JPH06322595A - 撥水性金属材料の製造方法 - Google Patents

撥水性金属材料の製造方法

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JPH06322595A
JPH06322595A JP13267693A JP13267693A JPH06322595A JP H06322595 A JPH06322595 A JP H06322595A JP 13267693 A JP13267693 A JP 13267693A JP 13267693 A JP13267693 A JP 13267693A JP H06322595 A JPH06322595 A JP H06322595A
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anode
metal
metallic material
electrolyte
water repellent
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JP13267693A
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English (en)
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Akane Tsutsumi
あかね 堤
Hidetoshi Yamabe
秀敏 山辺
Kunio Mori
邦夫 森
Hidetoshi Hirahara
英俊 平原
Yaeko Sasaki
八重子 佐々木
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TOANII KK
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
TOANII KK
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 撥水性を付与した金属材料の製造方法を提供
する。 【構成】 電解液として、6−p−パ−フルオロオクチ
ルアニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオ
−ル化合物の水溶液または有機溶媒液を用い、金属を陽
極にして、液温0〜80℃、電圧20V以下、電流密度
10mA/dm2〜10A/dm2で0.1秒〜10分間電
解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルオロオクチルアニ
リノ基を有するトリアジンジチオ−ル化合物を表面に電
着して、撥水性を付与した金属材料の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】金属は、親水性で、摩擦が大きいので、金
属製の部材や部品などの表面に撥水性や潤滑性を付与す
ると、性能が向上する場合がある。例えば、空気調和機
の熱交換器は通常金属製であるが、金属製であると、室
内側フィン表面に水分の凝縮、ブリッジ現象が生じ、通
風量が低下してしまう。しかし、表面に撥水性を付与す
ると、前記のような現象が生じないので、通風量が向上
し、熱貫流率が向上する。また、建築物の金属製外装部
材に撥水性、潤滑性を付与すると、着氷や着雪などを防
止できる(X IX.FATIPEC CONGRESS IV/203)。
【0003】ところで、金属表面に撥水性や潤滑性を付
与する方法としては、塗装法や化成処理法などが採用さ
れているが、塗装法は金属の外観を変化させてしまうの
で、例えば、ステンレス鋼板のように、表面肌を生かし
たい場合には使用することができない。一方、化成処理
法にはこのような問題はないが、撥水性や潤滑性を付与
しようとする場合、有機系処理液によらなければならな
いので、処理前に十分な脱脂、エッチングを施して、処
理液の濡れ性を改善する必要がある。しかし、ステンレ
ス鋼板のように耐食性が良好なものは脱脂やエッチング
を施しても、処理液の濡れ性を十分改善できない場合が
あった。
【0004】そこで、このような塗装法や化成処理法の
問題を解決した表面処理法として、一般式RfCOOM
またはRfSO3M(Rfは炭素数4〜12のパ−フル
オロ基、MはH、Na、Li、K、1/2Ca、1/2
Ba、脂肪族一級、二級および三級アミン類)で示され
るフッ素化合物のカルボン酸塩またはスルホン酸塩の水
溶液もしくは有機溶媒液を電解液に用い、金属を陽極に
して電解する方法がある(特開平2−298284
号)。しかし、この方法では表面自由エネルギ−を32
mJ/m2より小さくすることが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、表
面自由エネルギ−を32mJ/m2より小さくできる撥水
性金属材料の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、電解液とし
て、一般式
【化2】 (上式において、MはH、Na、Li、K、1/2C
a、1/2Ba、脂肪族一級、二級または三級アミン
塩、四級アンモニウム塩)で示される6−p−パ−フル
オロオクチルアニリノ−1,3,5−トリアジン−2,
4−ジチオ−ル化合物の水溶液または有機溶媒液を用
い、金属を陽極にして、液温0〜80℃、電圧20V以
下、電流密度10mA/dm2〜10A/dm2で0.1秒
〜10分間電解することにより撥水性金属材料を製造す
るようにした。
【0007】
【作用】上記電解液中では、トリアジン環がマイナスイ
オンに解離するので、電解した場合、陽極の金属表面に
トリアジンジチオ−ル化合物が電着して、皮膜を形成す
る。この皮膜は表面自由エネルギ−が通常10mJ/m2
以下になり、また、水の接触角が最大160度以上に達
する。これは、電着トリアジンジチオ−ル化合物のトリ
アジン環が金属側に、パ−フルオロオクチルアニリノ基
が表面側に配向しているためであると考えられる。
【0008】電解液は、トリアジンジチオ−ル化合物を
水または有機溶剤に溶解させることにより調製できる
が、有機溶剤としては、0〜80℃の温度範囲で低粘度
であれば、ほとんどのものを使用できる。例えば、メチ
ルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、イソプロピルアルコ
−ル、エチルセルソルブのようなアルコ−ル、アセト
ン、メチルエチルケトンのようなケトン、ジメチルホル
ムアルデヒドのようなアルデヒド、酢酸エチルエ−テル
のようなエ−テル、テトラヒドロフランのようなフラ
ン、ベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素などを
使用すればよい。濃度はトリアジンジチオ−ル化合物が
1×10-1〜10-6モル/l、好ましくは5×10-2
10-4モル/lになるようにする。
【0009】陰極には、陰極からの溶出物が皮膜中に混
入するのを避けるため不溶性材料を使用する。このよう
な材料としては、例えば、白金、チタン、ステンレス
鋼、カ−ボン、グラファイトなどがある。電解は液温0
〜80℃に調整して、電圧20V以下、電流密度10m
A/dm2〜10A/dm2で0.1秒〜10分間電解す
る。液温を0℃より低くすると、皮膜を形成するために
長時間を要し、80℃より高くすると、皮膜の厚さをコ
ントロ−ルするのが困難となり、また、電圧を20Vよ
り高くすると、皮膜が金属表面にムラとなって形成す
る。さらに、電流密度は10mA/dm2より小さくする
と、皮膜は形成されず、10A/dm2より大きくする
と、皮膜がムラとなって形成する。また、電解時間は
0.1秒未満であると、電流密度を10A/dm2にして
も、金属表面全体に皮膜を形成できず、10分を越える
と、皮膜が絶縁体になり、電解が困難になる。
【0010】
【実施例】
実施例1 下記構造式で示されるの6−p−パ−フルオロオクチル
アニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオ−
ルナトリウム塩およびLiClO4(支持電解質)の濃
度がそれぞれ5×10-2モル/lおよび5×10-4モル
/lであるエチルアルコ−ル電解液を調製した。
【化3】 次に、この電解液を用いて、アセトンで洗浄したステン
レス鋼板(SUS304BA)を陽極、ステンレス鋼板
(SUS304)を陰極にして、液温25〜30℃にて
電流密度0.1〜2.0A/dm2で10〜240秒間電解
した。電解後、ステンレス鋼板を取り出して、乾燥した
後、電着面に蒸留水とヨウ化メチレンを滴下して、それ
らの接触角を接触角測定装置[協和界面科学(株)製]
により測定し、皮膜の表面自由エネルギ−を求めた。こ
の結果を表1に示す。なお、未処理ステンレス鋼板の水
接触角、ヨウ化メチレン接触角および表面自由エネルギ
−はそれぞれ41度、24度および61mJ/m2であ
る。
【0011】
【表1】
【0012】実施例2 実施例1において、電解液として、6−p−パ−フルオ
ロオクチルアニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4
−ジチオ−ルナトリウム塩濃度が5×10-4モル/l、
LiClO4支持電解質の代わりに用いたLiBF4の濃
度が5×10-4モル/lのものを用いた。この結果を表
2に示す。
【0013】
【表2】
【0014】実施例3 実施例1において、電解液として、6−p−パ−フルオ
ロオクチルアニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4
−ジチオ−ルナトリウム塩濃度が5×10-3モル/l、
LiClO4濃度が5×10-4モル/lのものを用い
た。また、陽極にはステンレス鋼板のほかに冷延鋼板
(SPCC)、アルミニウム板(H1100)、ニッケ
ル板も使用した。この結果を表3に示す。
【0015】
【表3】 (注)未処理金属板の水接触角/ヨウ化メチレン接触角
/表面自由エネルギ−は次のとおりである。 SUS304BA 41/24/61 SUS430BA 40/23/61 冷延鋼板 41/29/61 アルミ板 72/42/44 ニッケル板 52/38/54
【0016】比較例 ステンレス鋼板(SUS304BA)をフッ素系シラン
カップリング剤[信越シリコ−ン(株)製のKBM−7
803、KBM−7103]液に浸漬して、実施例1と
同要領で水接触角、ヨウ化メチレン接触角を測定し、表
面自由エネルギ−を求めた。この結果を表4に示す。
【0017】
【表4】
【0018】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来の
撥水処理金属材料より撥水性の優れた金属材料を製造で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 邦夫 岩手県盛岡市高松3丁目3−16 (72)発明者 平原 英俊 岩手県盛岡市高松1丁目14−55 (72)発明者 佐々木 八重子 岩手県岩手郡滝沢村鵜飼字笹森69番地24号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液として、一般式 【化1】 (上式において、MはH、Na、Li、K、1/2C
    a、1/2Ba、脂肪族一級、二級または三級アミン
    塩、四級アンモニウム塩)で示される6−p−パ−フル
    オロオクチルアニリノ−1,3,5−トリアジン−2,
    4−ジチオ−ル化合物の水溶液または有機溶媒液を用
    い、金属を陽極にして、液温0〜80℃、電圧20V以
    下、電流密度10mA/dm2〜10A/dm2で0.1秒
    〜10分間電解することを特徴とする撥水性金属材料の
    製造方法。
JP13267693A 1993-05-10 1993-05-10 撥水性金属材料の製造方法 Withdrawn JPH06322595A (ja)

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