JPH08158096A - アルミニウム又はその合金の表面処理方法 - Google Patents

アルミニウム又はその合金の表面処理方法

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JPH08158096A
JPH08158096A JP30456394A JP30456394A JPH08158096A JP H08158096 A JPH08158096 A JP H08158096A JP 30456394 A JP30456394 A JP 30456394A JP 30456394 A JP30456394 A JP 30456394A JP H08158096 A JPH08158096 A JP H08158096A
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JP
Japan
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alloy
oxide film
aluminum
aqueous solution
contg
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JP30456394A
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Yusuke Watarai
祐介 渡會
Takashi Kimura
高志 木村
Akira Nakabayashi
明 中林
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フッ素系界面活性剤を陽極酸化皮膜の微細孔
の孔内面に吸着又は微細孔に充填してアルミニウム又は
その合金に耐摩耗性及び耐食性を付与する。 【構成】 アルミニウム又はその合金を陽極酸化した
後、ペルフルオロアルキル化合物のようなフッ素系界面
活性剤を0.01〜40重量%含有する水溶液中で処理
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム又はその
合金の表面の多孔質酸化皮膜を封孔処理する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム又はその合金を陽極酸化し
て耐食性酸化皮膜をアルミニウム又はその合金の表面に
形成する表面処理方法が知られている。しかしこの処理
方法で形成された酸化皮膜は多孔質であるため、アルミ
ニウム又はその合金はその表面の摩擦係数が高く耐摩耗
性に劣る。このため、従来より沸騰水法や加圧・水蒸気
法等により酸化皮膜の封孔処理がなされている。沸騰水
法は陽極酸化したアルミニウム又はその合金の被加工体
を95℃以上の純水に浸漬し、16〜30分間保持する
方法である。また加圧・水蒸気法は被加工体を3〜6k
g/cm2の水蒸気と接触させ、10分以上保持する方
法である。これらの方法によれば、陽極酸化で形成され
た無水物であるAl23皮膜が水又は水蒸気で処理する
ことにより、Al23・H2O又はAl23・3H2Oの
水和物となり、体積が膨張して微細孔が塞がれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の方
法では、無水物であるAl23皮膜全てが水和物になら
ず、一部が水酸化アルミニウムになるため、封孔処理し
たアルミニウム又はその合金は耐摩耗性に劣る不具合が
あった。本発明の目的は、アルミニウム又はその合金に
耐摩耗性及び耐食性を付与するアルミニウム又はその合
金の表面処理方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のアルミニウム又はその合金の表面処理方法
は、アルミニウム又はその合金を陽極酸化した後、フッ
素系界面活性剤を0.01〜40重量%含有する水溶液
中で処理する方法である。
【0005】以下、本発明は詳述する。本発明の被加工
体は純粋なアルミニウム材に限らずその合金を含む。ア
ルミニウム合金としては、Al−Cu−Mg系、Al−
Si系、Al−Zn−Mg−Cu系の加工用合金、Al
−Cu−Si系、Al−Si系、Al−Cu−Ni−M
g系、Al−Mg系、Al−Si−Cu−Ni−Mg系
の鋳造用合金等が挙げられる。本発明のアルミニウム又
はその合金の陽極酸化法は、公知の方法が採られる。即
ち、一次電解は電解液としてシュウ酸、リン酸、クロム
酸を主成分とする水溶液を用い、二次電解は電解液とし
て硫酸を主成分とする水溶液を用いる。いずれの電解も
電解液中で被加工体を定電流でアノード処理することに
より行われる。一次電解及び二次電解により、素地であ
るアルミニウム又はその合金の表面に多孔質陽極酸化皮
膜が形成される。電解時の電解液の温度は−10〜10
℃が好ましい。またいずれの電解も電解時の電流密度は
直流電解では数mA/dm2〜数100mA/dm2の範
囲に調整され、100mA/dm2以下が好ましい。
【0006】本発明の酸化皮膜の微細孔を封止するため
のフッ素系界面活性剤としては、ペルフルオロスルホン
酸、ペルフルオロカルボン酸、ペルフルオロリン酸塩等
のペルフルオロアルキル化合物が挙げられるが、フッ素
基が多いペルフルオロアルキル化合物が好ましく、特に
炭素数が4〜10のアニオン系ペルフルオロアルキル化
合物スルホン酸塩、カルボン酸塩が好ましい。このペル
フルオロアルキル化合物を例示すれば、 ・N−アルキル−N−ペルフルオロアルキルスルホニル
グリシンカリウム塩(商品名:EF−112、(株)ト
ーケムプロダクツ製)、 ・ペルフルオロアルキルスルホン酸塩(商品名:EF−
102、(株)トーケムプロダクツ製)、 ・ペルフルオロアルキルスルホン酸リチウム塩(商品
名:EF−105、(株)トーケムプロダクツ製)、 ・ペルフルオロカルボン酸アンモニウム塩(商品名:E
F−204、(株)トーケムプロダクツ製)等が挙げら
れる。
【0007】またフッ素系界面活性剤の水溶液中の含有
量は0.01〜40重量%である。0.01重量%未満
では酸化皮膜の封止効果が十分でなく、40重量%を超
えると界面活性剤が過飽和状態になるため均一な処理が
得られず、被加工体の表面にむらを生じる。この界面活
性剤の含有量は好ましくは0.05〜30重量%、更に
好ましくは0.1〜15重量%である。封孔処理液は7
0〜95℃のpH3〜9の水溶液であることが、Al2
3の水和反応が促進され、好ましい。
【0008】
【作用】電解液にシュウ酸、リン酸又はクロム酸を用い
て一次電解すると、厚さが約10〜20μmの陽極酸化
皮膜が形成され、皮膜に0.015〜0.040μm程
度の比較的大径の微細孔が形成される。次いで電解液に
硫酸を用いて二次電解すると、被加工体の内部にまで陽
極酸化皮膜が形成されて皮膜の厚さが大きくなり、一次
電解で形成していた微細孔が深く伸長する。二次電解
後、皮膜の厚さは約30〜60μmになり、上部の孔径
が0.04〜0.05μm程度で下部の孔径が0.01
0〜0.015μm程度の丁度漏斗状の微細孔が皮膜中
に形成される。この状態でフッ素系界面活性剤を含有す
る水溶液中に被加工体を浸漬すると、界面活性剤、例え
ばペルフルオロアルキル化合物が容易に微細孔内に侵入
し、内面全体に吸着されるか、又は微細孔全体に充填さ
れる。界面活性剤により微細孔が封入されると、被加工
体に耐摩耗性及び耐食性を付与する。
【0009】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。 <実施例1>アルミニウム合金であるA5052材(5
0×20×2mm)を被加工体として5枚用意した。こ
れらの被加工体を脱脂した後、3重量%シュウ酸水溶液
からなる20℃の電解液に入れ、この電解液中で被加工
体を直流3A/dm2で5分間一次電解して被加工体の
表面に多孔質陽極酸化皮膜を形成した。酸化皮膜を形成
した被加工体を水洗し、付着した水分を十分に除去した
後、被加工体を15重量%H2SO4の10℃の電解液に
入れ、この電解液中で被加工体を直流3A/dm2で3
0分間二次電解して被加工体の表面に更に多孔質陽極酸
化皮膜を形成した。再度、被加工体から付着水を十分に
除去した後、90℃の10重量%のペルフルオロアルキ
ル化合物モノマ(商品名:EF−102、(株)トーケ
ムプロダクツ製)水溶液中に30分間浸漬し、被加工体
の多孔質酸化皮膜を封孔処理した。
【0010】<実施例2>フッ素系界面活性剤を含有す
る水溶液として、10重量%のペルフルオロアルキル化
合物ポリマ(商品名:EF−105、(株)トーケムプ
ロダクツ製)水溶液を用いた以外は実施例1と同様にし
て被加工体の多孔質酸化皮膜を封孔処理した。
【0011】<実施例3>フッ素系界面活性剤を含有す
る水溶液として、10重量%のペルフルオロアルキル化
合物ポリマ(商品名:EF−112、(株)トーケムプ
ロダクツ製)水溶液を用いた以外は実施例1と同様にし
て被加工体の多孔質酸化皮膜を封孔処理した。
【0012】<実施例4>フッ素系界面活性剤を含有す
る水溶液として、10重量%のペルフルオロアルキル化
合物ポリマ(商品名:EF−204、(株)トーケムプ
ロダクツ製)水溶液を用いた以外は実施例1と同様にし
て被加工体の多孔質酸化皮膜を封孔処理した。
【0013】<比較例1>フッ素系界面活性剤を含有す
る水溶液として、0.005重量%のペルフルオロアル
キル化合物ポリマ(商品名:EF−105、(株)トー
ケムプロダクツ製)水溶液を用いた以外は実施例1と同
様にして被加工体の多孔質酸化皮膜を封孔処理した。
【0014】<比較例2>フッ素系界面活性剤を含有す
る水溶液として、40重量%のペルフルオロアルキル化
合物ポリマ(商品名:EF−105、(株)トーケムプ
ロダクツ製)水溶液を用いた以外は実施例1と同様にし
て被加工体の多孔質酸化皮膜を封孔処理した。
【0015】<比較試験と評価>実施例1〜4、比較例
1及び比較例2の表面処理済みの被加工体を試験片とし
て、大越式摩耗試験機により摩耗試験を行った。この摩
耗試験は鉄系鋼材の円板を回転させ、この回転円板の円
周面に試験片を押し付け摩耗量を測定する試験である。
即ち、試験片の表面の摩耗量を測定し、5枚の平均値を
求めた。実施例1の摩耗量を1としたときの各試験片の
摩耗量を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1から明らかなように、実施例1〜4の
被加工体の摩耗量と比較して、比較例1及び比較例2の
被加工体は約1.5〜2.7倍摩耗量が多く、実施例の
被加工体は耐摩耗性に優れていることが判明した。特に
比較例の被加工体は封孔処理液に界面活性剤が過飽和状
態になったため、被加工体の表面にむらを生じた。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、従来の表面処理方法
ではアルミニウム又はその合金の表面の耐摩耗性が劣っ
ていたものが、本発明の表面処理方法によればフッ素系
界面活性剤を陽極酸化皮膜の微細孔の孔内面に吸着又は
微細孔に充填することができるので、結果として高い耐
摩耗性及び耐食性を有するアルミニウム又はその合金が
得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はその合金を陽極酸化し
    た後、フッ素系界面活性剤を0.01〜40重量%含有
    する水溶液中で処理することを特徴とするアルミニウム
    又はその合金の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 フッ素系界面活性剤がペルフルオロアル
    キル化合物である請求項1記載のアルミニウム又はその
    合金の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 水溶液の温度が70〜95℃でpHが3
    〜9である請求項1記載のアルミニウム又はその合金の
    表面処理方法。
JP30456394A 1994-12-08 1994-12-08 アルミニウム又はその合金の表面処理方法 Withdrawn JPH08158096A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000036190A3 (de) * 1998-12-16 2000-11-09 Henkel Kgaa Verbessertes verdichtungsverfahren für anodisierte metalloberflächen
JP2017122271A (ja) * 2016-01-08 2017-07-13 アイシン精機株式会社 陽極酸化皮膜生成方法およびアルミニウム成形品

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WO2000036190A3 (de) * 1998-12-16 2000-11-09 Henkel Kgaa Verbessertes verdichtungsverfahren für anodisierte metalloberflächen
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Effective date: 20020305