒状体31と培地Cの表面との
接触圧力は、棒状体31の少なくとも一部分またはキャッ
プ20と棒状体との結合部を可撓性のある材料で形成する
ことにより、厳密に調整する必要がなくなる。
培地表面が平滑でない場合に、押圧力が強く、且つ、棒
状体31の可撓性が大きいと、棒状体31の先端が培地Cの
表面に捕捉されては釈放される現象が反復されて、被検
物を飛散させる可能性があるので、押圧力,棒状体31の
素材,及び棒状体31とキャップ20との固定方法、固定精
度との関係に配慮する必要がある。
また、棒状体31と培地Cの表面との接触圧は、採便体30
の自重を利用しても良く、空気圧やスプリングなどを用
いた弾性偏倚手段を利用するなど、様々な手段によって
調整できる。
本願考案の他の実施例では、採便体30は鞘体32と、鞘体
32の長手方向に移動可能に収納された細長い棒状体31と
からなっている。第3図a〜eには、かかる構成をもっ
た若干の実施例が断面図で示されている。
第3図aの実施例では、鞘体32は、第2図aの実施例と
同様な棒状体31を長手方向に移動可能に収納しており、
鞘体32の先端部32a及びそれに近接した領域32bの表面が
粗面とされている。棒状体31の先端部31a及び/又はそ
れに近接した領域31bには、粗面が形成されていても良
くあるいは形成されていなくても良い。この実施例で
は、被検物の採取に当たって、鞘体の先端部32a及びそ
れに近接した領域32bの表面に形成された粗面が、第2
図の実施例における棒状体31の先端部31a及びそれに近
接した領域31bに形成された粗面と同様に、被検物を捕
捉する。鞘体32は、先端部32aに近付くに従って、次第
に肉薄になっており、先端部32aには棒状体31を突出さ
せ得る開口32dが形成されている。この実施例では、鞘
体32はゴム状の弾性材料から形成されており、その先端
部32aの開口32dは殆ど密閉状態に近く密着している。棒
状体31を鞘体32の先端部32aから突出させる手段(後
述)が設けられ、棒状体31が鞘体32の先端部32aから突
出したとき、鞘体32の粗面に付着していた被検物が棒状
体31の先端及びそれに近接した領域の表面に移行する。
保存液もしくはキャリブレア培地は、被検物を流動し易
い状態にするので、適量の被検物が棒状体31の表面に移
行する。鞘体32を形成する材料は、ゴム状の弾性材料の
みに限定されず、棒状体31が開口32dから突出させ得る
限り、いかなる材料で形成されても良い。
第3図bの実施例では、鞘体32はその先端部32aに近接
した領域32bが肉厚とされて膨らんでいることを除い
て、第3図aの実施例と同様である。膨らんだ領域32b
の粗面は、第2図bに関して説明したのと同様の効果を
有する。
第3図cの実施例では、第2図bの実施例と同様な棒状
体31が鞘体32内に長手方向に移動可能に収納されてい
る。鞘体32の先端部32a及びそれに近接した領域32bの表
面には粗面が形成されている。棒状体31の先端部31aに
近接した領域31bは梨地状の粗面となっている。この実
施例では、棒状体31に粗面を形成したことにより、鞘体
32の開口32dから棒状体31が突出させられたとき、鞘体3
2の粗面から被検物が棒状体31の先端31aに移行する速度
が遅くなる。それ以外の点では、第3図a,bの実施例と
同様である。
第3図a〜cの実施例において、鞘体32は弾性材料で形
成されるものとして説明したが、鞘体32の先端部32a及
びそれに近接した領域32bに予め放射方向の割れ目を与
えるか、あるいは僅かな力で放射方向に割れるよう複数
の傷を与えておくことによって、鞘体32を例えば可撓性
材料で形成することができる。この場合には、鞘体32か
ら棒状体31への被検物の移行がむらになる可能性があ
る。これは、例えば棒状体31と鞘体32とを長手軸に関し
て相対的に回転させることにより解消できる。
更に、第3図a〜cの実施例においては、棒状体31の表
面に粗面を設け、採便時には棒状体31を鞘体32の開口か
ら突出させて採便し、そのままの状態で保存液もしくは
キャリブレア培地に浸漬もしくは埋没させ、塗沫に先立
って棒状体31を鞘体32内に収納した後、再び棒状体31を
鞘体32から突出させることにより、過剰な被検物を鞘体
32の開口32dによって掻き取るようにすることができ
る。この場合には、鞘体32の表面には粗面を形成するこ
とは必ずしも必要ではない。
第3図dの実施例では、鞘体32及び棒状体31は第3図a
の実施例と同様であるが、棒状体31の先端部31aと鞘体3
2の先端部32aの内部表面との間に若干の空隙Gが設けら
れていること、及び鞘体の先端部32aに近接した領域32b
に複数の開口32eが設けられていることが異なってい
る。採便時に開口32eを検査対象物の表面にこすりつけ
て、被検物を空隙G内に積極的に採取する。この際、開
口32eにおける鋭いエッジは被検物の掻き取りに有利で
ある。輸送,貯蔵の間に空隙G内には保存液もしくはキ
ャリブレア培地の液体成分が開口32eから導入される。
棒状体31が鞘体32の先端の開口32dから突出させられる
とき、空隙G内の被検物は、棒状体31の先端部31a及び
それに近接した領域31bの表面に付着され、開口32dによ
って過剰な被検物が拭い取られる。この実施例では、検
査対象物が液状であっても確実に採取できる利点があ
る。棒状体31が鞘体32の開口32dから突出させられると
き、開口32eから過剰な被検物が排出させられる可能性
がある。従って、シャーレSの外側の適切な汚物溜め
に、それらを回収するようにすれば良い。また、汚物溜
めは、少なくとも定期的に水洗するのが望ましい。
第3図eの実施例では、鞘体32の先端の開口32dは比較
的大きな開口になっており、棒状体31の先端部31aがそ
の開口32dから僅かに突出している。鞘体32の先端部32a
及びそれにに近接した領域32bの表面は粗面が形成され
ている。棒状体31の突出した先端部31aは平滑な表面に
なっている。採便時に、鞘体32の先端部32a及びそれに
近接した領域32bの粗面を、被検物の表面にこすりつけ
て被検物を採取する。このとき、棒状体31の先端部31a
にも被検物が付着するが、その先端部31aは平滑面とさ
れているので、保存液もしくはキャリブレア培地中に採
便体30の先端部を浸漬もしくは埋没させたとき、棒状体
31の先端部31aに付着した被検物は簡単に除去される。
この実施例では、鞘体の先端部の開口32dの変形量が少
なくなる利点を有する。それ以外の特徴は、上述の実施
例の説明から容易に理解されよう。
第3図eの実施例の変形として、鞘体32の先端部32aか
ら突出している棒状体31の先端部31aを、鞘体32の先端
部32aと同一平面でカットして、棒状体の先端部を円錐
台形状としても良い。この変形例では、塗沫作業の際
に、棒状体31が鞘体32内に収納された状態で、容器10の
開口部で拭うか、採便体30に衝撃を与えて過剰な被検物
を振り落とし、しかる後、塗沫を行うことにより、適正
濃度の塗沫が行える。また、棒状体の円錐台の頂面と斜
面とが遭遇する円弧部分で塗沫を行うので、培地表面と
の接触面が小さくなる利点がある。
第3図の各実施例において、棒状体31が鞘体32の先端か
ら押し出される際に、棒状体の先端部31a又は/及びそ
れに近接した領域31b,31b′,31b″が接触する鞘体32の
内壁面32hに螺旋状の凹溝(図示せず)を設け、棒状体3
1と鞘体32とを長手軸の回りで相対的に回転させること
なく,長手方向に相対的に複数回往復運動させることに
より、過剰な被検物を除去することができる。
また、鞘体32の先端部の開口32dは密閉状態である必要
はなく、ある程度の断面積をもった開口であって良い。
この場合、開口32dに被検物を捕捉することができる利
点を有するが、その反面、棒状体31の先端に被検物が過
剰に付着する可能性があるので、塗沫に先立って過剰な
被検物を除去する必要がある。過剰な被検物の除去は、
例えば、汚物溜めの上で採便体30に衝撃を与えることに
より、振り落としても良い。
採便管に鞘体32を設ける代わりに、本考案の採便管を取
り扱う機械側に、第4図に示したような弾性材料の膜M
を棒状体31の下方に固定して設け、その膜Mに、棒状体
31が下方に移動するとき、棒状体31の先端部31aが当接
する部分から僅かに外れた位置に小さい開口Mを設け
ても良い。棒状体31の先端部31aが弾性膜Mにまず当接
して先端部の過剰な被検物を拭い、更に棒状体31が下方
に移動すると、先端部31aが開口M1に侵入し、棒状体の
先端部に近接した領域31bの表面から過剰な被検物を拭
うことができる。この場合膜Mは1回毎に交換する。
第5図には、棒状体31と鞘体32とを相対的に長手方向に
移動させるための構造の一例が断面図で示されている。
キャップ20と試験管10との係合関係は、試験管10の開口
部の外側面に形成された雄ねじとキャップ20の内側面に
形成された雌ねじとの螺合として示されている。棒状体
31の基端部31cは、キャップ20に形成された装着構造21
によってしっかりと固定されている。鞘体32の基端部に
は、内側(求心方向)に突出するリング状の突条32fが
形成されており、棒状体31の側面には1条のリング状の
凹部31dが形成されて、それらは互いに嵌合している。
鞘体32の胴部には放射方向に突出するリング状の鍔部32
gが形成されている。
採便時に、検査対象物の表面から鞘体32の先端部の粗面
に被検物を付着させる。輸送,貯蔵のため、棒状体31と
鞘体32とをそのままの状態で試験管10内の保存液もしく
はキャリブレア培地中に鞘体の先端32a及びそれに近接
した領域32bを浸漬又は埋没させる。塗沫の際には、キ
ャップ20が、人手または機械によって試験管10から取り
外され、鞘体の鍔部32gと,キャップ20とを互いに近付
ける方向に相対移動させることによって、棒状体の先端
部31aは鞘体の開口32dから突出させられる。第5図に示
された押し出し構造は、第3図a〜eの何れの実施例に
も適用できることは明らかである。
鞘体32と棒状体31とを長手方向に相対的に移動させる手
段は、機械技術において様々な構造が知られており、そ
れらの総ては、本願考案に適合する限り利用可能であ
る。
第6図a〜cには、本願考案の他の実施例が示されてい
る。これらの実施例においては、採便体30が中空構造の
細長い棒状体31もしくは袋状体33又は/及び押棒34又は
円筒体35よりなっている。第6図においては、中空の棒
状体31若しくは袋状体33は、厚みを省略して、太い実線
で示されている。
第6図aの実施例では、棒状体31は、中空構造の内部31
hの流体圧が増大したとき、変形可能な材料で出来てい
る。その先端部31a及び先端部に近接した領域31bは粗面
となっている。棒状体31の空洞31h内に流体圧が与えら
れたとき、棒状体の先端部31a及びそれに近接した領域3
1bの表面に形成された粗面(凹凸条、網目状凹凸、皺な
ど)が引き伸ばされて、それらの凹部に捕捉されていた
被検物が棒状体31の引き伸ばされた表面に露出するよう
になっている。この実施例においては、中空の棒状体31
は、常態的には、採便動作に必要な程度の自己形状保持
力をもつことが必要である。場合によっては、加熱され
た加圧流体を空洞内に導入することにより、変形を容易
にさせることができる。また、第6図aの実施例の変形
として、中空構造の棒状体31を形状記憶合金で形成し、
加圧の代わりに温度変化によって粗面を引き伸ばすよう
にしても良い。
この際、棒状体31の表面に生物学的に不活性な材料でコ
ーティングする事ができる。
第6図bの実施例では、中空の袋状体33は例えばゴムの
ような弾性材料で形成される。袋状体33の先端部33a又
は/及び先端に近接した領域33bの表面は粗面となって
いる。袋状体33の胴部には放射方向に突出した鍔部33g
が形成されている。袋状体33の空洞内には押棒34が挿入
されており、押棒34の基端部(図において上方の部分)
と袋状体の鍔部33gとが互いに接近する方向に相対的に
移動するとき、粗面が引き伸ばされ、粗面の凹部に捕捉
されていた被検物が露出される。この実施例の変形とし
て、押棒34と袋状体33とを相対的に移動させるのではな
しに、押棒34と袋状体33との間に加圧流体を導入して、
粗面を引き伸ばしても良い。この場合、押棒に加圧流体
を導く溝または管を形成することができる。
第6図cの実施例では、採便体30は袋状体33と円筒状支
持体35とからなるものとして示されている。袋状体33の
先端部33a及びそれに近接した領域33bは粗面となってお
り、袋状体33の先端側の一部分が反転されて円筒支持体
35の先端の開口35a内に収納されている。袋状体33は、
実際は円筒状支持体35の側面に密着しているが、説明の
便宜上間隔を明けて示してある。採便時には、開口35a
内に反転して収納された袋状体33の先端部内に被検物を
捕捉させ、流体圧又は押し棒(図示せず)で袋状体33の
先端部が押し出されたとき、過剰な被検物が払い落とさ
れ、適量の被検物が袋状体の引き伸ばされた表面に露出
される。
加圧流体は空気、水などであって良く、それらの流体は
中空の棒状体31もしくは袋状体33の空洞31hもしくは33h
を密封された空洞とし、それらの基端部を人手又は機械
によって挟み付けて内圧を高めても良く、また棒状体31
もしくは袋状体33の基端部を開放しておき、開放した端
部を機械の流体供給口に接続して加圧流体を空洞31hも
しくは33h内に導入するようにしても良い。かかる構造
自体は、機械技術において公知であり、詳述しない。第
6図の各実施例の中空構造の棒状体または袋状体が開放
構造を有し,且つその開放端部がキャップに設けた開口
に接続されている場合において、棒状体31若しくは袋状
体の33とキャップとの結合部が機密に密封されていれ
ば、キャップ開口は必ずしも密封する必要はないが、密
閉することが望まれる場合にはキャップの開口に,例え
ば押し込み嵌合めのような,適切な構造の密栓を設ける
ことができる。また、第6図の各実施例において、中空
構造の棒状体若しくは袋状体の先端部31a,33aの形状が
半球形に描かれているが、それらの形状は第2図a〜d
に描かれているような形状とすることができる。
以上に本願考案の若干の実施例を通じて、本願考案を説
明して来たが、本願考案は上述の実施例のみに限定され
るものではなく、本願考案の技術思想を逸脱することな
く、様々な変形が可能である。
例えば、第3図dの実施例において、開口32eのエッジ
を鞘体32の外表面から突出させて、被検物の採取を容易
にさせるようにしても良く、また第6図cに示された実
施例において、筒状支持体35の先端部に先細のテーパを
与えること、あるいは筒状支持体の先端部の開口を長手
軸に対して傾斜してカットし、採便時に被検物を採取し
易くすると共に塗沫に際して細く塗沫し易くすることが
できる。更に、筒状支持体35と袋状体33とを第6図bの
実施例と同様に相対的に移動させて、袋状体33の粗面を
引き伸ばすようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本願考案の採便管の構成を概括的に説明する
断面図、 第2図a〜dは、細長い中実の棒状体からなる採便体を
もった本願考案の若干の実施例を示す部分側面図、 第3図a〜eは、棒状体と鞘体とからなる採便体をもっ
た本願考案の若干の実施例を示す断面図、 第4図は、鞘体を採便体に設ける変わりに、機械側に払
拭用の膜を設けた場合を説明する模式的側面図、 第5図は、棒状体と鞘体とを相対的に長手方向に移動さ
せるための構造の一例を示す断面図、 第6図a〜cは、中空構造の細長い棒状体,袋状体又は
/及び押棒または円筒体よりなる採便体をもった、本願
考案の若干の実施例を示す断面図である。 符号の説明 10:容器、20:キャップ、30:採便体、31:棒状体、31a:先
端部、31b,31b′,31b″:先端部に近接した領域、31c:
基端部、S:シャーレ、C:培地、31h:中空構造の内部、3
2:鞘体、32a:先端部、32b,32b′,32b″:先端部に近接
した領域、32d:開口、32e:開口、32f:突条、32g:鍔部、
32h:鞘体の内壁面、33:袋状体、33a:先端部、33b:先端
部に近接した領域、33g:鍔部、34:押棒、35:円筒体、35
a:開口、

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端が開放した容器と、該容器の開口部を
    密閉するキャップと、該キャップに固定されて上記容器
    内に収容される採便体とを有する採便管において、上記
    採便体が細長い棒状体よりなり、該棒状体の先端部に近
    接した領域が曲面状とされ、該領域における表面が微細
    粗面状とされていることを特徴とする機械化処理に適し
    た採便管。
  2. 【請求項2】上記微細粗面状の表面を有する領域の更に
    先端側領域が平滑面を有することを特徴とする実用新案
    登録請求の範囲第1項記載の採便管。
JP1988001832U 1988-01-11 1988-01-11 機械化処理に適した採便管 Expired - Lifetime JPH0633417Y2 (ja)

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