JPH063323U - 生理用ナプキン等の衛生材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生理用ナプキン等の衛生材料を提供する。 【構成】 この衛生材料は、防漏層４と表面材との間に
吸収体３が挟着されてなるものである。表面材は、不織
布１と有孔フィルム２との二層積層物で構成されてい
る。この衛生材料を使用する際には、不織布１が肌に当
接するようにして使用する。従って、有孔フィルム２
は、吸収体の存在する側に配置されている。 【効果】 この衛生材料を使用すると、不織布１が肌に
当接しているので、肌当たりが良い。また、不織布１は
汗を吸収しやすいので、ムレにくい。有孔フィルム２が
吸収体３の存在する側に配置されているので、ウェット
バック性に優れており、且つ体液の隠蔽性に優れてい
る。不織布１と有孔フィルム２とが接触して積層してい
るので、体液は不織布１の構成繊維間隙に拡散した後、
有孔フィルム２の孔を通過して吸収体に至るので、スト
ライクスルー性にも優れている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、生理用ナプキン、使い捨ておむつ、傷当て材等の衛生材料に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、生理用ナプキン等の衛生材料としては、防漏層と表面材との間に吸 収体が挟着されてなるものが使用されている。そして、表面材が肌に当接するよ うにして用いられ、体液は表面材を浸透して吸収体に吸収されるのである。また 、表面材が配置された反対側には防漏層（バックシート）が配置されて、体液が 外部へ漏れ出さないようにされている。

【０００３】 ところで、表面材としては、多数の繊維がシート状に集積されてなる不織布が 使用されている。この不織布は、肌当たりが良く、また界面活性剤を少量付着さ せると、ストライクスルー性（体液の浸透性のこと）も良好になる。従って、表 面材として優れたものである。しかし、構成繊維間隙が極めて小さいため、毛細 管現象によって、一旦吸収体に吸収された体液が、表面材を通して肌側に浸透し やすい、即ちウェットバック性が悪いということがあった。また、構成繊維間隙 に体液を保持しやすく、外部から体液が観察でき、吸収された体液の隠蔽性に欠 けるという欠点があった。

【０００４】 このような欠点を回避するために、最近、有孔フィルムよりなる表面材が使用 されている。有孔フィルムは、ウェットバック性が良好で、且つ吸収された体液 の隠蔽性に優れたものである。また、有孔パターンによって、消費者の趣味的感 情を喚起しやすく、ファッション性にも富むものである。その反面、有孔パター ンによるザラザラとした感触があり、肌当たりが悪いという欠点があった。また 、有孔フィルムは、不織布に比べて汗を吸収しにくいため、ムレやすいという欠 点があった。更に、有孔フィルムは、ウェットバック性が良好であることに比例 して、ストライクスルー性に欠けるという欠点があった。ストライクスルー性を 向上させるために、有孔フィルムの裏側（吸収体の存在する側）に綿付けするこ とが、一般的に行なわれている。綿付けは、有孔フィルムの裏側にパルプ繊維又 は薄葉紙を付着させ、その吸液力によってストライクスルー性を向上させようと いうものである。しかしながら、綿付けは煩雑な作業であり、有孔フィルムから なる表面材の生産性が低下するという欠点を惹起するのである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案は、不織布と有孔フィルムとの二層積層物を表面材として使用 することにより、不織布又は有孔フィルムからなる表面材の欠点をことごとく解 決し、更に有孔フィルムを使用したときに必要とされる綿付けを不要にしようと するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

即ち、本考案は、防漏層と表面材との間に吸収体が挟着されてなる生理用ナプ キン等の衛生材料において、表面材として不織布と有孔フィルムとの二層構造物 を使用し、該不織布が肌に当接する側に配置され、該有孔フィルムが吸収体の存 在する側に配置されていることを特徴とする生理用ナプキン等の衛生材料に関す るものである。

【０００７】 以下、図１に基づいて本考案を説明する。 本考案に係る衛生材料の表面材には、不織布１と有孔フィルム２との二層積層 物が用いられる。不織布１としては、従来公知の不織布を使用することができる 。例えば、構成繊維間が結合剤で結合された、いわゆるバインダーボンド不織布 、又は構成繊維間が繊維の融着によって結合された、いわゆるフィイバーボンド 不織布、構成繊維相互間を水流で絡合させた、いわゆる水流絡合不織布等を使用 することができる。不織布１を構成する繊維としては、レーヨン繊維、ポリオレ フィン系繊維、ポリエステル系繊維等を使用することができる。また、構成繊維 の形態としては、短繊維であってもよいし、連続繊維であってもよい。この不織 布１には、何らの処理も施さずに使用してもよいし、ストライクスルー性を向上 させるために、界面活性剤を付着させて使用してもよい。なお、不織布の目付は 、10〜30ｇ／ｍ²程度であればよい。

【０００８】 有孔フィルム２も、従来公知の有孔フィルムを使用すればよい。例えば、ポリ エチレン製有孔フィルムやエチレン−酢酸ビニル共重合体製有孔フィルム等を使 用すればよい。この有孔フィルム２中には、一般的に、炭酸カルシウムや二酸化 チタン等の無機顔料が混入されている。これは、フィルム自体の透明性を低下さ せて、有孔フィルム２に隠蔽性を与えるためである。また、一個々々の孔の大き さは、1mm未満程度であればよい。この孔は、ポリエチレン製無孔フィルム等に エンボス加工等を施して、エンボス部に孔を開ければよい。なお、有孔フィルム ２の厚さは、0.5mm未満程度であればよい。

【０００９】 不織布１と有孔フィルム２の二層積層物よりなる表面材は、不織布１が肌に当 接する側に配置されている。従って、有孔フィルム２は、吸収体３の存在する側 に配置されていることになる。有孔フィルム２には、一般的に、綿付けはされて おらず、吸収体３に直接接触している。

【００１０】 不織布１と有孔フィルム２の二層積層物よりなる表面材と防漏層４との間には 、吸収体３が挟着されている。吸収体３としては、パルプ繊維の集合体、パルプ 繊維とレーヨン繊維等との集合体、パルプ繊維と高吸水性高分子粉末とよりなる シート状物等が単独で又は積層されて、用いられる。また、防漏層４としては、 合成樹脂製フィルム、極細繊維で構成された不織布等が単独で又は積層して、用 いられる。

【００１１】

【作用及び考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る衛生材料の表面材は、肌に当接する側が不 織布で構成されているので、肌当たりが良好である。また、不織布は汗を吸収し やすいので、衛生材料を着用した際のムレを防止しうるという効果を奏する。一 方、表面材の吸収体が存在する側には、有孔フィルムが配置されているので、一 旦吸収体に吸収された体液が表面材の表面に浸透しにくい、即ちウェットバック 性が良好であるという効果を奏する。また、有孔フィルムには、一般的に無機顔 料が混入されているので、一旦吸収体に吸収された体液が、外部から観察しにく い、即ち吸収された体液の隠蔽性に優れているという効果を奏する。更に、有孔 フィルムの有孔パターンは、不織布を通して外部から観察しうるので、消費者の 趣味的感情を喚起しやすく、ファッション性に富むという効果を奏する。

【００１２】 本考案に係る衛生材料の表面材は、不織布と有孔フィルムとの二層積層物で構 成され、不織布が肌に当接する側に配置されている。従って、表面材の不織布側 から体液は浸透してくるので、一旦体液は不織布を構成する構成繊維間隙に拡散 される。その後、不織布と有孔フィルムとは接触しているので、体液は構成繊維 間隙から有孔フィルムの孔に浸透し、ストライクスルー性は極めて良好である。 例えば、体液が不織布の構成繊維間隙に拡散されずに、直接有孔フィルム上に浸 出すると、体液の表面張力で玉状になりやすく、有孔フィルムの孔を通過しにく く、ストライクスルー性が不良となるのである。従って、本考案に係る衛生材料 の表面材は、有孔フィルムに綿付けを行なわなくとも、ストライクスルー性に優 れたものを得ることができるという効果を奏する。また、綿付けを不要ならしめ るため、有孔フィルムよりなる表面材に比べて、表面材の生産性が向上するとい う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一例に係る衛生材料の横断面を模式的
に示した図である。

【符号の説明】

１ 不織布 ２ 有孔フィルム ３ 吸収体 ４ 防漏層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 防漏層と表面材との間に吸収体が挟着さ
   れてなる生理用ナプキン等の衛生材料において、表面材
   として不織布と有孔フィルムとの二層積層物を使用し、
   該不織布が肌に当接する側に配置され、該有孔フィルム
   が吸収体の存在する側に配置されていることを特徴とす
   る生理用ナプキン等の衛生材料。