JPH07268687A - アルミニウム又はその合金及びその表面処理法 - Google Patents

アルミニウム又はその合金及びその表面処理法

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JPH07268687A
JPH07268687A JP5643294A JP5643294A JPH07268687A JP H07268687 A JPH07268687 A JP H07268687A JP 5643294 A JP5643294 A JP 5643294A JP 5643294 A JP5643294 A JP 5643294A JP H07268687 A JPH07268687 A JP H07268687A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性、耐食性、撥水性及び撥油性を有
し、湿気や水分の多い雰囲気で使用してもこれらの特性
を劣化させず耐水性を有する。 【構成】 アルミニウム又はその合金10の表面に多孔
質酸化皮膜11が形成され、炭素数1〜5のアルキル基
を側鎖に有する非水溶性のペルフルオロアルキル化合物
16が微細孔14の内面全体に吸着又は微細孔14の全
体に充填され、かつ皮膜11の表面に形成される。この
アルミニウム又はその合金の表面処理は、アルミニウム
又はその合金の表面に多孔質陽極酸化皮膜を形成させた
後、炭素数1〜5のアルキル基を側鎖に有する非水溶性
のペルフルオロアルキルアクリレートモノマを含有する
極性有機溶媒中でアルミニウム又はその合金を二次電解
することにより行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面処理されたアルミ
ニウム又はその合金に関する。更に詳しくは陽極酸化処
理法で表面処理されたアルミニウム又はその合金の表面
を更にペルフルオロアルキル化合物で被覆するアルミニ
ウム又はその合金の表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム又はその合金を陽極酸化し
て耐食性酸化皮膜をアルミニウム又はその合金の表面に
形成する表面処理法が知られている。しかしこの処理方
法で形成された酸化皮膜は多孔質であるため、アルミニ
ウム又はその合金はその表面の摩擦係数が高く耐摩耗性
に劣る。このため、陽極酸化皮膜の表面を更にペルフル
オロアルキル化合物又はアクリル樹脂組成物で被覆する
アルミニウム又はその合金の表面処理方法が提案されて
いる(特公昭60−15718,特公平1−1947
9)。
【0003】アルミニウム又はその合金の表面に多孔質
陽極酸化皮膜を形成させた後、特公昭60−15718
号公報に示される表面処理法は、更にアルミニウム又は
その合金をペルフルオロアルキル化合物を含有する水溶
液の電解液中で二次電解する方法であり、また特公平1
−19479号公報に示される表面処理法は、陽極で重
合する低重合アクリル樹脂組成物を含む酸性の電解液中
で二次電解する方法である。これらの方法によれば耐食
性及び耐摩耗性が向上し、特に特公昭60−15718
号公報に示される表面処理法によれば更に撥水性及び撥
油性も向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公平1−1
9479号の方法でアクリル樹脂組成物と複合した陽極
酸化皮膜を表面に形成したアルミニウム又はその合金は
撥水性及び撥油性が欠ける問題点があった。また上記両
方法で用いられるペルフルオロアルキル化合物及びアク
リル樹脂組成物のコーティング剤は水溶液である電解液
にそれぞれ溶解させる関係上、これらのコーティング剤
は水溶性である。このため、水溶性コーティング剤を酸
化皮膜表面及び微細孔内に形成したアルミニウム又はそ
の合金を湿気や水分の多い雰囲気で使用すると、コーテ
ィング剤が溶出し易くなり、コーティング効果が失われ
る不具合があった。即ち、アルミニウム又はその合金を
多湿雰囲気又は水中で使用すると、ペルフルオロアルキ
ル化合物をコーティング剤とする場合には、その耐摩耗
性、耐食性、撥水性及び撥油性が低下する不具合があっ
た。またはアクリル樹脂組成物をコーティング剤とする
場合には、その耐摩耗性及び耐食性が低下する欠点があ
った。
【0005】本発明の目的は、耐摩耗性、耐食性、撥水
性及び撥油性を有し、湿気や水分の多い雰囲気で使用し
てもこれらの特性が劣化しない耐水性のあるアルミニウ
ム又はその合金及びその表面処理法を提供することにあ
る。
【0006】
【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
めに、本発明のアルミニウム又はその合金は、図1に示
すようにアルミニウム又はその合金10の表面に多孔質
酸化皮膜11が形成され、炭素数1〜5のアルキル基を
側鎖に有する非水溶性のペルフルオロアルキル化合物1
6が微細孔14の内面全体に吸着又は微細孔14の全体
に充填され、かつ皮膜11表面に形成されたことを特徴
とする。
【0007】また本発明のアルミニウム又はその合金の
表面処理法は、アルミニウム又はその合金の表面に多孔
質陽極酸化皮膜を形成させた後、炭素数1〜5のアルキ
ル基を側鎖に有する非水溶性のペルフルオロアルキルア
クリレートモノマを含有する極性有機溶媒中でアルミニ
ウム又はその合金を二次電解する方法である。また別の
表面処理法は、上記二次電解した後、更にペルフルオロ
アルキルアクリレートモノマを重合する方法である。
【0008】以下、本発明は詳述する。本発明の被加工
体は純粋なアルミニウム材に限らずその合金を含む。ア
ルミニウム合金としては、Al−Cu−Mg系、Al−
Si系、Al−Zn−Mg−Cu系の加工用合金、Al
−Cu−Si系、Al−Si系、Al−Cu−Ni−M
g系、Al−Mg系、Al−Si−Cu−Ni−Mg系
の鋳造用合金等が挙げられる。図1に示すように、素地
であるアルミニウム又はその合金10の表面にはこのア
ルミニウムを保護する多孔質酸化皮膜11が形成され
る。この酸化皮膜11は素地のアルミニウム又はその合
金10の表面上に形成されたバリヤ層12とこのバリヤ
層の上に形成されたバルク層13からなる。バリヤ層1
2は緻密で活性のある不定形アルミナ(Al23)によ
り、またバルク層13は水分を含む多孔質であって極め
て固い結晶性ベイマイト(Al23・H2O)により構
成される。
【0009】バルク層13の微細孔14には、炭素数1
〜5のアルキル基を側鎖に有する非水溶性のペルフルオ
ロアルキル化合物16が図1のA部に示すようにその内
面全体に吸着されるか、又は図1のB部に示すように微
細孔14の全体に充填される。いずれの場合も微細孔1
4の深部までペルフルオロアルキル化合物16は侵入し
吸着される。バルク層13の表面にも上記ペルフルオロ
アルキル化合物16が形成される。本発明のペルフルオ
ロアルキル化合物は炭素数1〜5のアルキル基を側鎖に
有する非水溶性の化合物である。アルキル基の炭素数が
6以上になると、分子構造上、立体障害を生じ重合が困
難になり、しかもフッ素の濃度が相対的に減少して本発
明の目的を達成しにくくなる。このためアルキル基の炭
素数は3又は4が好ましい。このペルフルオロアルキル
化合物を例示すれば、ペルフルオロアルキルアクリレー
トモノマ及びその重合体であるペルフルオロアルキルア
クリレートポリマが挙げられる。次にC4ペルフルオロ
アルキルアクリレートモノマの構造式を示す。
【0010】
【化1】
【0011】このアルミニウム又はその合金を作製する
には、先ずこの被加工体に対して公知の一次電解を行
う。この一次電解は電解液としてシュウ酸、硫酸、クロ
ム酸水溶液を用い、この電解液中で被加工体を定電流で
アノード処理することにより行われる。これにより、素
地であるアルミニウム又はその合金の表面に上述したバ
リヤ層及びバルク層からなる陽極酸化皮膜が形成され
る。次に、酸化皮膜の形成されたアルミニウム又はその
合金を二次電解する。本発明の表面処理法はこの二次電
解に特徴がある。被加工体から付着水を十分に除去した
後、この被加工体を極性有機溶媒に入れる。この有機溶
媒としては、ピリジン、ピリジン誘導体、アセトニトリ
ル、ジメチル硫酸、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイ
ド、スルフォラン、ホルムアミド、ジメトキシエタン、
プロピレンカーボネート、ジオキサン、メタノール、エ
タノール、γ−ブチルラクトン、ニトロベンゼン、テト
ラヒドロフラン、ニトロメタン等が例示される。電解の
際に有機溶媒に導電性化合物を加えてもよい。この導電
性化合物としては、無機酸(例えばHCl,H2SO4
HClO4,BF4)、有機酸(例えばトルエンスルホン
酸、トリフルオロメチルスルホン酸、ポリスチレンスル
ホン酸のようなスルホン酸、ギ酸、酢酸、ポリアクリル
酸のようなカルボン酸)、有機塩基(例えばピリジン、
トリエタノールアミン)が挙げられる。この有機溶媒に
は予め炭素数1〜5のアルキル基を側鎖に有する非水溶
性のペルフルオロアルキルアクリレートモノマを溶解し
ておく。炭素数1〜5のアルキル基の側鎖は電解時の上
記モノマの極性を高くし、ペルフルオロアルキル化合物
の皮膜微細孔の内面への吸着性を向上させる。
【0012】本発明の表面処理法によれば、モノマの形
態以外にポリマの形態で微細孔内及び皮膜表面を被覆す
ることもできる。この場合には有機溶媒中にペルフルオ
ロアルキルアクリレートモノマの重合剤を溶解させてお
くことが好ましい。重合剤としてはアゾビスイソブチロ
ニトリル、過酸化ベンゾイル等が例示される。電解時の
電解液の温度は室温でよいが、溶解度の小さいペルフル
オロアルキルアクリレートモノマの場合には加温しても
よい。また電解時の電流密度は直流電解では数mA/d
2〜数100mA/dm2の範囲に調整され、100m
A/dm2以下が好ましい。
【0013】
【作用】二次電解により、被加工体であるアルミニウム
又はその合金の陽極酸化皮膜の微細孔にペルフルオロア
ルキル化合物が吸着する。この化合物は炭素数1〜5の
アルキル基を側鎖に有するため、電解時の極性が高ま
り、微細孔全体に迅速かつ強固に吸着する。この吸着し
たペルフルオロアルキル化合物は被加工体に耐摩耗性、
耐食性、撥水性及び撥油性を付与する。またこのペルフ
ルオロアルキル化合物は非水溶性であるため、被加工体
を多湿雰囲気又は水中で使用しても付与された特性は劣
化しない。更にペルフルオロアルキル化合物がペルフル
オロアルキルアクリレートモノマの場合に、このモノマ
をポリマの形態にすると、被加工体の吸着面に対してア
ンカ効果が生じ、より一層耐摩耗性、耐食性が向上す
る。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。 <実施例1>アルミニウム合金であるA5052材(5
0×20×2mm)を被加工体として用意した。この被
加工体を脱脂した後、15wt%H2SO4の10℃の電
解液に入れ、この電解液中で被加工体を直流3A/dm
2で30分間一次電解して被加工体の表面に多孔質陽極
酸化皮膜を形成した。酸化皮膜を形成した被加工体を水
洗した後、付着した水分を十分に除去した。次いで、C
8ペルフルオロアルキルアクリレートモノマ(商品名:
EF−125M、(株)トーケムプロダクツ製)を50
wt%含むピリジン溶液を用意し、この溶液を電解液と
して被加工体を陽極にし、対極にアルミニウム板を用い
て、直流50A/dm2で10分間二次電解して被加工
体の酸化皮膜表面を非水溶性のペルフルオロアルキル化
合物で被覆した。
【0015】<実施例2>C8ペルフルオロアルキルア
クリレートモノマを含むピリジン溶液の代わりに、C8
ペルフルオロアルキルメタクリレートモノマ(商品名:
EF−135M、(株)トーケムプロダクツ製)を50
wt%含むアセトニトリル溶液を用いた以外は実施例1
と同様にして被加工体の酸化皮膜表面を非水溶性のペル
フルオロアルキル化合物で被覆した。
【0016】<実施例3>C8ペルフルオロアルキルア
クリレートモノマを含むピリジン溶液の代わりに、前記
式(1)に示されるC4ペルフルオロアルキルアクリレ
ートモノマ(商品名:EF−C4−125M、(株)ト
ーケムプロダクツ製)を50wt%含むN,N−ジメチ
ルホルムアミド溶液を用いた以外は実施例1と同様にし
て被加工体の酸化皮膜表面を非水溶性のペルフルオロア
ルキル化合物で被覆した。
【0017】<実施例4>C8ペルフルオロアルキルア
クリレートモノマを含むピリジン溶液の代わりに、アク
リル酸トリフルオロエチル(商品名:TFEA、(株)
トーケムプロダクツ製)を50wt%含むジメチルスル
ホキサイド溶液を用いた以外は実施例1と同様にして被
加工体の酸化皮膜表面を非水溶性のペルフルオロアルキ
ル化合物で被覆した。
【0018】<実施例5>C8ペルフルオロアルキルア
クリレートモノマを含むピリジン溶液の代わりに、メタ
クリル酸トリフルオロエチル(商品名:TFEMA、
(株)トーケムプロダクツ製)を50wt%含むホルム
アミド溶液を用いた以外は実施例1と同様にして被加工
体の酸化皮膜表面を非水溶性のペルフルオロアルキル化
合物で被覆した。
【0019】<実施例6>実施例1のC8ペルフルオロ
アルキルアクリレートモノマを含むピリジン溶液の代わ
りに、C8ペルフルオロアルキルアクリレートモノマ
(商品名:EF−125M、(株)トーケムプロダクツ
製)を50wt%と、重合剤としてアゾビスイソブチロ
ニトリルを0.5wt%とを含むメタノール溶液を用い
て、実施例1と同様にして二次電解を行った。その後電
解液を70℃に加温して2時間保持し、上記モノマを重
合した。
【0020】<実施例7>実施例3のC4ペルフルオロ
アルキルアクリレートモノマを含むピリジン溶液の代わ
りに、C4ペルフルオロアルキルアクリレートモノマ
(商品名:EF−C4−125M、(株)トーケムプロ
ダクツ製)を50wt%と、重合剤としてアゾビスイソ
ブチロニトリルを0.5wt%とを含むエタノール溶液
を用いて、実施例1と同様にして二次電解を行った。そ
の後電解液を70℃に加温して2時間保持し、上記モノ
マを重合した。
【0021】<比較例1>実施例1と同じアルミニウム
合金を被加工体として実施例1と同様に一次電解して被
加工体の表面に酸化皮膜を形成した後に、ペルフルオロ
アルキルカルボン酸塩(商品名:サーフロンs 11
1、旭ガラス製)を0.5wt%含む水溶液を用意し、
この溶液を電解液として酸化皮膜を形成した被加工体を
陽極にし、対極にアルミニウム板を用いて、10℃、直
流50A/dm2で10分間二次電解して被加工体の酸
化皮膜表面を水溶性のペルフルオロアルキル化合物で被
覆した。
【0022】<比較例2>実施例1と同じアルミニウム
合金を被加工体として実施例1と同様に一次電解して被
加工体の表面に酸化皮膜を形成した後に、水1リットル
に硫酸180g、溶存アルミニウム5g、硫酸ニッケル
5g及びアクリル樹脂10gを加えて混合し水溶液を用
意した。この溶液を電解液として酸化皮膜を形成した被
加工体を陽極にし、対極にアルミニウム板を用いて、2
℃、直流1.1A/dm2で30分間二次電解して被加
工体の酸化皮膜表面を水溶性のペルフルオロアルキル化
合物で被覆した。
【0023】<比較試験と評価>実施例1〜7、比較例
1及び比較例2の表面処理済みの被加工体を水洗し、乾
燥した後、表面処理直後の被加工体及び50℃の水に1
0時間浸漬した後の被加工体に対して、ゴニオメータに
より水の接触角と、傾斜法により相手材に銅を用いて被
加工体の静止摩擦係数をそれぞれ測定した。その結果を
表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、実施例1〜7の
被加工体では接触角及び摩擦係数に関し、表面処理直後
及び水に10時間浸漬後で、いずれも良好な値を示し撥
水性及び潤滑性に優れていた。また各測定値は殆ど変化
せず、高い耐水性を有することが判った。これに対して
比較例1の被加工体は表面処理直後では接触角が実施例
1〜7と差異はなく撥水性に優れていたが、水に10時
間浸漬した後では接触角及び摩擦係数がそれぞれ大幅に
減少し、撥水性及び潤滑性が低下し耐水性に劣ることが
判った。また比較例2の被加工体は表面処理直後及び水
に10時間浸漬した後ともに撥水性に劣り、しかも水に
浸漬した後では各測定値が若干悪化していることが判っ
た。
【0026】また実施例3の表面処理済みの被加工体を
エポキシ樹脂内に埋込み、硬化したエポキシ樹脂ととも
に切断し、切断面を研磨した後、この断面をエレクトロ
ンプローブマイクロアナライザ(EPMA)により線分
析し、酸化皮膜の微細孔におけるC4ペルフルオロアル
キルアクリレートモノマの吸着状況を調べた。その結果
を図2に示す。図2において横軸は被加工体の表面から
素地へ侵入する厚さ方向を示し、縦軸は強度を示す。図
の実線はアルミニウムの濃度分布を、破線はフッ素の濃
度分布をそれぞれ示す。図2から明らかなように、酸化
皮膜の微細孔の深さ約25μmに対してC4ペルフルオ
ロアルキルアクリレートモノマが約25μmにわたって
検出され、微細孔の深部を含む内面全体にC4ペルフル
オロアルキルアクリレートモノマが吸着していることが
判る。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、従来の特公平1−1
9479号公報の方法で表面処理したアルミニウム又は
その合金は撥油性及び撥水性を有しないのに対して、本
発明のアルミニウム又はその合金には耐摩耗性及び耐食
性に加えて、撥水性及び撥油性が付与される。また従来
の特公昭60−15718号公報及び特公平1−194
79号公報の方法で表面処理されたアルミニウム又はそ
の合金を湿気や水分の多い雰囲気で使用すると、ペルフ
ルオロアルキル化合物やアクリル樹脂組成物が溶出し易
いのに対して、本発明のペルフルオロアルキル化合物は
非水溶性であるため、耐水性があり、付与された耐摩耗
性、耐食性、撥水性及び撥油性が低下しない優れて効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウ
ムの皮膜部分の拡大断面図。
【図2】その表面処理されたアルミニウム合金断面のエ
レクトロンプローブマイクロアナライザによる線分析
図。
【符号の説明】
10 アルミニウム又はその合金 11 酸化皮膜 14 微細孔 16 非水溶性のペルフルオロアルキル化合物
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹貫 伸也 東京都港区高輪4丁目6番23号 株式会社 トーケムプロダクツ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はその合金(10)の表面に
    多孔質酸化皮膜(11)が形成され、炭素数1〜5のアルキ
    ル基を側鎖に有する非水溶性のペルフルオロアルキル化
    合物(16)が前記微細孔(14)の内面全体に吸着又は前記微
    細孔(14)の全体に充填され、かつ前記皮膜(11)の表面に
    形成されたことを特徴とするアルミニウム又はその合
    金。
  2. 【請求項2】 ペルフルオロアルキル化合物(16)がペル
    フルオロアルキルアクリレートモノマである請求項1記
    載のアルミニウム又はその合金。
  3. 【請求項3】 ペルフルオロアルキル化合物(16)がペル
    フルオロアルキルアクリレートポリマである請求項1記
    載のアルミニウム又はその合金。
  4. 【請求項4】 アルミニウム又はその合金の表面に多孔
    質陽極酸化皮膜を形成させた後、炭素数1〜5のアルキ
    ル基を側鎖に有する非水溶性のペルフルオロアルキルア
    クリレートモノマを含有する極性有機溶媒中で前記アル
    ミニウム又はその合金を二次電解することを特徴とする
    アルミニウム又はその合金の表面処理法。
  5. 【請求項5】 アルミニウム又はその合金に多孔質陽極
    酸化皮膜を形成させた後、炭素数1〜5のアルキル基を
    側鎖に有する非水溶性のペルフルオロアルキルアクリレ
    ートモノマを含有する極性有機溶媒中で前記アルミニウ
    ム又はその合金を二次電解し、更に前記ペルフルオロア
    ルキルアクリレートモノマを重合することを特徴とする
    アルミニウム又はその合金の表面処理法。
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