JPH06322527A - 炭素膜の作成方法 - Google Patents

炭素膜の作成方法

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JPH06322527A
JPH06322527A JP11053693A JP11053693A JPH06322527A JP H06322527 A JPH06322527 A JP H06322527A JP 11053693 A JP11053693 A JP 11053693A JP 11053693 A JP11053693 A JP 11053693A JP H06322527 A JPH06322527 A JP H06322527A
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JP
Japan
Prior art keywords
carbon
pellet
electron beam
film
pellets
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Pending
Application number
JP11053693A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Morino
弘 森野
Satoru Nishiyama
哲 西山
Akinori Ebe
明憲 江部
Kiyoshi Ogata
潔 緒方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissin Electric Co Ltd filed Critical Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 坩堝内に、上面の面積がAの第1ペレット上
に上面の面積がBの第2ペレットを載置した炭素ペレッ
トを納め、該炭素ペレットに照射面積がBの電子ビーム
を照射して真空蒸着する炭素膜の作成方法。 【効果】 電子ビームを炭素ペレットに効率よく照射す
ることにより、均一に炭素原子を蒸発させるとができ
る。また、炭素ペレットの、電子ビームが照射される部
分が二重の構造に形成されているので、いわゆるペレッ
トに穴が開くような状態で加熱されることを防止するこ
とができ、蒸発速度を安定に保ることができるととも
に、電子ビームが坩堝に照射されることによる不純物の
混入も防止することができる。従って、炭素膜を形成す
る際、蒸発物が均一に加熱・気化されることとなり、蒸
発速度を安定に制御することができ、膜質が均一で、膜
厚が均一な炭素膜を形成することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素膜の作成方法に関
し、より詳細には、基体上に各種半導体特性,機械的特
性を得るために炭素元素を含む膜を、真空蒸着を用いる
手法を利用して成膜する炭素膜の作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素膜には潤滑性に富むグラファイト構
造、高硬度のダイヤモンド構造というような、各種結晶
構造を有するものがあり、それぞれ潤滑部材、耐摩耗部
材用のコーティング膜としての応用が注目されており、
さらに、ダイヤモンド構造の炭素膜は、大きいバンドギ
ャップを利用した各種半導体としての応用が注目されて
いる。
【0003】上記炭素膜を形成する手法には、各種PV
D、CVD法が用いられ、特にPVD法は、比較的低温
下で合成できる特徴を有している。さらに、PVD法に
おいて、イオンやプラズマを利用した手法の中には、基
体上に密着性良く薄膜が成膜できる利点を有するものが
あり、特に工業的応用が注目されている。そのPVD法
において、原料となる炭素を基体上に成膜する際の手法
として、代表的なものに真空蒸着を利用する方法があ
り、構造が簡単で安価な装置で、比較的大きな蒸発速度
を得ることができるため、広く普及している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記真空蒸
着法において、炭素は高融点であることから、加熱方式
として、電子ビームを用いる方法が最も効率良く炭素を
蒸発させることができる。一方、炭素は昇華性を有する
物質であることから、原料として用いるペレットを均一
に加熱、気化させることが困難であり、電子ビームの照
射された部分のみ気化され、特に蒸発速度を大きくする
場合には、気化する部分と、そうでない部分が明確に分
離され、いわゆるペレットに穴があくような状態で加熱
されていく。その結果、蒸発がペレット内で均一に行わ
れなくなり、蒸発速度の不安定を引き起こすこととな
り、炭素の蒸発速度を安定に制御することが困難である
という課題があった。
【0005】また、例えば、炭素の真空蒸着とイオン照
射とを併用して、基体上にイオンの作用を利用して、ダ
イヤモンド構造の物を密着性良く基体上に形成するとい
う方法が提案されている。この方法によれば、イオンの
照射量と炭素の蒸発量の比を一定の値になるように制御
する必要があるが、その際の炭素の蒸発速度が、やはり
安定して一定の値が得られないといった問題が生じ、得
られた炭素膜の特性が所望のものにならないという課題
があった。
【0006】従って、炭素の蒸発速度の不安定性によ
り、膜厚の制御も安定に行うことができず、あらかじめ
設計された値の特性と膜厚とを有する炭素膜がえられな
いという課題があった。
【0007】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
って、真空蒸着の際に、安定に炭素を蒸発させることに
より、蒸発速度を安定させることができる炭素膜の作成
方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の炭素膜の作成方
法によれば、坩堝内に、上面の面積がAの第1ペレット
上に上面の面積がBの第2ペレットを載置した炭素ペレ
ットを納め、該炭素ペレットに照射面積がB以下の電子
ビームを照射して、基体上に炭素膜を真空蒸着する炭素
膜の作成方法が提供される。
【0009】本発明における炭素膜の作成方法において
は、電子ビームを用いた真空蒸着法で行うことが好まし
い。つまり、炭素よりなるペレットを電子ビームによ
り、蒸発源を用いて加熱、気化させる。このさいの炭素
よりなるペレットは、上面の面積がAの炭素ペレットと
上面の面積がBの炭素ペレットとを重ね、この上部の炭
素ペレットに、照射面積がB以下、より好ましくは略B
の電子ビームを照射して炭素膜を成膜することが好まし
い。その際の面積A及びBは、4A/5≧B≧A/5の
関係を満たしていることが好ましい。この際、面積A
は、収納される蒸発源の坩堝の底面積に一致しているこ
とが好ましい。坩堝の底面積が完全に炭素ペレットに覆
われた形になると、坩堝の直接的な加熱を防げることが
でき、炭素膜内への不純物の混入を防止できるからであ
る。また、炭素ペレットの上部面積A及びBが4A/5
≧B≧A/5の関係を満たさない場合、つまり、Bのペ
レットが小さくなりすぎた場合には、蒸発効率が低下し
たり、電子ビームの照射面積が大きくなりすぎて加熱効
率が悪くなり、蒸発速度の低下をもたらすので好ましく
ない。なお、炭素ペレットの形状は、照射される電子ビ
ームの照射する形状に合わせることが好ましく、例え
ば、電子ビームが円状に照射する場合には、ペレットの
形状を円柱状にすることが好ましい。
【0010】本発明における炭素膜の作成方法を実現す
るために、例えば、図1のような蒸発源10を用いるこ
とができる。蒸発源10には、電子ビームを発生させる
フィラメント1が配設されており、その近傍には、例え
ば銅からなる坩堝部2が配設されている。坩堝部2に
は、例えば、窒化ホウ素とホウ化物とを混合して成型し
た坩堝3や炭素のような導電性を有する坩堝3が納めら
れている。この坩堝3は蒸発源10のライナー部に電子
ビーム4が照射されることにより、坩堝部2が気化され
て、不純物として膜内に混入するのを防止するためだけ
ではなく、蒸発源10の損傷を防ぐためのものであり、
さらに、電子ビーム4によってチャージアップが生じな
いように導電性の材料によって形成されている。坩堝3
内には、上面の面積がAの炭素ペレット6と上面の面積
がBの炭素ペレット5とが重ねられて収納されている。
なお、坩堝3は、蒸発源の坩堝部2の熱的な損傷を防ぐ
ために水冷されているので、断熱効果により蒸発ペレッ
トの加熱効率を向上させる効果もある。しかし、本発明
においては、これに限定されるものではなく、他の物質
からなるものや、直接坩堝部2に炭素ペレットを納めて
も良い。なお、電子ビームの偏向は特に限定されるもの
ではなく、例えば、図1に示したように、270度に偏
向されている蒸発源を使用することもできる。
【0011】また、本発明の実施例として真空蒸着の例
を示したが、本発明は真空蒸着を利用する膜形成方法、
例えばイオンプレーティング法、イオン蒸着薄膜形成法
等にも適用することができる。さらに、本発明におい
て、炭素ペレット以外に他のペレットと組み合わせて真
空蒸着したり、イオン照射を併用することによって、炭
素原子を含有した炭素含有膜を形成することもできる。
【0012】
【作用】本発明の炭素膜の作成方法によれば、坩堝内
に、上面の面積がAの第1ペレット上に上面の面積がB
の第2ペレットを載置した炭素ペレットを納め、該炭素
ペレットに照射面積がB以下の電子ビームを照射して、
基体上に炭素膜を真空蒸着するので、電子ビームが炭素
ペレットに効率よく照射されることとなり、均一に炭素
原子が蒸発することとなる。また、炭素ペレットの、電
子ビームが照射される部分が二重の構造に形成されてい
るので、いわゆるペレットに穴が開くような状態で加熱
されることがなくなり、蒸発速度が安定に保たれること
となるとともに、電子ビームが坩堝に照射されることに
よる不純物の混入も防止されることとなる。
【0013】
【実施例】本発明に係る炭素膜の作成方法の実施例を説
明する。 実施例1 直径35cm、深さ15cmの坩堝部を備えた蒸発源
に、直径27cmの底面、厚み4cm、高さ15cmの
BN−TiB2 の混合物よりなる坩堝を納めた。その中
に、直径25cm、厚み10cmの純度5Nの第1の炭
素ペレットを納め、さらに直径15cm、厚み20cm
の純度5Nの第2の炭素ペレットを納めた。
【0014】蒸発源は真空容器内に納められており、真
空容器内を5×10-6torr以下の真空度に保持し、円状
に照射される電子ビームの直径を15cmに制御しなが
ら、270℃偏向させて、炭素ペレットを蒸発させた。
そして、蒸発源の上方に設置した基体(SUS製の棒:
直径5cm、長さ30cm)の上に、当該基体を回転し
ながら炭素膜を形成した。
【0015】なお、基体の近くに設置した水晶振動子を
用いた膜厚モニターによって、蒸発速度を5Å/秒と、
一定になる様に制御しながら、10μmの炭素膜を形成
した。その後、形成された炭素膜内の不純物をオージェ
電子分光法(AES)によって分析したところ、炭素以
外の元素は検出されなかった。また、膜形成中の蒸発速
度は安定であり、形成された膜厚は基体上で均一であっ
た。
【0016】比較例1 実施例と同じ蒸発源を用いて、直径25cm、厚み20
cmの純度5Nの炭素ペレットを納め、実施例と同じく
炭素膜を形成した。但し、電子ビームの直径を25cm
に制御しながら、前記炭素ペレットを蒸発させた場合、
蒸発速度は、1.5A/秒になり、炭素膜形成の時間が
長大なものになた。また、電子ビームの直径を15cm
に制御しながら、前記炭素ペレットを蒸発させた場合、
蒸発速度は1〜10Å/秒の間で変化し、基体上の炭素
膜は一定の膜厚にならなかった。
【0017】比較例2 実施例と同じ蒸発源を用いて、直径15cm、厚み30
cmの純度5Nの炭素ペレットを納め、実施例と同じく
炭素膜を形成した。但し、電子ビームの直径を15cm
に制御しながら、前記炭素ペレットを蒸発させた。
【0018】この際、蒸発速度は安定したが、形成後の
炭素膜内に、AESの分析によって、Bの不純物が混入
しているのが確認された。これは、炭素ペレットの残量
が少なくなった際、坩堝に電子ビームが一部照射された
ことによるものと判明した。
【0019】
【発明の効果】本発明の炭素膜の作成方法によれば、坩
堝内に、上面の面積がAの第1ペレット上に上面の面積
がBの第2ペレットを載置した炭素ペレットを納め、該
炭素ペレットに照射面積がB以下の電子ビームを照射し
て、基体上に炭素膜を真空蒸着するので、電子ビームを
炭素ペレットに効率よく照射することにより、均一に炭
素原子を蒸発させるとができる。また、炭素ペレット
の、電子ビームが照射される部分が二重の構造に形成さ
れているので、いわゆるペレットに穴が開くような状態
で加熱されることを防止することができ、蒸発速度を安
定に保ることができるとともに、電子ビームが坩堝に照
射されることによる不純物の混入も防止することができ
る。
【0020】従って、炭素膜を形成する際、蒸発物が均
一に加熱・気化されることとなり、蒸発速度を安定に制
御することができ、膜質が均一で、膜厚が均一な炭素膜
を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る炭素膜の作成方法に用いる蒸発源
の要部の概略断面図である。
【符号の説明】
1 フィラメント 2 坩堝部 3 坩堝 4 電子ビーム 5 炭素ペレット(第2のペレット) 6 炭素ペレット(第1のペレット) 10 蒸発源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 緒方 潔 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坩堝内に、上面の面積がAの第1ペレッ
    ト上に上面の面積がBの第2ペレットを載置した炭素ペ
    レットを納め、該炭素ペレットに照射面積がB以下の電
    子ビームを照射して、基体上に炭素膜を真空蒸着するこ
    とを特徴とする炭素膜の作成方法。
  2. 【請求項2】 炭素ペレットが、4A/5≧B≧A/5
    の関係を満たす第1及び第2ペレットである請求項1記
    載の炭素膜の作成方法。
JP11053693A 1993-05-12 1993-05-12 炭素膜の作成方法 Pending JPH06322527A (ja)

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JP11053693A JPH06322527A (ja) 1993-05-12 1993-05-12 炭素膜の作成方法

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JPH06322527A true JPH06322527A (ja) 1994-11-22

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011149040A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Mitsubishi Materials Corp 蒸着材及び該蒸着材を用いて形成された蒸着膜

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011149040A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Mitsubishi Materials Corp 蒸着材及び該蒸着材を用いて形成された蒸着膜

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