JPH06329933A - 染料化合物、これを含有するインク、このインクを用いる記録方法、及び、かかるインクを用いた機器 - Google Patents

染料化合物、これを含有するインク、このインクを用いる記録方法、及び、かかるインクを用いた機器

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JPH06329933A
JPH06329933A JP11717693A JP11717693A JPH06329933A JP H06329933 A JPH06329933 A JP H06329933A JP 11717693 A JP11717693 A JP 11717693A JP 11717693 A JP11717693 A JP 11717693A JP H06329933 A JPH06329933 A JP H06329933A
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recording
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droplets
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Takeshi Sakaeda
毅 栄田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々のタイプの普通紙に対して、画像濃度が
高く鮮明で、不定形または不規則なにじみのない品位と
耐水性の優れた画像が得られ、かつ定着性が良好で、目
詰まりせず、保存安定性、熱的安定性および安全性に優
れたインクに適した新規アゾ化合物、この化合物を含有
するインク、このインクを用いるインクジェット記録方
法を提供すること。 【構成】 下記一般式(A)で表される染料化合物、該
染料化合物を記録剤として含有するインク、これを用い
たインクジェット記録方法。 【外1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規アゾ染料化合物、
記録剤としてこの染料化合物を含有するインク、このイ
ンクを用いるインクジェット記録方法に関し、さらに詳
しくは、上質紙、コピー用紙、ボンド紙、レポート用紙
などのいわゆる普通紙における印字濃度が高く、ドット
の不規則にじみが小さく、定着が速く、耐水性が改良さ
れたインクに適した新規アゾ染料化合物、この染料化合
物を含有するインク、このインクを用いるインクジェッ
ト記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水溶性染料を水性媒体中に溶解し
た水性インクがインクジェット記録用のインクとして用
いられている。これらの従来のインクにおいては、
(1)十分な濃度の画像を与えること、(2)被記録材
上での乾燥性が良いこと、(3)記録画像ににじみが少
ないこと、(4)水、アルコール等と接触しても記録画
像の流れ出しがないこと、または流れ出しても十分な判
読可能なこと(耐水性)、(5)記録画像の耐光性に優
れること、(6)ペン先やノズル先端での目詰まりを生
じないこと、(7)連続記録したときや、長時間放置後
の記録開始時、記録画像のかすれ等の不都合が生じない
こと(吐出安定性)、(8)保存時、インクが安定であ
ること、(9)使用時、記録手段を構成する部材と接触
しても問題を起こさないこと、(10)使用者の安全性
に問題のないこと、等が要求され、さらに熱エネルギー
を利用するインクジェット記録方式では上記要求項目に
加えて、(11)耐熱性に優れかつ熱エネルギー発生手
段に悪影響を与えないこと、が要求される。これらの性
質はインクの組成に左右されることはもちろんである
が、記録剤として含有される染料の特性に支配されると
ころも大きい。既存の染料を用いて以上の要求性能をす
べて満たすことは容易でない。
【0003】従来のインクジェット記録用水性インクに
は、主として既存の酸性染料または直接染料が使われて
きた。これらは可溶化基としてスルホン酸基を持ってい
るため、水性インク媒体には溶解性が高く、インクの長
期保存性も概して良好である。しかし、このようなイン
クで紙その他の被記録材に記録した印字物は、水がかか
ったり、濡れた手指で触れたり、水性フェルトペンで文
字の上をなぞったりすると、染料の流れ出しやにじみが
起こって、画像の品位が低下したり判読に支障をきたし
たりすることが多かった。
【0004】特開昭49−89534号公報、特開昭5
4−89811号公報、特開昭55−54367号公
報、特開昭55−144066号公報、特開昭55−1
44068号公報、特開昭55−145772号公報、
特開昭56−55466号公報、特開昭57−1029
72号公報、特開昭58−174461号公報、特開昭
59−8775号公報、特開昭59−213776号公
報、特開昭59−215368号公報、特開昭60−9
4476号公報、特開昭60−94478号公報、特開
昭60−243174号公報、特開昭61−2771号
公報、特開昭61−101574号公報、特開昭61−
101575号公報、特開昭61−195176号公
報、特開昭62−199665号公報、特開昭62−2
46974号公報、特開昭63−199780号公報、
特開昭63−291967号公報、特開昭63−295
684号公報、特開昭63−295685号公報、特開
昭64−48872号公報、特開昭64−62372号
公報、特開平1−118582号公報、特開平1−14
1965号公報、特開平1−197577号公報、特開
平1−197579号公報、特開平2−8255号公
報、特開平2−49078号公報、特開平4−1548
72号公報、特開平4−168166号公報には、構造
を特定した染料を用いることにより諸特性を改善したイ
ンクが開示されているが、記録画像の耐水性はまだ十分
でない。
【0005】特開昭57−59969号公報には、酸性
染料の酸性基とアミノカルボン酸とを反応させたアミド
誘導体のアルカリ金属塩を着色剤として用いる水性イン
クが開示されているが、かかる反応は操作が複雑・困難
で、製造コストが高いものになってしまう。また、染料
の溶解性と耐水性のバランスをとるためには、染料分子
中のスルホン酸基数とカルボキシル基数の割合をコント
ロールする必要があるが、この方法ではほとんど不可能
である。
【0006】特開平1−141966号公報には、分子
中のカルボン酸基とスルホン酸基の比率が0.3以上
で、第4級アンモニウムまたはリチウムと造塩した染料
を含有する水性インクが開示されている。この染料は具
体例から明らかなように、分子の芳香環に直接カルボキ
シル基が結合しているが、このような新規な中間体を製
造することは必然的に大きなコストアップを招く。
【0007】特開昭60−81265には、カルボキシ
ル基を有するジスアゾ染料を用いたインクジェットイン
クが開示されているが、この染料にはスルホン酸基も3
個から4個導入されている。
【0008】特開平3−91577には、カルボキシル
基2個とスルホン酸基1個または2個を芳香環に導入し
たジスアゾ染料を用いたインクジェットインクが開示さ
れている。
【0009】このように耐水性等の諸特性を同時に改善
するために、様々な工夫がされているが未だ十分には解
決しきれていないのが現状である。
【0010】この他にも、さらに、印字物のドットにつ
いても、不規則なにじみを起こさず、形状が円に近く、
エッジが鮮鋭で高品位の画像を与えるインク、また、プ
リンターの高速化に対応して、記録後の定着が速いイン
クが求められている。
【0011】さらに、空白のある文書や画像の印字中
に、空白に対応するノズルに印字の休止期間ができた場
合、再開時の最初の吐出方向が乱れがちであり、結果と
して印字品位の低下を起こすので、このようなことがな
いインクも求められている。
【0012】
【発明が解決しようとしている問題点】したがって本発
明の目的は、記録剤としてインクに含有させたとき、種
々のタイプの普通紙に対して、画像濃度が高く鮮明で、
不定形または不規則なにじみのない品位と耐水性の優れ
た画像が得られ、かつ定着性が良好で、目詰まりせず、
印字途中での吐出方向の乱れのない、保存安定性、熱的
安定性および安全性に優れたインクとすることができ、
しかも製造コストの低い新規染料化合物、この化合物を
含有するインク、このインクを用いるインクジェット記
録方法を提供することである。
【0013】
【問題点を解決するための手段】上記目的は以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明は下記一般式
(A)で表される染料化合物である。
【0014】
【外9】 (ただし、φはCOOMで置換されたフェニル基または
ナフチル基を示し、Rは−N(H)m(CH2CH2
H)2-mを示し、Xは2価の有機基であり、k,m,n
は0または1の数であり、MはNa、K、またはアンモ
ニウムを示す。)
【0015】また、本発明は、記録剤およびこれを溶解
または分散する液媒体を含むインクにおいて、該記録剤
が下記一般式(A)で表される染料を含有することを特
徴とするインク、係るインクを用いたインクジェット記
録方法、及び機器である。
【0016】
【外10】 (ただし、φはCOOMで置換されたフェニル基または
ナフチル基を示し、Rは−N(H)m(CH2CH2
H)2-mを示し、Xは2価の有機基であり、k,m,n
は0または1の数であり、MはNa、K、またはアンモ
ニウムを示す。)
【0017】
【作用】本発明によれば、上質紙、コピー用紙、ボンド
紙、レポート用紙などのいわゆる普通紙における印字濃
度が高く、ドットの不規則にじみが小さく、画像の品位
が高く、定着が速く、耐水性が良好で、目詰まりのしな
いインクに適した新規アゾ染料化合物、この染料化合物
を含有するインク、このインクを用いるインクジェット
記録方法が提供される。
【0018】これは、本発明の染料が従来の染料より紙
のセルロースに高い親和性を持つため、これを用いたイ
ンクで印字したものは、染料が液媒体とともに紙の内部
に浸透することなく紙の表面近傍にとどまり、その結果
印字物の光学濃度が高く、ドットの不規則にじみが少な
く、定着速度も速いなど、耐水性の高さのみにとどまら
ず多くの長所を有するものであるためと考えられる。
【0019】さらに、本発明のインクは長期休止中にノ
ズル先端でインクが蒸発して染料が析出した場合、析出
物がゼリー状の半固体となり、結晶状に固着することが
ないため、プリンター内蔵の回復ポンプの操作でこれが
容易に除去され、ノズルの目詰まりの原因とならないと
いうすぐれた性質を有する。また、印字中に空白期間が
生じた後の最初の吐出(間欠吐出)の際に方向の乱れを
起こしにくいという特徴を有する。
【0020】(好ましい実施態様)次に好ましい実施態
様を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明を主
として特徴づける染料化合物の好ましい具体例として
は、下記の化合物が挙げられる。
【0021】
【外11】
【0022】
【外12】
【0023】以上の構造式でMは、Na、K、まはたア
ンモニウムを示し、いずれも好ましいものであるが、特
にカルボキシル基に結合したアンモニウムはアンモニア
となって印字後徐々に揮散し、その結果残った染料は水
に難溶または不溶の遊離酸型となるので、耐水性をより
向上させる上で効果的である。
【0024】染料の溶解安定性の上からは、前記染料化
合物1分子当たりスルホン酸基を2個以上有することが
好ましい。しかしこのとき、カルボキシル基の数はスル
ホン酸基の数より小さくないことが耐水性を発揮する上
で好ましく、これを上回ることがより好ましい。
【0025】上記のような本発明の染料は、細田豊「理
論製造 染料化学」その他に記載の方法にしたがって合
成される。
【0026】例えば、具体例No.1の染料は次のよう
に合成される。アニリン−3,5−ジカルボン酸を亜硝
酸ナトリウムを用いて常法にしたがってジアゾ化し、p
H8〜10でH酸(1−アミノ−8−ナフトール−3.
6−ジスルホン酸)とカップリングさせる。次にこの生
成物をモル比で1/2の塩化シアヌルと0〜40℃で反
応させ、最後にジエタノールアミンと60〜90℃で反
応させて目的の化合物を得る。
【0027】このように本発明の染料は、1分子中に導
入されるカルボキシル基の数は厳密にコントロールで
き、また既存の中間体を使用するので低コストで製造で
きる。
【0028】本発明のインクにおける上記染料の使用量
については特に制限するものではないが、一般的にはイ
ンク全重量の0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜
10重量%、より好ましくは0.5〜6重量%を占める
量が好適である。上記染料は単独でも、又は併用しても
使用できる。
【0029】本発明のインクに使用するのに好適な媒体
は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒である。水
としては、種々のイオンを含有する一般の水でなく、脱
イオン水を使用するのが好ましい。
【0030】水と混合して使用される水溶性有機溶剤と
しては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアル
コール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等の
ケトン又はケトアルコール類;ジオキサン等のエーテル
類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチ
レングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子
を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレン
グリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチ
レングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ト
リエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテ
ル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリ
エチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル、
テトラエチレングリコール(又はエチル)エーテル等の
多価アルコールの低級ジアルキルエーテル;スルホラ
ン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0031】以上の如き有機溶剤から適当なものを選択
して使用するが、本発明の染料の場合、特にインクの目
詰まり防止にはジエチレングリコール又はチオジグリコ
ールが良く、画像濃度及び吐出安定性の点では含窒素環
状化合物又はポリアルキレンオキシドのエーテル化合物
が良く、更に周波数応答性には低級アルコールや界面活
性剤の使用が好ましい。従って、本発明において好まし
い溶媒組成は水の他上記の如き各種成分を含む組成であ
る。インク中の上記水溶性有機溶剤の含有量は一般的に
はインクの全重量の2〜80重量%、好ましくは3〜7
0重量%、より好ましくは4〜60重量%の範囲であ
る。
【0032】又、使用する水はインク全体の一般的には
10〜97.5重量%、好ましくは35重量%以上、よ
り好ましくは45重量%以上を占める割合であり、水の
量が少ないと形成された画像中の低揮発性の有機溶剤が
多く残り、染料のマイグレーション、画像の滲み等の問
題が生じるので好ましくない。
【0033】又、本発明のインクは上記成分の外に必要
に応じて、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤等
を包含し得る。pH調整剤としては、例えば、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミ
ン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤等が
挙げられる。
【0034】以上の如き本発明のインクは、25℃にお
ける粘度が1〜20cps、好ましくは1〜15cps
で、表面張力が30dyn/cm以上、好ましくは40
dyn/cm以上で、pHが6〜10程度の物性を有す
るのが好ましい。
【0035】本発明のインクが使用される記録方法は、
方式としてインクジェット方式が効果的であり、被記録
材としては、一般の普通紙(例えば、上質紙や中質紙、
ボンド紙)、コート紙、OHP用のプラスチックフィル
ム等、いずれの被記録材でも使用することが出来る。
【0036】本発明のインクは、熱エネルギーによるイ
ンクの発泡現象によりインクを吐出させるタイプのイン
クジェット記録方法に適用する場合に特に好適であり、
吐出が極めて安定となり、サテライトドットの発生等が
生じないという特徴がある。但しこの場合には熱的な物
性値(例えば、比重、熱膨張係数、熱伝導率等)を調整
する場合もある。
【0037】本発明のインクは熱その他のエネルギーの
作用により液滴を吐出させて記録を行うインクジェット
記録方式にとりわけ好適に用いられるが、一般の筆記用
具としても使用出来ることは言うまでもない。
【0038】本発明のインクを用いて記録を行うのに好
適な方法及び装置としては、記録ヘッドの室内のインク
に記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネル
ギーにより液滴を発生させる方法及び装置が挙げられ
る。
【0039】その装置の主要部であるヘッド構成例を図
1、図2及び図3に示す。
【0040】ヘッド13はインクを通す溝14を有する
ガラス、セラミック又はプラスチック板等と、感熱記録
に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されて
いるが、これに限定されるものではない)とを接着して
得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成され
る保護膜16、アルミニウム電極17−1、17−2、
ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層1
9、アルミナ等の放熱性の良い基板20より成ってい
る。
【0041】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、不図示の圧力によりメニスカス23を
形成している。
【0042】今、電極17−1、17−2に電気信号が
加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、インク21か吐出
し、オリフィス22より記録小滴24となり、被記録材
25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘッドを
多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッ
ドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説明
したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作され
る。
【0043】尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド1
3の断面図であり、図2は図1のA−B線での断面図で
ある。
【0044】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の1例を示す。
【0045】図4において、61はワイピング部材とし
てのブレードであり、その一端はブレード保持部材によ
って保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をな
す。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接し
た位置に配設され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動
経路中に突出した形態で保持される。62はキャップで
あり、ブレード61に隣接するホームポションに配設さ
れ、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出
口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に
63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体
であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中
に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャ
ップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成さ
れ、ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口
面に水分、塵埃等の除去が行われる。
【0046】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を
搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジで
ある。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合
し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動さ
れるベルト69と接続(不図示)している。これにより
キャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能とな
り、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領
域の移動が可能となる。
【0047】51は被記録材を挿入する為の給紙部、5
2は不図示のモータにより駆動される紙送りローラであ
る。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向
する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれ
て排紙ローラ53を配した排紙部へ排紙される。
【0048】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接して
キャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの
移動経路中に突出する様に移動する。
【0049】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。
【0050】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で
記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移
動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0051】図5は、ヘッドにインク供給部材、例え
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジの一例を示す図である。ここで40は供
給用インクを収納したインク収容部、例えば、インク袋
であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられてい
る。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、
インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめ
る。44は廃インクを受容するインク吸収体である。イ
ンク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィ
ン、特にポリエチレンで形成されているのが本発明にと
って好ましい。
【0052】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジと
が別体となったものに限らず、図6に示す如きそれらが
一体になったものにも好適に用いられる。
【0053】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタンを用いることが
本発明にとって好ましい。
【0054】72はカートリッジ内部を大気に連通させ
る為の大気連通口である。
【0055】この記録ユニット70は、図4で示す記録
ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ6
6に対し着脱自在になっている。
【0056】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに詳しく説明する。
【0057】(1)インクの作成 前記例示化合物を用いて下記第1表の成分を混合溶解
し、塩酸またはアンモニア水を用いてpHを9〜9.5
に調整し、孔径0.2μmのフィルターで濾過し、本発
明のインクを作成した。文中、部とあるのは重量基準で
ある。
【0058】
【表1】
【0059】(2)インク使用例 上記の各インクを、記録ヘッド内のインクに熱エネルギ
ーを与えて液滴を発生させて記録を行うオンデマンドタ
イプのマルチヘッド(オリフィス径40×40μm、駆
動電圧32V、周波数3.5kHz)を有する記録装置
に搭載して印字し、以下のような評価を行なった。評価
結果を後記第2表に示す。 (a)印字濃度 2種の複写機用普通紙(キヤノンNP用紙およびゼロッ
クス4024紙)に全ノズル同時駆動でベタパッチを印
字し、光学濃度を測定し、その平均値を下記の基準で評
価した。 A:光学濃度が1.25以上 B:光学濃度が1.20〜1.24 C:光学濃度が1.00〜1.19 D:光学濃度が0.99以下 (b)にじみの発生率 上記の用紙にドットが互いに接触しないように連続印字
し、不定形または不規則なにじみを持つドットの割合
(%)を顕微鏡下で数え、その平均値を下記の基準で評
価した。 A:5%以下 B:6〜10% C:11〜20% D:21%以上 (c)定着性 上記の用紙に英数文字(60字×40行、A4判)を印
字し、一定時間後にレンズクリーニングペーパーでこす
り、印字がかすれなくなるまでの平均所要時間(秒)を
求めて、下記基準で評価した。 A:10秒以下 B:11〜15秒 C:16〜30秒 D:31秒以上 (d)耐光性 前項(a)で作成したベタパッチを室内光に2カ月さら
した後の退色の程度を、光学濃度の低下率(平均値)と
して求め、下記基準で評価した。 A:10%未満 B:10〜20% C:20.1%以上 (e)耐水性 (e−1)前項(a)で作成したベタパッチを20℃の
水道水に1時間静かに浸したのち乾燥し、光学濃度の低
下率(平均値)を求め、下記基準で評価した。 A:10%未満 B:10〜15% C:15.1〜30% D:30.1%以上 (e−2)前項(c)で作成した印字物を20℃の水道
水に3秒間浸したのちすぐに引き上げて乾燥し、染料の
流れ出しによる白地の汚染の度合を下記の基準で評価し
た。 A:汚染がほとんど認められない B:汚染が少ない C:汚染がやや多い D:汚染が非常に多い (e−3)前項(c)で作成した印字物の文字を、市販
の黄色蛍光ペンで行方向に1回なぞり、文字のかすれの
度合を下記の基準で評価した。 A:かすれがほとんど認められない B:かすれが少ない C:かすれが多い。 (f)吐出安定性 英数文字(60字×40行)をA4判紙に400枚印字
し、下記の基準で評価した。 A:異常なし B:部分的な不吐出または印字乱れが発生 (g)ノズルの目詰まり プリンターを室温に2カ月放置した後印字したときの回
復操作(内蔵ポンプによる吸引操作)の必要回数を、下
記の基準で評価した。 A:1回以内で正常印字する B:2〜4回で正常印字する C:5〜10回で正常印字する D:11回でも回復しない (h)間欠吐出の安定性 (1)10秒間連続吐出→(2)一定時間休止→(3)
連続吐出という間欠動作を行った場合、(3)の最初で
吐出方向の乱れが発生するか否かは(2)の休止時間で
決まるので、この時間を段階的に変えることにより間欠
吐出の安定性を測定し、下記の基準で評価した。なお、
評価は環境温度20℃、湿度45%で行った。 A:45秒以上休止しても安定に吐出した B:44〜30秒休止しても安定に吐出した C:29〜15秒休止しても安定に吐出した D:14秒以下の休止時間でしか安定吐出しなかった
【0060】
【表2】
【0061】比較例 上記実施例と同様にして下記第3表の染料化合物を用い
て何れも実施例No.1と同じ組成のインクを作成し、
上記と同様の評価を行った。結果を第4表に示す。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【発明の効果】以上、本発明によれば、種々のタイプの
普通紙に対して、画像濃度が高く鮮明で、不定形または
不規則なにじみのない品位と耐水性のすぐれた画像が得
られ、かつ定着性が良好で、目詰まりせず、保存安定
性、熱的安定性および安全性にすぐれたインクに適した
新規アゾ化合物、この化合物を含有するインク、このイ
ンクを用いるインクジェット記録方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面
図。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面
図。
【図3】図1及び図2に示したヘッドをマルチ化したヘ
ッドの外観斜視図。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。
【図5】インクカートリッジの縦断面図。
【図6】インクジェットカートリッジ(記録ユニットに
同じ)の斜視図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 11/00 PTF

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(A)で表される染料化合
    物。 【外1】 (ただし、φはCOOMで置換されたフェニル基または
    ナフチル基を示し、Rは−N(H)m(CH2CH2
    H)2-mを示し、Xは2価の有機基であり、k,m,n
    は0または1の数であり、MはNa,K,またはアンモ
    ニウムを示す。)
  2. 【請求項2】 前記Xが下記B群から選ばれる請求項1
    記載の化合物。 【外2】
  3. 【請求項3】 下記No.1〜6の中から選ばれる請求
    項1記載の化合物(MはNa,K,またはアンモニウム
    を示す。)。 【外3】 【外4】
  4. 【請求項4】 記録剤およびこれを溶解または分散する
    液媒体を含むインクにおいて、該記録剤が下記一般式
    (A)で表される染料を含有することを特徴とするイン
    ク。 【外5】 (ただし、φはCOOMで置換されたフェニル基または
    ナフチル基を示し、Rは−N(H)m(CH2CH2
    H)2-mを示し、Xは2価の有機基であり、k,m,n
    は0または1の数であり、MはNa,K,またはアンモ
    ニウムを示す。)
  5. 【請求項5】 前記Xが下記B群から選ばれる請求項4
    記載のインク。 【外6】
  6. 【請求項6】 pHが6〜10の範囲である請求項4記
    載のインク。
  7. 【請求項7】 前記記録剤の含有量がインク全重量に対
    して0.1〜15重量%である請求項4記載のインク。
  8. 【請求項8】 前記液媒体が水と水溶性有機溶剤との混
    合物である請求項4記載のインク。
  9. 【請求項9】 前記水の含有量がインク全重量に対して
    10〜97.5重量%である請求項8記載のインク。
  10. 【請求項10】 インクジェット記録用である請求項4
    記載のインク。
  11. 【請求項11】 前記インクジェット記録がインクに熱
    エネルギーを作用させてインク滴を吐出させる方式であ
    る請求項10記載のインク。
  12. 【請求項12】 前記記録剤が下記No.1〜6の中か
    らか選ばれる少なくとも1種を含有する請求項4記載の
    インク(MはNa,K,又はアンモニウムを示す)。 【外7】 【外8】
  13. 【請求項13】 インクをインク滴として吐出させて記
    録を行うインクジェット記録方法において、前記インク
    が、請求項4記載のインクであることを特徴とするイン
    クジェット記録方法。
  14. 【請求項14】 前記記録方法が、熱エネルギーを作用
    させて前記インクをインク滴として吐出させる方法であ
    る請求項13記載のインクジェット記録方法。
  15. 【請求項15】 インクを収容したインク収容部、前記
    インクをインク滴として吐出させるためのヘッド部を備
    えた記録ユニットにおいて、前記インクが請求項4に記
    載のインクであることを特徴とするインクジェット記録
    ユニット。
  16. 【請求項16】 前記ヘッド部がインクに熱エネルギー
    を作用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項
    15記載の記録ユニット。
  17. 【請求項17】 インクを収容したインク収容部を備え
    たインクカートリッジにおいて、前記インクが請求項4
    に記載のインクであることを特徴とするインクカートリ
    ッジ。
  18. 【請求項18】 インクを収容したインク収容部と、前
    記インクをインク滴として吐出させるためのヘッド部を
    有する記録ユニットを備えたインクジェット記録装置に
    おいて、前記インクが請求項4に記載のインクであるこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  19. 【請求項19】 前記ヘッド部がインクに熱エネルギー
    を作用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項
    18に記載のインクジェット記録装置。
  20. 【請求項20】 インクを収容したインク収容部を備え
    たインクカートリッジと、前記インクをインク滴として
    吐出させるための記録ヘッドを備えたインクジェット記
    録装置において、前記インクが請求項4記載のインクで
    あることを特徴とするインクジェット記録装置。
  21. 【請求項21】 前記インクカートリッジに収容したイ
    ンクを前記記録ヘッドに対して供給するインク供給部を
    有する請求項20記載のインクジェット記録装置。
  22. 【請求項22】 前記記録ヘッドがインクに熱エネルギ
    ーを作用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求
    項20〜21記載のインクジェット記録装置。
JP11717693A 1993-05-19 1993-05-19 染料化合物、これを含有するインク、このインクを用いる記録方法、及び、かかるインクを用いた機器 Withdrawn JPH06329933A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5993525A (en) * 1997-03-17 1999-11-30 Mitsubishi Chemical Corporation Recording liquid
JP2007512259A (ja) * 2003-11-24 2007-05-17 プロメティック、バイオサイエンシーズ、インコーポレーテッド 化合物、その化合物を含む組成物、その化合物を利用した自己免疫疾患の治療方法

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