JPH0632789A - 可溶性ペリレンテトラカルボン酸ジイミド化合物 - Google Patents

可溶性ペリレンテトラカルボン酸ジイミド化合物

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JPH0632789A
JPH0632789A JP1283691A JP1283691A JPH0632789A JP H0632789 A JPH0632789 A JP H0632789A JP 1283691 A JP1283691 A JP 1283691A JP 1283691 A JP1283691 A JP 1283691A JP H0632789 A JPH0632789 A JP H0632789A
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JP
Japan
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perylenetetracarboxylic
acid diimide
perylene tetracarboxylic
compound
bis
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Pending
Application number
JP1283691A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Tsukahara
宏和 束原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高純度品が工業規模の量でも得られる、光電
変換用有機材料として有用なペリレンテトラカルボン酸
ジイミド化合物を提供する。 【構成】 下記式で表される、N,N´−ビス(2−エ
チルヘキシル)−3,4,9,10−ペリレンテトラカ
ルボン酸ジイミド。 【効果】 従来公知のペリレンテトラカルボン酸ジイミ
ド化合物の多くは、加熱時でも有機溶媒に難溶のため、
再結晶法による精製操作が困難であったが、本発明の化
合物によりそれが容易となり、工業規模で高純度品が得
られ易くなった。また、流延(キャスト)法による薄膜
形成も可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な可溶性3,4,
9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド化合物に
関する。本発明に係わる化合物は、光電変換用材料とし
て極めて有用であり、太陽電池、光センサー、電子写真
感光体等に有効に利用できる。
【0002】
【従来の技術】光電変換用材料として数多くの物質が知
られている。中でも長波長域に感光性を示すものとし
て、Si、Se、Se/Te、Se/As、CdS等の
無機化合物がある。これら無機化合物の多くは、可撓性
が無く、従って加工性に難があり、かつ毒性が強いこと
がある。その上、高価に過ぎ、実用材料として多くの問
題を抱えている。
【0003】一方、有機化合物としては、フタロシアニ
ン化合物、ビスアゾ化合物、ペリレンテトラカルボン酸
ジイミド化合物等の有機顔料類が知られている。これら
は通常、不融不溶の固体であるため再結晶法による精製
が困難である。確かに、昇華法による精製が可能なもの
もあるが、飽くまでも試験・研究規模で可能なのであっ
て、工業規模ではコスト高となり実際上実施困難であ
る。つまり、高純度品を工業規模で得ることが容易には
できないという大きな問題点がある。
【0004】有機顔料を単なる染色剤もしくは着色剤と
して用いる場合は、それほど純度を高める必要は少ない
が、光電変換用材料として高度の性能を最大限発揮させ
るには、極めて高純度にする必要があることは、特に最
近になって分かってきたことである。
【0005】また、基盤上に薄膜形成するにも、溶媒可
溶性でないと大面積で得難く、工業的に難があると言え
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、代表
的な有機光電変換用材料の一つである3,4,9,10
−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド化合物において、
再結晶法による精製が容易であり、従って高純度・高性
能の工業材料と成し得る誘導体を提供することである。
【0007】もう一つの目的は、有機溶媒溶液から流延
(キャスト)法で薄膜形成し得る誘導体を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、化1の
式で表されるN,N´−ビス(2−エチルヘキシル)−
3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド
を、新規なペリレンテトラカルボン酸ジイミド化合物と
して採用することによって解決された。
【0009】公知の3,4,9,10−ペリレンテトラ
カルボン酸ジイミド化合物としては、3,4,9,10
−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、N,N´−ジメ
チル−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジ
イミド、N,N´−ジフェニル−3,4,9,10−ペ
リレンテトラカルボン酸ジイミド、N,N´−ビス(4
−メトキシフェニル)−3,4,9,10−ペリレンテ
トラカルボン酸ジイミド、N,N´−ビス(4−クロロ
フェニル)−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボ
ン酸ジイミド、N,N´−ビス(3,5−ジメチルフェ
ニル)−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸
ジイミド等があるが、いずれも有機溶媒類に対して加熱
時でさえ難溶解性であって、再結晶法による精製並びに
溶液からの流延(キャスト)法による薄膜形成が実際上
困難であることを本発明者は確認した。
【0010】3,4,9,10−ペリレンテトラカルボ
ン酸ジイミドのN,N´−置換基が他のアルキル、例え
ば第三級ブチルの場合は、合成時、第三級ブチルアミン
と3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸(二無
水物)との反応性が低く、実際上目的物が十分に得られ
なかった。また、ドデシルのような高級アルキルの場
合、再結晶可能な目的物が得られたが、いわゆる綺麗な
結晶とはならず、2−エチルヘキシル基のときに限っ
て、高純度かつ形態良好な結晶が容易に得られ、本発明
に至ったのである。
【0011】本発明の化合物を合成するには、(1)2
−エチルヘキシルアミンとナフタル酸(無水物)とから
N−2−エチルヘキシル−ナフタルイミドを得て、それ
をKOHで熔融する方法、(2)3,4,9,10−ペ
リレンテトラカルボン酸ジイミドへアルカリ存在下2−
エチルヘキシルハライドを反応させる方法、および
(3)3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸
(二無水物)へ2−エチルヘキシルアミンを反応させる
方法、があるが、(3)の方法が最も容易であった。
【0012】かくして合成された本発明の化合物は、有
機溶媒例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン等を用いて、加熱溶解・濾過・冷却
・析出結晶瀘過分離という、伝統的再結晶操作を行なう
ことによって、高純度の毛様針状結晶として得ることが
できた。
【0013】そして、この結晶は太陽電池、光センサ
ー、電子写真感光体等の光電変換用材料として、溶媒洗
浄による精製しか実際上工業規模で出来なかった公知の
3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド
化合物に比して、高性能を発揮した。その上、溶媒に溶
解して基盤上に薄膜状に塗布するという、いわゆる流延
(キャスト)法による有機薄膜形成の可能性も示され
た。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、以下に示す部および%は、断りのない
限り重量基準である。
【0015】実施例1 N,N´−ビス(2−エチルヘキシル)−3,4,9,
10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミドの合成:3,
4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物2.
5部へ2−エチルヘキシルアミン20部を加え、その上
へN−メチル−2−ピロリドン50容量部とN,N−ジ
メチルホルムアミド100容量部を加えて、攪拌下に加
熱・環流を10時間続けた。放冷後、析出している暗赤
色針状結晶を瀘過・分離し、少量のN,N−ジメチルホ
ルムアミド、続いてメタノールで洗い乾燥した。この結
晶を0.5%KOH水溶液で熱時洗浄し、瀘過し、水洗
し、乾燥した。
【0016】かくして得られた粗結晶の全量をN,N−
ジメチルホルムアミド150容量部へ加熱溶解し、濾過
し、析出結晶を濾し取った。かかる再結晶操作を都合2
回行ったのち、メチルエチルケトンで洗い、乾燥した。
ここで得られた暗赤色毛様針状結晶の収量は2.6部
(収率67%)であった。更に、N,N−ジメチルホル
ムアミド/N−メチル−2−ピロリドン等量混合溶媒1
00容量部より再結晶を行い、得られた針状結晶をメタ
ノールで洗った後乾燥し、元素分析などを行った。
【0017】(1)融点:340〜342℃ (2)元素分析:計算値 C 78.15%,H 6.89%,N 4.56% 実測値 C 78.12 ,H 6.83 ,N 4.85 78.05 , 6.86 , 4.73 78.24 , 6.93 , 4.76 (3)赤外吸収スペクトル(KBr錠剤):図1(特
に、合成原料である3,4,9,10−ペリレンテトラ
カルボン酸二無水物によるνC=O 1740〜178
0/cmが認められない。)
【0018】比較例1 実施例1の2−エチルヘキシルアミンの代りに4−メト
キシアニリンを同量用い、他は同様にして、N,N´−
ビス(4−メトキシフェニル)−3,4,9,10−ペ
リレンテトラカルボン酸ジイミドの不定形粗結晶4.5
部(収率94%)を得た。これの再結晶を試みたが、い
ずれの有機溶媒に加熱時でも難溶であって、再結晶でき
なかった。この粗結晶の赤外吸収スペクトル(KBr錠
剤)においては、合成原料である3,4,9,10−ペ
リレンテトラカルボン酸二無水物によるνC=Oが17
70/cmに明らかに認められ、純度不十分であること
が判った。
【0019】
【発明の効果】本発明を実施することにより、高純度の
ペリレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を、容易に工
業規模の量でも得ることができ、高性能の光電変換部材
の作製に活用することができた。また、有機溶媒に可溶
となったので、流延(キャスト)法による有機薄膜形成
が可能であることも判った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のN,N′−ビス(2−エチルヘキシ
ル)−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジ
イミドの赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月13日
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式で示されるN,N´−ビス(2−
    エチルヘキシル)−3,4,9,10−ペリレンテトラ
    カルボン酸ジイミド。 【化1】
JP1283691A 1991-01-09 1991-01-09 可溶性ペリレンテトラカルボン酸ジイミド化合物 Pending JPH0632789A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100668040B1 (ko) * 2005-04-13 2007-01-15 서강대학교산학협력단 신규 피롤 유도체와 이를 이용한 광감응성 필름
US9012901B2 (en) 2011-03-10 2015-04-21 Panasonic Corporation Photoelectric conversion element

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