JPH0632844U - バタフライバルブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 弁体と回転軸とを、簡易、かつ強固に結合す
る。 【構成】 弁体２の周縁部２か所に、弁体２の厚さより
大寸に形成したボス６を連設し、それぞれのボスに弁体
２の周縁部から内方に向けて、互いに同軸をなす軸取付
孔７を穿設し、１対の回転軸３、４を、各軸取付孔７に
圧入して、弁体２と各回転軸３、４とを一体的に固着し
てあるため、組立てが容易で、かつ回転軸３、４を圧入
したときの強度、剛性が高く、弁体２と回転軸３、４と
を強固に固定することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、流体が流通する管路中に設置されて、管路と直交する軸回りに回転 することにより、管路を開閉するバタフライバルブに関する。

【０００２】

【従来の技術】

バタフライバルブは、一般に、図３に示す縦断平面図及び図４に示す縦断側面 図のように、円筒形の断面をなす弁保持体(１)中に、弁体(２)を管路に直交する 軸(３)(４)をもって回転可能に軸支し、少なくとも一方の軸(３)を弁保持体(１) の壁面を貫通して外部に突出させ、これに係合したハンドル(５)を操作すること により、弁体(２)を、図４に実線で示す開弁位置と、２点鎖線で示す閉止位置と に回転させるように構成されている。

【０００３】 図５は、たとえば実開昭５７−１７２１３２号公報や実開昭６３−１４７５３ ８号公報等に記載された従来のバタフライバルブの一例を示す斜視図で、円板状 の弁体(101)の周縁の２か所に切欠き(102)を形成し、１対の軸(103)の内端に装 着したフオーク(104)をそれぞれ切欠き(102)に係合させて、弁体(101)と１対の 軸(103)とを一体に結合してある。

【０００４】 図６は、従来のバタフライバルブの他の一例を示す斜視図で、左右の回転軸を 一体とした１個の軸(106)の中央部分に弁体装着用の切欠き部(107)を形成して、 ２個の雌ネジ孔(108)を設け、円板状の弁体(105)に設けた２個のボルト孔(109) を貫通させた２個のボルト(110)を雌ネジ孔(108)に螺着して、弁体(105)と軸(10 6)とを一体に結合してある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

図５のバタフライ弁は、弁体(101)と軸(103)とを簡易に結合することができる が、部品の形状が複雑で加工に手間がかかり、また、フオーク(104)の強度が不 足すると、流体圧の急激な変化による繰り返し荷重等によりフオーク(104)が外 方に変形して、いわゆる口が開いた状態になり、結合状態が不安定になる問題が ある。

【０００６】 充分な剛性を持たせるために、フオーク(104)を大型に形成すると、開弁時に 流路中に占める弁体の断面積が大となって、流路の抵抗が大きくなる問題がある 。

【０００７】 図６のバタフライ弁は、強度的には好ましいが、やはり加工や組立てに手間が かかるばかりでなく、軸(106)が管路を横断しているために、開弁時の弁体の断 面積が大となって、流路の抵抗が大きくなる問題がある。

【０００８】 本考案は、これらの問題を解決したバタフライバルブを提供することを目的と する。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案は、管路内に、弁体を管路の軸線に直交 する回転軸により回転可能に支持して、管路を開放する位置と閉止する位置とに 回転させるバタフライバルブにおいて、弁体の周縁部２か所に、弁体の厚さより も大寸に形成され、かつ周端から内方に向かう互いに同軸をなす軸取付孔を備え る１対のボスを連設し、各ボスの軸取付孔に１対の回転軸を圧入することにより 、弁体と各回転軸とを一体的に固着したことを特徴としている。

【００１０】 上記のバタフライバルブは、弁体を鋳造により成形し、かつ１対のボスを弁体 と一体的に形成することが望ましい。

【００１１】 １対のボスを、弁体の周縁のみに形成し、弁体の中央部では途切らせることが 望ましい。

【００１２】

【作用】

１対の回転軸が圧入される軸取付孔を、弁体と一体的に形成したボスに穿設し てあるため、組立てが容易で、かつ回転軸を圧入したときの強度、剛性が高く、 軸取付孔が拡開して結合が不安定になるおそれがない。

【００１３】

【実施例】

図１は、本考案のバタフライバルブの一実施例を示す分解斜視図、図２は、回 転軸装着部の断面図である。

【００１４】 弁体(２)は、鋳造によりほぼだ円円板状に形成され、かつ、その180゜対向す る周縁部には１対の円筒形をなすボス(６)が設けられている。１対のボス(６)は 、弁体(２)の厚さよりも大寸に形成され、それらの中心軸は、弁体(２)の１つの 直径に沿い、かつ、円板の厚さの中心にボス(６)の中心軸が整合するように対設 されている。

【００１５】 各ボス(６)の内端側は、なだらかな段差を設けて徐々に縮径し、弁体(２)の中 心部では、円板の厚さのみを残して、両側のボス(６)を途切らせてある。

【００１６】 各ボス(６)には、それぞれ外縁に開口する軸取付孔(７)を、中心軸方向に穿設 してある。軸取付孔(７)の直径は、左右の回転軸(３)(４)が圧入されて一体的に 固着される寸法に加工してある。

【００１７】 図３は、本考案のバタフライバルブを管路に組付けた縦断平面図、図４は、同 じく縦断側面図である。

【００１８】 回転軸(３)及び(４)を、弁体(２)の軸取付孔(７)の底まで圧入したとき、駆動 側の回転軸(３)の外端が、弁保持体(１)の外面に形成した軸受部(8a)の外方に突 出し、一方、他方の従動側の回転軸(４)の外端が、逆側の外面に形成した軸受部 (8b)の外端面にほぼ一致するように、軸取付孔(７)の深さと各回転軸(３)(４)の 寸法を設定してある。

【００１９】 弁体(２)に回転軸(３)及び(４)を組付けるには、まず、弁保持体(１)内に弁体 (２)を設置したのち、駆動側の軸受(8a)を通して回転軸(３)を挿入し、逆側の軸 受(8b)を通して回転軸(４)を挿入して、それぞれ弁体(２)のボス(６)の軸取付孔 (７)に圧入する。

【００２０】 次いで、各軸受部(8a)(8b)に、それぞれの内方にシール部材(９a)を備えるシ ール保持体(９)と、外方に円筒状をなす軸受メタル(10)とを、回転軸(３)(４)回 りに嵌着し、シール部材(９a)により弁保持体(１)内の流体の漏出を防止し、軸 受メタル(10)により回転軸(３)(４)を回転可能に支承する。

【００２１】 さらに、各軸受部(8a)(8b)の外端面に、それぞれ蓋板(11a)(11b)を装着して、 シール部材(９)及び軸受メタル(10)を所要位置に保持するとともに、回転軸(４) 側の軸受部(8a)よりの流体の洩れを防止する。駆動側の蓋板(11a)の中心には、 回転軸(３)を挿通する通孔を設けてある。

【００２２】 駆動側の回転軸(３)の突出した外端には、ハンドル(５)を係着するための方形 断面部(12)が形成され、端面には雌ネジ孔(13)を設けてある。方形断面部(12)に は、ハンドル(５)の基端部に設けた角孔(14)が嵌着され、ボルト(15)を雌ネジ孔 (13)に螺着することにより、ハンドル(５)と回転軸(３)とが回動不能に固定され ている。

【００２３】 かくして、ハンドル(５)を回転軸(３)を中心として回動させることにより、回 転軸(３)及び(４)に一体的に固着された弁体(２)は、図４に実線で示す開弁位置 と２点鎖線で示す閉止位置とに回転することができる。

【００２４】

【考案の効果】

本考案によれば、次のような効果を奏する。 (ａ) 弁体の周縁部の２か所にボスを一体的に連設し、各ボスに同軸に穿設し た軸取付孔に１対の回転軸を圧入して、弁体と回転軸とを一体に固着してあるた め、各構成部品の構成が簡易化されて組立ても容易となり、安価に製作できる。

【００２５】 (ｂ) 回転軸が圧入される軸取付孔を、弁体と一体に鋳造したボスに穿設する と、回転軸の圧入による変形がなく、回転軸を弁体に強固に組付けることができ る。

【００２６】 (ｃ) 軸取付用のボスを弁体の周縁のみに形成すると、開弁時の断面積がそれ 程小さくならず、流路の抵抗を減少させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のバタフライバルブの一実施例における
弁体と回転軸を示す分解斜視図である。

【図２】弁体と回転軸の組付部を示す部分断面図であ
る。

【図３】本考案を適用したバタフライバルブの縦断平面
図である。

【図４】同じく縦断側面図である。

【図５】従来のバタフライバルブの一例を示す斜視図で
ある。

【図６】従来のバタフライバルブの他の例を示す斜視図
である。

【符号の説明】

(１)弁保持体 (２)弁体 (３)(４)回転軸 (５)ハンドル (６)ボス (７)軸取付孔 (8a)(8b)軸受部 (９a)シール部
材 (９)シール保持体 (10)軸受メタル (11a)(11b)蓋板 (12)方形断面部 (13)雌ネジ孔 (14)角孔 (15)ボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 管路内に、弁体を管路の軸線に直交する
   回転軸により回転可能に支持して、管路を開放する位置
   と閉止する位置とに回転させるバタフライバルブにおい
   て、弁体の周縁部２か所に、弁体の厚さよりも大寸に形
   成され、かつ周端から内方に向かう互いに同軸をなす軸
   取付孔を備える１対のボスを連設し、各ボスの軸取付孔
   に１対の回転軸を圧入することにより、弁体と各回転軸
   とを一体的に固着したことを特徴とするバタフライバル
   ブ。