JPH0632901A - 自己補強性ポリマー複合体、その製造法およびその成形物 - Google Patents

自己補強性ポリマー複合体、その製造法およびその成形物

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JPH0632901A
JPH0632901A JP18517792A JP18517792A JPH0632901A JP H0632901 A JPH0632901 A JP H0632901A JP 18517792 A JP18517792 A JP 18517792A JP 18517792 A JP18517792 A JP 18517792A JP H0632901 A JPH0632901 A JP H0632901A
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JP
Japan
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hours
film
kgf
methyl
pyrrolidone
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Application number
JP18517792A
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English (en)
Inventor
Hideo Nishino
英雄 西野
Tomoharu Kurita
智晴 栗田
Keiichi Uno
敬一 宇野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0632901A publication Critical patent/JPH0632901A/ja
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 強化繊維を繊維として含まず、分子レベルの
樹脂として含み、成形加工が容易で、かつ優れた強度を
有するポリマー複合体を提供すること。 【構成】 ポリアミドイミドに、該ポリアミドイミド中
でオルトクロロパラフェニレンジアミンおよび/または
パラフェニレンジアミンとピロメリット酸無水化物を重
合して得られるポリイミドを含有することを特徴とする
自己補強性ポリマー複合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強化繊維を繊維として含
まず、分子レベルで樹脂として含むポリマー複合体に関
する。更に詳しくは、構造賦材として射出成形や圧着成
形が可能で自動車や航空機、電気機器の構造材として利
用し得るポリマー複合体に関する。
【0002】
【従来技術・発明が解決しようとする課題】従来より構
造材として用いられている樹脂を強度弾性率に優れた繊
維により補強する繊維強化複合材(FRP)は航空機や
自動車をはじめスポーツ用品等様々な分野で使用されて
いる。しかるにこれらの多くは成形が困難でかつ理論強
度よりかなり低い物性しか出ていないものが多い。その
原因は成形時に充分に樹脂が含浸しない事や、強化繊維
とマトリックス樹脂の界面接着が弱い事等が原因である
と言われている。そこで近年強化繊維として機能する樹
脂が極めて微細にマトリックス樹脂中に分散した複合材
が提案され、目下研究開発されており一部宇宙用途等で
実用化されつつある。しかし、その多くはマトリックス
に強化樹脂と組成に共通な組成をもたなければ相溶しな
いといった条件や、ガラス転移点の高い樹脂を用いる為
に極めて組成に制限が多く、また成形性の低い複合材で
あった。また成形時に相分離を起こし期待した程物性が
向上していない物が多かった。さらに従来のポリイミド
分子複合材は合成調整されたポリアミック酸とマトリッ
クス樹脂とを物理的に混合するため、分散に長時間を要
し、かつ低温で撹拌せねばならない等工業生産上困難な
問題をかかえていた。
【0003】またオルトクロロパラフェニレンジアミン
および/またはパラフェニレンジアミンとピロメリット
酸無水化物を反応させたポリアミド酸を加熱し脱水環化
させると理論強度弾性率に優れたポリイミドになること
はよく知られているが、結晶化速度が速く、実用物性は
期待するほどにはでない。またポリアミド酸溶液の状態
でさまざまな樹脂溶液と混合し分散させようとしても擬
集力が極めて強く溶液状態で相分離したり溶媒を蒸発さ
せる過程で相分離したりして実用的ではなかった。従っ
て本発明の目的は、比較的短時間に製造でき、しかも得
られた物は強度弾性率に優れていることは勿論のこと、
成形が容易で、成形加工性に優れ、工業的に生産し易い
成形用樹脂組成物を得ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため、鋭意研究検討を重ねた結果、遂に本発明
を完成するに到った。すなわち本発明は、ポリアミドイ
ミドに、該ポリアミドイミド中でオルトクロロパラフェ
ニレンジアミンおよび/またはパラフェニレンジアミン
とピロメリット酸無水化物を重合して得られるポリイミ
ドを含有することを特徴とする自己補強性ポリマー複合
体、オルトクロロパラフェニレンジアミンおよび/また
はパラフェニレンジアミンとピロメリット酸無水化物を
ポリアミドイミド溶液中で重合することを特徴とする自
己補強性ポリマー複合体の製造法および前記自己補強性
ポリマー複合体よりなる成形物である。
【0005】本発明においてマトリックスとなるポリア
ミドイミドはイソシアネート法或は酸クロリド法等通常
の方法で合成され、N−メチル−2−ピロリドンやN,
N−ジメチルフォルムアミド等アミド系溶媒やγ−ブチ
ロラクトン等極性の強い溶媒が重合溶媒として用いられ
る。
【0006】前記ポリアミドイミドの原料として酸無水
化物組成としては、トリメリット酸無水物やエチレング
リコールジアンヒドロトリメリテート、プロピレングリ
コールジアンヒドロトリメリテート、1,4−ブタンジ
オールジアンヒドロトリメリテート、ヘキサメチレング
リコールジアンヒドロトリメリテート、ポリエチレング
リコールジアンヒドロトリメリテート、ポリプロピレン
グリコールジアンヒドロトリメリテート等のアルキレン
グリコールジアンヒドロトリメリテート、ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水化物、3,3´,4,4´−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水化物、3,
3´,4,4´−ジフェニルテトラカルボン酸二無水化
物、4,4´−オキシジフタル酸二無水化物等が挙げら
れる。
【0007】またイソシアネート組成としては、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシア
ネート、3,3´−ジメチルジフェニルメタン−4,4
´−ジイソシアネート、3,3´−ジエチルジフェニル
メタン−4,4´−ジイソシアネート、3,3´−ジク
ロロジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、
3,3´−ジクロロジフェニル−4,4´−ジイソシア
ネート、4,4´−ジイソシアネート−3,3´−ジメ
チルビフェニル、ヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
【0008】前記ポリアミドイミドにおけるアミン組成
としては、オルトクロロパラフェニレンジアミン、パラ
フェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4
´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノ
ジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメ
タン、3,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´
−ジアミノジフェニルスルホン、3,4´−ジアミノジ
フェニルスルホン、4,4´−ジアミノベンゾフェノ
ン、3,4´−ジアミノベンゾフェノン、2,2´−ビ
ス(アミノフェニル)プロパン、2,4−トリレンジア
ミン、2,6−トリレンジアミン、パラキシリレンジア
ミン、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等
が挙げられる。
【0009】前記ポリアミドイミドにおける酸組成とし
てはテレフタル酸、イソフタル酸、4,4´−ビフェニ
ルジカルボン酸、4,4´−ビフェニルエーテルジカル
ボン酸、4,4´−ビフェニルスルホンジカルボン酸、
4,4´−ベンゾフェノンジカルボン酸、ピロメリット
酸、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸、3,3´,4,4´−ビフェニルスルホンテトラ
カルボン酸、3,3’,4,4´−ビフェニルテトラカ
ルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマ
ール酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸等とこれ
らの酸クロライドが挙げられる。
【0010】これらの組成は物性や重合性によりイソシ
アネート組成として一種以上のイソシアネートと酸無水
化物組成として一種以上の酸無水化物を組み合わせた
り、アミン組成として一種以上のアミンと酸組成として
一種以上の酸や酸クロライドを組み合わせて共重合等さ
せても良い。
【0011】本発明において、前記樹脂組成物より効果
的に溶媒を蒸発させる為に以下のような溶媒を加えても
よい。それら溶媒としてはトルエン、キシレン等の炭化
水素系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン
系、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル系、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸セロソルブ等のエ
ステル系の溶媒を例として挙げられる。
【0012】本発明には更に物性調節等の目的に応じて
無機の微粒子、可塑剤、硬化促進剤、硬化防止材、調色
材、色材等を加えて使用することも出来る。
【0013】本発明の樹脂組成物より溶媒を蒸発留去さ
せる方法はキャスチング法による塗膜形成法によっても
よいし、湿式紡糸法によってもよい。或いは貧溶媒に投
入沈澱化させた後乾燥させてもよい。但し本発明のポリ
イミド前駆体は比較的加水分解しやすいので貧溶媒の水
分は極力除去しておかなくてはならないし、その種類も
制限される。乾燥目的の加熱は酸素存在下と窒素等の不
活性ガス雰囲気下や真空中でその条件は異なる。
【0014】上記の貧溶媒としてはトルエンやキシレン
等の芳香族炭化水素系、ヘキサンやオクタン等の脂肪族
炭化水素系、テトラヒドロフランやジエチルエーテル等
エーテル系が望ましくメタノールやエタノール等アルコ
ール系の様に活性水素を持つ溶媒は適さない。アセトン
やメチルエチルケトン等ケトン系溶媒は細心の注意を払
って使用しないとポリイミド前駆体の分子量が低下して
しまう。
【0015】乾燥目的の加熱は酸素存在下では200℃
ではゲル化が起こる場合があり250℃では明らかにゲ
ル化する。その為乾燥は200℃以下で行うことが望ま
しい。真空中や不活性ガス雰囲気ではやや温度の制限は
緩和されるが乾燥は200℃以下で行うことが望まし
い。
【0016】強度を持たす為の熱処理は真空下もしくは
窒素等不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましく、物性
は熱処理条件により大いに影響される。積層圧着成形を
例として望ましい熱処理条件を示すと250℃2時間3
30℃2時間350℃2時間で厚さ100μm以下の成
形物の強度が発現するがマトリックスポリマーの耐熱性
が許すなら430℃での短時間加熱によりより優れた物
性が発現する。また形状厚さ等によりトーロン成形物の
ように各々の温度に数時間から数日保持することもあ
る。
【0017】強度を持たす為の熱処理でポリイミド前駆
体の加熱脱水閉環を行わせる代わりに、無水酢酸等の化
学閉環剤を使用しても良いし、またこれにトリフェニル
フォスファイト等リン化合物を併用してポリイミド前駆
体の分子量低下を防止しても良い。特にピリジン等アミ
ン系の溶剤存在下化学閉環剤によりポリイミド前駆体の
脱水閉環を行わせる場合分子量の低下が起こる場合があ
り積極的にリン化合物を添加刷る必要がある場合があ
る。
【0018】ポリアミドイミド溶液は固形樹脂をNMP
等の溶媒に溶解させた後、蒸留により固形分濃度を調節
するとともに、水分量を十分小さくするという方法をと
って調節しても良いし、またNMP等によりポリアミド
イミドを合成して溶液を調節しても良い。ポリアミドイ
ミド溶液に強化樹脂のモノマーを投入する場合、特にア
ミンを投入する場合には、あらかじめポリアミドイミド
溶液を好ましくは60℃以下、望ましくは30℃以下に
してからモノマーの投入を行うことが望ましい。また強
化樹脂のポリアミドイミド溶液中での合成は好ましくは
50℃以下望ましくは20℃以下で行い、急激な増粘や
ゲル化等は避けなくてはならない。あらかじめ調節した
ポリアミドイミド溶液の固形分濃度(NV)は1%から
80%好ましくは1%から60%、望ましくは5%から
20%である。
【0019】本発明においてマトリックスであるポリア
ミドイミドと該ポリアミドイミド中で得られるポリイミ
ドの配合比は1:9から9:1、好ましくは2:8から
8:2である。これらの配合比は相分離や成形性・期待
物性とのバランスからの配合比であるが補強効果が小さ
くても問題ではない場合には、ポリイミドの配合比をよ
り小さなものにする事が出来る。
【0020】
【作用】本発明複合体が優れた補強効果を有している理
由としては、マトリックスとなるポリアミドイミド溶液
中でオルトクロロパラフェニレンジアミンおよび/また
はパラフェニレンジアミンとピロメリット酸無水化物を
反応させポリイミドを合成するため、極めて良好な分散
状態を達成し、かつマトリックス樹脂であるポリアミド
イミドが比較的ゆるいながらも架橋性を有することにあ
ると思われる。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが本発明はこれらの実施例によって何等制限され
るものでない。なお実施例の中で示される特性は以下に
示す方法で評価測定したものである。 対数粘度;0.5gのポリマーを100mlのN−メチ
ル−2−ピロリドン(ポリマーによっては98%濃硫
酸)に溶解した溶液をウベローデ型粘度管を用いて30
℃で測定した。 ガラス転移温度;荷重1g、昇温速度5℃/分でTMA
引っ張り荷重法により測定した。 粘度;B型粘度計を用いて25℃で測定した。 熱分解温度;熱重量法により昇温速度5℃/分で測定し
た。 機械的特性;試料を膜厚約40μm幅1cm(延伸試
料:2mm)のフイルムとしチャック間距離4cm、引
っ張り速度2cm/分で25℃湿度55%にて測定し
た。
【0022】実施例1 反応容器にトリメリット酸無水化物10.99g、ジフ
ェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート13.96
g、N−メチル−2−ピロリドン58.22gを仕込窒
素雰囲気下100℃1時間200℃3時間反応させた
(対数粘度0.62dl/g)。反応溶液を40℃以下
に冷却しオルトクロロパラフェニレンジアミン9.91
gとN−メチル−2−ピロリドン141.78gを加え
充分に溶解させた。1時間放置後40℃を越えないよう
に冷却しながらピロメリット酸無水化物15.16gを
少しづつ加え約5時間反応させた。得られたポリマー溶
液をPETフイルムにキャストし、100℃5分間乾燥
させた後、キャストフイルムを剥し、枠に固定して窒素
雰囲気下150℃6時間200℃1時間250℃4時間
350℃4時間乾燥させた。得られたフイルムは透明で
茶色であった。得られたフイルムの力学特性は初期弾性
率459.7kgf/mm2 、破断強度18.8kgf/
mm2 、破断伸度11.3%であり(ガラス転移温度は4
00℃までには検出されなかった)、マトリックスの力
学特性が初期弾性率251kgf/mm2、破断強度8.
1kgf/mm2 、破断伸度43%であり著しい補強効果
が認められた(ガラス転移温度281℃)。
【0023】実施例2 実施例1においてオルトクロロパラフェニレンジアミン
9.91gとN−メチル−2−ピロリドン141.78
gの代わりにパラフェニレンジアミン7.52gとN−
メチル−2−ピロリドン418.78gにした以外は全
て実施例1と同様にして茶色で透明なフィルムを得た。
得られたフイルムの力学特性は初期弾性率432.2k
gf/mm2 、破断強度16.2kgf/mm2 、破断伸度
12.5%であり(ガラス転移温度は400℃までには
検出されなかった)、著しい補強効果が認められた。
【0024】比較例1 反応容器にトリメリット酸無水化物10.99g、ジフ
ェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート13.96
g、N−メチル−2−ピロリドン58.22gを仕込窒
素雰囲気下100℃1時間200℃3時間反応させた
(対数粘度0.65dl/g)。別の反応容器にオルト
クロロパラフェニレンジアミン9.91とN−メチル−
2−ピロリドン122.40gを加え十分に溶解させ
た。40℃を越えないように冷却しながらピロメリット
酸無水化物15.16gを少しづつ加え約5時間反応さ
せた(対数粘度0.98dl/g)。これらふたつの反
応溶液を気密性の優れたガラス容器に入れ−15℃に3
週間撹拌させた。ドープ液は黒褐色で透明であった。得
られたポリマー溶液をPETフイルムにキャストし10
0℃5分間乾燥させたのちキャストフイルムを剥し枠に
固定し窒素雰囲気下150℃6時間200℃1時間25
0℃4時間350℃4時間乾燥させた。得られたフイル
ムは透明で茶色であった。得られたフイルムの力学特性
は初期弾性率386.2kgf/mm2 、破断強度14.
7kgf/mm2 、破断伸度10.2%であり、マトリッ
クスの力学特性が初期弾性率251kgf/mm2 、破断
強度8.1kgf/mm2 、破断伸度43%であり一応補
強効果が認められた(ガラス転移温度367℃)。
【0025】比較例2 反応容器にトリメリット酸無水化物10.99g、ジフ
ェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート13.96
g、N−メチル−2−ピロリドン58.22gを仕込窒
素雰囲気下100℃1時間200℃3時間反応させた
(対数粘度0.65dl/g)。別の反応容器にオルト
クロロパラフェニレンジアミン9.91とN−メチル−
2−ピロリドン122.40gを加え充分に溶解させ
た。40℃を越えないように冷却しながらピロメリット
酸無水化物15.16gを少しづつ加え約5時間反応さ
せた(対数粘度0.98dl/g)。これらふたつの反
応溶液を気密性の優れたガラス容器に入れ室温下に1日
間撹拌させた。ドープ液は黒褐色で透明であった。得ら
れたポリマー溶液をPETフイルムにキャストし100
℃5分間乾燥させたのちキャストフイルムを剥し枠に固
定し窒素雰囲気下150℃6時間200℃1時間250
℃4時間350℃4時間乾燥させた。得られたフイルム
はやや濁った茶色であった。得られたフイルムの力学特
性は初期弾性率172.3kgf/mm2 、破断強度5.
1kgf/mm2 、破断伸度4.7%であった(ガラス転
移温度280℃)。
【0026】比較例3 反応容器にトリメリット酸無水化物10.99g、ジフ
ェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート13.96
g、N−メチル−2−ピロリドン58.22gを仕込窒
素雰囲気下100℃1時間200℃3時間反応させた
(対数粘度0.65dl/g)。別の反応容器にオルト
クロロパラフェニレンジアミン9.91とN−メチル−
2−ピロリドン122.40gを加え充分に溶解させ
た。40℃を越えないように冷却しながらピロメリット
酸無水化物15.16gを少しづつ加え約5時間反応さ
せた(対数粘度0.98dl/g)。これらふたつの反
応溶液を気密性の優れたガラス容器に入150℃れに7
日間撹拌させた。ドープ液は黒褐色で透明であった。得
られたポリマー溶液をPETフイルムにキャストし10
0℃5分間乾燥させたのちキャストフイルムを剥し枠に
固定し窒素雰囲気下150℃6時間200℃1時間25
0℃4時間350℃4時間乾燥させた。得られたフイル
ムは透明な茶色であった。得られたフイルムの力学特性
は初期弾性率210.3kgf/mm2 、破断強度7.3
kgf/mm2 、破断伸度14.2%であった(ガラス転
移温度322℃)。
【0027】実施例3 反応容器にトリメリット酸無水化物10.99g、ジフ
ェニルメタン−4.4´−ジイソシアネート13.96
g、N−メチル−2−ピロリドン58.22gを仕込窒
素雰囲気下100℃1時間200℃3時間反応させた
(対数粘度0.62dl/g)。反応溶液を40℃以下
に冷却しオルトクロロパラフェニレンジアミン9.91
とN−メチル−2−ピロリドン141.78gを加え充
分に溶解させた。1時間放置後40℃を越えないように
冷却しながらピロメリット酸無水化物15.16gを少
しづつ加え約5時間反応させた。得られたポリマー溶液
をPETフイルムにキャストし100℃5分間乾燥させ
たのちキャストフイルムを剥しピリジンと無水酢酸を容
積比70/30に調節しトリフェニルフォスファイト5
重量%加えた溶液に一晩漬けトルエンで数回洗浄した
後、枠に固定して窒素雰囲気下100℃1時間200℃
3時間350℃4時間乾燥させた。得られたフイルムは
透明で茶色であった。得られたフイルムの力学特性は初
期弾性率487.7kgf/mm2 、破断強度19.6k
gf/mm2 、破断伸度10.5%であり、著しい補強効
果が認められた。
【0028】実施例4 実施例3においてオルトクロロパラフェニレンジアミン
9.91gとN−メチル−2−ピロリドン141.78
gの代わりにパラフェニレンジアミン7.52gとし、
N−メチル−2−ピロリドンを418.78g加えた以
外は全て実施例3と同様にして茶色で透明なフィルムを
得た。得られたフイルムの力学特性は初期弾性率42
7.3kgf/mm2 、破断強度179kgf/mm2 、破
断伸度12.75%であり(ガラス転移温度は400℃
までには検出されなかった)、著しい補強効果が認めら
れた。
【0029】実施例5 反応容器にトリメリット酸無水化物5.36g、エチレ
ングリコールジアンヒドロトリメリテート9.87g、
ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート13.
96g、N−メチル−2−ピロリドン58.22gを仕
込窒素雰囲気下100℃で1時間および200℃で3時
間反応させた(対数粘度0.47dl/g)。反応溶液
を40℃以下に冷却しオルトクロロパラフェニレンジア
ミン9.91とN−メチル−2−ピロリドン141.7
8gを加え充分に溶解させた。1時間放置後40℃を越
えないように冷却しながらピロメリット酸無水化物1
5.16gを少しづつ加え約5時間反応させた。得られ
たポリマー溶液をPETフイルムにキャストし100℃
5分間乾燥させたのちキャストフイルムを剥し、枠に固
定して窒素雰囲気下150℃6時間200℃1時間25
0℃4時間350℃2時間乾燥させた。得られたフイル
ムは透明で茶色であった。得られたフイルムの力学特性
は初期弾性率347.7kgf/mm2 、破断強度16.
3kgf/mm2、破断伸度10.8%であり(ガラス転
移温度は382℃までには検出されなかった)、マトリ
ックスの力学特性が初期弾性率212kgf/mm2 、破
断強度12.9kgf/mm2 、破断伸度13.1%であ
り著しい補強効果が認められた(ガラス転移温度は22
3℃)。
【0030】実施例6 実施例5においてオルトクロロパラフェニレンジアミン
9.91gとN−メチル−2−ピロリドン141.78
gの代わりにパラフェニレンジアミン7.52gとし、
N−メチル−2−ピロリドンを418.78g加えた以
外は全て実施例5と同様にして茶色で透明なフィルムを
得た。得られたフイルムの力学特性は初期弾性率31
6.2kgf/mm2 、破断強度149kgf/mm2 、破
断伸度11.3%であり(ガラス転移温度382℃)、
マトリックスの力学特性が初期弾性率212kgf/mm
2 、破断強度12.9kgf/mm2 、破断伸度13.1
%であり著しい補強効果が認められた(ガラス転移温度
223℃)。
【0031】実施例7 反応容器にトリメリット酸無水化物10.99g、ジフ
ェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート13.96
g、N−メチル−2−ピロリドン58.22gを仕込窒
素雰囲気下100℃1時間200℃3時間反応させた
(対数粘度0.61dl/g)。反応溶液を40℃以下
に冷却しオルトクロロパラフェニレンジアミン9.91
とN−メチル−2−ピロリドン141.78gを加え充
分に溶解させた。1時間放置後40℃を越えないように
冷却しながらピロメリット酸無水化物15.16gを少
しづつ加え約5時間反応させた。得られたポリマー溶液
をPETフイルムにキャストし100℃5分間乾燥させ
たのちキャストフイルムを剥し枠に固定し窒素雰囲気下
150℃1時間乾燥させ、フイルムを室温にて延伸させ
た。延伸倍率80%で固定枠に固定させ150℃3時間
200℃1時間250℃4時間350℃4時間乾燥させ
た。得られたフイルムは透明で茶色であった。得られた
フイルムの力学特性は初期弾性率5120.0kgf/
mm2 、破断強度21.9kgf/mm2 、破断伸度1.3
%であり著しい補強効果が認められた。
【0032】実施例8 実施例7においてオルトクロロパラフェニレンジアミン
9.91gとN−メチル−2−ピロリドン141.78
gの代わりにパラフェニレンジアミン7.52gとし、
N−メチル−2−ピロリドンを418.78g加えた以
外は全て実施例7と同様にして茶色で透明なフィルムを
得た。得られたフイルムの力学特性は初期弾性率472
9.0kgf/mm2 、破断強度18.8kgf/mm2
破断伸度1.8%であり著しい補強効果が認められた。
【0033】実施例9 反応容器にトリメリット酸無水化物10.99g、ジフ
ェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート13.96
g、N−メチル−2−ピロリドン58.22gを仕込窒
素雰囲気下100℃1時間200℃3時間反応させた
(対数粘度0.61dl/g)。反応溶液を40℃以下
に冷却しオルトクロロパラフェニレンジアミン9.91
とN−メチル−2−ピロリドン141.78gを加え充
分に溶解させた。1時間放置後40℃を越えないように
冷却しながらピロメリット酸無水化物15.16gを少
しづつ加え約5時間反応させた。得られたポリマー溶液
をPETフイルムにキャストし100℃5分間乾燥させ
たのちキャストフイルムを剥し枠に固定し窒素雰囲気下
150℃1時間乾燥させ、フイルムを室温にて延伸させ
た。延伸倍率80%で固定枠に固定させ150℃3時間
200℃1時間250℃4時間350℃4時間400℃
1分間乾燥させた。得られたフイルムは透明で茶色であ
った。得られたフイルムの力学特性は初期弾性率592
0.6kgf/mm2 、破断強度25.1kgf/mm2
破断伸度0.9%であり著しい補強効果が認められた。
【0034】実施例10 実施例9においてオルトクロロパラフェニレンジアミン
9.91gとN−メチル−2−ピロリドン141.78
gの代わりにパラフェニレンジアミン7.52gとし、
N−メチル−2−ピロリドンを418.78g加えた以
外は全て実施例9と同様にして茶色で透明なフィルムを
得た。得られたフイルムの力学特性は初期弾性率532
6.6kgf/mm2 、破断強度23.8kgf/mm2
破断伸度1.1%であり補強効果が認められた(ガラス
転移温度は400℃までには検出されなかった)。
【0035】実施例11 反応容器にトーロン4000T24gとN−メチル−2
−ピロリドン76gを仕込窒素雰囲気下100℃に溶解
させた(対数粘度0.42dl/g)。真空蒸留により
固形分濃度を30%に調節水分を留去し溶液を40℃以
下に冷却しオルトクロロパラフェニレンジアミン9.9
1とN−メチル−2−ピロリドン141.78gを加え
充分に溶解させた。1時間放置後40℃を越えないよう
に冷却しながらピロメリット酸無水化物15.16gを
少しづつ加え約5時間反応させた。得られたポリマー溶
液をPETフイルムにキャストし100℃5分間乾燥さ
せたのちキャストフイルムを剥し枠に固定し窒素雰囲気
下150℃6時間200℃1時間250℃4時間350
℃4時間乾燥させた。得られたフイルムは透明で茶色で
あった。得られたフイルムの力学特性は初期弾性率42
9.0kgf/mm2、破断強度16.2kgf/mm2
破断伸度10.8%であり(ガラス転移温度は400℃
までには検出されなかった)、マトリックスの力学特性
が初期弾性率276kgf/mm2 、破断強度9.45k
gf/mm2 、破断伸度11.6%であり著しい補強効果
が認められた(ガラス転移温度288℃)。
【0036】実施例12 実施例11においてオルトクロロパラフェニレンジアミ
ン9.91gとN−メチル−2−ピロリドン141.7
8gの代わりにパラフェニレンジアミン7.52gと
し、N−メチル−2−ピロリドンを418.78g加え
た以外は全て実施例11と同様にして茶色で透明なフィ
ルムを得た。得られたフイルムの力学特性は初期弾性率
386.7kgf/mm2 、破断強度14.9kgf/mm
2 、破断伸度10.6%であり(ガラス転移温度は40
0℃までには検出されなかった)、著しい補強効果が認
められた。
【0037】
【発明の効果】以上かかる構成よりなる本発明自己補強
性ポリマー複合体は、従来の強化繊維を補強剤として含
有したFRPに比較して、その補強剤が分子レベルでマ
トリックス中に均一に分散されるているので、射出成形
や圧着成形が可能となり、かつマトリックスと補強剤と
が相分離しないのでその破断強度や破断伸度が著しく向
上した。従ってその応用範囲は飛躍的に広がり、産業界
に寄与すること大である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドイミドに、該ポリアミドイミ
    ド中でオルトクロロパラフェニレンジアミンおよび/ま
    たはパラフェニレンジアミンとピロメリット酸無水化物
    を重合して得られるポリイミドを含有することを特徴と
    する自己補強性ポリマー複合体。
  2. 【請求項2】 オルトクロロパラフェニレンジアミンお
    よび/またはパラフェニレンジアミンとピロメリット酸
    無水化物をポリアミドイミド溶液中で重合することを特
    徴とする自己補強性ポリマー複合体の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の自己補強性ポリマー複合
    体よりなる成形物。
JP18517792A 1992-07-13 1992-07-13 自己補強性ポリマー複合体、その製造法およびその成形物 Pending JPH0632901A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009022619A1 (ja) * 2007-08-14 2009-02-19 Unitika Ltd. ポリイミド樹脂組成物、該ポリイミド樹脂組成物を与えるポリイミド前駆体樹脂組成物およびそれらの製造方法、ならびにポリイミドフィルムおよびその製造方法

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