JPH06329998A - 熱硬化性接着シート及びそれを用いた積層板 - Google Patents

熱硬化性接着シート及びそれを用いた積層板

Info

Publication number
JPH06329998A
JPH06329998A JP11685493A JP11685493A JPH06329998A JP H06329998 A JPH06329998 A JP H06329998A JP 11685493 A JP11685493 A JP 11685493A JP 11685493 A JP11685493 A JP 11685493A JP H06329998 A JPH06329998 A JP H06329998A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive sheet
thermosetting adhesive
bismaleimide
elastomer
imide resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11685493A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Ogasawara
健二 小笠原
Makoto Takagi
真 高城
Keiko Kashiwabara
圭子 柏原
Yoshinobu Marumoto
佳伸 丸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP11685493A priority Critical patent/JPH06329998A/ja
Publication of JPH06329998A publication Critical patent/JPH06329998A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低誘電率であり、耐熱性が優れ、かつ、ガラ
ス転移温度が高い積層板が得られる可撓性を有するフィ
ルム状の熱硬化性接着シート、及びこのシートを用いて
積層一体化された積層板を提供する。 【構成】 ビスマレイミドとジアミンを原料とし、原料
組成比率がジアミン1モルに対しビスマレイミド0.8
5〜1.2モルであるイミド樹脂プレポリマー及びアミ
ンの活性水素と反応する基を2以上有する架橋剤及びゴ
ム成分であるエラストマーを必須成分とするフィルム状
の熱硬化性接着シートであって、イミド樹脂プレポリマ
ー原料のジアミンの活性水素1当量に対し、架橋剤が有
するアミンの活性水素と反応する基の当量が0.10〜
0.70である熱硬化性接着シート並びにこの熱硬化性
接着シートを用いて積層一体化された積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器に用いられる
プリント基板の材料である積層板及びそれに用いる熱硬
化性接着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器、特に通信、コンピュー
タの分野では情報処理の高速化が要求され、この要求に
対応するために、プリント基板の絶縁層を低誘電率化す
ることが求められている。通常、絶縁層にはガラス布、
ガラス不織布、紙等のシート状の基材に熱硬化性樹脂を
含浸、乾燥させて製造されるプリプレグが使用されてい
るが、耐熱性の良好なシート状の基材(例えばガラス布
等)は一般に誘電率が大きいという問題があった。そこ
で、本発明者等はシート状の基材を使用していないシー
ト、すなわちフィルム状の接着シートを用いることによ
り、絶縁層を低誘電率化する方法について検討した。そ
して、特願平3−315124号において特許出願した
ように、ビスマレイミドとジアミンを原料とし、可撓性
に富み、低誘電率であるフィルムが得られるポリイミド
樹脂の製造方法を見出すと共に、このフィルムは銅張積
層板や多層プリント基板の製造時の熱硬化性接着シート
として使用し、絶縁層とすることができることを見出し
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の特願平
3−315124号に示されるポリイミド樹脂の製造方
法で得られる、ビスマレイミドとジアミンを原料とする
イミド樹脂プレポリマーからなるフィルム状の熱硬化性
接着シートは、硬化させたときの架橋密度が十分でない
ためと考えられるが、得られる積層板の耐熱性が悪く、
かつ、ガラス転移温度が低いという問題があった。
【0004】上記の事情に鑑み、本発明は、ビスマレイ
ミドとジアミンを原料とするイミド樹脂プレポリマーを
必須成分とする、可撓性を有するフィルム状の熱硬化性
接着シートであって、このシートを用いて積層一体化す
ることにより、低誘電率であり、耐熱性が優れ、かつ、
ガラス転移温度が高い積層板が得られるシートを提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ビスマレイミ
ドとジアミンを原料とし、原料組成比率がジアミン1モ
ルに対しビスマレイミド0.85〜1.2モルであるイ
ミド樹脂プレポリマー及びアミンの活性水素と反応する
基を2以上有する架橋剤及びゴム成分であるエラストマ
ーを必須成分とするフィルム状の熱硬化性接着シートで
あって、イミド樹脂プレポリマー原料のジアミンの活性
水素1当量に対し、架橋剤が有するアミンの活性水素と
反応する基の当量が0.10〜0.70である熱硬化性
接着シート並びにこの熱硬化性接着シートを用いて積層
一体化された積層板である。
【0006】本発明で使用するビスマレイミドとジアミ
ンを原料とするイミド樹脂プレポリマーについては、可
撓性(製膜性)のある、フィルム状の熱硬化性接着シー
トにできるものであればよい。そして、このイミド樹脂
プレポリマー用原料については、特に限定するものでは
ないが、特願平3−315124号又は特願平4−12
455号に示されるような、ビスマレイミドは芳香環を
骨格に有するビスマレイミドを使用し、ジアミンは芳香
環以外の環状骨格を有するジアミンを使用することが、
可撓性や低誘電率等の基本特性に優れる熱硬化性接着シ
ートを得るためには好ましい。
【0007】本発明でいうフィルム状とはシート状の基
材を使用せずにシート化した状態を指している。通常、
プリプレグを作製する際には、熱硬化性樹脂を含浸させ
る基材として、ガラス布、ガラス不織布、紙等のシート
状の基材を使用するが、本発明の熱硬化性接着シート
は、このようなシート状の基材を使用することなく、ビ
スマレイミドとジアミンを原料とするイミド樹脂プレポ
リマーが有するフィルム形成機能を利用してシート化さ
れる。そして、このイミド樹脂プレポリマーがフィルム
形成機能を有するようにするには、ジアミン1モルに対
しビスマレイミド0.85〜1.2モルの配合比率で反
応させたイミド樹脂プレポリマーであることが重要であ
り、この範囲を越えるとフィルム形成機能が不十分であ
るという問題が生じる。なお、この原料組成比率に限定
する点については特願平3−315124号及び特願平
4−12455号に既に示されている。
【0008】また、本発明では、アミンの活性水素と反
応する基を2以上有する架橋剤を含有させるが、この架
橋剤の具体例としては、特に限定するものではないが、
各種のビスマレイミド又はエポキシ基を複数個有する化
合物が挙げられる。そして、架橋剤がビスマレイミドの
場合には、イミド樹脂プレポリマーの原料のビスマレイ
ミドと同一であっても、異なるものであってもよく、特
に制限はない。架橋剤について、アミンの活性水素と反
応する基を2以上有することと限定した理由は、架橋剤
がイミド樹脂プレポリマー中に存在するアミンの活性水
素と反応して、架橋密度を向上させることにより、得ら
れる硬化物(例えば積層板)の耐熱性が優れ、かつ、ガ
ラス転移温度が高いものとなる効果を得るためである。
【0009】また、本発明では、熱硬化性接着シート中
にゴム成分であるエラストマーを含有させる。この理由
は、熱硬化性接着シート中に架橋剤を含有させたとき、
その含有量の増大に伴って、シートの可撓性が損なわれ
ていく問題が生じるが、エラストマーを架橋剤と同時に
含有させることにより、この問題を防止できるからであ
る。さらに、エラストマーを架橋剤と同時に含有させる
と、エラストマーを含有させない場合に比べ、得られる
硬化物の誘電正接の吸湿処理後の値が小さくて且つ安定
するという特有の効果があることも判明した。
【0010】次に、架橋剤の含有量については、イミド
樹脂プレポリマー原料のジアミンの活性水素1当量に対
し、架橋剤が有するアミンの活性水素と反応する基の当
量が0.10〜0.70であることが重要である。この
理由は、0.10未満であると得られる硬化物の耐熱性
及びガラス転移温度の改善効果が顕著でなくなり、0.
70を越えると、耐熱性及びガラス転移温度については
一定レベルとなり向上が期待できなくなり、また、エラ
ストマーを架橋剤と同時に含有させても、熱硬化性接着
シートの可撓性が損なわれてしまい、ハンドリング可能
なシートが実質的に得られないという問題が生じるから
である。
【0011】なお、イミド樹脂プレポリマー原料のビス
マレイミドの量については請求項1において、ジアミン
1モルに対し0.85〜1.2モルと限定しているが、
この量はジアミンの活性水素1当量と反応する基の量に
換算すると0.425〜0.60当量に当たる。
【0012】次に、エラストマーの含有量については、
イミド樹脂プレポリマー100重量部に対しエラストマ
ーを1〜17重量部含むことが望ましく、1重量部未満
であると、架橋剤の含有量が少ない熱硬化性接着シート
でも十分な可撓性を付与することができず、また17重
量部を越えて含有させると、熱硬化性接着シートを用い
て得られる硬化物の耐熱性及びガラス転移温度が低下す
るという問題が生じる。
【0013】本発明における、架橋剤とするビスマレイ
ミドについては、特に限定するものではないが、芳香環
を骨格に有するものが、得られる硬化物の耐熱性の点か
ら好ましく、具体的に例示するとマレイン酸N,N'−メタ
フェニレン−ビスイミド、マレイン酸N,N'−パラフェニ
レン−ビスイミド、マレイン酸N,N'−4,4'−ジフェニル
メタン−ビスイミド〔N,N'−メチレンビス(N-フェニル
マレイミド)とも言う〕、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエ
チル−5,5'−ジメチルジフェニルメタンのビスマレイミ
ド、4,4'−メチレン−ジ−2,6 −ジイソプロピルアニリ
ンのビスマレイミド、4,4'−メチレン−ジ−2,6 −ジエ
チルアニリンのビスマレイミド、マレイン酸N,N'−4,4'
−ジフェニルエーテル−ビスイミド、マレイン酸N,N'−
4,4'−ジフェニルスルフォン−ビスイミド、マレイン酸
N,N'−メタキシリレン−ビスイミド等が挙げられる。
【0014】本発明における、架橋剤としてのエポキシ
基を有する化合物については、特に限定するものではな
いが、具体例を例示するとビフェニル型エポキシ樹脂、
ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0015】次に、本発明ではイミド樹脂プレポリマ
ー、架橋剤及びエラストマーを、溶媒を用いて溶液化
し、この溶液から熱硬化性接着シートを製造することが
安定した品質のものを得るためには望ましい。従って、
本発明のエラストマーはイミド樹脂プレポリマーを溶解
する溶媒に可溶であることが望ましい。また、本発明の
エラストマーとしては、熱硬化性接着シートへの可撓性
の付与の点から、特に限定するものではないが、ブタジ
エン骨格を有するゴム成分であることが好ましい。本発
明におけるエラストマーを具体的に例示すると、スチレ
ンブタジエンゴム、アクリロニトリルゴム、末端アミノ
基変成アクリロニトリルゴム、末端カルボキシル基変成
アクリロニトリルゴム、シリコンゴム等が挙げられる。
【0016】また、本発明の熱硬化性接着シートを用い
て得られる硬化物の誘電率をより低減させるために、熱
硬化性接着シート中に10〜60体積%の中空球体をも
含むように構成させることが好ましい。この中空球体と
しては、特に限定するものではないが、平均粒径20μ
m以下、比重0.3〜1.4であってSiO2 含有率9
5%以上の性質を有するものが、接着シートの誘電率を
低減させるためには、より好ましい。また、中空球体の
表面処理についても、特に限定はなく、中空球体を直接
カップリング剤等を用いて表面処理を行ってもよく、ま
た、熱硬化性接着シートを得るための樹脂成分中にカッ
プリング剤及び中空球体を添加して表面処理を行うよう
にしても差し支えない。中空球体の含有量は、接着シー
ト全体に対して10体積%未満の場合には、低誘電率化
の効果が顕著でなくなり、60体積%を越える場合に
は、接着シートの接着力が低下し、接着不良という問題
が生じるおそれがあり、10〜60体積%であることが
好ましい。
【0017】本発明では上記の熱硬化性接着シートを用
いて積層一体化して銅張積層板等の積層板を得るが、積
層一体化の条件については、特に限定するものではない
が、一般的には温度130〜250℃、圧力1〜40kg
/cm2の条件で適切な時間、加熱加圧するのが好ましく、
さらに、加熱加圧を終わった後、圧力開放化で再加熱
(後硬化)するようにしても構わない。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
説明する。
【0019】(イミド樹脂プレポリマーAの合成例)下
記の化1で示されるビスマレイミドである4,4'−ジアミ
ノ−3,3'−ジエチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン
のビスマレイミド(三菱油化社製、品番MB7000)
と化2で示される脂肪族ジアミン(日本化薬社製、商品
略称HMDT)を原料として、次に示す方法で、イミド
樹脂プレポリマーAを合成した。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】四つ口フラスコにメチルセロソルブ 488
g、ジメチルホルムアミド(DMF)488gをはかりと
り、このフラスコに攪拌羽根、キューラーをセットし、
上記の化1で示されるビスマレイミド 353gを加え40℃
までオイルバスで加熱し溶解した。完全に溶解したのを
確認してから、化2で示される脂肪族ジアミン 173gを
加えた。さらに60℃まで昇温し、そのまま 4時間反応さ
せた。反応終了後、反応物を室温まで冷却し、大量の水
中に投入して樹脂成分を析出させた。次いで、濾別によ
り樹脂成分を分離し、充分に乾燥させてイミド樹脂プレ
ポリマーAを得、このプレポリマーAを下記の実施例及
び比較例において使用した。なお、このイミド樹脂プレ
ポリマーAにおけるビスマレイミドのジアミンに対する
モル比は1.1である。
【0023】(イミド樹脂プレポリマーBの合成例)下
記の化3で示されるビスマレイミドである4,4'−メチレ
ン−ジ−2,6 −ジイソプロピルアニリンのビスマレイミ
ド(製法については特開平4-243863号公報参照)と化4
で示される脂肪族ジアミン(三井東圧化学社製、商品略
称NBDA)を原料として、次に示す方法で、イミド樹
脂プレポリマーBを合成した。
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】四つ口フラスコにメチルセロソルブ 504
g、ジメチルホルムアミド(DMF)126gをはかりと
り、このフラスコに攪拌羽根、キューラーをセットし、
上記の化3で示されるビスマレイミド 213gを加え40℃
までオイルバスで加熱し溶解した。完全に溶解したのを
確認してから、化4で示される脂肪族ジアミン57gを加
えた。さらに60℃まで昇温し、そのまま 3時間反応させ
た。反応終了後、反応物を室温まで冷却し、大量の水中
に投入して樹脂成分を析出させた。次いで、濾別により
樹脂成分を分離し、充分に乾燥させてイミド樹脂プレポ
リマーBを得、このプレポリマーBを下記の実施例にお
いて使用した。なお、このイミド樹脂プレポリマーBに
おけるビスマレイミドのジアミンに対するモル比は1.
1である。
【0027】(イミド樹脂プレポリマーCの合成例)上
記の化3で示されるビスマレイミド(イミド樹脂プレポ
リマーBの合成に用いたものと同一のもの)と下記の化
5で示される脂肪族ジアミン(新日本理化社製、商品略
称HM)を原料として、次に示す方法でイミド樹脂プレ
ポリマーCを合成した。
【0028】
【化5】
【0029】四つ口フラスコにメチルセロソルブ 280
g、ジメチルホルムアミド(DMF)1120gをはかり取
り、このフラスコに攪拌羽根、キューラーをセットし、
上記の化3で示されるビスマレイミド 440gを加え30℃
までオイルバスで加熱し溶解した。完全に溶解したのを
確認してから、化5で示される脂肪族ジアミン 160gを
加え、さらに30℃で 3時間反応させた。反応終了後、反
応物を室温まで冷却し、大量の水中に投入して樹脂成分
を析出させた。次いで、濾別により樹脂成分を分離し、
充分に乾燥させてイミド樹脂プレポリマーCを得、この
プレポリマーCを下記の実施例において使用した。な
お、このイミド樹脂プレポリマーCにおけるビスマレイ
ミドのジアミンに対するモル比は1.1である。
【0030】(実施例1〜20及び比較例1〜9)図1
に示すように、6枚の熱硬化性接着シート1の上下に、
厚み18μmの銅箔2(古河サーキットフォイル社製、
ST箔)を配置して、積層した試験片を作製して評価し
た。銅箔2については、実施例1〜20及び比較例1〜
9の全てにおいて同じものを使用し、熱硬化性接着シー
ト1についてはそれぞれ異なるものを使用した。
【0031】実施例1〜20及び比較例1〜9において
架橋剤、エラストマー及び溶媒は下記の何れかを使用し
た。各々どの種類を使用したかについては、記号で表1
〜5に示した。
【0032】使用した架橋剤の種類 架橋剤a:前記の化1で示されるビスマレイミド(三菱
油化社製、品番MB7000)−−−−記号a 架橋剤b:下記の化6で示されるエポキシ基を有する化
合物(油化シェルエポキシ社製、品番YX−4000)
−−−−記号b
【0033】
【化6】
【0034】使用したエラストマーの種類 エラストマー:下記の化7で示される末端アミノ基変
成アクリロニトリルゴム(宇部興産社製、商品名Hycar
ATBN)−−−−記号 エラストマー:下記の化8で示されるスチレンブタジ
エンゴム(旭化成社製、商品名タフプレンA)−−−−
記号 なお、化7及び化8におけるX、Y、Zはそれぞれ正の
整数を表している。
【0035】
【化7】
【0036】
【化8】
【0037】使用した溶媒の種類 ジメチルホルムアミド−−−−記号DMF 1,4−ジオキサン −−−−記号DO
【0038】以下、作製順に説明する。 (1)実施例1〜20及び比較例1〜8の熱硬化性接着
シートの作製 まず、表1〜5に示す原料を用いて、溶媒に、ビスマレ
イミドとジアミンを原料とするイミド樹脂プレポリマ
ー、架橋剤及びエラストマーを溶解して樹脂ワニスとし
た。(但し比較例1及び2については架橋剤を使用せず
に、また比較例1、3及び7についてはエラストマーを
使用せずに樹脂ワニスを作製した。)このときの各原料
の配合割合は表1〜5に示す通りとした。そして、この
樹脂ワニスが、表1〜5に示す割合で、中空球体を含む
ように、中空球体(富士デヴィソン化学社製、品番S4
0−20、比重0.35、平均粒径20μm、SiO2
含有率96%、ビニルシランによる表面処理済品)を加
えた。さらに、実施例6〜20及び比較例5〜8につい
ては、中空球体の表面処理のために、シランカップリン
グ剤(信越化学工業社製、品番KBM403)を樹脂ワ
ニス中に配合した。
【0039】そして、樹脂ワニスの25℃での粘度が8,
000 〜12,000cpsとなるように、溶媒の添加量で調整
して接着シート作製用の樹脂ワニスを得た。この樹脂ワ
ニスを用いて、マルチコーター(ヒラノテクシード社
製:品番M−400 )により、キャスティング法にて厚み
が90〜 110μmのフィルム状の熱硬化性接着シートを得
た。このときのマルチコーターの条件としては、乾燥ゾ
ーン1の条件を90℃−10分とし、乾燥ゾーン2の条件を
130℃−10分とした。次に所定の大きさにカットして次
工程で使用する熱硬化性接着シートを得た。
【0040】(2)比較例9の熱硬化性接着シートの作
製 ジメチルホルムアミドに、イミド樹脂プレポリマーAを
溶解して固形分60重量%の樹脂ワニスとし、この樹脂ワ
ニスにEガラスよりなる94g/m2 の平織のガラス布に
含浸し、160℃で7分間乾燥して溶剤を除去し、樹脂
成分の含有量が50重量%のプリプレグを得、このプリプ
レグを熱硬化性接着シートとして使用した。なお、この
比較例10の可撓性については平織のガラス布を基材と
して使用したので、シートの可撓性の問題は生じないの
で測定しなかった。
【0041】(3)積層した試験片の作製 上記のようにして得られた熱硬化性接着シートを使用
し、図1に示すように、6枚の熱硬化性接着シート1を
配置し、その上下に厚み18μmの銅箔2(古河サーキッ
トフォイル社製、ST箔)を配置して、圧力30Kg/cm2
温度( 180℃−20分+ 200℃− 120分)の条件で成形し
て、積層した試験片を得た。
【0042】(4)性能測定 得られた熱硬化性接着シート及び積層した試験片につい
て、各種の性能を測定した。熱硬化性接着シートについ
ては、シート中の中空球体含有量(体積%)、シートの
可撓性及びシートの軟化温度について測定し、積層した
試験片については、銅箔引き剥がし強さ、誘電率、誘電
正接、オーブン耐熱性及びガラス転移温度(Tg)につ
いて測定し、その結果を表1〜5に示す。なお、シート
の可撓性については、シートを180度折り曲げて、も
とへ戻した状態で判定し、もとへ戻しても割れがないも
のは○、180度折り曲げても割れないが、もとへ戻す
と割れるものは△、180度折り曲げた時点で割れるも
のを×として評価した。また、シートの軟化温度は柳本
製作所社製の融点測定器(Micro melting point appara
tus )を使用して測定し、銅箔引き剥がし強さ、誘電率
及び誘電正接についてはJIS−C−6481に準拠し
て測定した。そして、誘電率及び誘電正接については5
個の試験片について測定して得られた5個の測定値から
平均値及びばらつき(σ)を算出した。
【0043】オーブン耐熱性については、試験片から5
0mm角の試料を切り出し、この試料を 210℃、 220
℃、 230℃、 240℃、 250℃、 260℃、 270℃及び 280
℃の温度に保たれた恒温槽中に入れ、30分経過後に試
料を取り出したときの、試料の膨れや剥がれの発生を調
べ、膨れや剥がれの発生がなかった最高の温度をオーブ
ン耐熱性として表1〜5に示した。またガラス転移温度
(Tg)については、TMA法(理学電機社製のTMA
8140を使用)にて測定した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】表1〜5から下記のことが確認できた。 (イ)実施例1に比較して、架橋剤及びエラストマーを
使用していない比較例1は銅箔引き剥がし強さが低く、
オーブン耐熱性が悪く、かつガラス転移温度が低いこと
が確認された。 (ロ)実施例1に比較して、エラストマーは使用してい
るが架橋剤は使用していない比較例2は銅箔引き剥がし
強さが若干低く、オーブン耐熱性が悪く、又ガラス転移
温度が低いことが確認された。 (ハ)実施例1に比較して、架橋剤は使用しているがエ
ラストマーは使用していない比較例3は熱硬化性接着シ
ートの可撓性が悪く、また、誘電正接(常態及び吸湿処
理後共に)が大きく且つ不安定(ばらつきが大きい)で
あることが確認された。
【0050】(ニ)ガラス布等の基材を使用していない
実施例1及び比較例1に比較して、ガラス布を基材とし
て使用している比較例9は、誘電率が高いことが確認さ
れた。 (ホ)中空球体を含んでいない実施例1に比較して、中
空球体を含んでいる実施例2、3、4、5及び比較例4
は中空球体の含有量が増加するに従って、得られる積層
板の誘電率が低くなっている。そして中空球体の含有量
が熱硬化性接着シート中で60体積%を越えている比較
例4は銅箔引き剥がし強さが低くなっており、接着シー
トの接着力が低いことが確認された。 (ヘ)シランカップリング剤を樹脂ワニス中に配合しな
かった実施例4に比較して、シランカップリング剤を樹
脂ワニス中に配合した実施例6は積層板の誘電正接(常
態及び吸湿処理後共に)が小さく且つ安定する(ばらつ
きが小さい)ことが確認された。
【0051】(ト)実施例7と比較例5は、架橋剤の含
有量を変化させている例であり、架橋剤が有するアミン
の活性水素と反応する基の当量が、イミド樹脂プレポリ
マー原料のジアミンの活性水素1当量に対し、0.10
である実施例7のほうが0.05である比較例5より、
オーブン耐熱性が良好であり、又ガラス転移温度が高い
ことが確認された。 (チ)実施例8と比較例6は、架橋剤の含有量を変化さ
せている例であり、架橋剤が有するアミンの活性水素と
反応する基の当量が、イミド樹脂プレポリマー原料のジ
アミンの活性水素1当量に対し、0.70である実施例
8では熱硬化性接着シートの可撓性は良好であるが、こ
の当量が0.75である比較例6は可撓性が損なわれて
しまい、接着シートが作製できないことが確認された。
【0052】(リ)実施例6、9、10及び比較例7、
8はエラストマーの含有量を変化させている例であり、
エラストマーの含有量が0である比較例7は可撓性が悪
く、また、誘電正接(常態及び吸湿処理後共に)が大き
く且つ不安定(ばらつきが大きい)であり、またエラス
トマーの含有量が、イミド樹脂プレポリマー100重量
部に対し17重量部を越えている比較例8は実施例10
に比較してオーブン耐熱性が悪く、又ガラス転移温度が
低いことが確認された。
【0053】(ヌ)実施例11〜13はエラストマーの
種類をとした例であり、表2で明らかなように、良好
な性能の接着シート及び積層板が得られている。 (ル)実施例14〜16は架橋剤の種類をbとした例で
あり、表3で明らかなように、良好な性能の接着シート
及び積層板が得られている。 (ヲ)実施例17、18はイミド樹脂プレポリマーの種
類をBとした例であり、表3で明らかなように、良好な
性能の接着シート及び積層板が得られている。 (ワ)実施例19、20はイミド樹脂プレポリマーの種
類をCとした例であり、表3で明らかなように、良好な
性能の接着シート及び積層板が得られている。
【0054】
【発明の効果】この発明に係る熱硬化性接着シートは、
上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を
奏する。
【0055】請求項1〜6の熱硬化性接着シートにおい
ては、可撓性を有する熱硬化性接着シートが得られ、こ
のシートを用いて積層一体化することにより、低誘電率
であり、耐熱性が優れ、かつ、ガラス転移温度が高い積
層板が得られる。
【0056】請求項7の熱硬化性接着シートにおいて
は、熱硬化性接着シート中に中空球体をも含むので、こ
のシートを用いて積層一体化することにより、上記の効
果に加えて、さらに低誘電率である積層板が得られる。
【0057】従って、請求項8の積層板においては、プ
リント基板用の材料として有用な、低誘電率であり、耐
熱性が優れ、かつ、ガラス転移温度が高い積層板が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は評価用の積層した試験片の構成を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 熱硬化性接着シート 2 銅箔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/38 E 7011−4E (72)発明者 丸本 佳伸 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスマレイミドとジアミンを原料とし、
    原料組成比率がジアミン1モルに対しビスマレイミド
    0.85〜1.2モルであるイミド樹脂プレポリマー及
    びアミンの活性水素と反応する基を2以上有する架橋剤
    及びゴム成分であるエラストマーを必須成分とするフィ
    ルム状の熱硬化性接着シートであって、イミド樹脂プレ
    ポリマー原料のジアミンの活性水素1当量に対し、架橋
    剤が有するアミンの活性水素と反応する基の当量が0.
    10〜0.70である熱硬化性接着シート。
  2. 【請求項2】 イミド樹脂プレポリマー100重量部に
    対しエラストマーを1〜17重量部含んでいる請求項1
    記載の熱硬化性接着シート。
  3. 【請求項3】 架橋剤がビスマレイミドである請求項1
    又は2記載の熱硬化性接着シート。
  4. 【請求項4】 架橋剤がエポキシ基を有する化合物であ
    る請求項1〜3いずれか記載の熱硬化性接着シート。
  5. 【請求項5】 エラストマーがイミド樹脂プレポリマー
    を溶解する溶媒に可溶なゴム成分である請求項1〜4い
    ずれか記載の熱硬化性接着シート。
  6. 【請求項6】 エラストマーが、その構造中にブタジエ
    ン骨格を有するゴム成分である請求項1〜5いずれか記
    載の熱硬化性接着シート。
  7. 【請求項7】 熱硬化性接着シート中に10〜60体積
    %の中空球体をも含む請求項1〜6いずれか記載の熱硬
    化性接着シート。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7いずれか記載の熱硬化性接
    着シートを用いて積層一体化された積層板。
JP11685493A 1993-05-19 1993-05-19 熱硬化性接着シート及びそれを用いた積層板 Pending JPH06329998A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11685493A JPH06329998A (ja) 1993-05-19 1993-05-19 熱硬化性接着シート及びそれを用いた積層板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11685493A JPH06329998A (ja) 1993-05-19 1993-05-19 熱硬化性接着シート及びそれを用いた積層板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06329998A true JPH06329998A (ja) 1994-11-29

Family

ID=14697274

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11685493A Pending JPH06329998A (ja) 1993-05-19 1993-05-19 熱硬化性接着シート及びそれを用いた積層板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06329998A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7700185B2 (en) 2003-05-19 2010-04-20 Hitachi Chemical Company, Ltd. Insulation material, film, circuit board and method of producing them

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7700185B2 (en) 2003-05-19 2010-04-20 Hitachi Chemical Company, Ltd. Insulation material, film, circuit board and method of producing them

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7790276B2 (en) Aramid filled polyimides having advantageous thermal expansion properties, and methods relating thereto
TWI690578B (zh) 黏著劑組成物、薄膜狀黏著材料、黏著層、黏著薄片、附有樹脂的銅箔、覆銅積層板、可撓性覆銅積層板、印刷線路板、可撓性印刷線路板、多層線路板、印刷電路板及可撓性印刷電路板
US20030166796A1 (en) Epoxy resin composition and cured object obtained therefrom
TWI429692B (zh) Pre-paste, paste metal foil laminates and use these printed circuit boards
TWI391421B (zh) 聚醯胺樹脂,環氧樹脂組成物及其硬化物
JPH06200216A (ja) プリント基板用耐熱性接着剤フィルム及びその使用方法並びにこれを用いたプリント基板の製造方法
JP2002069270A (ja) 難燃性非ハロゲンエポキシ樹脂組成物及びその用途
TWI491320B (zh) Metal foil laminates and printed circuit boards
JP2001220557A (ja) エポキシ樹脂組成物接着シート
JP3588317B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いた樹脂付き金属箔、プリプレグ並びにフィルム状接着剤
JP4774749B2 (ja) 導体張積層板、並びに、これを用いた印刷配線板及び多層配線板
JP2001081282A (ja) エポキシ樹脂組成物及びそれを用いたフレキシブル印刷配線板材料
CN116120560B (zh) 改性双马来酰亚胺预聚物的制备方法、树脂组合物及树脂组合物的应用
TWI419621B (zh) Printed wiring board and electronic equipment
JP5522426B2 (ja) 多層フレキシブル基板用接着剤及びこれを用いた多層フレキシブル基板材料、積層板並びに印刷配線板
JP4206685B2 (ja) 接着剤組成物、接着剤シートおよびこれらを用いたプリント回路基板
JP4197611B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びそれを用いたフレキシブル印刷配線板材料
JP2001123132A (ja) エポキシ樹脂組成物接着シート
TWI809377B (zh) 聚醯亞胺樹脂組成物、黏著劑組成物、薄膜狀黏著材料、黏著薄片、附有樹脂的銅箔、覆銅積層板、印刷線路板及聚醯亞胺薄膜
WO2005027597A1 (ja) フレキシブルプリント配線板用基板及びその製造方法
JP4428505B2 (ja) 芳香族ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPH06329998A (ja) 熱硬化性接着シート及びそれを用いた積層板
JPH06256515A (ja) 熱硬化性接着シート及びそれを用いた銅張積層板
JP4042886B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びそれを用いたフレキシブル印刷配線板材料
JP3733153B2 (ja) 多層プリント配線板