JPH06325630A - 酸化物超電導線材及び超電導装置 - Google Patents

酸化物超電導線材及び超電導装置

Info

Publication number
JPH06325630A
JPH06325630A JP5114366A JP11436693A JPH06325630A JP H06325630 A JPH06325630 A JP H06325630A JP 5114366 A JP5114366 A JP 5114366A JP 11436693 A JP11436693 A JP 11436693A JP H06325630 A JPH06325630 A JP H06325630A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
superconducting
silver
wire
composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5114366A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Kamo
友一 加茂
Keiji Fukushima
敬二 福島
Seiji Takeuchi
瀞士 武内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=14635921&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH06325630(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP5114366A priority Critical patent/JPH06325630A/ja
Priority to US08/240,314 priority patent/US5625332A/en
Priority to DE69401992T priority patent/DE69401992T2/de
Priority to EP94107489A priority patent/EP0627773B1/en
Publication of JPH06325630A publication Critical patent/JPH06325630A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/20Permanent superconducting devices
    • H10N60/203Permanent superconducting devices comprising high-Tc ceramic materials

Abstract

(57)【要約】 【目的】強度に優れ、かつ、電気伝導度,熱伝導度を使
用目的に応じて任意の範囲に制御しうる酸化物導体超電
導線材及びこれを用いた装置を提供することを目的とし
たものである。 【構成】本発明は、酸化物超電導材料からなる導体コア
と、該導体コアの周囲に形成された良導電性金属からな
る被覆材を有する超電導線材であって、該被覆材金属に
非超電導性金属酸化物を分散した複合材であることを特
徴とする。 【効果】強度に優れ、かつ、電気伝導度,熱伝導度を使
用目的に応じて任意の範囲に制御しうる酸化物導体超電
導線材及びこれを用いた装置とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物超電導体を用い
た超電導線材に係り、磁場均一度が高く、安定性に優れ
た超電導コイル,超電導電流リード及び超電導ケーブル
とこれを用いた超電導装置に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化物超電導体は、(La/Ba)2Cu1
4-δの発見を契機に臨界温度が液体窒素温度を超える
1Ba2Cu37-δの発見(M.K.Wu,J.R.Ashbur
n,C.T.Torng,Y.Q.Wand and C.W.Chu:Phy
s.Rev.Lett.,58(1987)908)によって液体
窒素温度作動超電導応用機器の出現が期待され、活発な
研究開発が進められている。
【0003】特に高い臨界温度を持つ材料の開発はめざ
ましく、Bi2Sr2Ca1Cu28-δ,Bi2Sr2Ca2Cu3
10-δ がそれぞれ約80K,約105Kの臨界温度を持
つ超電導体であり(H.Maeda,Y.Tanaka,M.Fukuto
mi,and T.Asano:Jpn.J.Appl.Phys.,27(1
988)L209)、また、Tl2Ba2Ca1Cu28-δ,Tl
2Ba2Ca2Cu310-δがそれぞれ約110K,約125
Kの臨界温度を持つ超電導体であり(Z.Z.Sheng and
A.M.Hermann:Nature322(1988)L55)、
あるいは、Tl1Sr2Ca1Cu27-δ,Tl1Sr2Ca2Cu3
9-δがそれぞれ約75K,100Kの臨界温度を持つ
超電導体であること(S.Matsuda,S.Takeuchi,A.
Soeta,T.Suzuki,T.Kamo:Jpn.J.Appl.Phy
s.,27(1988)2062)が発見された。これらは
何れも液体窒素温度を超える臨界温度を持った超電導相
を持っており、その後さらに、これらの組成の一部を異
なった元素で置換した誘導体を合成することによって、
臨界温度の高いもの,化学安定性の高いもの,単一相合
成の容易なものなど、その物質の特性を改善する材料開
発が続けられている。
【0004】これらの高温超電導材料の特長を最も有効
に活用する液体窒素温度作動の応用技術としては、線材
化して電気抵抗零の状態で導体としてケーブルやコイル
として用いることと薄膜状の超電導デバイスとして用い
ることが提案されている。特に、エネルギー関連分野で
の応用には、酸化物超電導線材の開発が重要な技術ポイ
ントとなる。酸化物超電導材料の線材化技術について
は、銀などの金属をシース材とした線引き−圧延法や銀
板上に酸化物超電導材料を塗布または張り合わせたあと
でこれを同心円状に巻取り、延伸するジェリーロール法
または銀テープ上に酸化物超電導材料を塗布する方法な
ど多くの提案がある。この場合、シース材や基板材料と
しては、上記酸化物超電導体を熱処理するに際して、酸
化物超電導体は、高温で一部溶融状態を取り、アルカリ
性溶融塩の性質を示し、通常の、銅,鉄系の金属導電性
材料は腐食されてしまうため、電気化学平衡から見て、
金若しくは銀及びその合金材料が、シース材や基板とし
て用いられている。
【0005】こうして得られた線材を用いてコイルを作
製するに当たって幾つかの技術的問題点が存在する。超
電導コイルは、用いる超電導線材をコイル形状に巻取る
ときに、コイルの安定性を確保するために特定の張力を
かけて巻く必要がある。またマグネットとして作動する
ときに発生する磁場と電流との作用でフープ力の形で巻
かれた線材は強い電磁力を受ける。このために、特定の
引張り強度が必要になる。しかしながら、現状、シース
材や基板に用いられる金若しくは銀は剛性の低い材料で
あるため上記した巻取り時や作動時の強度を満足するこ
とが出来ない。又、シース材や基板を用いて複合化した
酸化物超電導体を金属系超電導体を用いたヘリウムを冷
媒とする超電導コイルあるいは装置の永久電流スイッ
チ,電流リードやケーブルに用いる場合、シース材や基
板の熱伝導率を下げたり、電気抵抗を大きくする必要が
生じる場合がある。このような場合には、シース材や基
板に用いられる材料が金若しくは銀であると、実用的に
不利な材料となってくる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した酸化物超電導
体を線材化してコイル,永久電流スイッチ,電流リード
もしくはケーブルなどに応用することを考えた場合、シ
ース材や基板材料として、化学平衡論的には金若しくは
銀及びその合金材料が選択されるが、実用的な線材,導
体の大きい強度,低い熱伝導率,常電導状態での電気抵
抗の広い設計選択幅などの特性を満足することは困難で
ある。即ち、磁場均一度が高く、安定性に優れたコンパ
クトな超電導コイルを実現するためには、シース材又は
基板の電気抵抗が十分に小さく安定化材としての特性を
有し、線材をコイルに巻き取るとき及び作動時の電磁力
に耐えうる剛性を持った線材が必要となる。又、熱侵入
の少ない強度に優れた電流リードを実現するためには、
熱伝導率の小さい、強度の強いシース材若しくは基板が
必要となる。又、酸化物超電導体を永久電流スイッチと
して実現するためには、電気抵抗の高いシース材若しく
は基板が必要となる。本発明は、酸化物超電導体を用い
た超電導線材に係り、大きい強度,低い熱伝導率,常電
導状態での電気抵抗の広い設計選択幅を有するシース材
や基板材料とこれと複合した超電導線材及び磁場均一度
が高く、安定性に優れた超電導コイル,超電導電流リー
ド,永久電流スイッチ、及び超電導ケーブルとこれを用
いた超電導装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく発
明者らは鋭意研究した結果以下の発明に至った。
【0008】即ち、酸化物超電導材料を導体コアとし、
その周囲に銀又は銀合金を被覆してなる構造を一つ以上
複合してなる酸化物超電導線材において、該金,銀また
は銀合金被覆材が酸化物を分散した構成とすることによ
って、大きい強度,低い熱伝導率,常電導状態での電気
抵抗の広い設計選択幅を持った超電導線材が得られるこ
とを見出した。以下に本発明の実施手段に付いて詳しく
述べる。
【0009】酸化物超電導線材の作製方法には、多くの
方法が提案されている。ここでは、その一つの例として
金属シースを用いる線引き加工法に付いて述べる。酸化
物超電導体あるいはその前駆体を粉砕して、これを金属
パイプに充填する。次に、これをドローベンチあるいは
スゥエージャーで線引きを行い、所定の線径まで細線化
する。この工程は、線材の形状を所定形状にすると同時
に、シース内に充填された酸化物超電導粉末を高密度化
する作用も併せて持っている。酸化物超電導体の場合、
更に、電流パスを大きくする目的で、この線引きされた
線材をロールプレスなどの圧延機で加圧する工程を加え
ると高い臨界電流密度を持った線材を得るのに有効であ
る。得られた線材は、目的に応じてこの線材を一本以上
複合させてコイル状に巻いたり、リード線状やケーブル
状に成形して、その後に結晶化あるいは焼結を目的とし
て熱処理を加えることによって実現することが出来る。
線材化の方法はこの方法に限定されることはなく、この
他に、例えば、金属基板上にスプレーパイロリシス,レ
ーザ蒸着法,プラズマ溶射法或いはドクターブレード法
によって作製されたグリーンシートを圧着する方法など
でテープ状線材を得る方法などは有効である。この際に
も、線材の臨界電流密度を高める目的で製作工程の中に
プレス操作を加えることは好ましい方法である。
【0010】上記した基本的な製作工程に用いられるシ
ース材あるいは基板材料は、本発明において最も重要な
構成部分である。本発明の特徴とするところは、金,銀
またはこれらの合金に酸化物を分散するところにある。
分散する酸化物としては、線材を熱処理する工程で酸化
物超電導体と反応しない不活性酸化物であれば特に限定
はない。例えば、アルミナ,ジルコニア,マグネシア,
イットリア,チタニア、及びこれらの複合酸化物などは
好ましい材料である。又、酸化物超電導体に対して科学
的に反応しなくても、酸化物超電導体を構成する元素の
うち酸化物超電導線材の熱処理温度を越える高い融点を
持つ酸化物粒子を分散することも有効な方法である。こ
のような分散材としては、カルシア,ストロンチア,バ
リア,希土類酸化物などがある。これらの酸化物粒子を
加えるのには、幾つかの方法がある。第一の方法は、金
属材料である金または銀の粉末粒子と上記した酸化物の
粉末粒子をボールミルなどを用いて機械的に強く混合す
る操作を加える所謂メカニカルアローイング法がある。
また本発明においては、銀または金は高温に置いて酸化
されないために、分散される酸化物の前駆体として金属
状態で金や銀に加えて、これを酸化する所謂内部酸化法
で製造する方法も有効である。こうして得られた酸化物
を分散した金属粉末を冷間加工や熱間加工によってパイ
プ状や板状に加工し、シース材や基板材料として用いる
とよい。酸化物分散材の添加量は分散される酸化物によ
って異なるが、むしろ、分散された酸化物の粒径と分散
粒の平均距離がこの材料の固さ,強度などの特性を大き
く支配する。分散された酸化物の平均粒径は、1000
nm以下が好ましい。例えば、酸化物の添加量を1〜
0.1wt% とし、酸化物の分散粒子径が100〜20
nmとなるとき、このとき分散粒の平均距離が1000
〜100nmで、目的とする材料の固さ,強度などの特
性が得られる。例えば、電気抵抗及び熱伝導率を小さ
く,機械強度の強いものを用いる場合には、分散する酸
化物の粒径を小さく分散するよりも、添加量をパラメー
タとして所定の電気抵抗,熱伝導率が得られる条件を選
びだすことが出来る。又、電気抵抗及び熱伝導率を大幅
に低下させることなく、実行的に良導体として、機械強
度の高いものを得る場合には、添加する酸化物の粒子径
を小さくとり、均一な分散を図ることによって目的を達
成することが出来る。このような選択をした場合には、
シース材は、比較的低い電気抵抗を持つために、通常の
超電導コイルにおける安定化材としての役割を果たすこ
とが期待される。
【0011】超電導線材を構成する超電導材料には、従
来の金属あるいは金属間化合物超電導線材より高い臨界
温度を持つ酸化物超電導材料であれば特に限定はない。
特に臨界温度が液体窒素温度を超える代表的な酸化物超
電導材料としては、Y1Ba2Cu37-δ,Bi2Sr2Ca1
Cu28-δ,Bi2Sr2Ca2Cu310-δ,Tl2Ba2Ca1
Cu28-δ,Tl2Ba2Ca2Cu310-δ,Tl2Sr2Ca1
Cu28-δ,TlSr2Ca2Cu39-δ 、及びこれらの誘
導体が有効である。特に、本発明になる酸化物超電導線
材が使用される環境条件によって上記材料を選択して用
いる事は重要である。例えば、20K以下の低温部で、
印加される磁場が数T(テスラ)を超えてこれが超電導線
材の性能を限定する場合には、Bi2Sr2Ca1Cu
28-δ,Bi2Sr2Ca2Cu310-δ 及びその誘導体あ
るいはそれらの混合物を用いることが望ましく、液体窒
素温度前後の温度領域での印加磁界が0.3T を超え
て、これが超電導線材の性能を限定する場合には、Yl
Ba2Cu37-δ,Tl2Ba2Ca1Cu28-δ,Tl2Ba2
a2Cu310-δ,Tl2Sr2Ca1Cu28-δ,TlSr2Ca2
Cu39-δ 及びその誘導体あるいはそれらの混合物を
用いることが望ましい。
【0012】超電導導体の構造は目的によって選択さ
れ、本発明においては特に限定はない。上記した方法で
作製された酸化物分散銀パイプに直接酸化物超電導体粉
末あるいはその前駆体粉末を充填して、線引き加工して
得られる。酸化物超電導体をコアとして、その外周に酸
化物分散銀シースを配置した導体構造は最も単純な例で
ある。超電導体のクエンチに対する安定性を大きく確保
するためには、銀パイプに直接酸化物超電導体粉末ある
いはその前駆体粉末を充填して、線引き加工して、これ
を更に、酸化物分散銀パイプに挿入して被覆加工する
か、予め銀単一層と酸化物分散銀層とを複合したパイプ
に酸化物超電導体粉末あるいはその前駆体粉末を充填し
て、線引き加工した構造は、シース材の電気抵抗は低
く、あわせて機械強度に優れた導体とすることが出来
る。ここでは、単芯の導体構造の例を示したが、多芯線
においても同様な構造を選択することは容易である。
又、本発明によれば、基板としてカルシア,ストロンチ
ア,バリア,希土類酸化物などの一種以上を分散した銀
又は銀合金を用い、プラズマスプレー法,レーザ蒸着
法,CVD法,スクリーン印刷法、或いはドクターブレー
ド法による厚膜をこの基板上に形成したテープ状導体も
有効である。又、電流リードや永久電流スイッチなどに
用いるようなシース材の熱伝導率が小さく、電気抵抗が
大きいものが必要な場合には、むしろ酸化物の分散量を
多くして、シース材を酸化物分散銀の単一層構造を選択
するのが望ましい。具体的に実施される超電導導体の構
造に特に限定はないが、例えば多芯線の場合には、本発
明よりなる酸化物超電導体を導体コアとし、アルミナ,
ジルコニア,マグネシア,イットリア,チタニア及びこ
れらの複合酸化物例えば、チタン酸ストロンチウムなど
の中から選ばれた少なくとも一種以上の酸化物粒子を分
散した銀または銀合金をシ−ス材としたて線引きした単
芯線を複数束ねてこれを再び上記シ−ス材に挿入して線
引きした構造があげられる。また、送電用として使われ
る超電導ケーブルとしては、上記構造の導体を用いるこ
とができるが、別の実施例として同軸ケーブル構造が考
えられる。その例としては、その導体断構造が中心に酸
化物超電導体をコアとする導体部があり、その外周部に
アルミナ,ジルコニア,マグネシア,イットリア,チタ
ニア及びこれらの複合酸化物例えば、チタン酸ストロン
チウムなどの中から選ばれた少なくとも一種以上の酸化
物粒子を分散した銀または銀合金をシース材とした部
分、さらにその外周部に絶縁性物質層、さらに外周部に
酸化物超電導体部、その外周部に上記シース材を同心円
的に配した構造が考えられる。
【0013】こうして、所定の構造に加工された導体
は、更に、リード,ケーブルあるいは超電導コイルとし
て加工変形された後、超電導体の粒子を接続し、電気的
に強い接合を達成する目的で熱処理が施される所謂、ワ
インドアンドリアクトの方式で作製される。しかしなが
ら、導体の変形歪が小さいとき、変形歪が約0.5% 以
下程度であるときは、予め熱処理によって超電導体の粒
子を接続し、電気的に強い接合を達成した導体をリー
ド,ケーブルあるいは超電導コイルとして加工する所謂
リアクトアンドワインドの方式を取ることも出来る。こ
の熱処理過程は、超電導体の特性を高める目的で実施さ
れるため、材料によって異なるが、一般的には熱処理雰
囲気が選択される。例えば、Bi2Sr2Ca1Cu28-δ
電導体の場合には、高い特性を得るために最終熱処理
は、低い酸素分圧条件(例えば7%O2)が選ばれる。し
かしながら、Tl2Ba2Ca1Cu28-δ超電導体を用いる
場合には、その最終的熱処理条件は酸素分圧は高いほど
特性に優れており、例えば純酸素雰囲気が選ばれる。こ
のような場合においても、本発明におけるシースの強化
材としては、先に記したような熱的に安定な酸化物が選
ばれ、かつ酸化物超電導体と化学的には反応不活性な酸
化物が選ばれるので、熱処理雰囲気の影響は殆ど受けな
いという特長を持っている。
【0014】
【作用】本発明によれば、酸化物超電導材料を導体コア
とし、その周囲に銀又は銀合金を被覆してなる構造を一
つ以上複合してなる酸化物超電導線材において、該銀ま
たは銀合金被覆材が酸化物を分散した構成であることを
特長とする超電導線材を用いることによって、大きな機
械強度を有する導体とすることが出来、また、酸化物粒
子の粒径と分散度及び添加量を選択することによって比
較的低い熱伝導率と低い電気伝導性をあわせもつシース
材としたり、熱的にも電気的にも比較的良導体として用
いる様に選択出来ることが特長である。超電導マグネッ
トはその使用目的によっては、多重円筒型で構成される
ときがある。発生磁場強度が大きいときに有効な方法
で、例えば外周円筒コイルでは比較的に上部臨界磁場は
小さいが、製造方法の簡便なあるいはコストの低い超電
導体を用いて構成し、内周部はコスト的に高いあるいは
製造方法の複雑な導体であっても上部臨界磁場の高い導
体を選択せざるを得ない場合にも有効な方法となる。特
に、18Tを越えるような全超電導マグネットは多重円
筒型コイルとして、その内装コイルにBi2Sr2Ca1Cu2
8-δやBi2Sr2Ca2Cu310-δ 超電導体を用いた線
材で実現することが可能であるが、現状、銀シースを用
いた線材では強度が弱く、内装コイルが受ける電磁力に
は耐えられない。本発明による実施形態として、粒径の
小さい例えば1000Å以下のカルシア,ストロンチ
ア,バリア,希土類酸化物などを3%程度分散した銀を
シース材として用いると、シース材は安定化材として機
能する程度に良導体であり、電磁力に耐える機械強度を
持った線材とすることが出来る。又、液体ヘリウム冷却
超電導マグネット装置などの電流リードとして酸化物超
電導導体を用いる場合には、シース材は、十分な機械強
度を持つとともに、熱伝導の小さなものが必要となる。
また、超電導電力貯蔵装置(SMES)などのように超電
導コイルに大きなエネルギーを投入して貯蔵する場合に
は、装置は基本的に超電導コイルと永久電流スイッチを
主体として構成されるが、永久電流スイッチにも大きな
電流を流す必要からコイルとスイッチを異なるクライオ
スタットに設置することがある。本装置の目的上、貯蔵
時のエネルギーロスを避ける必要から超電導コイルとス
イッチを接続するケ−ブルは電気抵抗損失を少なくする
ことが望まれる。このようなケーブルとして本発明によ
る超電導導体を用いることは有効である。本発明によれ
ば、カルシア,ストロンチア,バリア,希土類酸化物な
どを10%以上熱伝導率が十分に低くなる程度に分散し
た銀をシース材として用いるとよい。
【0015】
【実施例】以下に本発明を実施例によって更に詳細に説
明する。
【0016】(実施例1)陽イオン比がBa1.6Sr0.4
a2.0Cu3.0δとなるように蓚酸塩共沈法で作製された
原料を予め、空気中で650℃,15時間焼成し、これ
をライカイ機で30分粉砕する。この時、予め、陽イオ
ンの比がTl2.0Ba1.6Sr0.4Ca2.0Cu3.0Oδとなるように酸
化タリウムを所定量加えておく。こうして得られた粉末
を蓋付きのアルミナルツボで、空気中、750℃で15
時間予備焼成する。得られた粉末は、粉末X線回折で分
析すると主成分がTl2Ba2Ca1Cu28-δであった。走
査型電子顕微鏡観測によればその他に結晶構造が同定出
来ないSr−Ca−Cu−O含む物質及びCaO,Sr
Oなどが含まれていた。この焼成物を平均粒径が数μm
となるようにライカイ機で約30分解砕し超電導線材の
原料粉とした。次に、結晶粒径800Åのジルコニウム
酸化物を10重量%メカニカルアロイング法で分散した
銀を用いた内径4.5mm,外径6.0mmで一端を閉じたパ
イプに上記超電導線材原料粉を充填する。充填後、導入
端を閉じて、これを圧下率約20%で、ドローベンチで
線引き加工をする。2〜3回の線引き加工毎に得られた
加工物を350〜400℃、空気中で焼鈍操作を行いつ
つ、線径0.7mm 加工する。得られた線材から長さ4cm
で試験片を切り出し、これを20t/cm2 のプレス機で
加圧加工して扁平形状とする。これを蓋付きのアルミナ
ルツボで、空気中、830℃で20時間焼成する。得られ
た試験片を再び、20t/cm2 のプレス機で加圧加工
し、更にこれを蓋付きのアルミナルツボで、空気中、8
30℃で20時間焼成する。得られた線材試験片の構造
を模式的に図1に示す。酸化物超電導体Tl2Ba2Ca1
u28-δ2はジルコニウム酸化物を分散した銀シース1
に被覆されたテープ状の構造となっている。このプレス
と焼成操作を4回繰り返した試験片を四端子抵抗法で、
この線材の臨界温度と77K,零磁場における臨界電流
密度を測定したところ、Tcは115Kであり、Jc は
30000Å/cm2であった。同様の方法で作られた線
材試験片のコアとなっている超電導体の組成をICPで
分析したところ、Tl1.68Ba1.58Sr0.41Ca1.98Cu3.0
δの陽イオン比になっていた。
【0017】(実施例2)第一の実施例と同様にして合
成された線材原料粉末を結晶粒径が約1100Åのマグ
ネシアを分散した銀で内径4.5mm,外径6.0mmのパイ
プを用いて、第一の実施例と同じ方法で線材化した。即
ち、上記パイプに線材用原料粉を充填後、導入端を閉じ
て、これを圧下率約20%で、ドローベンチで線引き加
工をする。2〜3回の線引き加工毎に得られた加工物を
350〜400℃、空気中で焼鈍操作を行いつつ、線径
0.7mm 加工する。得られた線材から長さ4cmで試験片
を切り出し、これを20t/cm2 のプレス機で加圧加工
して扁平形状とする。これを蓋付きのアルミナルツボ
で、空気中、830℃で20時間焼成する。得られた試
験片を再び、20t/cm2 プレス機で加圧加工し、更に
これを蓋付きのアルミナルツボで、空気中、830℃で
20時間焼成する。このプレスと焼成操作を4回繰り返
した試験片を四端子抵抗法で、この線材の臨界温度と7
7K、零磁場における臨界電流密度を測定したところ、
Tc は113Kであり、Jc は24000Å/cm2 であ
った。同様の方法で作られた線材試験片のコアとなって
いる超電導体の組成をICPで分析したところ、Tl
1.71Ba1.62Sr0.38Ca1.96Cu3.0δの陽イオン比に
なっていた。
【0018】(実施例3)陽イオン比がBi2Sr2Ca1
u28-δとなるように構成元素の酸化物、即ち、Sr
O,CaO,CuOを所定量秤量し、これをライカイ機
で30分粉砕,混合する。得られた混合粉をアルミルツ
ボに入れて、空気中、800℃で20時間焼成処理をす
る。得られた粉末は、粉末X線回折で分析すると主成分
がBi2Sr2Ca1Cu28-δであった。走査型電子顕微鏡
観測によればその他に結晶構造が同定出来ないSr−C
a−Cu−O含む物質及びBi2Sr2Cu1δなどが含ま
れていた。この焼成物を平均粒径が数μmとなるように
ライカイ機で約30分解砕し超電導線材の原料粉とし
た。結晶粒径2600Åのアルミナを15重量%メカニ
カルアロイング法で分散した銀を用いた内径4.5mm,
外径6.0mmで一端を閉じたパイプに上記超電導線材原
料粉を充填する。充填後、導入端を閉じて、これを圧下
率約20%で、ドローベンチで線引き加工をする。2〜
3回の線引き加工毎に得られた加工物を350〜400
℃、空気中で焼鈍操作を行いつつ、線径0.7mm 加工す
る。得られた線材から長さ4cmで試験片を切り出す。こ
れをアルミナルツボで、純酸素1気圧雰囲気中で、先
ず、880℃まで3時間で昇温し、約10分間保持した
後、5時間で815℃まで降温し、更に815℃で20
時間焼成する。得られた線材を次に7%酸素雰囲気で2
5時間アニールする。得られた線材試験片の構造を模式
的に図2に示す。ここでは、酸化物超電導体Bi2Sr2
a1Cu28-δ2がコアを形成し、アルミナを分散した銀
シース2で被覆された丸型断面構造の線材となってい
る。得られた試験片を通常の四端子抵抗法で臨界温度と
4.2K における臨界電流を評価した。臨界温度Tc は
84Kであり、臨界電流は115Aであった。同様の方
法で作られた別の線材試験片のコアとなっている超電導
体の組成をICPで分析したところ、Bi1.98Sr2.01
a0.98Cu28-δの陽イオン比になっていた。
【0019】(実施例4)陽イオン比がBa1.6Sr0.4
a2.0Cu3.0δとなるように蓚酸塩共沈法で作製された
原料を予め、空気中で650℃,15時間焼成し、これ
をライカイ機で30分粉砕する。この時、予め、陽イオ
ンの比がTl2.0Ba1.6Sr0.4Ca2.0Cu3.0Oδとなるように酸
化タリウムを所定量加えておく。こうして得られた粉末
を蓋付きのアルミナルツボで、空気中、750℃で15
時間予備焼成する。得られた粉末は、粉末X線回折で分
析すると主成分がTl2Ba2Ca1Cu28-δであった。走
査型電子顕微鏡観測によればその他に結晶構造が同定出
来ないSr−Ca−Cu−O含む物質及びCaO,Sr
Oなどが含まれていた。この焼成物を平均粒径が数μm
となるようにライカイ機で約30分解砕し超電導線材の
原料粉とした。次に、結晶粒径3800Åのジルコニウ
ム酸化物を20重量%メカニカルアロイング法で分散し
た銀を用いた内径6.0mm,外径8.0mmで一端を閉じた
パイプに上記超電導線材原料粉を充填する。充填後、導
入端を閉じて、これを圧下率約20%で、ドローベンチ
で線引き加工をする。2〜3回の線引き加工毎に得られ
た加工物を350〜400℃、空気中で焼鈍操作を行い
つつ、線径1.2mm 加工する。これをロール径100mm
の圧延機で厚さ約0.7mm ,幅約6mmテープ形状に加工
し、更に、得られた線材を長さ110mmに切り出した試
験片を20本採る。この試験片のそれぞれを20t/cm
2 のプレス機で厚さ約0.25mm まで加圧加工して扁平
形状とする。次に得られた扁平形状線材を20枚積み重
ねて、約2t/cm2 でプレスし、角型断面になるよう圧
着成形する。得られた断面形状の幅が約9mm,厚さが約
4.7mm の角型の導体を、空気中、830℃で30時間
焼成する。得られた導体を再度約2t/cm2 でプレス
し、これを純酸素中、830℃で30時間アニールす
る。この導体の断面構造を模式的に図3に示す。ここで
は、酸化物超電導体Tl2.0Ba1.6Sr0.4Ca2.0Cu3.0
δ2をコアとして、ジルコニウム酸化物を分散した銀シ
ース2で被覆された素線3が20枚熱圧着されて導体を
構成している。得られた導体の両端に銅メッシュの電流
リードを接続し、導体中間部に間隔を30mm採って電圧
端子を銀線でとった。これを繊維強化プラスチックホル
ダーに固定してクライオスタット内に設定し、液体窒素
冷媒で冷却して臨界電流を求めたところIc は630A
であった。
【0020】(実施例5)陽イオンの比がBi2Sr2Ca2
Cu310-δとなるように構成元素の酸化物、即ち、S
rO,CaO,CuOを所定量秤量し、これをライカイ
機で30分粉砕,混合する。得られた混合粉をアルミル
ツボに入れて、空気中、790℃で20時間焼成処理を
する。得られた粉末は、粉末X線回折で分析すると主成
分がBi2Sr2Ca1Cu28-δであった。走査型電子顕微
鏡観測によればその他に結晶構造が同定出来ないSr−
Ca−Cu−Oを含む物質及びSrOなどが含まれてい
た。この焼成物を平均粒径が数μmとなるようにライカ
イ機で約30分解砕し超電導線材の原料粉とした。結晶
粒径2600Åのジルコニアを35重量%メカニカルア
ロイング法で分散した銀を用いた内径4.5mm,外径6.
0mmで一端を閉じたパイプに上記超電導線材原料粉を充
填する。充填後、導入端を閉じて、これを圧下率約20
%で、ドローベンチで線引き加工をする。2〜3回の線
引き加工毎に得られた加工物を350〜400℃、空気
中で焼鈍操作を行いつつ、線径1.2mm 加工する。これ
をロール径100mmの圧延機で厚さ約0.7mm,幅約6m
mテープ形状に加工し、更に、得られた線材を長さ11
0mmに切り出した試験片を20本採る。この試験片のそ
れぞれを20t/cm2のプレス機で厚さ約0.25mmまで
加圧加工して扁平形状とする。次に得られた扁平形状線
材を20枚積み重ねて、約2t/cm2 でプレスし、角型
断面になるよう圧着成形する。得られた断面形状が幅が
約9.1mm,厚さが約4.5mmの角型の導体を、空気中、
800℃で15時間焼成する。得られた導体を再度約2
t/cm2 でプレスし、これを空気中、830℃で40時
間アニールし、得られた導体を再度約2t/cm2 でプレ
スし、これを空気中、845℃で40時間アニールす
る。得られた導体の両端に銅メッシュの電流リードを接
続し、導体中間部に間隔を30mm採って電圧端子を銀線
でとった。これを繊維強化プラスチックホルダーに固定
してクライオスタット内に設定し、液体窒素冷媒で冷却
して臨界電流を求めたところIc は720Aであった。
【0021】(実施例6)実施例4で得られた導体を図
4に示すNbTi超電導線を用いた1Tの超電導コイル
6を内蔵したクライオスタット4内でコイルと外部電源
を接続する部分に酸化物超電導電流リード10としてリ
ード接続端子7を解して接続した。酸化物超電導電流リ
ードとコイルの接続部は、液体ヘリウム5に浸漬され、
上端部は液体窒素導入部9を備えたサーマルアンカー8
の部分で銅の電流リード11と接続され、この接続部分
は液体窒素で冷却された構造になっている。銅電流リー
ド部分はクライオスタット内で発生したヘリウムガスガ
イドパイプ内を通って外部に排出されるヘリウムで冷却
される構造となっている。非通電時のヘリウムガス発生
量から見積もった200A通電時換算の熱侵入量は約
0.4W/kA であり、200A通電した場合の熱侵入
量は約0.55W/kA と低いものであった。これはク
ライオスタット内の酸化物超電導電流リードが超電導状
態で作動し、抵抗発熱が殆どなかったためと考えられ
る。
【0022】(実施例7)図5aは多重構造型の超強磁
場マグネットの一つの実施例を示す。超電導コイル6は
液体ヘリウム5を冷媒としたクライオスタット4内に設
置され、内層コイル16の内部にテストポ−ト13が設
けられている。クライオスタット上部には、冷媒導入孔
12があり、ここから冷媒が導入される。超電導コイル
は電流リード11を介して外部から電力供給を受けて励
磁される。図5bは本発明の酸化物超電導線材を用いた
コイルの構成図である。超電導コイルは三層からなって
おり、外層コイル14はNbTi合金型超電導体を用い
たコイルであり、中層コイルは(Nb/Ti)3Sn化合
物型超電導体を用いたコイルである。内層コイルは第三
の実施例と同様の方法で作製されたBi2Sr2Ca1Cu2
8-δをコアとして、アルミナを分散した銀シースで被覆
した丸型線材を用いて構成されたものである。この場
合、液体ヘリウム温度においては、Bi2Sr2Ca1Cu2
8-δ超電導体の18T以上の磁場中に置ける臨界電流密
度は、従来から用いられてきたNbTi合金型超電導
体、(Nb/Ti)3Sn化合物型超電導体やNb3Al
化合物型超電導体よりも大きく高い磁場を発生すること
が出来る。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、強度に優れた、かつ、
電気伝導度,熱伝導度を使用目的に応じて任意の範囲に
制御した導体を構成できる。特に導体強度の向上効果は
大きく、本発明によって、化学的に安定な材料を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の酸化物超電導線材の構造を
示す一部断面斜視図。
【図2】本発明の他の実施例の酸化物超電導線材の構造
を示す一部断面斜視図。
【図3】本発明の一実施例の酸化物超電導線材を積層し
た構造を示す一部断面斜視図。
【図4】本発明の一実施例の酸化物超電導線材を用いた
クライオスタットの一部断面斜視図。
【図5】(a)は本発明の一実施例の酸化物超電導線材
を用いた他のクライオスタットの一部断面斜視図、
(b)は本発明の一実施例の酸化物超電導線材を用いた
コイルの構成図。
【符号の説明】
1…シース、2…酸化物超電導体、3…素線、4…クラ
イオスタット、5…液体ヘリウム、6…超電導コイル、
7…リード接続端子、8…サーマルアンカー、9…液体
窒素導入孔、10…酸化物超電導電流リード、11…銅
電流リード、12…冷媒導入孔、13…テストポート、
14…外層コイル、15…中層コイル、16…内層コイ
ル。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物超電導材料からなる導体コアと、該
    導体コアの周囲に形成された良導体金属からなる被覆材
    を有する超電導線材であって、該被覆材金属に非超電導
    性金属酸化物を分散した複合材であることを特徴とする
    超電導線材。
  2. 【請求項2】請求項1において、上記金属酸化物の融点
    が該金属被覆材の融点よりも高いことを特徴とする酸化
    物超電導線材。
  3. 【請求項3】請求項1において、上記金属酸化物が酸化
    物超電導線材の導体コアを構成する酸化物超電導材料と
    化学的に反応しないことを特徴とする酸化物超電導線
    材。
  4. 【請求項4】請求項1において、上記金属酸化物の粒子
    径が1000nm以下であることを特徴とする酸化物超
    電導線材。
  5. 【請求項5】酸化物超電導材料からなる導体コアと、該
    導体コアの周囲に形成された銀又は銀合金からなる被覆
    材とを有する超電導線材であって、該被覆材はその中に
    アルミナ,ジルコニア,マグネシア,イットリア,チタ
    ニア及びこれらの複合酸化物の中から選ばれた少なくと
    も一種以上の酸化物粒子を分散した複合材であることを
    特徴とする酸化物超電導線材。
  6. 【請求項6】請求項5において、上記金属酸化物または
    複合酸化物粒子の平均粒径が1000nm以下であることを
    特徴とする酸化物超電導線材。
  7. 【請求項7】酸化物超電導材料からなる導体コアと、該
    導体コアの周囲に形成された銀又は銀合金からなる被覆
    材を有する素線と、複数の該素線の周囲に形成された該
    被覆材を有する超電導線材であって、該被覆材は酸化物
    を分散した複合材であることを特徴とする超電導線材。
  8. 【請求項8】請求項7において、該被覆材がアルミナ,
    ジルコニア,マグネシア,イットリア,チタニア及びこ
    れらの複合酸化物の中から選ばれた少なくとも一種以上
    の酸化物粒子を分散した複合材であることを特徴とする
    超電導装置。
  9. 【請求項9】請求項8において、上記酸化物超電導線材
    の引張り強度が10kgf/mm2以上であることを特徴とす
    る酸化物超電導線材。
  10. 【請求項10】酸化物超電導材料からなる導体コアと、
    該導体コアの周囲に形成された銀又は銀合金からなる被
    覆材を有する超電導線材と、該超電導線材が巻回される
    巻枠とからなる超電導コイルであって、該被覆材は酸化
    物を分散した酸化物超電導線材からなることを特徴とす
    る超電導コイル。
  11. 【請求項11】請求項10において、該被覆材がアルミ
    ナ,ジルコニア,マグネシア,イットリア,チタニア及
    びこれらの複合酸化物の中から選ばれた少なくとも一種
    以上の酸化物粒子を分散した複合材であることを特徴と
    する超電導装置。
  12. 【請求項12】請求項11において、上記酸化物超電導
    線材の引張り強度が10kgf/mm2以上であることを特徴
    とする超電導コイル。
  13. 【請求項13】同軸円筒状に分割構成された複数のブロ
    ックコイルを有する超電導コイルであって、該コイルの
    少なくとも一つが酸化物超電導材料からなる導体コアで
    あり、該導体コアの周囲に銀又は銀合金からなる被覆材
    をもうけ、該被覆材がアルミナ,ジルコニア,マグネシ
    ア,イットリア,チタニア及びこれらの複合酸化物の中
    から選ばれた少なくとも一種以上の酸化物粒子を分散し
    た酸化物超電導線材であることを特徴とする複合超電導
    コイル。
  14. 【請求項14】多重円筒状に分割構成された複数のブロ
    ックコイルを有する複合超電導コイルであって、該コイ
    ルの少なくとも一つが酸化物超電導材料からなる導体コ
    アであり、該導体コアの周囲に2種以上の被覆材を積層
    して複合し、該被覆材の少なくとも1つがアルミナ,ジ
    ルコニア,マグネシア,イットリア,チタニア及びこれ
    らの複合酸化物の中から選ばれた少なくとも一種以上の
    酸化物粒子を分散したものであることを特徴とする複合
    超電導コイル。
  15. 【請求項15】請求項14において、残りのコイルが金
    属系あるいは金属間化合物系超電導体であることを特徴
    とする複合超電導コイル。
  16. 【請求項16】酸化物超電導材料からなる超電導コイル
    と、該超電導コイルを冷却するクライオスタットと、外
    部から該超電導コイルに電気を供給するための電流リー
    ドと、該電流リードの特定部位を特定温度とするための
    サーマルアンカーとからなる超電導装置であって、該電
    流リードの特定温度以下の部分に、該酸化物超電導材料
    からなる導体コアを形成し、該導体コアの周囲に銀又は
    銀合金からなる被覆材を複合してなる導体を形成し、該
    被覆材に酸化物を分散したことを特徴とする超電導装
    置。
  17. 【請求項17】請求項16において、該被覆材がアルミ
    ナ,ジルコニア,マグネシア,イットリア,チタニア及
    びこれらの複合酸化物の中から選ばれた少なくとも一種
    以上の酸化物粒子を分散した複合材であることを特徴と
    する超電導装置。
  18. 【請求項18】超電導コイルを内蔵してなるエネルギー
    貯蔵装置と該貯蔵装置に電気エネルギーを供給あるいは
    取り出すためのエネルギー入出力装置とからなる超電導
    エネルギー貯蔵システムであって、該システムに用いら
    れる超電導体の臨界温度よりも高い臨界温度を有する超
    電導体を導体コアとし、該導体コアの周囲に銀又は銀合
    金からなる被覆材を複合してなる導体を形成し、該被覆
    材が酸化物を分散した構成の超電導線材を用いたことを
    特徴とする超電導ケーブルを介して電気的に連結したこ
    とを特徴とするエネルギー貯蔵システム。
  19. 【請求項19】請求項18において、該被覆材がアルミ
    ナ,ジルコニア,マグネシア,イットリア,チタニア及
    びこれらの複合酸化物の中から選ばれた少なくとも一種
    以上の酸化物粒子を分散した複合材であることを特徴と
    する超電導装置。
JP5114366A 1993-05-17 1993-05-17 酸化物超電導線材及び超電導装置 Pending JPH06325630A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5114366A JPH06325630A (ja) 1993-05-17 1993-05-17 酸化物超電導線材及び超電導装置
US08/240,314 US5625332A (en) 1993-05-17 1994-05-10 Oxide superconducting wire and superconducting apparatus thereof
DE69401992T DE69401992T2 (de) 1993-05-17 1994-05-13 Draht aus supraleitendem Oxid und supraleitende Apparatur mit diesem Draht
EP94107489A EP0627773B1 (en) 1993-05-17 1994-05-13 Oxide superconducting wire and superconducting apparatus therewith

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5114366A JPH06325630A (ja) 1993-05-17 1993-05-17 酸化物超電導線材及び超電導装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06325630A true JPH06325630A (ja) 1994-11-25

Family

ID=14635921

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5114366A Pending JPH06325630A (ja) 1993-05-17 1993-05-17 酸化物超電導線材及び超電導装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5625332A (ja)
EP (1) EP0627773B1 (ja)
JP (1) JPH06325630A (ja)
DE (1) DE69401992T2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1041125A (ja) * 1996-05-13 1998-02-13 Sumitomo Electric Ind Ltd 超電導コイル
JP2000277322A (ja) * 1999-03-26 2000-10-06 Toshiba Corp 高温超電導コイル、これを用いた高温超電導マグネットおよび高温超電導マグネットシステム
JP2002270422A (ja) * 2001-03-08 2002-09-20 Toshiba Corp 超電導装置および超電導装置の冷却システム
JP2003273415A (ja) * 2002-01-15 2003-09-26 Siemens Ag 超伝導スイッチ装置
JP2006059811A (ja) * 2004-08-17 2006-03-02 Nexans 多芯超伝導ストランドを備えた複合導体
JP2006196720A (ja) * 2005-01-14 2006-07-27 Masataka Iwakuma 超電導導体及びそれを用いた超電導コイル
JP2008283803A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Railway Technical Res Inst 磁気浮上式鉄道車両用超電導磁石

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0740314A1 (en) * 1995-04-27 1996-10-30 Hitachi, Ltd. Superconducting magnet system
IT1276679B1 (it) 1995-06-08 1997-11-03 Pirelli Cavi S P A Ora Pirelli Procedimento per la produzione di un nastro superconduttore multifilamentare ed elemento conduttore elettrico comprendente
JP3386942B2 (ja) * 1995-10-30 2003-03-17 株式会社日立製作所 酸化物超電導コイル及びその製造方法
US6397454B1 (en) 1996-09-26 2002-06-04 American Superconductor Corp. Decoupling of superconducting elements in high temperature superconducting composites
US6305070B1 (en) 1996-10-15 2001-10-23 American Superconductor Corporation Performance of oxide dispersion strengthened superconductor composites
US5880068A (en) * 1996-10-18 1999-03-09 American Superconductor, Inc. High-temperature superconductor lead
WO1999007003A1 (en) * 1997-08-01 1999-02-11 Eurus Technologies, Inc. A high temperature superconductor and method of making and using same
KR100498972B1 (ko) 1997-08-05 2005-07-01 피렐리 카비 에 시스테미 소시에떼 퍼 아찌오니 고온 초전도 케이블과 그의 제조 방법
WO1999040633A1 (en) 1998-02-10 1999-08-12 American Superconductor Corporation Superconducting composite with high sheath resistivity
US6762673B1 (en) 1998-02-10 2004-07-13 American Superconductor Corp. Current limiting composite material
GB9805646D0 (en) * 1998-03-18 1998-05-13 Bicc Plc Superconducting tapes
JP3489525B2 (ja) 2000-02-22 2004-01-19 住友電気工業株式会社 超電導線材およびその製造方法
US7275301B2 (en) * 2001-01-30 2007-10-02 Shahin Pourrahimi Method for reinforcing superconducting coils with high-strength materials
GB2444090A (en) * 2006-11-24 2008-05-28 David Peter Lee Elecrical conductor
US7572980B2 (en) * 2007-01-26 2009-08-11 Ford Global Technologies, Llc Copper conductor with anodized aluminum dielectric layer
US7935885B2 (en) * 2008-07-11 2011-05-03 Ford Global Technologies, Llc Insulated assembly of insulated electric conductors
US9035448B2 (en) * 2012-06-29 2015-05-19 Materion Corporation Semiconductor packages having metal composite base plates
JP5998110B2 (ja) * 2013-08-02 2016-09-28 Ckd株式会社 電磁コイル、電磁コイルの製造方法、及び電磁アクチュエータ
JP6360288B2 (ja) 2013-09-04 2018-07-18 Ckd株式会社 電磁コイルの冷却構造、及び電磁アクチュエータ
US9852831B2 (en) * 2013-11-15 2017-12-26 Hitachi, Ltd. Superconducting magnet
JP6247629B2 (ja) 2014-12-11 2017-12-13 Ckd株式会社 コイル用シートの製造方法、及びコイルの製造方法
JP6352791B2 (ja) 2014-12-11 2018-07-04 Ckd株式会社 コイル用シート、コイル、及びコイルの製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3885961D1 (de) * 1987-07-24 1994-01-13 Asea Brown Boveri Verfahren zur Herstellung eines ummantelten Drahtes aus einem keramischen Hochtemperatur-Supraleiter.
DE3731266A1 (de) * 1987-09-17 1989-04-06 Kernforschungsz Karlsruhe Huellmaterial fuer supraleitende draehte
DE68905980T2 (de) * 1988-02-26 1993-10-28 Mitsubishi Materials Corp Hochfeste supraleitfähige drähte und kabel mit hoher stromdichte sowie verfahren zur herstellung.
JPH03166348A (ja) * 1989-07-22 1991-07-18 Keiichiro Yoshida 酸化物超電導粉末用銀シース及び製造法並びに酸化物超電導材
US5384307A (en) * 1991-11-04 1995-01-24 General Electric Company Oxide superconductor tape having silver alloy sheath with increased hardness

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1041125A (ja) * 1996-05-13 1998-02-13 Sumitomo Electric Ind Ltd 超電導コイル
JP2000277322A (ja) * 1999-03-26 2000-10-06 Toshiba Corp 高温超電導コイル、これを用いた高温超電導マグネットおよび高温超電導マグネットシステム
JP2002270422A (ja) * 2001-03-08 2002-09-20 Toshiba Corp 超電導装置および超電導装置の冷却システム
JP2003273415A (ja) * 2002-01-15 2003-09-26 Siemens Ag 超伝導スイッチ装置
JP4612991B2 (ja) * 2002-01-15 2011-01-12 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 超伝導スイッチ装置
JP2006059811A (ja) * 2004-08-17 2006-03-02 Nexans 多芯超伝導ストランドを備えた複合導体
JP2006196720A (ja) * 2005-01-14 2006-07-27 Masataka Iwakuma 超電導導体及びそれを用いた超電導コイル
JP2008283803A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Railway Technical Res Inst 磁気浮上式鉄道車両用超電導磁石

Also Published As

Publication number Publication date
DE69401992D1 (de) 1997-04-17
DE69401992T2 (de) 1997-06-26
EP0627773A1 (en) 1994-12-07
US5625332A (en) 1997-04-29
EP0627773B1 (en) 1997-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06325630A (ja) 酸化物超電導線材及び超電導装置
AU603942B2 (en) Devices and systems based on novel superconducting material
JP3386942B2 (ja) 酸化物超電導コイル及びその製造方法
JP4055375B2 (ja) 超電導線材とその作製方法及びそれを用いた超電導マグネット
EP1039483A1 (en) Oxide superconducting wire, solenoid coil, magnetic field generator, and method of producing oxide superconducting wire
JP2636049B2 (ja) 酸化物超電導体の製造方法および酸化物超電導線材の製造方法
JP3521182B2 (ja) 酸化物超電導線材及び超電導装置
Haldar et al. Transport critical current densities of silver clad Bi‐Pb‐Sr‐Ca‐Cu‐O tapes at liquid helium and hydrogen temperatures
JP2664387B2 (ja) 超伝導体とその装置
JP2842537B2 (ja) 酸化物超電導線材とその製造方法
Otto et al. Properties of high-T c wires made by the metallic precursor process
JPH0881221A (ja) 酸化物超電導体およびその製造方法
JP2003331660A (ja) 金属シース超伝導体線材及び超電導コイル並びにその製造方法
JPH1092630A (ja) 酸化物超電導コイル
Fischer et al. Fabrication of Bi-2223 tapes
JP3758455B2 (ja) 酸化物超電導線材の製造方法
Masur et al. Advances in the Processing and Properties of YBa2Cu4O8
Juárez-López et al. Structural characterization of the YBa 2 Cu 3 O σ superconductor with phases [σ= 6.87, 6.89 and 6.9] obtained by solid state reaction
Zhang et al. Fabrication and properties of high J/sub c/multifilamentary (Bi, Pb)-2223 tapes with Ag-alloy sheath
Bigoni et al. Development of Bi-2223/Ag tapes and coils
JP2828631B2 (ja) 超電導物質の製造方法
Martini New Techniques and Results in Hts for Power Applications
JPH06325631A (ja) 超電導ケーブル及びそれを用いた装置
JPH04324209A (ja) 酸化物超電導線およびその製造方法
JP3284010B2 (ja) 金属酸化物材料及びそれを用いた超伝導デバイス