JPH06327760A - 抗血栓性医用機器 - Google Patents
抗血栓性医用機器Info
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- JPH06327760A JPH06327760A JP5145486A JP14548693A JPH06327760A JP H06327760 A JPH06327760 A JP H06327760A JP 5145486 A JP5145486 A JP 5145486A JP 14548693 A JP14548693 A JP 14548693A JP H06327760 A JPH06327760 A JP H06327760A
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Abstract
定の薄膜を形成した抗血栓性医用機器を提供する。 【構成】 高分子材料の表面に炭化水素および/または
ハロゲン化炭化水素と酸素および/または酸素含有化合
物とからなるプラズマ重合膜を形成した材料からなるこ
とを特徴とする抗血栓性医用機器。
Description
の薄膜を形成した高分子材料からなる医用機器に関す
る。
臓器、医療機器等の医用分野において広く使用されてい
る。これらの医用高分子材料は、生体組織、血液等の生
体材料と接触する分野、薬剤等と接触する分野等、種々
の環境下で使用されており、したがって、これらの材料
には、使用目的に応じた機能面や強度等の力学的特性に
加えて、生体材料等の環境要素に対して十分な適合性、
耐久性等を有することが必要とされている。医用高分子
材料が使用される分野の例を挙げると、人工臓器として
は人工心肺、人工腎臓、人工肝臓、人工弁、人工血管
等、また医療機器としては動静脈シャント、血管カテー
テル、血液回路、採血機器、血液保存容器、内視鏡、外
科用機器、医用補助装具等多岐にわたるが、従来使用さ
れている医用高分子材料には生体適合性、特に血液に対
する適合性が不十分なものが多く、医用機器に血栓が発
生した場合、医用機器そのものの機能を損なうばかりで
はなく、時には生体に対して重大な影響を与えるおそれ
がある。そのため医用高分子材料の抗血栓性を改善する
提案が数多くなされている。医用高分子材料の抗血栓性
を改善する方法としては、材料自身にこの特性をもたせ
る方法もあるが、このような方法では、必ずしも十分な
抗血栓性が達成されるとは言えず、また特殊な材料を合
成するのはコスト高になる等の問題もあり、通常、既存
材料の表面を処理して抗血栓性を改善する方策が採用さ
れている。従来、医用高分子材料の抗血栓性を改善する
表面処理方法としては、(イ)ヘパリン、ウロキナーゼ
等の血液凝固抑制剤を材料表面に固定化する方法(例え
ば特開昭48−66187号公報、特開昭53−106
778号公報等参照)、(ロ)2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート等の極性基を有する単量体を材料表面にグ
ラフト重合する方法(例えば特開昭49−125493
号公報、特開昭51−125978号公報参照)のほ
か、(ハ)材料表面に(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリル酸等の水溶性単量体をグラフト重合する際
に架橋構造を導入する方法(例えば特開昭63−296
762号公報参照)等が知られている。しかしながら、
前記(イ)の方法は、処理後短期間は良好な抗血栓性が
得られるが、長期的に安定した抗血栓性を付与すること
が困難であり、前記(ロ)の方法は、十分な抗血栓性が
得られず、また前記(ハ)の方法は、グラフト重合条件
の変化に伴う抗血栓性の変動を防止するに止まってお
り、従来の表面処理方法では、十分な抗血栓性を長期に
わたり持続させることができるとは言えない。
た抗血栓性を長期にわたり持続しうる特定の薄膜を形成
した抗血栓性医用機器を提供することにある。
表面に炭素数1〜10の炭化水素および/または炭素数
1〜10のハロゲン化炭化水素と酸素および/または酸
素含有化合物とを用いてプラズマ重合を行うことにより
薄膜を形成した材料からなることを特徴とする抗血栓性
医用機器、を要旨とする。
の炭化水素(以下、単に「炭化水素」という。)として
は、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタ
ン、2−メチルブタン、ヘキサン、2−メチルペンタ
ン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、ヘ
プタン、オクタン、2,2−ジメチルヘキサン、3,3
−ジメチルヘキサン、ノナン、デカン等の直鎖状あるい
は分岐状の非環式飽和炭化水素類;
ン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテ
ン、2−メチル−2−ブテン、2−エチル−1−ブテ
ン、2,3−ジメチル−2−ブテン、1−ペンテン、2
−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2,3−ジメ
チル−2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3
−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1,2−ブ
タジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−
ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,3−ヘキサ
ジエン、1,3,5−ヘキサトリエン、2−ビニル−
1,3−ブタジエン等の非環式不飽和炭化水素類;
ンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン、メンタン、シクロヘプタン、シクロ
オクタン等の脂環式飽和炭化水素類;
ンゼン、プロピルベンゼン、クメン、メシチレン、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニル
ベンゼン、シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シ
クロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジペ
ンテン、シクロブタジエン、シクロペンタジエン、シク
ロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ピネン等の環
式不飽和炭化水素類等を挙げることができる。
素(以下、単に「ハロゲン化炭化水素」という。)とし
ては、例えばモノフルオロメタン、ジフルオロメタン、
トリフルオロメタン、パーフルオロメタン、モノフルオ
ロエタン、ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、テ
トラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、パーフル
オロエタン、ヘキサフルオロプロパン、パーフルオロプ
ロパン、オクタフルオロブタン、パーフルオロブタン、
モノフルオロモノクロロメタン、モノフルオロジクロロ
メタン、ジフルオロジクロロメタン、トリクロロフルオ
ロメタン、モノフルオロモノクロロエタン、モノフルオ
ロジクロロエタン、ジフルオルモノクロロエタン、ジフ
ルオロジクロロエタン、モノフルオロトリクロロエタ
ン、モノフルオロモノクロロプロパン、モノフルオロジ
クロロプロパン、モノフルオロトリクロロプロパン、ジ
フルオロモノクロロプロパン、ジフルオロジクロロプロ
パン、モノフルオロモノクロロブタン、モノフルオロジ
クロロブタン、モノフルオロトリクロロブタン、ジフル
オロモノクロロブタン、ジフルオロジクロロブタン、モ
ノクロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、
パークロロメタン、モノクロロエタン、1,1−ジクロ
ロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリ
クロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、
パークロロエタン、1−クロロプロパン、1,2−ジク
ロロプロパン、1−クロロブタン、1−クロロペンタン
等の非環式ハロゲン化飽和炭化水素類;
ロエチレン、1,2−ジフルオロエチレン、パーフルオ
ロエチレン、1−フルオロプロペン、3−フルオロプロ
ペン、1,1−ジフルオロプロペン、テトラフルオロプ
ロペン、パーフルオロプロペン、1−フルオロ−1−ブ
テン、1,1−ジフルオロ−1−ブテン、ヘキサフルオ
ロ−1−ブテン、パーフルオロ−1−ブテン、1−フル
オロ−2−ブテン、ヘキサフルオロ−2−ブテン、パー
フルオロ−2−ブテン、1−フルオロ−2−クロロエチ
レン、2−フルオロ−1−クロロエチレン、1,1−ジ
フルオロ−2−クロロエチレン、1,1−ジフルオロ−
2,2−ジクロロエチレン、モノクロロエチレン、1,
1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、パ
ークロロエチレン、1−クロロプロペン、3−クロロプ
ロペン、1,1−ジクロロプロペン、テトラクロロプロ
ペン、パークロロプロペン、1−クロロ−1−ブテン、
1,1−ジクロロ−1−ブテン、ヘキサクロロ−1−ブ
テン、パークロロ−1−ブテン、1−クロロ−2−ブテ
ン、ヘキサクロロ−2−ブテン、パークロロ−2−ブテ
ン等の非環式ハロゲン化不飽和炭化水素類;
ン、トリフルオロベンゼン、パーフルオロベンゼン、モ
ノフルオロトルエン、ジフルオロトルエン、トリフルオ
ロトルエン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、
トリクロロベンゼン、モノクロロトルエン、ジクロロト
ルエン、トリクロロトルエン、モノフルオロシクロペン
タン、パーフルオロシクロペンタン、モノフルオロシク
ロヘキサン、パーフルオロシクロヘキサン、モノクロロ
シクロペンタン、モノクロロシクロヘキサン等の環式ハ
ロゲン化炭化水素類を挙げることができる。
素のうち、好ましい化合物は、メタン、エタン、プロパ
ン、ブタン等の直鎖状の非環式飽和炭化水素類;エチレ
ン、プロピレン、2−メチルプロペン、1−ブテン、2
−ブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−
ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1,2−ブタジ
エン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペン
タジエン、1,4−ペンタジエン等の非環式不飽和炭化
水素類;シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタ
ン等の脂環式飽和炭化水素類;モノフルオロメタン、ジ
フルオロメタン、トリフルオロメタン、モノフルオロエ
タン、ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、モノフ
ルオロモノクロロメタン、モノフルオロモノクロロエタ
ン、モノフルオロモノクロロプロパン、モノフルオロモ
ノクロロブタン、モノクロロメタン、ジクロロメタン、
トリクロロメタン、モノクロロエタン、1,1−ジクロ
ロエタン、1,2−ジクロロエタン、1−クロロプロパ
ン、1,2−ジクロロプロパン、1−クロロブタン等の
非環式ハロゲン化飽和炭化水素類;モノフルオロエチレ
ン、1,1−ジフルオロエチレン、1,2−ジフルオロ
エチレン、1−フルオロプロペン、3−フルオロプロペ
ン、1,1−ジフルオロプロペン、1−フルオロ−2−
クロロエチレン、2−フルオロ−1−クロロエチレン、
モノクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、1,
2−ジクロロエチレン、1−クロロプロペン、3−クロ
ロプロペン、1,1−ジクロロプロペン等の非環式ハロ
ゲン化不飽和炭化水素類;モノフルオロベンゼン、ジフ
ルオロベンゼン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、モノフルオロシクロペンタン、モノクロロシクロペ
ンタン等の環式ハロゲン化炭化水素類等である。
ン化炭化水素は、それぞれについて単独でまたは2種以
上を混合して使用することができ、また炭化水素とハロ
ゲン化炭化水素とを併用することもできる。
化合物は、分子中に酸素原子以外の元素、例えば窒素原
子、硫黄原子等をさらに含有することができる。このよ
うな酸素含有化合物としては、例えば一酸化炭素、二酸
化炭素、一酸化窒素、一酸化二窒素、二酸化窒素、三酸
化二窒素等の無機化合物;
−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−
ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、2−メチル
−2−プロピルアルコール、1−ペンチルアルコール、
2−ペンチルアルコール、2−メチル−2−ブチルアル
コール、1−ヘキシルアルコール、2−ヘキシルアルコ
ール、2−メチル−2−ペンチルアルコール、1−ヘプ
チルアルコール、2−ヘプチルアルコール、2−メチル
−2−ヘキシルアルコール、1−オクチルアルコール、
2−オクチルアルコール、2−メチル−2−ヘプチルア
ルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキシルアルコ
ール、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、フ
ルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコー
ル、2,2,2−トリフルオロエチルアルコール、2−
クロロエチルアルコール、2−アミノエチルアルコー
ル、2−(ジメチルアミノ)エチルアルコール、ヒドロ
キシエチルアミン、ヒドリキシプロピルアミン、(メ
タ)アリルアルコール、2−プロピン−1−オール等の
アルコール類;
ジブチルエーテル、プロピレンオキシド、1,2−エポ
キシブタン、ジオキサン、トリオキサン、フラン、2−
メチルフラン、テトラヒドロフラン、ピラン、テトラヒ
ドロピラン、1,1−ジメトキシエタン、1,2−ジメ
トキシエタン、1,1−ジエトキシエタン、1,2−ジ
エトキシエタン、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、エピクロロヒドリ
ン、モルホリン、メチルフェニルエーテル、エチルフェ
ニルエーテル、p−ジメトキシベンゼン、ベンジルエチ
ルエーテル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、ジビニルエーテル、メトキシアセチレン、エトキシ
アセチレン等のエーテル類;
タノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサ
ノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノ
ン、2,3−ジメチル−4−ペンタノン、2,3−ヘキ
サンジオン、2,4−ヘキサンジオン、2,5−ヘキサ
ンジオン、3,4−ヘキサンジオン、ホロン、イソホロ
ン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルビニル
ケトン、エチルビニルケトン、ジビニルケトン、ケテ
ン、メチルケテン、ジケテン、3−ペンテン−2−オ
ン、4−メチル−3−ペンテン−2−オン等のケトン
類;
ロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレルアルデ
ヒド、ピバリンアルデヒド、カプロンアルデヒド、ヘプ
トアルデヒド、カプリルアルデヒド、ペラルゴンアルデ
ヒド、カプリンアルデヒド、アクロレイン、ベンズアル
デヒド等のアルデヒド類;
類;
無水酢酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、サリチル
酸、グリシン、セリン、(メタ)アクリル酸、クロトン
酸、プロピン酸、4−ペンテン酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラ
コン酸等の飽和カルボン酸あるいは不飽和カルボン酸
類;
ン酸類のフッ素原子および/またはシロキサニル基で置
換されていてもよいエステル類;前記飽和カルボン酸あ
るいは不飽和カルボン酸類のアミド類;
ニル、酢酸(メタ)アリル、(メタ)アクリルアミド等
のビニル系化合物を挙げることができる。
物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することが
できる。
い化合物は、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、メチルア
ルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ジ
エチルエーテル、ジプロピルエーテル、プロピレンオキ
シド、ニトロメタン、ニトロエタン等である。
炭化水素および/またはハロゲン化炭化水素と酸素およ
び/または酸素含有化合物とは混合ガス雰囲気を形成す
るが、該雰囲気は必ずしも純粋である必要はなく、全体
の10モル%以下であれば、例えば水素、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム、空気等の他のガス成分が混合されていて
もよい。
ロゲン化炭化水素と酸素および/または酸素含有化合物
との混合比は、容量比で、通常、0.05〜10であ
り、好ましくは0.2〜5である。前記混合比が0.0
5未満では、高分子材料表面に形成されたプラズマ重合
膜の耐久性が不十分となるおそれがあり、また10を超
えると、プラズマ重合後の高分子材料が着色しやすく、
また抗血栓性が低下する傾向があり、医用分野で使用す
るには不適当となる場合がある。
/またはハロゲン化炭化水素と酸素および/または酸素
含有化合物とを、ガスとして、あるいは常温で液体の化
合物の場合は蒸気化して、プラズマ重合室内に供給す
る。したがって、プラズマ重合室(以下、「重合室」と
いう。)としては、これらのガスの導入口および重合室
内を所定の真空度に保つための排気装置を備えたものを
用いる。
ン化炭化水素と酸素および/または酸素含有化合物と
を、予め混合して供給しても、あるいは別々に供給して
重合室内で混合してもよい。またこれは、炭化水素およ
び/またはハロゲン化炭化水素として2種以上の化合物
を使用する場合、あるいは酸素および/または酸素含有
化合物として2種以上の化合物を使用する場合も同様で
ある。
は、通常のプラズマ重合と同様であり、特に限定される
ものではないが、真空度は0.01〜10Torrが好まし
く、電場が交流の場合は、周波数50Hz〜3GMHz、放電
電力0.2〜1000W が好ましく、電場が直流の場合
は、電圧500V 〜5KV、放電電力1〜500Wが好ま
しい。また処理時間は、30秒〜30分程度が適当であ
り、重合室内に流入するガスの流量は、重合室の内容積
100リットル当たり0.1〜100cc(標準状態)
/分程度で十分である。このような条件で処理すること
により、陽極と陰極との間にグロー放電が起こり、プラ
ズマ重合が進行することになる。
材料が変質しない程度の温度であれば特に制約はなく、
材料の種類、処理ガスの種類等に応じて、例えば0〜3
00°C程度の範囲から適宜選定することができる。
電装置は、特に制約されるものではなく、放電方式は、
例えば低周波放電、高周波放電、マイクロ波放電、直流
放電等のいずれでもよく、また、放電装置も内部電極方
式、外部電極方式、無電極方式等のいずれでもよい。さ
らに、電極やコイルの形状、マイクロ波放電の場合のキ
ャビティやアンテナの構造等も適宜選定することができ
る。なお、プラズマは磁場の影響を強く受けるので、処
理系に磁場をかけ、それによりプラズマを局在化させて
安定な放電を行なわせることもできる。本発明における
プラズマ重合処理の対象となる高分子材料は一般に誘電
体であるので、電荷の蓄積による絶縁破壊を避けるよう
配慮することが望ましく、そのためには、放電周波数を
比較的高くするか放電電流を小さくするなどの方策を講
じることができる。
式、半連続式あるいは連続式のいずれでも実施すること
ができる。バッチ式の場合、重合室は1室あるいは2室
以上から構成することができ、後者の場合は、プラズマ
重合の予備段階として、例えば高分子材料を清浄化する
ためのスパッタエッチング処理やプラズマ処理を、プラ
ズマ重合とは別の処理室で実施することができる。半連
続式は一般に被処理材料が重合室を通過するものである
が、この重合室は、例えば高分子材料がフィルムである
場合、該フィルムの送り出し部、巻取り・取出し部と同
一であっても別であってもよい。また連続式では、基本
的には重合室と被処理材料の送り出し、巻取り・取出し
等の付帯設備とが分離されている。これれの半連続式お
よび連続式においても、バッチ式と同様に、予めスパッ
タエッチング処理やプラズマ処理により高分子材料を清
浄化しておくこともできる。
の厚さは、薄過ぎると、抗血栓性が不十分となるおそれ
があり、また、かなり厚くても、一般に性能的には問題
はないが、工業的な生産性の観点から得策ではなく、通
常、10〜10,000Åの範囲から選択される。プラ
ズマ重合膜の好ましい厚さは、30〜3,000Å、さ
らに好ましくは100〜3,000Åである。
表面の一部または全部を被覆している。そのいずれであ
っても、被覆膜は高分子材料表面上に連続して存在する
ことができ、また不連続に存在することができる。ここ
で言う不連続に存在するとは、例えば、高分子材料表面
からなる海の上にプラズマ重合膜が島状に分散した、い
わゆる海ー島構造と考えることができるものである。
料は、医用機器の使用目的に応じて適宜選定することが
でき、その例としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化
ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニル
アルコール、アルキル基がフッ素原子および/またはシ
ロキサニル基で置換されていてもよいポリアルキル(メ
タ)アクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリブタジ
エン、ポリ(スチレンーブタジエン)、ポリアセター
ル、ポリエーテル、ポリケトン、ポリウレタン、ポリカ
ーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、
ポリウレタン、ポリサルファイド、ポリスルホン、ポリ
シロキサン、天然ゴム、セルロース等の合成あるいは天
然高分子材料のほか、ポリスチレンをハードセグメント
とし、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(エチレ
ン−ブチレン)等をソフトセグメントとするスチレン系
ブロック熱可塑性エラストマー、ポリエチレンおよび/
またはポリプロピレンとエチレン−プロピレンコポリマ
ーおよび/またはエチレン−プロピレン−エチリデンノ
ルボルネンコポリマーとをブレンドしたオレフィン系熱
可塑性エラストマー、ポリウレタンをハードセグメント
とし、ポリエーテルおよび/またはポリエステルをソフ
トセグメントとするウレタン系ブロック熱可塑性エラス
トマー、ポリエステルをハードセグメントとし、ポリエ
ーテをソフトセグメントとするポリエステル系ブロック
熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー類を挙
げることができる。これらの高分子材料は、単独でまた
は2種以上を混合して使用することができる。
ため、あるいは商品価値を高めるために、充填材、補強
材、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、染・顔
料等の各種添加剤を配合することもできる。
プラズマ重合による処理に先立って、他の処理、例えば
前記スパッタエッチング処理やプラズマ処理のほか、火
炎処理、紫外線処理、放射線処理、サンドブラスト処
理、溶剤処理、薬品処理、グラフト重合処理等を受ける
こともできる。
目的に応じて、フィルム、シート、チューブ、ロッド、
繊維状物等から適宜選定することができる。
医用機器は、血液と接触して使用される人工心臓、人工
心肺、人工腎臓、人工肝臓、人工弁、人工血管等の抗血
栓性を必要とする人工臓器や、動静脈シャント、血管カ
テーテル、血液回路、採血機器、血液保存容器等の抗血
栓性を必要とする医療機器等、あるいはこれらの構成部
材として使用される。
さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
に何ら制約されるものではない。ここで、各評価は、下
記の要領で行った。親水性 未処理、処理直後、処理後空気中に3ヵ月放置のそれぞ
れの場合について、試料表面の水接触角を測定して、親
水性を評価した。
処理表面を、1Kgの荷重を掛けた含水スポンジで前後に
1000回(但し、前後それぞれを1回にカウントす
る。)擦ったのちの水接触角を測定(スポンジテスト)
して、耐久性を評価した。
純水で2回洗浄し、家兎(日本白色種、雄、体重約2.
5Kg)の新鮮血液から分離して得た所定数の血小板を、
温度37℃で30分間接触させたのち、グルタルアルデ
ヒドで固定化し、脱水した。次いで、走査型電子顕微鏡
により1000倍の倍率で表面を観察し、1mm2 当りの
血小板粘着数を計数して、抗血栓性を評価した。
mm、長さ30mm、厚さ0.5mmの1,2−ポリブタジエ
ン(商品名RB820 、日本合成ゴム(株)製)からなる試
料を置き、装置内を真空度30mTorr に保持して、等モ
ルのメタンと二酸化炭酸との混合ガスを流量20cc/分
で導入し、10KHz の高周波電源を用い、10分間放電
処理して、試料表面にプラズマ重合膜を形成した。得ら
れた試料について、親水性、耐久性および抗血栓性の評
価を行った。評価結果を表1に示す。
の混合ガスを用いた以外は、実施例1と同様にして、プ
ラズマ重合膜の形成および各評価を行った。評価結果を
表1に示す。
mm、長さ30mm、厚さ0.5mmのスチレン−ブタジエン
ブロック熱可塑性エラストマー(商品名TR2400、日本合
成ゴム(株)製)からなる試料を置き、装置内を真空度
30mTorr に保持して、ベンゼンとメチルアルコールと
のモル比1:2の混合物を加熱蒸気化し、アルゴンをキ
ャリヤーガスとして((ベンゼン+メチルアルコー
ル):アルゴン=1:1(容量比))、流量20cc/分
で導入し、20KHz の高周波電源を用い、20分間放電
処理して、試料表面にプラズマ重合膜を形成した。得ら
れた試料について、実施例1と同様にして各評価を行っ
た。評価結果を表1に示す。
mm、長さ20mm、厚さ0.5mmの1,2−ポリブタジエ
ン(商品名RB820 、日本合成ゴム(株)製)からなる試
料を置き、装置内を真空度30mTorr に保持して、酸素
ガスを流量20cc/分で導入し、10KHz の高周波電源
を用い、10分間放電処理して、試料表面にプラズマ重
合膜を形成した。得られた試料について、各評価を行っ
た。評価結果を表1に示す。
mm、長さ20mm、厚さ0.5mmの1,2−ポリブタジエ
ン(商品名RB820 、日本合成ゴム(株)製)からなる試
料を置き、装置内を真空度30mTorr に保持して、メタ
ンガスを流量20cc/分で導入し、10KHz の高周波電
源を用い、10分間放電処理して、試料表面にプラズマ
重合膜を形成した。得られた試料について、各評価を行
った。評価結果を表1に示す。
水性を有し、生体組織との適合性に優れるのみならず、
優れて抗血栓性を長期にわたり持続することができる。
したがって、該医用機器は、血液と接触して使用され、
抗血栓性を必要とする各種人工臓器、医療機器等とし
て、極めて有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 高分子材料の表面に炭素数1〜10の炭
化水素および/または炭素数1〜10のハロゲン化炭化
水素と酸素および/または酸素含有化合物とを用いてプ
ラズマ重合を行うことにより薄膜を形成した材料からな
ることを特徴とする抗血栓性医用機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14548693A JP3191493B2 (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 抗血栓性医用機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14548693A JP3191493B2 (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 抗血栓性医用機器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06327760A true JPH06327760A (ja) | 1994-11-29 |
JP3191493B2 JP3191493B2 (ja) | 2001-07-23 |
Family
ID=15386378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14548693A Expired - Fee Related JP3191493B2 (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 抗血栓性医用機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3191493B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001087359A1 (fr) * | 2000-05-16 | 2001-11-22 | Taisei Kako Co., Ltd. | Procede de fabrication d'un outil de scellement sterilise au moyen de peroxyde d'hydrogene gazeux |
-
1993
- 1993-05-26 JP JP14548693A patent/JP3191493B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001087359A1 (fr) * | 2000-05-16 | 2001-11-22 | Taisei Kako Co., Ltd. | Procede de fabrication d'un outil de scellement sterilise au moyen de peroxyde d'hydrogene gazeux |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3191493B2 (ja) | 2001-07-23 |
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