JPH06331759A - 電波時計のアンテナ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は電波時計のアンテナ構造で、電波の
受信性能を損なわず外観の美しさ、腕への快適な装着性
を図るものである。 【構成】 アンテナ１は、フェライトコア２に線輪３が
巻かれ、その表面が非導電性材料４で覆われ、このアン
テナ１を時計ケースの時刻表示面６ａ側に軸着し、アン
テナ１が軸５を中心に節度を持って時刻表示面６ａに対
し、開閉自在となっている。 【効果】 電波の受信性能が向上すると共に、電波時計
の腕への装着感も向上する。また、バンド内部アンテナ
の一部が切断する事が防げ、バンドの外観体裁も従来の
腕時計と同様となる。更に、時刻表示面にアンテナが無
い為、デザイン表現の巾が広がり、ファション性を確保
出来る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電波時計のアンテナ構
造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、電波を受信するアンテナを有する
腕時計においては、アモルファス合金コアにエナメル線
を巻き付けたもの、又は導電性の金属エレメントをゴム
やウレタンからなるバンド内部に配設したものがある。
また、実開昭５９ー３７５８４号公報や実開昭５９ー３
７５８６号公報に開示されているアンテナは、コイルを
ガラス内部又はガラス下面に装着したものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来のアモルファ
ス合金コアにエナメル線を巻き付けたものやループ状の
ものをゴムバンド内部に配設したものは、時計ケースの
内部に設けられている受信機の入力部と、バンドの一部
を構成する接続端子により時計ケースに接続されるが、
構造的問題が多い。例えば、バンド内部に配設したアン
テナは時計携帯時に常に曲げ力が繰り返され、アンテナ
の一部が切断する事故は避ける事が出来ない。また、腕
時計は外観体裁が重要視される為、上記従来のアンテナ
構造ではゴムバンドが極端に厚くなり外観上好ましくな
く、バンドの柔軟性が損なわれ腕時計の装着感が悪くな
る。また、上記ふたつの実用新案においてはガラス断面
の不均一さから来るガラス強度不足や、アンテナが腕時
計表示面に対し水平にループを形成する為、受信能力が
低下する等の欠点があった。

【０００４】本発明の目的は、上記欠点を改善すると同
時に受信感度を向上させ、外観の美しさ、腕への快適な
装着性を得る電波時計のアンテナ構造を提供するもので
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の構成は下記の通
りである。電波を受信する為のアンテナを有する電波時
計のアンテナ構造において、アンテナは、Ｕ型又はＣ型
のフェライトコアーに線輪がヘリカル又はソレノイド状
に巻かれ、その表面が非導電性材料であるゴム、プラス
チック、セラミックス等で覆われており、前記アンテナ
を時計ケースの時刻表示面側に軸着し、前記アンテナが
軸を中心に節度を持って前記時刻表示面に対し、開閉自
在である事を特徴とする。また、前記アンテナの表面を
覆った非導電性材料の形状がベゼル形状又は時刻表示面
を覆う表蓋形状としても良い。

【０００６】

【実施例】以下図面により本発明の一実施例を詳述す
る。図１は本発明によるアンテナを使用した電波時計の
電波受信状態を示し、一部破断した要部正面図、図２は
アンテナを電波時計に収納した状態を示す要部断面図、
図３は図１の左側面図、図４はアンテナの構造を示す概
略図である。アンテナ１は金属粉末により、断面が丸又
は角で外形形状がＣ又はＵ型に成形焼成されたフェライ
トコアー２に線輪３をヘリカルないしソレノイド状に巻
き込み、その表面を非導電性材料４であるゴム、プラス
チックやセラミック等で覆う構造で、このアンテナ１を
時刻表示面６ａ側の外周部に装着する。また、アンテナ
１の形状はベゼル状に成形する事により外観体裁も向上
する。ベゼル形状としたアンテナ１は時計ケース６の外
周部に軸着され、前記時刻表示面６ａに対し軸５を中心
に節度を持って開閉する。

【０００７】次に図５は電波の受信性能を更に向上させ
た構造である。時計ケース６の外周に回転リング７を装
着し、この回転リング７にアンテナ１を軸着する事で、
アンテナ１は時刻表示面６ａ上を開閉及び回動可能とな
る。アンテナ１を軸着した回転リング７の時計ケース６
への固定は、時計ケース６の上部外壁に形成した周状溝
に弾性体の止め輪８を装着する事で成されている。ま
た、回転リング７の時計ケース６への他の固定方法とし
て、回転リング７の内壁に凸部を設け、時計ケース６の
外壁に前記凸部に係合する凹部又は凸部を設ける事で行
っても良い。この方法は、一般のダイバー時計で使用さ
れている固定構造である。また、回転リング７の回転に
節度を持たせる為、回転リング７と時計ケース６との間
にＯリング（樹脂又はゴム）を配設しても良い。

【０００８】アンテナ１と受信装置の接続は、アンテナ
１につながるブラシを回転リング７の下面に設け、時計
ケース６の外周上面に受信装置につながるリング状導体
を埋設し、前記ブラシが前記リング状導体に接触するこ
とでなされている。この構造により、アンテナ１で受信
された電波は、ブラシとリング状導体を通って受信装置
１０に導入される。

【０００９】次に、図４によりアンテナ１の機能を説明
すると、基本は１波長の１ループアンテナで極超短波で
は波長が短い為、フェライトコアーは不要となるが、長
波領域では波長が長くなるので、アンテナを受信周波数
に共振させる為、線輪３の１ターン当たりのインダクタ
ンスを上げ、アンテナ１を小型化する目的でフェライト
コアー２に巻き込む。また、アンテナ１の指向性は図４
中の矢印に示す。（ループ平面に対し垂直となる。）ま
た、受信信号は整合回路を経て受信装置１０にはいる。

【００１０】次に図６は他の実施例で、提げ時計等で使
用される表蓋内にアンテナを配設した状態を示す断面図
で、上記実施例と同様にＣ又はＵ型に成形焼成したフェ
ライトコアー２に線輪３をヘリカルないしソレノイド状
に巻き込み、その表面を非導電性材料４であるゴム、プ
ラスチックやセラミック等で覆うと共に、その形状を表
蓋９としたものである。この表蓋９は、時計ケースに一
般的な固定方法により開閉自在に軸着される。また、時
計ケースに回転自在に取り付けられた回転リングに前記
表蓋９を軸着することにより、電波の受信性能を更に向
上させることができる。また、この構造を取ることによ
り、アンテナ１機能を有すると共に、時刻表示面を保護
する機能も有することができる。

【００１１】

【発明の効果】上記のごとく本発明によれば、アンテナ
を時計ケースの時刻表示面に対し開閉及び回転を可能と
した構造であるので、電波の受信性能を一段と向上させ
ることができた。また、アンテナをベゼル形状や表蓋形
状とすることにより、従来問題となっていたアンテナの
一部切断等がなくなり（アンテナをバンド内に配設した
構造の場合）、バンドも一般のものが使用でき、装着
感、外観体裁も従来の腕時計と変わりないものとなっ
た。また、時刻表示面にアンテナが無い為、ガラスの強
度が増し、且つデザイン表現の巾を広げることが可能と
なった。この結果、腕時計の機能を低下させずに一般の
腕時計同様、装着感及びファション性を確保出来るよう
になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例で電波時計の電波受信状態を示
し、一部破断した要部正面図である。

【図２】アンテナを電波時計に収納した状態を示す要部
正面図である。

【図３】図１の左側面図である。

【図４】アンテナの構造を示す概略図である。

【図５】アンテナに回転機能を設けた電波時計を示す要
部断面図である。

【図６】本発明の他の実施例でアンテナを表蓋に配設し
た状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ アンテナ ２ フェライトコアー ３ 線輪 ４ 非導電性材料 ５ 軸 ６ 時計ケース ７ 回転リング ８ 止め輪 ９ 表蓋

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電波を受信する為のアンテナを有する電
   波時計のアンテナ構造において、アンテナは、Ｕ型又は
   Ｃ型のフェライトコアーに線輪がヘリカル又はソレノイ
   ド状に巻かれ、その表面が非導電性材料であるゴム、プ
   ラスチック、セラミックス等で覆われており、前記アン
   テナを時計ケースの時刻表示面側に軸着し、前記アンテ
   ナが軸を中心に節度を持って前記時刻表示面に対し、開
   閉自在である事を特徴とする電波時計のアンテナ構造。
2. 【請求項２】 前記アンテナの表面を覆った非導電性材
   料の形状がベゼル形状又は時刻表示面を覆う表蓋形状で
   ある請求項１記載の電波時計のアンテナ構造。