JPH06329529A - ピロリドンカルボン酸の増加方法及び皮膚外用剤 - Google Patents

ピロリドンカルボン酸の増加方法及び皮膚外用剤

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JPH06329529A
JPH06329529A JP5141534A JP14153493A JPH06329529A JP H06329529 A JPH06329529 A JP H06329529A JP 5141534 A JP5141534 A JP 5141534A JP 14153493 A JP14153493 A JP 14153493A JP H06329529 A JPH06329529 A JP H06329529A
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JP
Japan
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skin
glutamic acid
natto
mucilage
acid
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JP5141534A
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English (en)
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Kohei Hasebe
浩平 長谷部
Masaki Inagaki
真貴 稲垣
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Ichimaru Pharcos Co Ltd
Original Assignee
Ichimaru Pharcos Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】ピロリドンカルボン酸を増加させる添加物質を
知見して、更に、この増加方法を利用した、新規な皮膚
外用剤を提供する。 【構成】納豆粘質物又はグルタミン酸重合物を皮膚表皮
に塗布したピロリドンカルボン酸の増加方法。更に、こ
の増加方法を利用した、納豆粘質物又はグルタミン酸重
合物を配合する皮膚外用剤。 【効果】ピロリドンカルボン酸が増加し、保湿性が向上
する。又、皮膚外用剤への配合に対しても安全であり、
皮膚への使用感も良好である。そして更に、肌に弾力性
を与え、カサツキも防止する効果を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はピロリドンカルボン酸を
増加させ、この増加方法を利用することによって、医薬
品、医薬部外品、化粧品類(人及びその他の動物用に使
用する製剤)等の各種皮膚外用剤へ適用することが出来
る。
【0002】
【従来の技術】人の皮膚は、薄い生物学的防御膜である
角質層によって覆われており、水分を失うことなく、乾
燥した大気中でも生活が出来るのは、外界と接する皮膚
表皮の角質層が存在しているからである。すなわち、角
質層は薄くてしなやかで、且つ体内からの水分を失わな
いように保ち、正常な状態の皮膚の調節を行っているの
である。
【0003】しかしながら、皮膚は様々な要因(例え
ば、温度変化、湿度変化、光、水との接触等)によっ
て、皮膚表皮状に何等かの変化・傷害を来し、機能的に
は不完全な角質層が生じた状態に至ってしまい、いわゆ
る、このような状態に達した皮膚は硬く、弾力性が失わ
れ、カサカサとしたしっとり感のない乾燥皮膚となる。
又、近年では、このような乾燥皮膚の特にカサツキがア
トピー性皮膚炎の原因の一つになっているのではないか
とも言われて来ている。
【0004】そこで、従来より、これらの点を防ぎ・補
うために各種の化粧品原料が応用・利用されており、そ
の一例を上げれば、スクアラン等の油脂類を皮膚上に塗
布し、油脂膜を作り、角質層の水分の蒸散を防ぐ事が行
われたり、又、細胞間脂質等を補い、脂質間に水分を保
持しながら脂質膜を作り、水分の蒸散を防ぐ事などが試
みられている。
【0005】しかしながら、従来より利用されているこ
れらの代替物質は、基本的に皮膚上皮に塗布することに
よって、乾燥を防ぐという考えのもとに利用されている
だけであるため、使用量が少量であれば、効果が期待出
来なく、又、逆に多量過ぎれば、油っぽく、べたつき感
を生じてしまう欠点があり、使用感としても良好なもの
であるとは言い難かった。
【0006】よって、近年では皮膚表面の成分とほぼ同
様な物質を、皮膚上に塗布・再現することが理想とされ
るようになり、天然保湿因子:NMF(Natural Moist
urizing Factar)と言われる角質層成分が注目を浴び使
用されて来ている。尚、これら一連の天然保湿因子(以
下、NMFと言う)と言われる角質層成分は、アミノ
酸、乳酸などの有機酸類やその塩類、又、ピロリドンカ
ルボン酸、尿素や糖類その他であることが知られてい
る。
【0007】このNMFの特徴・特性は、皮膚角質層を
親水性にして水分を取り込み、水分保持作用を持つた
め、皮膚角質層の調節にとっては最も重要な役割を担っ
ているのである。又、更にその中でも、ピロリドンカル
ボン酸は、これらNMF全体の約12重量%を占め、そ
の特性としても、皮膚表皮上の弱酸性下においてはピロ
リドンカルボン酸ナトリウムとなって、その他のNMF
と比較すると、極めて高い吸湿性を持ち、皮膚の保湿性
を保持する上でも、非常に大切な物質であることが知ら
れている。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】しかしながら、ピロリドンカルボン酸と
て、水との長時間の接触等により溶出を引き起こし、い
わゆる、乾燥状態の皮膚に至ってしまい、更に、比較的
安全性が高いと言われるピロリドンカルボン酸塩類(例
えばピロリドンカルボン酸ナトリウム、ピロリドンカル
ボン酸カリウム、ピロリドンカルボン酸エアタノールア
ミン)でも、高濃度溶液を皮膚上に塗布すると紅斑を起
こしてしまうとの報告もされており、従って、配合量制
限が規定されていない、ピロリドンカルボン酸又はピロ
リドンカルボン酸塩類の皮膚表皮への直接的な多量な配
合(塗布)は、慢性的な皮膚炎症に至る可能性もあり、
問題点があると指摘されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記した如くの問題点を解決すると共に、下記に示
すピロリドンカルボン酸の特性・効果を持ちうることを
課題として、皮膚表皮上でのピロリドンカルボン酸を増
加させる安全な方法及び添加物質の研究開発を行って来
たのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、納豆粘質
物又はグルタミン酸重合物を皮膚表皮上に塗布すること
によって、ピロリドンカルボン酸が増加することを見出
し、更に、この増加方法を利用し、上記の課題を満足し
うる皮膚外用剤を開発し、本発明を完成した。
【0011】以下、本発明をより深く理解するため、ピ
ロリドンカルボン酸とその生成反応機構について説明す
る。
【0012】
【化1】
【0013】上記、化1に示す通り、生体内でのピロリ
ドンカルボン酸(ピロリドンカルボン酸ナトリウム)の
生成反応機構は、一般的には、表皮・角質層における角
化に伴って、蛋白質の分解が起こり、遊離のアミノ酸が
生成され、生成されたアミノ酸の一つグルタミン酸が、
酵素(γ-ク゛ルタミル-AA-シンセターセ゛、γ-ク゛ルタミル-シクロトランスフェラーセ
゛)反応や熱などによって、閉環、脱水され、ピロリド
ンカルボン酸に変換され、更に、皮膚表皮上が弱酸性
(pH5.3〜5.6)である故、当然、ほとんどのピ
ロリドンカルボン酸がピロリドンカルボン酸ナトリウム
又その他の塩類となると言われている。
【0014】すなわち、本発明の納豆粘質物又はグルタ
ミン酸重合物を皮膚に直接的に塗布することで、皮膚角
質層内に徐々に浸透させ、蛋白質分解酵素等で分解され
たグルタミン酸が、更に、上記化1の生成反応機構の如
く、皮膚表皮・角質層で酵素や熱等により穏やかに行わ
れることにより、ピロリドンカルボン酸が安全な範囲量
で過不足なく自然生成される。そして、更に、皮膚表皮
上の弱酸性下でピロリドンカルボン酸ナトリウム又その
他の塩類に代謝されることによって、皮膚が正常な状態
に調節されるのである。
【0015】以下、製造例、実施例に基づき、本発明を
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0016】
【製造例】
製造例1 市販の納豆1.0kgに精製水5Lを加え、緩やかに攪
拌して納豆表面の粘質物を溶解させる。次に、遠心分離
又は濾過により不溶物を除去し、納豆溶液を得た後、こ
の納豆溶液中の粘質物が溶解しない水溶性有機溶媒(エ
タノール等)を加えて攪拌後、再度濾過を行い、納豆粘
質物を沈殿物として、約10〜50gを得る。
【0017】製造例2 市販の納豆1.0kgに精製水5Lを加え、緩やかに攪
拌して納豆表面の粘質物を溶解させる。次に、遠心分離
又は濾過により不溶物を除去し、納豆溶液を得た後、更
に、限外濾過又は透析処理により低分子物質を除去し
て、納豆粘質物、約10〜50gを得る。
【0018】尚、以下に示す実施例は、上記、製造例1
による納豆粘質物を使用して試験を行ったが、上記、製
造例2による納豆粘質物も同様な結果が得られた。又、
更に本出願人の特公昭61−30541号、特公昭61
−41890号に記載した方法を使用しても良い。又、
出発原料となる納豆については、一般的な納豆(なっと
う)を用いれば良く、その主成分はグルタミン酸重合物
とフルクトース重合物(フルクタン)等である。
【0019】グルタミン酸重合物に関しては、市販品:
シグマ社製のPOLY-D-GLUTAMIC-ACID(分子量15,000-50,
000)を調整したものを使用して試験を行ったが、これ
に限定されることはなく、各分子量領域の市販品を用い
ても良く、好ましくは分子量1万以上が良い。更に、そ
の配合量としては、納豆粘質物又はグルタミン酸重合物
共に、各々0.1重量%以上(以下、断わりのない限
り、重量%で表わす)好ましくは、3.0%濃度以上が
良い。
【0020】更に、本発明の納豆粘質物又はグルタミン
酸重合物は、エマルジョン、溶液、ゲル状等、様々な形
態で皮膚に塗布、塗擦して使用出来る。又、公知の皮膚
外用剤又は化粧料用の基剤等に常法により配合して、ロ
ーション、スキンクリーム、乳液、洗顔料、パック、エ
モリエントクリーム、浴用剤、その他の医薬品、医薬部
外品、化粧品(人及びその他の動・植物用に用いられる
各種製剤も含む)の薬液、軟膏等の皮膚外用剤として用
いることもでき、更に、ビタミン類、動植物エキス、皮
膚機能亢進剤、各種界面活性剤、溶剤、香料、着色料、
殺菌剤、防腐剤、抗酸化剤、保湿剤、その他の各種添加
剤、医薬品・化粧品基剤に対しても安全・安定であり、
これらと共に配合し、併用も出来る。
【0021】
【実施例】
実施例1(ピロリドンカルボン酸の定量) 試験方法及び評価方法 各検体及び比較品を作成し、それぞれを正確に1.0m
l測り取り、モニター(20〜30才代の健康な男女各
3名)の前腕内側の約5cm2に1日朝、昼、夜の3
回、3日間塗布した後、塗布区に直径4cmのロートに
シリコンチューブを付け、チューブの先をピンチコック
で閉じてエチルエーテル10mlで約30秒間脱脂す
る。次に、脱脂した塗布区から直径4cmのガラスカッ
プを用いて、精製水10mlで2分間抽出を行い、同操
作を2回繰り返して、3回分を合わせ抽出液として、次
に、この抽出液をエバポレーターにて濃縮乾固した後、
精製水2mlに溶かし、0.45μmのメンブランフイ
ルターにて濾過して、高速液体クロマトグラフィー(以
下、HPLCと言う)用の試料とする。次に、得られた
各検体及び比較品のHPLC用の試料20μlをマイク
ロシリンジにて注入し、下記に示すHPLCの測定条件
により、皮膚表皮のピロリドンカルボン酸の定量をHP
LCによって、各々3回測定した。尚、表1中の数値は
平均値を表し、結果を表1に示した。
【0022】HPLCの測定条件は、 カラム充填剤:ODS−120A(東洋曹達社製) カラム :4mm×250mm ステンレス製 カラム温度 :25℃ 溶離液 :1.0M硫酸ナトリウム溶液(リン酸で
pH2.2に調整) 溶離液流量 :1.0ml/min 検出器 :UV210nm
【0023】検体品:製造例1の納豆粘質物1.0%水
溶液(以下、NPと言う)、グルタミン酸重合物(分子
量15,000-50,000)の0.3%水溶液(以下、GPと言
う)、比較品:グルタミン酸単独による0.3%水溶液
(以下、Gと言う)として、検体品及び比較品とも塗布
しない無添加区も上記と同様な操作を行い、皮膚表皮の
ピロリドンカルボン酸の定量を行った。尚、以下の実施
例1ー7も同様な検体及び比較品を用いて試験を行っ
た。又、ピロリドンカルボン酸の定量の参考文献とし
て、:(1)「分析化学」p314〜318、中村・森川ら、Vol,29
『1980』、(2)「日本化粧品技術者会誌」p45〜53、小山
・森川ら、Vol,15(1)『1981』、(3)「日本化粧品技術者
会誌」p119〜124、小山・森川ら、Vol,16(2)『1983』を利
用した。
【0024】
【表1】
【0025】試験結果 結果は表1の如く、本発明の納豆粘質物及びグルタミン
酸重合物を皮膚表皮に塗布した区は、無添加区に比較し
て、ピロリドンカルボン酸量が1.5倍以上に増加し
た。又、同条件によるグルタミン酸単独でのピロリドン
カルボン酸量よりも本発明の納豆粘質物及びグルタミン
酸重合物は、ピロリドンカルボン酸量が非常に多かっ
た。これは、グルタミン酸単独によるものより、本発明
の納豆粘質物及びグルタミン酸重合物の方がピロリドン
カルボン酸の生成を促進したことを示す結果となった。
【0026】実施例2(ピロリドンカルボン酸の定量) 下記に示すエモリエントクリームを作成し、上記と同様
な試験方法を用い、その試験方法中の塗布期間だけを7
日間に変えて、ピロリドンカルボン酸の定量をHPLC
によって、各々3回測定した。尚、表2中の数値は平均
値を表し、結果を表2に示した。
【0027】 処方:エモリエントクリーム A.ミツロウ 6.0% セタノール 5.0 還元ラノリン 8.0 スクワレン 37.0 脂肪酸グリセリン 4.0 親水型モノステアリン酸グリセリン 2.0 ポリオキシエチレン 2.0 ソルビタンモノラウリン酸エステル 防腐剤 0.2 B.プロピレングリコール 5.0% 実施例1に記載した検体及び比較品又は無添加 10.0 精製水にて全量を100% とする。 「製法」Aの油層部及びBの水層部を別々に75℃で完
全に加温溶解した後、油層部を水層部中に攪拌しながら
加え、その後、自然冷却する。よって、各々のエモリエ
ントクリームを処方した。
【0028】
【表2】
【0029】試験結果 結果は表2の如く、本発明の納豆粘質物及びグルタミン
酸重合物を配合したエモリエントクリームは、無添加エ
モリエントクリームに比較して、ピロリドンカルボン酸
量が1.5〜2.0倍に増加した。
【0030】実施例3(ピロリドンカルボン酸の定量) 下記に示すローションを作成し、上記と同様な試験方法
を用い、その試験方法中の塗布期間だけを7日間に変え
て、皮膚のピロリドンカルボン酸の定量をHPLCによ
って、各々3回測定した。尚、表3中の数値は平均値を
表し、結果を表3に示した。
【0031】 処方:ローション 鯨ロウ 2.0% ミツロウ 15.0 流動パラフィン 45.0 セチルアルコール 2.0 ホウ砂 1.0 防腐剤 0.2 実施例1に記載した検体及び比較品又は無添加品 10.0 精製水にて全量を100% とする。 「製法」全体を75℃で完全に加温溶解した後、良く攪
拌し、その後、自然冷却する。よって、各々のローショ
ンを処方した。
【0032】
【表3】
【0033】試験結果 結果は表3の如く、本発明の納豆粘質物及びグルタミン
酸重合物を配合したローションは、無添加ローションに
比較して、ピロリドンカルボン酸含有量が1.5〜2.
0倍に増加した。
【0034】実施例4(保湿性試験) 試験方法及び評価方法 表皮角層水分量測定装置(高周波 IMPERDANCE METER mo
del IB 335, アイ・ビイ・エス株式会社製)を使用し、
外周直径6mm,中心直径1mmの電極で皮膚の電気伝導度
を測定した。測定部位は前腕屈側内側とし、測定部位の
電気伝導度をあらかじめ測定する。次に測定部位に試料
を含ませた直径2cmの円形濾紙を貼付して、1分後に濾
紙をはがし、余分な試料をふき取った直後より10分間
毎の電気伝導度を測定し、保湿性試験を行った。尚、保
湿性試験には上記、実施例2で用いた処方:エモリエン
トクリームにて比較を行った。試験条件は、温度:22
〜24℃、相対湿度:50〜54%において、被験者:
健常人6名、塗布量:10mgにて行い、図1に結果を
示した。尚、図1の電気伝導度は健常人6名の平均値を
表し、結果を図1に示した。
【0035】試験結果 結果は図1の如く、本発明の納豆粘質物及びグルタミン
酸重合物を配合したエモリエントクリームは、無添加エ
モリエントクリームと比較すれば、特に高い保湿性効果
が確認され、更に、同条件によるグルタミン酸単独配合
のエモリエントクリームと比較しても、高い保湿性効果
を維持出来ることが確認された。
【0036】実施例5(保湿性試験) 上記と同様の試験方法及び評価方法を用いて保湿性試験
を行い、上記、実施例3で用いた処方:ローションを用
いて比較を行い、図2に結果を示した。
【0037】試験結果 結果は図2の如く、本発明の納豆粘質物及びグルタミン
酸重合物を配合したローションは、無添加ローションと
比較すれば、特に高い保湿性効果が確認され、更に、同
条件によるグルタミン酸単独配合のローションと比較し
ても、高い保湿性効果を維持出来ることが確認された。
【0038】実施例6(感触官能試験) 試験方法及び評価方法 上記、実施例2で用いた処方:エモリエントクリームを
用い、20〜50才の成人男女15名をモニターとし、
洗浄後の手に少量(約2g)渡し、温度:約25℃の条
件化で、塗布後の官能評価試験を実施した。尚、評価方
法は次のA−Eの5段階評価にて行った。 評価A:かなり優れている。 評価B:優れている。 評価C:普通。 評価D:劣っている。 評価E:かなり劣っている。 表4中の数値は人数を表し、結果を表4に示した。
【0039】
【表4】
【0040】試験結果 結果は表4の如く、感触官能評価は、本発明の納豆粘質
物及びグルタミン酸重合物を配合したエモリエントクリ
ームは、無添加エモリエントクリームと比較して、しっ
とり感やのびについて、非常に良い評価が得られ、総合
的にも良い評価が得られた。又、同条件によるグルタミ
ン酸単独配合のエモリエントクリームと本発明品配合エ
モリエントクリームとの比較についても同様に優位差を
示す良好な評価が得られた。
【0041】実施例7(感触官能試験) 試験方法及び評価方法 上記、実施例3で用いた処方:ローションを用い、20
〜50才の成人男女15名をモニターとし、洗浄後の手
に少量(約2g)渡し、温度:約25℃の条件化で、塗
布後の官能評価試験を実施した。尚、評価方法は次のA
−Eの5段階評価にて行った。 評価A:かなり優れている。 評価B:優れている。 評価C:普通。 評価D:劣っている。 評価E:かなり劣っている。 表5中の数値は人数を表し、結果を表5に示した。
【0042】
【表5】
【0043】試験結果 結果は表5の如く、感触官能評価は、本発明の納豆粘質
物及びグルタミン酸重合物を配合したローションは、無
添加ローションと比較較すると、しっとり感やのびにつ
いて、非常に良い評価が得られ、総合的にも良い評価が
得られた。又、同条件によるグルタミン酸単独配合のロ
ーションと本発明品配合エモリエントクリームとの比較
についても同様に優位差を示す良好な評価が得られた。
【0044】実施例8(使用効果試験) 試験方法及び評価方法 上記、実施例3で用いた処方例:ローションを用い、2
0〜50才の成人男女15名をモニターとして、毎日、
朝と夜の2回、洗浄後の手に適量を1ケ月間に渡って塗
布することにより使用効果試験を実施した。尚、評価方
法は次の基準にて行った。 「肌の弾力性改善効果」 有 効:肌の弾力性が改善された。 やや有効:肌の弾力性がやや改善された。 無 効:使用前と変化なし。 「乾燥防止効果」 有 効:肌のカサツキが防止された。 やや有効:肌のカサツキがやや防止された。 無 効:使用前と変化なし。 表6中の数値は人数を表し、結果を表6に示した。
【0045】
【表6】
【0046】試験結果 結果は表6の如く、本発明の納豆粘質物及びグルタミン
酸重合物を配合したローションは肌に弾力性を与え、更
に肌のカサツキも防止する非常に有効的な結果が得られ
た。
【0047】実施例8(安全性試験) 試験方法 皮膚累積刺激性試験を以下に示す方法により実施した。
試験は中嶋、小林らによる連続適用試験(1)を参照し、
まず5匹のモルモットの側腹部をバリカンにて剪毛し、
そこへ1日1回、約4×5cm2の部位に0.5ml/動
物の検体を1週間に連続して塗布した。塗布期間は4週
間に渡って行い、剪毛は各週の最終塗布日に行った。
尚、皮膚の変化に対する評価は、紅斑及び浮腫につい
て、投与期間中の各週の最終塗布日に行い、結果を表7
に示した。尚、参考文献:(1)「新しい毒性試験と安全
性の評価」ソフトサイエンス社とした。
【0048】被験動物は体重285g前後(4週齢)のハー
トレー系雌性モルモット5匹を用い飼育条件としては、
オールフレッシュ方式により、温度22±1℃、湿度50±
10%に調節したモルモット飼育室において、水は水道水
を自動給水により自由に摂取させ、飼料はオリエンタル
酵母製固形飼料(RC-4)を給与した。
【0049】尚、検体としては、本発明の納豆粘質物:
製造例1による納豆粘質物。又、グルタミン酸重合物:
シグマ社製のPOLY-D-GLUTAMIC ACID(分子量15,000-50,
000)の50%水溶液に調整したものを用いた。
【0050】 評価基準(紅斑) 評価基準(浮腫) 紅斑なし・・・・・・・・・・0 浮腫なし・・・・・・・・・・0 ごく軽度の紅斑・・・・・・・1 ごく軽度の浮腫・・・・・・・1 明らかな紅斑・・・・・・・・2 明らかな浮腫・・・・・・・・2 中等度から強い紅斑・・・・・3 中等度から強い浮腫(1mm)・・3 強い紅斑に軽い痂皮形成・・・4 強い浮腫・・・・・・・・・・4
【0051】
【表7】
【0052】試験結果 結果は表7の如く、本発明の納豆粘質物及びグルタミン
酸重合物の高濃度溶液を4週間に渡って、モルモット皮
膚に連続塗布した結果は、塗布後1,2,3,4週目共
に、皮膚に何らの紅斑及び浮腫も認めなかった。
【0053】次に本発明の利用例を検討した実施例9〜
14を記載するが、以下に記載した実施例9〜14も上
記実施例1〜7と同様な結果を示した。尚、以下に記載
した実施例9〜14は各製品の製造における常法により
製造したものである。
【0054】実施例9:二層タイプ化粧水 イソオクタン酸セチル 3.0% テトラオレイン酸ポリオキシ エチレンソルビット 0.2 納豆粘質物又はグルタミン酸重合物 10 .0 (実施例1に記載した検体品) dl−α−トコフェロール 0.1 香料 0.2 グリセリン 6.0 エタノール 10.0 色素 適 量 精製水で100%とした。
【0055】実施例10:コールドクリーム 流動パラフィン 22.0% ラノリン 10.0 アーモンド油 15.0 ホウ砂 10.0 納豆粘質物又はグルタミン酸重合物 10.0 (実施例1に記載した検体品) パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.3 精製水で100%とした。
【0056】実施例11:乳液 流動パラフィン 10.0% ステアリン酸 5.0 セタノール 1.0 パラオキシ安息香酸プロピル 0.1 プロピレングリコール 10.0 カルボキシビニルポリマー 0.3 納豆粘質物又はグルタミン酸重合物 10.0 (実施例1に記載した検体品) 水酸化ナトリウム 0.5 香料 適 量 精製水で100%とした。
【0057】実施例12:バニシングクリーム ステアリン酸 15.0% セタノール 2.0 水酸化カリウム 1.0 グリセリン 5.0 納豆粘質物又はグルタミン酸重合物 10.0 (実施例1に記載した検体品) プロピレングリコール 5.0 香料 0.2 精製水で100%とした。
【0058】実施例13:O/W型クリームファンデー
ション ステアリン酸 4.0% モノステアリン酸グリセリン 3.0 セタノール 1.5 ミリスチン酸イソプロピル 7.0 流動パラフィン 10.0 納豆粘質物又はグルタミン酸重合物 10.0 (実施例1に記載した検体品) トリエタノールアミン 1.5 グリセリン 3.0 ベントナイト 1.0 酸化チタン 8.0 カオリン 3.0 タルク 3.0 着色顔料 1.0 香料 適 量 防腐剤 適 量 精製水で100%とした。
【0059】実施例14:ピールオフパック エタノール 7.0% ポリオキシエチレン オレイルエーテル(20E.O.) 1.0 香料 0.2 納豆粘質物又はグルタミン酸重合物 10.0 (実施例1に記載した検体品) グリセリン 5.0 プロピレングリコール 5.0 ポリビニルアルコール 15.0 精製水で100%とした。
【0060】
【発明の効果】本発明は納豆粘質物又はグルタミン酸重
合物を皮膚表皮上に塗布することによって、ピロリドン
カルボン酸が増加することを知見し、更に、この増加方
法を利用した、納豆粘質物又はグルタミン酸重合物配合
皮膚外用剤は、ピロリドンカルボン酸の特性を持ち、保
湿性が向上する。又、皮膚への高濃度の添加に対しても
安全であり、更に皮膚への使用感も良好である。そして
更に、肌に弾力性を与え、カサツキも防止する優れた効
果を有するものである。尚、本発明の納豆粘質物又はグ
ルタミン酸重合物は、その物自体が高分子物質であるた
め、適度な粘性を有しており、皮膚外用剤に配合すると
増粘剤ともなり得る。従って、利用分野としては、医薬
品、医薬部外品、化粧品等の皮膚外用剤に適用すること
が出来る。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の納豆粘質物又はグルタミン酸重合物を
配合したエモリエントクリームによる保湿性試験を行っ
た結果を示すグラフである。
【図2】本発明の納豆粘質物又はグルタミン酸重合物を
配合したローションによる保湿性試験を行った結果を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 37/02 ADS 8314−4C // A23L 1/20 109 Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 納豆粘質物又はグルタミン酸重合物を皮
    膚表皮に塗布することを特徴とする、ピロリドンカルボ
    ン酸の増加方法。
  2. 【請求項2】 納豆粘質物又はグルタミン酸重合物を配
    合し、ピロリドンカルボン酸を増加させることを特徴と
    する皮膚外用剤。
JP5141534A 1993-05-20 1993-05-20 ピロリドンカルボン酸の増加方法及び皮膚外用剤 Pending JPH06329529A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005306870A (ja) * 2004-04-16 2005-11-04 Amorepacific Corp 皮膚保湿用化粧料組成物
JP2005314331A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Junichi Yamashita 軟膏
JP2010270062A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Pias Arise Kk 皮膚中ヒアルロン酸分解酵素阻害剤、皮膚中ヒアルロン酸増強組成物、並びにそのヒアルロン酸分解酵素阻害剤若しくはヒアルロン酸増強組成物を配合した皮膚外用剤、化粧料

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