JPH06323579A

JPH06323579A - 加湿器

Info

Publication number: JPH06323579A
Application number: JP11578193A
Authority: JP
Inventors: Hideo Shishido; 秀夫宍戸
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1993-05-18
Filing date: 1993-05-18
Publication date: 1994-11-25

Abstract

(57)【要約】【目的】蒸発槽内の水の沸騰による湯滴の突出を防
ぐ。【構成】蒸発槽４の外面にヒータ５を巻き付ける。蒸
発槽４に、ヒータ５の加熱面よりも高い位置まで吸水材
１２として球状粒子の高吸水性のゲルまたはセラミック
を充填する。蒸発槽４内の水が沸騰して気泡が発生する
と、吸水材１２の隙間を気泡が通過して、気泡は成長し
ない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、室内の湿度を上昇させ
るための加湿器に関する。

【０００２】

【従来の技術】加湿器は、蒸発槽に供給された水道水を
ヒータで加熱して蒸発させることにより、室内の湿度を
適度に保っている。この種の加湿器では、超音波等の噴
霧方式のものに比べて、水中に含まれているカルシウ
ム、マグネシウム等の無機塩類が飛散しない点で優れて
いる。

【０００３】ところが、水を沸騰させて水蒸気を空中に
放出させるため、水中に泡が発生して、これの上昇に伴
って湯滴が飛び出したり、沸騰するときの音が生じると
いった問題がある。また、水中に溶解している無機塩類
が蒸発槽内で濃縮されていき、ついには水垢となって析
出して、蒸発槽の内壁に固着することによって、加熱効
率を低下させてしまう。

【０００４】そこで、従来では、特開平４−９８０３１
号公報に示すように、加湿皿の上面に吸水材を設置し
て、吸水材に水垢を吸着させ、湯滴の突出を防いでい
る。もしくは、図８の如く、蒸発槽５０に吸水材５１を
沈め、吸水材５１に水垢を吸着させようとしている。な
お、図中、５２は加湿器本体、５３は水槽、５４は連結
管、５５はヒータ、５６は蒸発筒、５７はスチーム蓋、
５８はカバー、５９は給水タンクである。

【０００５】また、別の従来技術として、特開平４−２
７３９３２号公報に示すように、ポーラス状のセラミッ
ク層でパイプの内壁を覆って湯滴の突出防止を図ってい
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
吸水材を用いた加湿器では、最も温度の上昇する加湿皿
または蒸発槽の内壁は吸水材に直接覆われていない。そ
のため、一般に温度が上昇すれば水垢の析出量も増加す
るが、吸水材ではろ過しきれず内壁への水垢付着を完全
に防止することはできない。しかも、加湿皿上面に吸水
材を設置した場合には、吸水材において結露が生じ、加
湿量の低減を招く。

【０００７】また、後者の内壁にポーラス状のセラミッ
ク層を形成した場合は、ヒータから水への伝熱がセラミ
ック層により阻害され、ヒータの加湿効率の低下もしく
はヒータの過熱を招いてしまう。しかも、表面が凹凸な
ので、清掃性も悪い。

【０００８】本発明は、上記に鑑み、湯滴の突出を防ぐ
とともに水垢の析出も防ぐことができる加湿器の提供を
目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、図１の如く、水蒸気を発生させる蒸発槽４と、該
蒸発槽４を加熱する加熱部５とを備え、前記蒸発槽４
に、吸水材１２が蒸発槽４の内壁面に接触して充填され
たものである。

【００１０】そして、吸水材１２が、網目構造を有する
高吸水性のゲルまたはセラミックとされている。また、
吸水材１２に、図３の如く、水垢抑制剤１７を含浸させ
るか、あるいは図５の如く、水垢抑制剤を内包したマイ
クロカプセル１８を付着させている。

【００１１】他の課題解決手段は、図２の如く、蒸発槽
４の内壁面が繊維フィルター１５により被覆されたもの
である。そして、繊維フィルター１５に、図４の如く、
水垢抑制剤１７を含浸させるか、あるいは図６の如く、
水垢抑制剤を内包したマイクロカプセル１８を付着させ
ている。なお、前記水垢抑制剤１７は、重合リン酸塩、
ホスホン酸または高分子電解質である。

【００１２】また、他の課題解決手段は、図７の如く、
水蒸気を発生させる蒸発槽２０と、該蒸発槽２０を加熱
する加熱部５とを備え、前記蒸発槽２０は管状に形成さ
れ、該蒸発槽２０が傾斜して設置されたものである。

【００１３】

【作用】上記課題解決手段において、蒸発槽４には、吸
水材１２として網目構造をもつ高吸水性のゲル、または
セラミックが充填されているか、あるいは繊維フィルタ
ー１５が装着されており、これに水垢が選択的に付着し
て、蒸発槽４の内壁面への付着を防止している。また、
水が沸騰したときに生じる気泡が、吸水材１２あるいは
繊維フィルター１５の隙間を通過していくため、気泡の
成長が抑制され、気泡の破裂音がなくなるとともに湯滴
の突出も生じない。そして、どちらも高吸水性であるの
で、蒸発槽内壁を常に湿潤し、過熱を防止できる。

【００１４】特に、吸水材１２あるいは繊維フィルター
１５の表面に、水垢抑制剤１７を付加することにより、
水垢の結晶にひずみを与え水垢の粗大化を防ぎ、水垢の
生長抑制を図ることができる。

【００１５】また、管状の蒸発槽２０を傾斜させること
で下部で発生した気泡２３が水面までに到達する距離が
短くなり、大きな気泡に成長しない。そのため、湯滴の
突出を防止でき、また水面の表面積も増大するので効率
よく加湿できる。

【００１６】

【実施例】

（第一実施例）本実施例の加湿器は、図１の如く、加湿
器本体１に着脱自在に装着された給水タンク２と、給水
タンク２からの水を貯える水槽３と、水槽３から供給さ
れた水により蒸気を発生させる蒸発槽４と、蒸発槽４内
の水を加熱するヒータ５とを備えている。

【００１７】前記給水タンク２は、加湿器本体１の上面
に形成された載置部６に載置され、給水タンク２の下面
には給水口が形成されており、給水弁構造を有する給水
キャップ７により閉塞されている。そして、給水タンク
２が加湿器本体１に装着されたとき、水槽３に突設され
たピン８が給水キャップ７内に挿入され、給水弁を開状
態として、給水タンク２は給水可能な状態とされる。ま
た、この給水口は、加湿器本体１から取り外した給水タ
ンク２への水の補給口でもある。

【００１８】前記蒸発槽４は、管状に形成され、その上
部が加湿器本体１から突出して蒸気吹出口９となってい
る。また、その下部の側面に流入口１０が形成され、水
槽３に連結管１１を介して連通されている。連結管１１
は、水槽３側から蒸発槽４側に向けて下り傾斜で配置さ
れている。

【００１９】蒸発槽４の側面の外壁に、コイル状のヒー
タ５が巻き付けられている。このヒータ５は、蒸発槽４
に供給される水の規定水位よりも下側の位置に配されて
いる。なお、蒸発槽４には、異常温度上昇を検知するた
めのサーモスタットが設けられており、ヒータ５の過熱
を検知したとき、ヒータ５への通電が停止される。

【００２０】そして、蒸発槽４には、球状もしくは不定
形粒子の吸水材１２が充填されている。吸水材１２は、
網目構造を有する高吸水性のゲル、例えばシリカゲル、
またはセラミックからなり、蒸発槽４の底面から規定水
位の高さまで内壁面に接触するように詰め込まれてい
る。そして、蒸発槽４の流入口１０には、吸水材１２が
連結管１１に流出するのを防止するために網１３が装着
されている。

【００２１】上記構成において、給水タンク２を加湿器
本体１の載置部に装着すると、ピン８が給水キャップ７
内の給水弁を開放して、給水タンク２の水が水槽３から
連結管１１を通って蒸発槽４内に入り、規定水位まで供
給される。そして、吸水材１２に一旦吸収され、蒸発槽
４内が湿潤された吸水材１２で充填される。ヒータ５へ
の通電を開始することによって、吸水材１２が加熱され
て水蒸気が発生し、この水蒸気は吸水材１２の間隙を通
って蒸気吹出口９から外部に放出される。

【００２２】このとき、水中の無機塩類等の不純物は蒸
発槽４内に残留していく。時間が経過するにつれて、水
中のカルシウム分は濃縮されていき、水垢となって蒸発
槽４の内部に析出するようになるが、水垢は吸水材１２
の表面に選択的に吸着される。

【００２３】このように、蒸発槽４内の水が沸騰して気
泡が生じても、吸水材１２により大きく成長せず消泡さ
れるので、気泡による湯滴の突出が抑制される。また、
大きな気泡の破裂音もなくなり、水が沸騰するときに生
じる音を抑制することができる。そして、吸水材の構造
が網目状になっているので、水垢が選択的に吸着され、
水垢の生成を防止することができる。しかも、吸水材１
２は高吸水性であるので保湿力があり、そのため蒸発槽
４の内壁面は常に湿潤となり、水垢の蒸発槽４への付着
を阻止でき、伝熱効率が低下せずヒータ５の過熱を防止
することができる。特に、吸水材を小粒子化することに
より、蒸発表面積の増大および毛細現象による吸い上げ
力の増大を図れる。

【００２４】（第二実施例）本実施例の加湿器では、図
２の如く、蒸発槽４の内壁面が繊維フィルター１５で被
覆されている。繊維フィルター１５は、例えばアクリル
酸・アクリルアミド共重合体からなり、ヒータ５の加熱
面よりも大面積とされ、多孔を有する筒状のフィルター
取付片１６の表面に巻き付けられている。このフィルタ
ー取付片１６は、蒸発槽４に対して挿脱自在とされ、フ
ィルターの交換が可能となっている。なお、他の構成は
上記第一実施例と同じである。

【００２５】そして、給水タンク２、水槽３、連結管１
１を通った水は蒸発槽４に入り、吸水性および通気性の
ある繊維フィルター１５を湿潤させる。ヒータ５に通電
されると、繊維フィルター１５が熱せられ蒸気を発生す
る。蒸気は繊維フィルター１５を通過して、蒸発槽４の
上部から放出される。このとき、水垢は繊維フィルター
１５に選択的に吸着されるとともに、気泡は繊維フィル
ター１５により成長が阻害される。このように、繊維フ
ィルター１５は、第一実施例の吸水材と同様の作用効果
を奏する。

【００２６】なお、本実施例では、繊維フィルター１５
はフィルター取付片１６を用いて蒸発槽４に装着してい
るが、繊維フィルター１５だけを直接蒸発槽４の内壁に
装着してもかまわない。

【００２７】（第三実施例）本実施例では、図３の如く
第一実施例の吸水材１２、または図４の如く第二実施例
の繊維フィルター１５の表面に水垢抑制剤１７を含浸さ
せている。水垢抑制剤１７は、重合リン酸塩（例えばポ
リメタリン酸等）、ホスホン酸、または高分子電解質か
らなる。

【００２８】この水垢抑制剤１７は、水垢の結晶にひず
みを与えて水垢の粗大化を防ぐ作用があり、吸水材１２
または繊維フィルター１５から水垢抑制剤１７が滲み出
ることにより、水垢の生長が抑制され、水垢の析出防止
をさらに向上させている。なお、他の構成は上記第一実
施例または第二実施例と同じである。

【００２９】（第四実施例）本実施例では、図５の如く
第一実施例の吸水材１２、または図６の如く第二実施例
の繊維フィルター１５の表面に、水垢抑制剤を内包した
マイクロカプセル１８を付着させている。マイクロカプ
セル１８は、重合リン酸塩、ホスホン酸、または高分子
電解質等の水垢抑制剤をセルロース、デンプン等の天然
高分子あるいはポリビニルアルコール、ポリアクリルア
ミド等の合成高分子材料の皮膜で包み込んだものであ
る。そして、マイクロカプセル１８から水垢抑制剤が滲
み出ることにより、上記第三実施例と同様に水垢の生長
を抑制することができる。しかも、マイクロカプセル化
することにより、水垢抑制剤の水に対する接触表面積を
増大させることになり、より効果的に水垢の析出防止を
図ることができる。

【００３０】（第五実施例）本実施例では、図７の如
く、管状の蒸発槽２０が傾斜して加湿器本体１に取付ら
れ、蒸発槽２０の下端が水槽３に連結管２１を介して接
続され、上端が蒸気吹出筒２２に接続されている。そし
て、蒸発槽２０の下部の側面に、ヒータ５が巻き付けら
れている。これによって、給水タンク２、水槽３、連結
管２１を通った水は傾斜した蒸発槽２０内に入り、ヒー
タ５により加熱されて気泡２３が発生する。この気泡２
３が上昇して、水面から蒸気が立ちのぼり、蒸気吹出筒
２２から放出される。

【００３１】このように、蒸発槽２０を傾斜させること
により、ヒータ５による加熱面から水面までの鉛直距離
が短くなり、気泡２３が大きく成長する前に水面に達す
る。そのため、大きな泡の破裂音、湯滴の突出が防止で
きる。また、水面の表面積も増大するので、大気中への
蒸発表面積が増して効率よく蒸気を放出することができ
る。

【００３２】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。

【００３３】例えば、吸水材として高吸水性の粒子を高
吸水性の繊維の袋に詰めたものとして、蒸発槽に挿入し
てもよい。また、第五実施例における蒸発槽に、吸水材
を充填したり、繊維フィルターを装着してもよい。そし
て、ヒータはコイル状に限らず面状のものでもよい。

【００３４】

【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、蒸発槽に高吸水性の吸水材または繊維フィルタ
ーが蒸発槽に内壁面に接触するように内装されているの
で、水が沸騰したときに発生する気泡が成長せず、湯滴
の突出を防止できるとともに沸騰音も抑制することがで
きる。しかも、蒸発槽の内壁面は常に湿潤となり、吸水
材または繊維フィルターに水垢が選択的に吸着され、蒸
発槽の内壁面に水垢が析出することがなくなり、ヒータ
の伝熱効率が低下せず、ヒータの過熱を防ぐことができ
る。

【００３５】また、吸水材または繊維フィルターに水垢
抑制剤を付加することにより、水垢の生長を抑制するこ
とができ、水垢析出による伝熱効率の低下を防いで加湿
能力を向上させることができる。

【００３６】また、蒸発槽を傾斜して配置することによ
り、気泡の成長を抑制して湯滴の突出を防止できる。し
かも、蒸発表面積も増大するので、加湿能力の向上にも
つながる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施例を示す加湿器の要部断面図

【図２】第二実施例を示す加湿器の要部断面図

【図３】第三実施例の水垢抑制剤を含浸させた吸水材の
拡大図

【図４】第三実施例の水垢抑制剤を含浸させた繊維フィ
ルターの拡大図

【図５】第四実施例の水垢抑制剤をマイクロカプセルに
より保持した吸水材の拡大図

【図６】第四実施例の水垢抑制剤をマイクロカプセルに
より保持した繊維フィルターの拡大図

【図７】第五実施例を示す加湿器の要部断面図

【図８】従来の加湿器の断面図

【符号の説明】

１加湿器本体２給水タンク３水槽４蒸発槽５ヒータ１２吸水材１５繊維フィルター１７水垢抑制剤１８水垢抑制剤を内包したマイクロカプセル

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水蒸気を発生させる蒸発槽と、該蒸発槽
を加熱する加熱部とを備えた加湿器において、前記蒸発
槽に、吸水材が蒸発槽の内壁面に接触して充填されたこ
とを特徴とする加湿器。
【請求項２】吸水材が網目構造を有する高吸水性のゲ
ルまたはセラミックとされたことを特徴とする請求項１
記載の加湿器。
【請求項３】請求項２記載の加湿器において、吸水材
に水垢抑制剤を付加したことを特徴とする加湿器。
【請求項４】水蒸気を発生させる蒸発槽と、該蒸発槽
を加熱する加熱部とを備えた加湿器において、前記蒸発
槽の内壁面が繊維フィルターにより被覆されたことを特
徴とする加湿器。
【請求項５】請求項４記載の加湿器において、繊維フ
ィルターに水垢抑制剤を付加したことを特徴とする加湿
器。
【請求項６】水垢抑制剤が重合リン酸塩、ホスホン酸
または高分子電解質とされたことを特徴とする請求項３
または５記載の加湿器。
【請求項７】水蒸気を発生させる蒸発槽と、該蒸発槽
を加熱する加熱部とを備えた加湿器において、前記蒸発
槽は管状に形成され、該蒸発槽が傾斜して設置されたこ
とを特徴とする加湿器。