JPH06324322A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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Publication number
JPH06324322A
JPH06324322A JP5110422A JP11042293A JPH06324322A JP H06324322 A JPH06324322 A JP H06324322A JP 5110422 A JP5110422 A JP 5110422A JP 11042293 A JP11042293 A JP 11042293A JP H06324322 A JPH06324322 A JP H06324322A
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JP
Japan
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liquid crystal
color filter
layer
display
lcd
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP5110422A
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English (en)
Inventor
Yuzo Hisatake
雄三 久武
Masahito Ishikawa
正仁 石川
Muneharu Akiyoshi
宗治 秋吉
Hitoshi Hado
仁 羽藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光透過率を高め、色づきを解消するための最
適な△n・dを得る。 【構成】 少なくとも一方の基板に配向膜を有する 2枚
の電極付き基板間に液晶組成物を挟持し、基板表面での
液晶分子配列方向を制御し得る配向処理がなされておら
ず、かつ液晶組成物のねじれ能力により液晶の捩じれ角
θが定まるLCDにおいて、少なくとも一方の基板上に
2色以上のカラ−フィルタ−層を設け、このカラ−フィ
ルタ−層を透過する透過光の各色毎のピ−ク波長λと、
ピ−ク波長λの透過光が透過する液晶層の基板法線方向
における屈折率異方性Δnと、液晶層の層厚dとが各色
毎にそれぞれつぎの関係を有し、 0.49 (4n2 −1)1/2
≦Δn・d/λ≦ 0.51 (4n2 −1)1/2 (nは正の整
数)、かつ液晶の捩じれ角θが85゜≦θ≦95゜で、液晶
層厚dが一定である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型軽量、低消費電力という大き
な利点を持つ液晶表示素子は、日本語ワ−ドプロセッサ
やパ−ソナルコンピュ−タ等のパ−ソナルOA機器の表
示装置に多用されている。液晶表示素子(以下LCDと
略称)のほとんどは、ネマティック液晶を用いており、
表示方式としては、複屈折モ−ドと旋光モ−ドの 2つの
方式に大別される。
【0003】捩じれネマティック液晶を用いた複屈折モ
−ドの表示方式のLCDは、たとえば、 90 ゜以上捩じ
れた液晶分子配列を持つSTN方式がある。このSTN
方式は、急峻な電気光学特性を持つため、各画素ごとに
薄膜トランジスタ(以下TFTと略称)やダイオ−ド等
のスイッチング素子がなくても時分割駆動により容易に
大容量表示が得られる。一方、旋光モ−ドのLCDは 9
0 ゜捩じれた分子配列を持つTN方式がある。このTN
方式は、数 10 ミリ秒と応答速度が速く、高いコントラ
スト比を示すことから、時計や電卓、さらにはスイッチ
ング素子を各画素ごとに設けることにより大表示容量で
高コントラストな高い表示性能を持ったLCD(たとえ
ばTFT−LCD)を実現する事ができる。
【0004】このTFT−LCDは階調表示を行うこと
もできるが、階調表示を行うと、斜めから観察した場合
には表示の反転や黒つぶれ、白抜けといった現象が生じ
る問題がある。これらの問題を解決する手段として、 2
枚の基板間に液晶組成物を挟持してなるLCDであり、
かつ基板表面での液晶分子配列方向を制御し得る配向処
理がなされておらず、かつ液晶組成物のねじれ能力(カ
イラル能)と液晶の捩じれ角が等しくなるよう液晶注入
工程を液晶組成物が液体の状態にて行うことを特徴とし
たLCDが´93 SIDにおいて Y.ToKo らによって提案さ
れている(“TN-LCD's Fabrication by Non-Rubbing Sh
owing Wide and Homogeneous Viewing Angular Charact
eristics and Excellent Voltage Holding Ratio.”
Y.ToKo,et,al,´93S.I.D DIGEST Poster-49 )。
【0005】このLCDは、従来のTN方式同様にポリ
イミド系からなる配向層を基板表面に有するが、この配
向層に対してラビング等の配向処理をしないでセル化
し、液晶組成物をネマティック相からアイソトロピック
相(等方性液体)への転移温度(TI )以上の温度に加
熱し液体状態にて充填することにより得られる。
【0006】得られたLCDは、電圧を印加しない状態
では液晶分子が基板に対し水平でかつ捩じれ( 90 ゜)
を持った構造をしているにもかかわらず、配向層に配向
処理をしていないため、配向層表面における液晶分子の
ダイレクタ−方位が決まっていない。このため、このL
CDの液晶層の旋光効果は、種々の方位性を持っている
こととなる。したがって、この液晶セルを直交偏光板間
に挿入して観察すると種々の方位性持った液晶層の旋光
効果が平均化されて観察され、従来のTN方式における
ノ−マリ−ホワイトモ−ドの常光主導型と異常光主導型
を平均化したした明るさ、色の透過光が観察できる。
【0007】一方、このLCDに電圧を印加した場合、
液晶分子は従来のTN方式同様、基板法線方向にチルト
するが、そのチルト方向は配向層表面における液晶分子
のダイレクタ−方位が決まっていないため、様々とな
る。よって、程々の印加電圧では、多数のディスクリネ
−ションラインが発生し、このディスクリネ−ションラ
インによる光の散乱効果とディスクリネ−ションライン
発生部以外の部分の光の非旋光効果により中間調表示が
なされる。また、充分な印加電圧では、従来のTN方式
同様、ディスクリネ−ションラインが発生もなく、液晶
分子はほぼ基板法線方向にチルトして、表示はほぼ黒色
表示となる。
【0008】ここで、電圧無印加状態、中間調を得る電
圧印加状態、また、液晶分子がほぼ基板法線方向にチル
トする充分な電圧印加状態いずれにおいても液晶分子の
チルト方向やダイレクタ−方位は様々な方向、方位をと
っているので、このLCDはどの方位から見ても表示の
見え方が同じであるといった表示性能の観察方位依存性
のないLCDとなる。また、このLCDは、液晶分子が
チルトしていく時(印加電圧を高くしていくとき)、そ
のチルト方位が様々な方位にあるため、全体では傾きの
みが変化するだけで傾きに方位性のない変化に相当する
作用を得て、液晶層のリタデ−ション変化は、ほぼどの
方位においても簡単に減少する。さらに、その中間調表
示を得る手段として前記多数のディスクリネ−ションラ
インの光散乱効果を用いているので、階調表示をしても
いわゆる表示の反転現象が生じない。 このように、こ
のLCDはある程度の広い表示領域を一つの単位として
考えた場合、極めて微細な領域の個々の表示特性が平均
化されて観察されるため、前述した表示特性の視角依存
性が極めて少ない優れた表示性能を持つLCDとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
LCDは、従来のTN方式のLCDに比較して透過率
(明るさ)が劣り、色づきが強くなるという問題があ
る。
【0010】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、配向処理をしていない配向層を有
し、液晶組成物のねじれ能力により液晶の捩じれ角が定
まるLCDにおいて、光透過率を高め、色づきを解消す
るための最適な△n・dを得られることのできる新規な
LCDを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のLCDは、少な
くとも一方の基板に配向膜を有する 2枚の電極付き基板
間に液晶組成物を挟持し、基板表面での液晶分子配列方
向を制御し得る配向処理がなされておらず、かつ液晶組
成物のねじれ能力により液晶の捩じれ角θが定まるLC
Dにおいて、少なくとも一方の基板上に 2色以上のカラ
−フィルタ−層を設け、このカラ−フィルタ−層を透過
する透過光のピ−ク波長λと、ピ−ク波長λの透過光が
透過する液晶層の基板法線方向における屈折率異方性Δ
nと、液晶層の層厚dとが各色毎にそれぞれつぎの関係
を有し、 0.49 (4n2 −1)1/2 ≦Δn・d/λ≦ 0.51
(4n2 −1)1/2 (nは正の整数)、かつ液晶の捩じれ角
θが85゜≦θ≦95゜であり、液晶層厚dが一定であるこ
とを特徴とする。
【0012】また、上述のLCDにおいて、配向層がカ
ラ−フィルタ−層の各色毎に異なり、かつ 2枚の基板間
で対向する配向層同士が同一物質からなることを特徴と
する。
【0013】以下、本発明のLCDにおける液晶の捩じ
れ角θ、リタデーション値Δn・dおよびλの関係の重
要性について説明する。2枚の偏光板間に捩じれた液晶
配列からなる液晶セルを挟持した場合の透過率は E.P.R
AYNES によって次のように導かれている(Mol.Cryst.Li
q.Letters vol.4(6),pp159-163)。 T={cosβ・cos(θ−A+P) +sinβ・sin(θ−A+P)/( 1+α2 1/2 2 +sin2 β・cos2 (θ−A−P)・α2 /(α2 +1 )…(1) ここで、 T: 2枚の偏光板を平行に配置した場合の透過率に対す
る 2枚の偏光板間に捩れた液晶配列からなる液晶セルを
挟持した場合の光透過率の比、 θ:液晶の捩じれ角 (rad.) 、 A:入射光側の偏光板の吸収軸と入射光側基板表面の液
晶分子のダイレクタ−とのなす角 (rad.) 、 P:出射光側の偏光板の吸収軸と入射光側基板表面の液
晶分子のダイレクタ−となす角 (rad.) 、 λ:入射光波長 (nm) 、 π:円周率、 α=Δn・dπ/(λ・θ)、β=θ・( 1+α2
1/2 である。
【0014】少なくとも一方の基板に配向膜を有する 2
枚の電極付き基板間に液晶組成物を挟持し、基板表面で
の液晶分子配列方向を制御し得る配向処理がなされてい
ない、すなわち、液晶分子が基板表面で方位性のない略
水平配向となる配向機能を有する配向膜を有し、かつ液
晶組成物のねじれ能力により液晶の捩じれ角θが定まる
LCD(いわゆるマルチドメイン方式のLCD)におい
ては、入射光側基板表面の液晶分子のダイレクタ−の方
位はランダムであり、(1)式におけるAの値は 0〜 1
80゜(πrad.)の種々の値をとることになる。よって、
(1)式をAについて 0から 180゜まで積分し、これを
180゜で除算すれば光透過率を算出できる。
【0015】したがって、 2枚の偏光板どうしの主偏光
軸のなす角を90゜ (π/2 rad.)とすると、(1)式は次
のように変換することができる。 T={cosβ・cos(θ−π/2 ) +sinβ・sin(θ−π/2 )/( 1+α2 1/2 2 +sin2 β・α2 /{ 2・(α2 +1 )}………(2) いわゆるマルチドメイン方式のLCDにおいては、電圧
無印加時の透過率Tは(2)式によって表される。
【0016】この(2)式を検討してみるとθがπ/2
となるとき、sinβ・sin(θ−π/ 2)/( 1+
α2 1/2 }は 0となり、(2)式は、 T=cos2 β+sin2 β・α2 /( 2・(α2 +2 )) = 1−sin2 β・(α2 +2 )/( 2α2 +2 )………(3) となる。この(3)式が極大値をとる条件は、 sin2 β・(α2 +2 )/( 2α2 +2 )=0 であ
り、つまりは、sin2 β=0 である。ここで、 β=θ(1+α2 ) 1/2 =π(1/4 + (Δn・d/
λ)2 ) 1/2 であるので、sin2 β=0 の解は、 (1/4 + (Δn・d/λ) 2 ) 1/2 =n (nは正の整
数)となり、Δn・d/λ= 0.5(4n2 −1)1/2 とな
る。
【0017】つまりは、θ=π/2 であり、Δn・d/
λ= 0.5(4n2 −1)1/2 であれば、前述したLCDの透
過率は 1となる。
【0018】また、同様の計算手段を用いて、透過率が
約 0.98 以上とするならば、つまりは、実用的に色付き
がなく明るい表示を得るようにするには、θおよびΔn
・d/λを幾つにすればよいかを計算すると、 85゜≦θ≦95゜ 0.49 (4n2 −1)1/2 ≦Δn・d/λ≦ 0.51 (4n2 −1)1/2 (nは正の整 数)……(4)となる。
【0019】当然液晶セルに入射する光の波長は可視光
全域におよんでいる。よって、Δn・dが一定であれ
ば、(4)式は実現しない。Δn・dはλに対応した値
とならねばならない。しかしながら、dを可変させると
θも連動して可変する。これは、液晶の捩じれ角θが液
晶組成物の捩じれ能力によって決まるためである。ここ
で液晶組成物の捩じれ能力とはdを液晶組成物の螺旋ピ
ッチpで割った値(d/p)をいう。また、液晶の捩じ
れ角θとは液晶セル内における液晶分子配列の捩じれ角
をいう。その結果、(4)式を実現するには、Δnをλ
に応じて変化させるような手段を講じる必要がある。
【0020】ここで、Δnをλに応じて変化させること
は、必然的にλが短いバンド幅、現実的にはほぼ単波長
となることを意味し、これを実現することは、カラ−フ
ィルタ−を具備することを意味する。さらに、カラ−フ
ィルタ−に用いる色を光の 3原色としたならば、種々の
透過光の組み合わせで、白黒を含めたあらゆる色の表示
が可能となる。よって、(4)式の条件を種々のλに応
じたものとすることは、結果的に光の 3原色からなるカ
ラ−フィルタ−を具備することを意味し、なおかつ個々
のカラ−フィルタ−の色に対応したΔnを得る手段を講
じることを意味する。
【0021】つぎにΔnをλに応じて変化させる手段に
ついて説明する。一般的に液晶組成物にはΔnのλ依存
がある。多くの材料はλが大きい程Δnが小さくなると
の関係にある。こうした、液晶組成物のΔnのλ依存を
そのまま適用して、(4)式の条件を満足させることは
困難であるが、実効的なΔnを液晶分子のチルト角を制
御して変化させれば、ほぼ所望のλに応じたΔnを得る
ことができる。実効的なΔnとは、液晶分子の長軸方向
のΔnつまりは液晶組成物のΔnに、液晶分子のチルト
角、つまりは傾き角αの余弦を乗じたものとなる。よっ
て、実効的なΔn=(液晶組成物のΔn)×(cos
α)となる。
【0022】たとえば、可視光の 3原色の一般的なピ−
ク波長λ= 440、 550、 620nmに対して、d= 6.0μm
として、解の一例を示す。たとえばΔnの波長依存性
が、 λ=440nmに対するΔnが 0.1420 λ=550nmに対するΔnが 0.0900 λ=620nmに対するΔnが 0.0895 であるネマティック液晶組成物に捩じれ能力がd= 6.0
μm にて90゜となるようカイラル剤を混入し、各λ=44
0、 550、 620nmのピ−ク波長を有するカラ−フィルタ
−上で配向層を異ならせ、得られるプレチルト角から液
晶分子のチルト角を、 λ=440nmに対するαが 0゜ λ=550nmに対するαが28゜ λ=620nmに対するαが 0゜ となるようにすれば、各カラ−フィルタ−上のΔn・d
/λは次のようになる。 λ=440nmに対するΔn・d/λ=0.1420 ×cos 0゜×6000/440 = 1.936 λ=550nmに対するΔn・d/λ=0.0900 ×cos28゜×6000/550 = 0.866 λ=620nmに対するΔn・d/λ=0.0895 ×cos 0゜×6000/620 = 0.866 よって、これらの値は、λ=440nmに対してはn= 2 、λ
=550nmおよび 620nmに対してはn= 1 のときの 0.49 ×
(4n2 −1)1/2 〜 0.51 ×(4n2 −1)1/2 を満たすこと
となる。
【0023】このようにして各カラ−フィルタ−に対し
てΔnを異ならせ、それぞれのΔn・d/λを(4)式
の条件にあてはまるようにすれば、電圧無印加時の透過
率は1となり、色付きのない良好な表示が得られる。
【0024】比較例として、仮に各カラ−フィルタ−に
対する実効的なΔnを液晶組成物のΔnにすれば、つま
り各カラ−フィルタ−に対する配向層のプレチルト角を
0゜と一定にすればλ=550nmに対するΔn・d/λは、
Δn・d/λ=0.0900 ×cos 0゜×6000/550 = 0.98
2 となり、透過率Tは約 92 %となる。よって、電圧無
印加時の表示はλ=550nm、つまり緑色のカラフィルタ−
のみ暗くなって、全体的に紫色に着色した見え方をする
こととなる。
【0025】このように本発明は、表示色の色付きを解
決する手段として、(4)式の条件を満たすようにΔn
を各カラ−フィルタ−毎に異ならせる。実質的にΔnを
各カラ−フィルタ−毎に異ならせるには、 1種の配向層
を用い、各カラ−フィルタ−毎に配向層表面に異なる表
面処理(たとえばエッチング処理等)を施して、各カラ
−フィルタ−毎に異なるプレチルト角を得るようにすれ
ばよい。しかしながら、さらに容易に実現させるには各
カラ−フィルタ−毎に配向層を異ならせればよい。ただ
し、この場合、対向する配向層どうしは同一のものであ
る必要がある。これは、異なる配向層とすると、TFT
駆動をした場合に最適コモン電圧が径時変化するからで
ある。
【0026】本発明のLCDは、駆動方法や、電極構造
においてもMIM素子付き電極、ストライプ状の単純マ
トリクス電極構造、およびこれらを用いた、アクティブ
マトリクス駆動、マルチプレックス駆動等を用いること
ができ、とくに制限はない。また、これらの素子に光学
的な補償手段(たとえば色味の補償手段として位相差板
を挿入するなど)を用いることもできる。
【0027】
【作用】本発明のLCDはどの方位からみてもほぼ同様
の表示性能を示す極めて視角依存性の少なく、かつ光透
過率やコントラスト比に優れ、白黒を含めたあらゆる色
の表示が可能となる。
【0028】
【実施例】以下本発明のLCDを詳細に説明する。 実施例1 図1は、実施例1のLCDの断面を示す図である。基板
6上に赤色のカラ−フィルタ−層4a、緑色のカラ−フ
ィルタ−層4bおよび青色のカラ−フィルタ−層4cが
配置された共通電極3を有する対向基板1と基板6上に
画素電極7を有するTFT基板2を用意した。双方の基
板にフォトエッチング法を用いて、 3種のプレチルト角
を得る 3種の配向層をカラ−フィルタ−の色毎に配置し
た。用いた配向層は、青色のカラ−フィルタ−に対応し
た配向層5cがAL−1051((株)日本合成ゴム社
製、商品名、プレチルト角約0.1゜)であり、緑色のカ
ラ−フィルタ−に対応した配向層5bがSE−4140
((株)日産化学社製、商品名、プレチルト角約 28
゜)であり、赤色のカラ−フィルタ−に対応した配向層
5aがSE−3140((株)日産化学社製、商品名、
プレチルト角約 5゜)である。しかるのち、カラ−フィ
ルタ−基板に図示を省略した基板間隙剤として粒径 6.0
μm のミクロパ−ル(積水ファインケミカル(株)製、
商品名)を散布し空セルを作製した。
【0029】この空セルに、液晶組成物8として、正の
誘電異方性を示し、屈折率異方性の波長依存性が著しい
ネマティック液晶組成物ZLI−4801−100
((株)メルクジャパン社製、商品名、λ= 440nm時の
Δn= 0.1420 、λ= 550nm時のΔn= 0.0900 、λ=
620nm時のΔn= 0.0895 、TI 点= 91 ℃、(株)メ
ルクジャパン製)に捩じれ角が 6.0μm の基板間間隙
(ほぼ液晶層厚に等しい)にて丁度90゜となるようカイ
ラル剤としてs−811((株)メルクジャパン社製、
商品名)を 0.395wt%混合したものを 100℃に加熱
し、空セルも 100℃に加熱して注入し、その後、常温ま
で冷却し、実施例1の液晶セルを作製した。ここで、各
カラ−フィルタ−に対応した画素部の実効的な、Δn・
d/λは、約 (3)1/2 /2 若しくは約(15)1/2 /2 とな
るように設定したこととなる。この液晶セルを平行配置
した偏光板9間に挿入し、実施例1におけるLCDを得
た。
【0030】本実施例におけるLCDを駆動したとこ
ろ、印加電圧 0V では、赤色、緑色および青色の各画素
において透過率 30.55〜30.72 %(絶対透過率)である
表示が得られ、この状態で顕微鏡にて各画素の表示を観
察したところディスクリネ−ションラインもない良好な
白色の表示をしていることがわかった。さらに、 6V の
電圧を印加したところ、赤色、緑色および青色の各画素
において表示は透過率 0.50 〜 0.56 %となり、良好な
黒色の表示となった。ここでも顕微鏡にて各画素の表示
を観察したところ、各画素ともにディスクリネ−ション
ラインの発生はなかった。
【0031】さらにこうして得られた本実施例における
LCDを階調表示をして駆動し、種々の観察方向から観
察したところ、どの方向から観察しても良好なコントラ
スト比であり、反転現象もなく表示のざらつきもない極
めて良好なカラ−表示性能で、かつ視角依存性のない優
れた表示を示した。
【0032】実施例2 実施例1と同一の基板を用い、配向層としてAL−10
51((株)日本合成ゴム社製、商品名、プレチルト角
約 0.1゜)を成膜し、青色のカラ−フィルタ−と赤色の
カラ−フィルタ−とをレジストでカバ−して、緑色のカ
ラ−フィルタ−に対応した配向層のみ約 0.05 %の疎水
処理液であるODS−E((株)チッソ社製、商品名)
に浸し、前述のレジシトを剥離して、緑色のカラ−フィ
ルタ−に対応した配向層のみプレチルト角が28゜となる
ようにして、実施例1と同一の条件、液晶組成物、製造
方法にて実施例2のLCDを作製した。
【0033】本実施例におけるLCDを駆動したとこ
ろ、印加電圧 0V では、赤色、緑色および青色の各画素
において透過率 30.55〜30.72 %(絶対透過率)である
表示が得られ、この状態で顕微鏡にて各画素の表示を観
察したところディスクリネ−ションラインもない良好な
白色の表示をしていることがわかった。さらに、 6V の
電圧を印加したところ、赤色、緑色および青色の各画素
において表示は透過率 0.50 〜 0.56 %となり、良好な
黒色の表示となった。ここでも顕微鏡にて各画素の表示
を観察したところ、各画素ともにディスクリネ−ション
ラインの発生はなかった。
【0034】さらにこうして得られた本実施例における
LCDを階調表示をして駆動し、種々の観察方向から観
察したところ、どの方向から観察しても良好なコントラ
スト比であり、反転現象もなく表示のざらつきもない極
めて良好なカラ−表示性能で、かつ視角依存性のない優
れた表示を示した。
【0035】
【発明の効果】本発明のLCDは、液晶組成物のねじれ
能力により液晶の捩じれ角θが定まるLCDにおいて、
カラ−フィルタ−層を透過する透過光の各色毎のピ−ク
波長λと、ピ−ク波長λの透過光が透過する液晶層の基
板法線方向における屈折率異方性Δnと、液晶層の層厚
dとが各色毎にそれぞれつぎの関係を有し、 0.49 (4n
2 −1)1/2 ≦Δn・d/λ≦ 0.51 (4n2 −1)1/2 (n
は正の整数)、かつ液晶の捩じれ角θが85゜≦θ≦95
゜、dが一定であるので、色付きのない白色や黒色を含
む良好なカラ−表示が実現でき、なおかつ、どの方向か
ら観察してもざらつきがなく階調表示においても反転現
象がなく且つコントラスト比が高い、極めて良好な表示
性能を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のLCDの断面を示す図である。
【符号の説明】
1………対向基板、2………TFT基板、3………共通
電極、4a………赤色のカラ−フィルタ−層、4b……
…緑色のカラ−フィルタ−層、4c………青色のカラ−
フィルタ−層、5a………赤色のカラ−フィルタ−に対
応した配向層、5b………緑色のカラ−フィルタ−に対
応した配向層、5c………青色のカラ−フィルタ−に対
応した配向層、6………基板、7………画素電極、8…
……液晶組成物、9………偏光板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽藤 仁 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の基板に配向膜を有する
    2枚の電極付き基板間に液晶組成物を挟持し、前記基板
    表面での液晶分子配列方向を制御し得る配向処理がなさ
    れておらず、かつ前記液晶組成物のねじれ能力により液
    晶の捩じれ角θが定まる液晶表示素子において、 少なくとも一方の基板上に 2色以上のカラ−フィルタ−
    層を設け、前記カラ−フィルタ−層を透過する透過光の
    ピ−ク波長λと、前記ピ−ク波長λの透過光が透過する
    液晶層の基板法線方向における屈折率異方性Δnと、前
    記液晶層の層厚dとが各色毎にそれぞれ以下の関係を有
    し、 0.49 (4n2 −1)1/2 ≦Δn・d/λ≦ 0.51 (4n2
    1)1/2 (nは正の整数) かつ前記液晶の捩じれ角θが85゜≦θ≦95゜であり、前
    記液晶層厚dが一定であることを特徴とする液晶表示素
    子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液晶表示素子において、
    前記配向層が前記カラ−フィルタ−層の各色毎に異な
    り、かつ前記 2枚の基板間で対向する前記配向層同士が
    同一物質からなることを特徴とする液晶表示素子。
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