JPH0633267B2 - 生理活性物質及びその製造法 - Google Patents
生理活性物質及びその製造法Info
- Publication number
- JPH0633267B2 JPH0633267B2 JP63034050A JP3405088A JPH0633267B2 JP H0633267 B2 JPH0633267 B2 JP H0633267B2 JP 63034050 A JP63034050 A JP 63034050A JP 3405088 A JP3405088 A JP 3405088A JP H0633267 B2 JPH0633267 B2 JP H0633267B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- culture
- producing
- substances
- active substance
- physiologically active
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- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は従来未知の新規化合物及びその製法に関するも
のである。
のである。
また本発明に係る新規化合物は、殺虫性等各種の生理活
性を有しているので、殺虫剤のほか各種農薬、医薬又は
これらの中間体としても利用することができる。したが
って本発明は、これらの技術分野においても重用される
ものである。
性を有しているので、殺虫剤のほか各種農薬、医薬又は
これらの中間体としても利用することができる。したが
って本発明は、これらの技術分野においても重用される
ものである。
微生物の生産する生理活性物質、特に殺虫性物質には糸
状菌の生産するデストルキシンを代表とした環状ペプチ
ド、バチルス属細菌の生産するデルタエンドトキシン等
の結晶性蛋白質、放線菌の生産するピエリシジン等のピ
ロン、ピロリドンを母核とする電子伝達阻害物質、マク
ロテトロライド群にはいるテトラナクチン等、更にはア
バメクチン等のマクロライド物質などが知られている。
状菌の生産するデストルキシンを代表とした環状ペプチ
ド、バチルス属細菌の生産するデルタエンドトキシン等
の結晶性蛋白質、放線菌の生産するピエリシジン等のピ
ロン、ピロリドンを母核とする電子伝達阻害物質、マク
ロテトロライド群にはいるテトラナクチン等、更にはア
バメクチン等のマクロライド物質などが知られている。
本発明に係る物質はAK−40群であるが、これらの物質
は従来未知の新規物質であり、これらの物質がペニシリ
ウム属菌から得られることについても知られていなかっ
た。
は従来未知の新規物質であり、これらの物質がペニシリ
ウム属菌から得られることについても知られていなかっ
た。
農薬、医薬その他の生理活性物質について、新規にして
有効な物質を有機合成といった人工的な方法で作成する
ことには限度があるし、薬害等副作用が発生する頻度も
高い。
有効な物質を有機合成といった人工的な方法で作成する
ことには限度があるし、薬害等副作用が発生する頻度も
高い。
特にアルカロイド系の物質は数多くのヘテロ環が縮合し
て複雑な構造を有しており、これを合成法によって製造
することは非常に困難である。
て複雑な構造を有しており、これを合成法によって製造
することは非常に困難である。
本発明は、従来未知の新規な生理活性物質を開発する目
的でなされたものであるが、上記した技術の現状に鑑
み、本発明者らは、天然物に着目し、微生物の生産する
殺虫性物質の検索を目的として種々の菌株を分離し、そ
の産生する代謝産物について研究を進めたところ、AK
−13と番名した糸状菌の培養物中に強力な殺虫活性物質
が生産されることを見い出し、その有効物質をAK−40
として採取することに成功した。
的でなされたものであるが、上記した技術の現状に鑑
み、本発明者らは、天然物に着目し、微生物の生産する
殺虫性物質の検索を目的として種々の菌株を分離し、そ
の産生する代謝産物について研究を進めたところ、AK
−13と番名した糸状菌の培養物中に強力な殺虫活性物質
が生産されることを見い出し、その有効物質をAK−40
として採取することに成功した。
本発明者らは、AK−40と命名したこの有効物質は少な
くとも2種類の近縁物質の混合物ら成り立っていること
を知り、その各々を単離、精製して純化品を回収しその
構造を解析の結果、下記の化学式を有する新規物質であ
ることを明らかにし、AK−40−IおよびAK−40−II
と命名した。そして、その生理活性について検討してそ
の1つとして殺虫活性を確認し、更に研究の結果、本発
明の完成に到達したのである。
くとも2種類の近縁物質の混合物ら成り立っていること
を知り、その各々を単離、精製して純化品を回収しその
構造を解析の結果、下記の化学式を有する新規物質であ
ることを明らかにし、AK−40−IおよびAK−40−II
と命名した。そして、その生理活性について検討してそ
の1つとして殺虫活性を確認し、更に研究の結果、本発
明の完成に到達したのである。
本発明に係る新規物質AK−40−I及びAK−40−II
は、それぞれ次の構造式を有するものである。
は、それぞれ次の構造式を有するものである。
本発明の詳細に関し、以下更に説明する。
AK−13株は発明者らが大阪府堺市から採取した土壌か
ら分離した糸状菌であり、その菌学的同定を行った結果
は以下の通りである。
ら分離した糸状菌であり、その菌学的同定を行った結果
は以下の通りである。
(1)各種培地における生育状況 各種培地での観察結果は以下の通りであるが、色の表示
はKornerup,A.and Wanscher,J.H1978.Metheun handbook
color.3rd ed.Eyre Methuen,Londonの表示法に従っ
た。
はKornerup,A.and Wanscher,J.H1978.Metheun handbook
color.3rd ed.Eyre Methuen,Londonの表示法に従っ
た。
a)ツアペック寒天培地(Cz) 25℃の培養温度での生育は普通で、7日間で直径37ない
し39mm、菌叢はやや厚く、多少綿糸状となる。白色〜灰
緑色greyish green(Methuen28C3)で、部分的に橙白色Or
ange white(M.6A2)。周辺部は全緑。浸出液は僅かに出
し無色。拡散性色素は出さない。裏面は淡黄色pale yel
low(M.4A3)〜褐赤色brownish red(M.11C7)。37℃では生
育するが遅い。
し39mm、菌叢はやや厚く、多少綿糸状となる。白色〜灰
緑色greyish green(Methuen28C3)で、部分的に橙白色Or
ange white(M.6A2)。周辺部は全緑。浸出液は僅かに出
し無色。拡散性色素は出さない。裏面は淡黄色pale yel
low(M.4A3)〜褐赤色brownish red(M.11C7)。37℃では生
育するが遅い。
b)酵母エキス添加ツアペック寒天培地(CYA)25℃
の培養温度での生育は速く、7日間で直径48ないし51m
m。菌叢はややビロード状で放射状に数条のシワをも
ち、鈍緑色dull green(M.27D3)、部分的に橙灰色Orange
grey(M.5B2)となる。周辺部は全緑。浸出液は淡黄色pa
le yellow(M.1A3)〜灰橙色greyish Orange(M.5B4)。拡
散性色素は出さない。裏面は明褐色light brown(M.5D5)
で部分的に鈍赤色dull red(M.9B4)。37℃では生育する
が遅い。
の培養温度での生育は速く、7日間で直径48ないし51m
m。菌叢はややビロード状で放射状に数条のシワをも
ち、鈍緑色dull green(M.27D3)、部分的に橙灰色Orange
grey(M.5B2)となる。周辺部は全緑。浸出液は淡黄色pa
le yellow(M.1A3)〜灰橙色greyish Orange(M.5B4)。拡
散性色素は出さない。裏面は明褐色light brown(M.5D5)
で部分的に鈍赤色dull red(M.9B4)。37℃では生育する
が遅い。
c)麦芽汁寒天培地(MA) 25℃の培養温度での生育は普通、7日間で直径31ないし
39mm、菌叢は平坦でビロード状、鈍緑色dull green(M.2
8E4)。周辺部は全緑。浸出液および拡散性色素は出さな
い。裏面は灰黄色greyish yellow(M.4C3)。37℃では生
育するが遅い。
39mm、菌叢は平坦でビロード状、鈍緑色dull green(M.2
8E4)。周辺部は全緑。浸出液および拡散性色素は出さな
い。裏面は灰黄色greyish yellow(M.4C3)。37℃では生
育するが遅い。
(2)生理的諸条件 a)生育pH範囲 pH1ないし10.5 b)生育最適pH pH3ないし4.5 c)生育温度範囲 14ないし37℃ d)生育最適温度 26ないし32℃ (3)顕微鏡下における形態的特色 有性世代は認められず、分生子により増殖。
分生子柄は基中菌糸から直接生じるか、気菌糸から分岐
し、長く、150-600×2.5−3.5μm、壁は粗面。分生子
形成様式はフィアロフォラ型で、分生子は連鎖する。ペ
ニシリは複輪生ないし単輪生で散開型。メトレは広角度
に散開し、10−20×2.5−3.5μm、2−4本輪生、粗
面。フィアリドはトックリ型、7−10×2.5−3.0μm、
5−8本輪生。分生子は亜球形ないし楕円形、2.8−3.5
×2.3−2.8μm、わずかに粗面。
し、長く、150-600×2.5−3.5μm、壁は粗面。分生子
形成様式はフィアロフォラ型で、分生子は連鎖する。ペ
ニシリは複輪生ないし単輪生で散開型。メトレは広角度
に散開し、10−20×2.5−3.5μm、2−4本輪生、粗
面。フィアリドはトックリ型、7−10×2.5−3.0μm、
5−8本輪生。分生子は亜球形ないし楕円形、2.8−3.5
×2.3−2.8μm、わずかに粗面。
でありこれらの結果から子嚢殻は形成されず、外生的な
分生子を形成し増殖することから、AK13株は不完全菌
に属し、さらに分生子形成様式はフィアロフォラ型で、
フィアリドの先端から分生子を連鎖状に形成することか
らPenicillium属に属すると判定できる。又、ペニシリ
の形成状態、分生子の特徴、CYAにおける集落の裏面
色の特色等からPenicillium simplicissimumと同定され
た。尚、AK13株はPenicillium simplicissimum AK
13として微工研に微工研菌寄第9738号として寄託されて
いる。
分生子を形成し増殖することから、AK13株は不完全菌
に属し、さらに分生子形成様式はフィアロフォラ型で、
フィアリドの先端から分生子を連鎖状に形成することか
らPenicillium属に属すると判定できる。又、ペニシリ
の形成状態、分生子の特徴、CYAにおける集落の裏面
色の特色等からPenicillium simplicissimumと同定され
た。尚、AK13株はPenicillium simplicissimum AK
13として微工研に微工研菌寄第9738号として寄託されて
いる。
尚、本発明の生産菌としては上述のAK13株に限定され
ることなくAK−40を生産するペニシリウム属に属する
全ての生産菌を包含するものである。
ることなくAK−40を生産するペニシリウム属に属する
全ての生産菌を包含するものである。
AK−40の生産はAK13株等のAK−40生産菌を培地に
培養し、その培養物から分離採取することにより行われ
る。培養は固体培養、液体培養の何れでも可能であり、
そのための培地組成も一般的な微生物培地成分を用いる
ことが出来る。例えば、固体培養培地としてはフスマ、
大豆粉、オカラ、コメヌカ等が、液体培養炭素源とし
て、グルコース、グリセリン、マルトース、ラクトー
ス、水飴、デキストリン、澱粉、糖蜜、動・植物油等を
使用できる。また窒素源として、ビースト、大豆粉、小
麦胚芽、コーンスティープリカー、落花生粉、綿実粉、
ペプトン、肉エキス、酵母エキス、硫酸アンモニウム、
硝酸ソーダ、尿素等を使用できる。その他、必要に応
じ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウ
ム、コバルト、塩素、燐酸、硫酸、およびその他のイオ
ンを生成することができる無機塩類を添加することは有
効である。また菌の発育を助け、AK−40の生産を促進
するような有機および無機物を適当に添加することがで
きる。培養法としては、好気的条件下での固体ならびに
液体培養法を用い、培養に適当な温度は、14〜37℃であ
るが、多くの場合、26〜32℃付近で培養する。AK−40
の生産は、培地や培養条件により異なるが、3〜10日の
間でその培養が最高に達する。
培養し、その培養物から分離採取することにより行われ
る。培養は固体培養、液体培養の何れでも可能であり、
そのための培地組成も一般的な微生物培地成分を用いる
ことが出来る。例えば、固体培養培地としてはフスマ、
大豆粉、オカラ、コメヌカ等が、液体培養炭素源とし
て、グルコース、グリセリン、マルトース、ラクトー
ス、水飴、デキストリン、澱粉、糖蜜、動・植物油等を
使用できる。また窒素源として、ビースト、大豆粉、小
麦胚芽、コーンスティープリカー、落花生粉、綿実粉、
ペプトン、肉エキス、酵母エキス、硫酸アンモニウム、
硝酸ソーダ、尿素等を使用できる。その他、必要に応
じ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウ
ム、コバルト、塩素、燐酸、硫酸、およびその他のイオ
ンを生成することができる無機塩類を添加することは有
効である。また菌の発育を助け、AK−40の生産を促進
するような有機および無機物を適当に添加することがで
きる。培養法としては、好気的条件下での固体ならびに
液体培養法を用い、培養に適当な温度は、14〜37℃であ
るが、多くの場合、26〜32℃付近で培養する。AK−40
の生産は、培地や培養条件により異なるが、3〜10日の
間でその培養が最高に達する。
培養物からのAK−40の採取は、培養菌体ならびに培養
物をアルコール、アセトン、酢酸エチル等の有機溶媒に
より抽出または転溶し、有機溶媒区を一般に知られる精
製手段により精製、純化品とすることが出来る。更に具
体的に精製手段を述べれば、濃縮、乾燥、抽出、転溶等
の基本的操作の他に、シリカゲル、アルミナ等を担体に
用いたカラムクロマトグラフィー法や、活性炭等の吸着
担体を用いた吸着・溶出法、ゲル濾過等の分子量分画
法、晶析法、各種カラムを用いた高速液体クロマト法等
が有効である。通常は培養物をアセトン等で抽出し、抽
出物をシリカゲルならびにアルミナを用いた2種のカラ
ムクロマトにより活性画分を分別採取し、トルエン等の
有機溶媒中で結晶化させることにより、容易に純化品と
して回収することが出来る。
物をアルコール、アセトン、酢酸エチル等の有機溶媒に
より抽出または転溶し、有機溶媒区を一般に知られる精
製手段により精製、純化品とすることが出来る。更に具
体的に精製手段を述べれば、濃縮、乾燥、抽出、転溶等
の基本的操作の他に、シリカゲル、アルミナ等を担体に
用いたカラムクロマトグラフィー法や、活性炭等の吸着
担体を用いた吸着・溶出法、ゲル濾過等の分子量分画
法、晶析法、各種カラムを用いた高速液体クロマト法等
が有効である。通常は培養物をアセトン等で抽出し、抽
出物をシリカゲルならびにアルミナを用いた2種のカラ
ムクロマトにより活性画分を分別採取し、トルエン等の
有機溶媒中で結晶化させることにより、容易に純化品と
して回収することが出来る。
かくして精製された少なくとも2つの純化品AK−40−
I及びAK−40−IIはその構造を解析すべく核磁気共鳴
装置(NMR),質量分析装置(MAS)ならびに単結晶X線解析
装置により検討が加えられた。MAS(EI)スペクトルよ
りAK−40−Iの分子量は520、AK−40−IIは566と決
定された。
I及びAK−40−IIはその構造を解析すべく核磁気共鳴
装置(NMR),質量分析装置(MAS)ならびに単結晶X線解析
装置により検討が加えられた。MAS(EI)スペクトルよ
りAK−40−Iの分子量は520、AK−40−IIは566と決
定された。
構造解析には純化品そのもの以外に同品のアセチル化物
ならびに水素添加物も加えてNMRによる部分構造検討
を行った。これらの検討結果に併せ、単結晶X線解析デ
ータにより全構造が確定された。その結果AK−40−I
ならびにAK−40−IIは互いに極めて類似したインドー
ルアルカロイドタイプの化学構造であることが判明し
た。次に決定されたAK−40−IならびにAK−40−II
の化学構造式と各炭素ならびに水素元素のNMRシフト
相関を示す。
ならびに水素添加物も加えてNMRによる部分構造検討
を行った。これらの検討結果に併せ、単結晶X線解析デ
ータにより全構造が確定された。その結果AK−40−I
ならびにAK−40−IIは互いに極めて類似したインドー
ルアルカロイドタイプの化学構造であることが判明し
た。次に決定されたAK−40−IならびにAK−40−II
の化学構造式と各炭素ならびに水素元素のNMRシフト
相関を示す。
AK−40−I AK−40−II AK−40−Iは下記の理化学的性質を有している。
外観 黄色針状結晶 分子量(EIマススペクトルによる) 520.2457 分子式 C32H32N4O3 融点210〜212℃ 比旋光度 〔α〕+101(c=0.09,メタノール) 紫外線吸収スペクトル(メタノール中) 229nm(ε29,900),255nm(ε21,100),284nm(ε17,40
0),374nm(ε19,400) 赤外線吸収スペクトル(臭化カリ錠剤中の主な極大
値)(第1図) 3460,3300,1680,1610,1480,1375,742cm-1 さらにAK−40−IIは下記の理化学的性質を有してい
る。
0),374nm(ε19,400) 赤外線吸収スペクトル(臭化カリ錠剤中の主な極大
値)(第1図) 3460,3300,1680,1610,1480,1375,742cm-1 さらにAK−40−IIは下記の理化学的性質を有してい
る。
外観 白黄色針状結晶 分子量(EIマススペクトルによる) 566.2483 分子式 C33H34N4O5 融点295〜298℃ 比旋光度 〔α〕+114(c=0.09,メタノール) 紫外線吸収スペクトル(メタノール中) 233nm(ε27,000),288nm(ε12,900),375nm(ε17,900) 赤外線吸収スペクトル(臭化カリ錠剤中の主な極大
値)(第3図) 3400,3320,1670,1610,1465,1360,750cm-1 ペニシリウム属菌の培養物から得たAK−40はそれ自体
すぐれた生理活性を示すので有効成分を単離することな
くそのまま各種の用途に利用することができる。AK−
40は各種化合物の混合体であって、本発明においてはそ
の中から特にAK−40−I及びIIを単離したのである
が、他にも同定していない化合物を多数含んでいる。し
かしながら、単離したAK−40−I及びIIのみならず混
合物であるAK−40はそれ自体でもすぐれた生理活性を
有しており、本発明に包含されるものである。
値)(第3図) 3400,3320,1670,1610,1465,1360,750cm-1 ペニシリウム属菌の培養物から得たAK−40はそれ自体
すぐれた生理活性を示すので有効成分を単離することな
くそのまま各種の用途に利用することができる。AK−
40は各種化合物の混合体であって、本発明においてはそ
の中から特にAK−40−I及びIIを単離したのである
が、他にも同定していない化合物を多数含んでいる。し
かしながら、単離したAK−40−I及びIIのみならず混
合物であるAK−40はそれ自体でもすぐれた生理活性を
有しており、本発明に包含されるものである。
本発明に係る物質はすぐれた生理活性を有し、殺虫効果
も高いので、農園芸用、衛生用、医療用の殺虫剤として
きわめて有利に使用できるほか、他の農薬ないし医薬と
しても有用である。また、本発明に係る物質を修飾すれ
ば更にすぐれた生理活性が奏されることが充分に期待さ
れるので、農薬ないし医薬の中間体としても有効であ
る。
も高いので、農園芸用、衛生用、医療用の殺虫剤として
きわめて有利に使用できるほか、他の農薬ないし医薬と
しても有用である。また、本発明に係る物質を修飾すれ
ば更にすぐれた生理活性が奏されることが充分に期待さ
れるので、農薬ないし医薬の中間体としても有効であ
る。
以下、本発明の実施例及び試験例について述べる。
実施例1 市販のオカラ30gを500mコルベンにいれオートクレ
イブ滅菌後、スラントよりAK13株を接種し25℃にて7
日間培養し種菌とした。蓋付きアルミ製バット(25cm×
35cm)にオカラ500gを入れ滅菌後、種菌1本を1バッ
トに移し混合し、27℃にて7日間生産培養を行った。出
麹17kgをアセトン50を加えて抽出し、固形物を分離し
た抽出液を減圧濃縮にて3まで濃縮した。濃縮液を倍
量の酢酸エチルで転溶し酢酸エチル区を減圧乾燥して50
gの固形物を回収した。シリカゲル1kgを充填した大型
カラム固形物溶解液を吸着させたヘキサン−アセトン混
合溶媒にて溶出した。アセトン40−60%溶出液をあつめ
濃縮乾燥した18.6gをアルミナカラムクロマトグラフィ
ーにかけヘキサン−酢酸エチル混合溶媒で展開してAK
−40−I活性画分とAK−40−II活性画分を採取した。
Iの粉末1.4gからトルエン中での2回晶析によりAK
−40−Iの純化品260mgを回収した。IIの粉末3.5gはト
ルエン中で晶析、更にメタノール中で再晶析を行い、A
K−40−IIの純化品190mgを回収した。
イブ滅菌後、スラントよりAK13株を接種し25℃にて7
日間培養し種菌とした。蓋付きアルミ製バット(25cm×
35cm)にオカラ500gを入れ滅菌後、種菌1本を1バッ
トに移し混合し、27℃にて7日間生産培養を行った。出
麹17kgをアセトン50を加えて抽出し、固形物を分離し
た抽出液を減圧濃縮にて3まで濃縮した。濃縮液を倍
量の酢酸エチルで転溶し酢酸エチル区を減圧乾燥して50
gの固形物を回収した。シリカゲル1kgを充填した大型
カラム固形物溶解液を吸着させたヘキサン−アセトン混
合溶媒にて溶出した。アセトン40−60%溶出液をあつめ
濃縮乾燥した18.6gをアルミナカラムクロマトグラフィ
ーにかけヘキサン−酢酸エチル混合溶媒で展開してAK
−40−I活性画分とAK−40−II活性画分を採取した。
Iの粉末1.4gからトルエン中での2回晶析によりAK
−40−Iの純化品260mgを回収した。IIの粉末3.5gはト
ルエン中で晶析、更にメタノール中で再晶析を行い、A
K−40−IIの純化品190mgを回収した。
実施例2 グルコース3%、脱脂大豆粉末1%、酵母エキス0.5
%、燐酸1カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.02%を
組成にもつ液体培養液20を入れたジャーファーメンタ
ーに、予め同培地で培養した種液500mを植菌して、2
9℃にて5日間培養した培養物を酢酸エチル20を加え
て転溶し、回収した活性画分を実施例1と同様の2度の
カラム操作により精製活性画分2成分を採取した。OD
S−シリカにて吸着物を前処理で除いた後、分取用HP
LCによりAK−40−I精製品56mg、AK−40−II精製
品70mgをそれぞれ採取した。
%、燐酸1カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.02%を
組成にもつ液体培養液20を入れたジャーファーメンタ
ーに、予め同培地で培養した種液500mを植菌して、2
9℃にて5日間培養した培養物を酢酸エチル20を加え
て転溶し、回収した活性画分を実施例1と同様の2度の
カラム操作により精製活性画分2成分を採取した。OD
S−シリカにて吸着物を前処理で除いた後、分取用HP
LCによりAK−40−I精製品56mg、AK−40−II精製
品70mgをそれぞれ採取した。
実施例3 AK−40−I及びIIの等量混合物50%、キシレン及びト
ルエンの等量混合物30%、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル及びアルキルナフタレンスルホネート
の等量混合物20%を充分に混合して、濃厚殺虫乳剤を製
造した。
ルエンの等量混合物30%、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル及びアルキルナフタレンスルホネート
の等量混合物20%を充分に混合して、濃厚殺虫乳剤を製
造した。
本剤を圃場において施用する際は、水を用いて10〜500
倍に希釈した希釈液を用い、例えば葉面散布を行う。本
化合物は毒性が低く(ラット経口投与LD50:200〜800
mg/kg)且つ植物に対する薬害もないので、安全な殺虫
剤として農園芸害虫及び衛生害虫に対して広く施用する
ことができる。
倍に希釈した希釈液を用い、例えば葉面散布を行う。本
化合物は毒性が低く(ラット経口投与LD50:200〜800
mg/kg)且つ植物に対する薬害もないので、安全な殺虫
剤として農園芸害虫及び衛生害虫に対して広く施用する
ことができる。
(試験例) 実施例1により得られた純化品をそれぞれ1000ppm濃度
になるようアセトンに溶解し、水で希釈して所定濃度の
薬液を調製した。カイコならびにイチモジヨトウの人工
飼料中に薬液を吸着させシャーレに移し、各々10頭づつ
3令幼虫を入れて3日間飼育後の殺虫効果を判定した。
になるようアセトンに溶解し、水で希釈して所定濃度の
薬液を調製した。カイコならびにイチモジヨトウの人工
飼料中に薬液を吸着させシャーレに移し、各々10頭づつ
3令幼虫を入れて3日間飼育後の殺虫効果を判定した。
試験結果を次表に示した。
AK−40−IならびにAK−40−IIの生物活性について
はカイコ、イチモジヨトウを用いた上記殺虫試験の結
果、これらの供試虫に殺虫活性を持つことが確認され、
農業用、医薬用、衛生害虫用殺虫剤などに利用される。
はカイコ、イチモジヨトウを用いた上記殺虫試験の結
果、これらの供試虫に殺虫活性を持つことが確認され、
農業用、医薬用、衛生害虫用殺虫剤などに利用される。
本発明によれば、生理活性を有する新規物質AK−40−
I及びAK−40−IIを提供でき、これらの物質は特に殺
虫剤として有用である。
I及びAK−40−IIを提供でき、これらの物質は特に殺
虫剤として有用である。
また、殺虫活性その他の生理活性は、ペニシリウム属に
属するK−40生産菌の培養物からAK−40−I、IIを単
離することなく培養物自体にも認められるので、培養物
をそのまま又は多少の分離精製工程を経た後、生理活性
物質として利用することができ、経済的にも非常にすぐ
れている。そのうえ、本発明に係る新規物質は、殺虫剤
のほか、他の農薬、医薬の用途も期待できるし、これら
の中間体としても利用できる。
属するK−40生産菌の培養物からAK−40−I、IIを単
離することなく培養物自体にも認められるので、培養物
をそのまま又は多少の分離精製工程を経た後、生理活性
物質として利用することができ、経済的にも非常にすぐ
れている。そのうえ、本発明に係る新規物質は、殺虫剤
のほか、他の農薬、医薬の用途も期待できるし、これら
の中間体としても利用できる。
第1図及び第3図は、AK−40−I及びAK−40−IIの
赤外線吸収スペクトルである。そして、第2図及び第4
図は、AK−40−I及びAK−40−IIの核磁気共鳴スペ
クトルである。
赤外線吸収スペクトルである。そして、第2図及び第4
図は、AK−40−I及びAK−40−IIの核磁気共鳴スペ
クトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:80) (C12N 1/14 C12R 1:80)
Claims (5)
- 【請求項1】下記の化学式I又はIIで示される化合物A
K−40−I又はAK−40−II。 - 【請求項2】ペニシリウム属に属するAK−40生産菌を
培養し、培養物からAK−40−I又はAK−40−IIを採
取することを特徴とする請求項1記載のAK−40−I又
はAK−40−IIの製造法。 - 【請求項3】ペニシリウム属に属するAK−40生産菌の
培養物を有効成分とする殺虫剤。 - 【請求項4】ペニシリウム属に属するAK−40生産菌の
培養物から抽出されたものを有効成分とする殺虫剤。 - 【請求項5】AK−40−I及び/又はAK−40−IIを有
効成分とする殺虫剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63034050A JPH0633267B2 (ja) | 1988-02-18 | 1988-02-18 | 生理活性物質及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63034050A JPH0633267B2 (ja) | 1988-02-18 | 1988-02-18 | 生理活性物質及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01211590A JPH01211590A (ja) | 1989-08-24 |
JPH0633267B2 true JPH0633267B2 (ja) | 1994-05-02 |
Family
ID=12403472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63034050A Expired - Lifetime JPH0633267B2 (ja) | 1988-02-18 | 1988-02-18 | 生理活性物質及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0633267B2 (ja) |
-
1988
- 1988-02-18 JP JP63034050A patent/JPH0633267B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01211590A (ja) | 1989-08-24 |
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