JPH08120444A - 蒸着物質収納坩堝 - Google Patents
蒸着物質収納坩堝Info
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- JPH08120444A JPH08120444A JP25349794A JP25349794A JPH08120444A JP H08120444 A JPH08120444 A JP H08120444A JP 25349794 A JP25349794 A JP 25349794A JP 25349794 A JP25349794 A JP 25349794A JP H08120444 A JPH08120444 A JP H08120444A
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- Japan
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- crucible
- vapor deposition
- boron
- electron beam
- deposition material
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電子ビームを用いた蒸発源にてホウ素蒸着を
させる際に、断熱性を有し、膜中に不純物を混入させ難
い蒸着物質収納坩堝の耐熱衝撃性を向上させること目的
とする。 【構成】 電子ビームを利用した蒸発源本体に載置され
る蒸着物質収納坩堝であって、前記坩堝が炭素、あるい
は少なくとも窒化ホウ素を含む混合物質からなり、前記
坩堝の断面形状において、前記坩堝の端部から底部にか
けての肉厚が、該端部の肉厚より厚くなっている蒸着物
質収納坩堝。
させる際に、断熱性を有し、膜中に不純物を混入させ難
い蒸着物質収納坩堝の耐熱衝撃性を向上させること目的
とする。 【構成】 電子ビームを利用した蒸発源本体に載置され
る蒸着物質収納坩堝であって、前記坩堝が炭素、あるい
は少なくとも窒化ホウ素を含む混合物質からなり、前記
坩堝の断面形状において、前記坩堝の端部から底部にか
けての肉厚が、該端部の肉厚より厚くなっている蒸着物
質収納坩堝。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子ビームを利用する
蒸発源に用いられる蒸着物質収納坩堝に関するものであ
って、特にホウ素の真空蒸着に用いる耐熱衝撃性を向上
させた坩堝に関するものである。
蒸発源に用いられる蒸着物質収納坩堝に関するものであ
って、特にホウ素の真空蒸着に用いる耐熱衝撃性を向上
させた坩堝に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種ホウ化物、例えば窒化ホウ素、ホウ
化クロム、ホウ化チタンは、化学的安定性に優れ、結晶
構造によっては高硬度を発揮するものも有るため、各種
基体の耐食性や耐摩耗性を向上させるために、該基体上
に膜として合成することが盛んに試みられている。
化クロム、ホウ化チタンは、化学的安定性に優れ、結晶
構造によっては高硬度を発揮するものも有るため、各種
基体の耐食性や耐摩耗性を向上させるために、該基体上
に膜として合成することが盛んに試みられている。
【0003】特に物理的蒸着法(以下PVD法と称す)
にて前記ホウ化物膜を合成する手段は、化学的蒸着法
(以下CVD法と称す)と比べて低温下で処理できるた
め、耐熱性に劣る基体を用いることができる、あるいは
基体の熱変形を抑えることができるといった利点を生
じ、工業的に注目されている。前記PVD法において盛
んに用いられる手法として真空蒸着法がある。これは、
蒸発源にホウ素よりなる物質を納め、それを加熱・気化
させ基体上に膜として堆積させる手法である。この真空
蒸着法を利用して窒化ホウ素膜を合成する際には、ホウ
素の真空蒸着法と窒素イオンの照射を併用して、当該ホ
ウ素膜を窒化させるという手法が取られ、ホウ化クロム
膜を合成する際には、ホウ素とクロムを同時に真空蒸着
させ、該膜に不活性ガスイオンを照射してホウ化クロム
膜を合成するといった手法を用いる。
にて前記ホウ化物膜を合成する手段は、化学的蒸着法
(以下CVD法と称す)と比べて低温下で処理できるた
め、耐熱性に劣る基体を用いることができる、あるいは
基体の熱変形を抑えることができるといった利点を生
じ、工業的に注目されている。前記PVD法において盛
んに用いられる手法として真空蒸着法がある。これは、
蒸発源にホウ素よりなる物質を納め、それを加熱・気化
させ基体上に膜として堆積させる手法である。この真空
蒸着法を利用して窒化ホウ素膜を合成する際には、ホウ
素の真空蒸着法と窒素イオンの照射を併用して、当該ホ
ウ素膜を窒化させるという手法が取られ、ホウ化クロム
膜を合成する際には、ホウ素とクロムを同時に真空蒸着
させ、該膜に不活性ガスイオンを照射してホウ化クロム
膜を合成するといった手法を用いる。
【0004】前記蒸着物質として用いるホウ素は高融点
(融点約2300℃)であるため、該物質を加熱・気化
させる手段としての蒸発源は、ホウ素を容易に高温にで
きる電子ビームを用いるものが使用される。この電子ビ
ームを用いた蒸発源は、図6の様な構成でできている。
図6において、1はフィラメント、1aは電子ビーム、
2は坩堝、2aは水冷パイプ、3は蒸着物質で、一般に
坩堝2は銅でできており、蒸着物質3を溶融させる際に
坩堝2自身が溶融されない様、水冷されている。
(融点約2300℃)であるため、該物質を加熱・気化
させる手段としての蒸発源は、ホウ素を容易に高温にで
きる電子ビームを用いるものが使用される。この電子ビ
ームを用いた蒸発源は、図6の様な構成でできている。
図6において、1はフィラメント、1aは電子ビーム、
2は坩堝、2aは水冷パイプ、3は蒸着物質で、一般に
坩堝2は銅でできており、蒸着物質3を溶融させる際に
坩堝2自身が溶融されない様、水冷されている。
【0005】図6の蒸発源を用いてホウ素3’を真空蒸
着させる際には、電子ビーム1aによる熱の効率を良く
するために、図7に示したように、断熱効果を有する坩
堝2’(以下蒸着物質収納坩堝と称す)を坩堝2の中に
納め、蒸着物質収納坩堝2’の中にホウ素3’を納める
ことが一般に用いられている。この際、蒸着物質収納坩
堝2’は、電子ビーム1aによるチャージアップを防止
するために導伝性を有する必要があり、さらに形成され
た膜中に不純物として混入し難い様に、ホウ素より融点
の高い物質から構成される必要がある。この目的のため
に、蒸着物質収納坩堝2’は、例えば絶縁物の窒化ホウ
素と導電性の各種ホウ化物、あるいは導電性の炭素とい
ったものから構成されたり、あるいは絶縁性の窒化ホウ
素の上に導電性の炭化タングステンなどがコーティング
されたものが用いられる。
着させる際には、電子ビーム1aによる熱の効率を良く
するために、図7に示したように、断熱効果を有する坩
堝2’(以下蒸着物質収納坩堝と称す)を坩堝2の中に
納め、蒸着物質収納坩堝2’の中にホウ素3’を納める
ことが一般に用いられている。この際、蒸着物質収納坩
堝2’は、電子ビーム1aによるチャージアップを防止
するために導伝性を有する必要があり、さらに形成され
た膜中に不純物として混入し難い様に、ホウ素より融点
の高い物質から構成される必要がある。この目的のため
に、蒸着物質収納坩堝2’は、例えば絶縁物の窒化ホウ
素と導電性の各種ホウ化物、あるいは導電性の炭素とい
ったものから構成されたり、あるいは絶縁性の窒化ホウ
素の上に導電性の炭化タングステンなどがコーティング
されたものが用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記構成の蒸着物質収
納坩堝2’において、ホウ素蒸着中の坩堝の内側はホウ
素の融点と同じ温度となり、坩堝の外側は水冷された銅
と同じ温度になる。このため、坩堝内部は数千度の熱勾
配が生じ、耐熱衝撃性が不充分な場合には該坩堝は破損
してしまう。この破損が蒸着中に生じた場合、蒸着物質
の飛散、坩堝自身の蒸着物質への混入が生じ、結果とし
て蒸着作業が中断されてしまう。また、蒸着作業を繰り
返し行う際に、その都度該坩堝を交換する必要が生じ、
蒸着作業の効率の低下、あるいは蒸着物質収納坩堝の交
換に伴うコストの上昇という問題につながる。
納坩堝2’において、ホウ素蒸着中の坩堝の内側はホウ
素の融点と同じ温度となり、坩堝の外側は水冷された銅
と同じ温度になる。このため、坩堝内部は数千度の熱勾
配が生じ、耐熱衝撃性が不充分な場合には該坩堝は破損
してしまう。この破損が蒸着中に生じた場合、蒸着物質
の飛散、坩堝自身の蒸着物質への混入が生じ、結果とし
て蒸着作業が中断されてしまう。また、蒸着作業を繰り
返し行う際に、その都度該坩堝を交換する必要が生じ、
蒸着作業の効率の低下、あるいは蒸着物質収納坩堝の交
換に伴うコストの上昇という問題につながる。
【0007】該坩堝が、例えば窒化ホウ化物と各種ホウ
化物、あるいは炭素といったものから構成されたもの、
あるいは窒化ホウ素の上に炭化タングステンなどがコー
ティングされたものは、セラミックであるため脆性物質
であり、耐熱衝撃性が不充分である。これを防ぐため
に、延性材料であるタングステン、モリブデンあるいは
タンタルといった金属からなる蒸着物質収納坩堝を使用
することも考えられるが、その際には、該坩堝の断熱性
が不充分で、所望の蒸着速度を得るためにホウ素に与え
る電子ビームの出力を大きくする必要があり、その結
果、蒸発源の出力の大きいものが必要となり成膜に要す
る設備のコストが高くなるという欠点を生じる。
化物、あるいは炭素といったものから構成されたもの、
あるいは窒化ホウ素の上に炭化タングステンなどがコー
ティングされたものは、セラミックであるため脆性物質
であり、耐熱衝撃性が不充分である。これを防ぐため
に、延性材料であるタングステン、モリブデンあるいは
タンタルといった金属からなる蒸着物質収納坩堝を使用
することも考えられるが、その際には、該坩堝の断熱性
が不充分で、所望の蒸着速度を得るためにホウ素に与え
る電子ビームの出力を大きくする必要があり、その結
果、蒸発源の出力の大きいものが必要となり成膜に要す
る設備のコストが高くなるという欠点を生じる。
【0008】本発明は前記課題に鑑みてなされたもので
あり、電子ビームを用いた蒸発源にてホウ素蒸着をさせ
る際に、断熱性を有し、膜中に不純物を混入させ難い蒸
着物質収納坩堝の耐熱衝撃性を向上させることを目的と
したものである。
あり、電子ビームを用いた蒸発源にてホウ素蒸着をさせ
る際に、断熱性を有し、膜中に不純物を混入させ難い蒸
着物質収納坩堝の耐熱衝撃性を向上させることを目的と
したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、電子ビ
ームを用いた蒸発源にてホウ素を蒸着させる際に使用さ
れる蒸着物質収納坩堝に関し、前記坩堝の断面形状にお
いて、前記坩堝の端部から底部にかけての肉厚が、当該
端部の肉厚より厚くなっているものが提供される。
ームを用いた蒸発源にてホウ素を蒸着させる際に使用さ
れる蒸着物質収納坩堝に関し、前記坩堝の断面形状にお
いて、前記坩堝の端部から底部にかけての肉厚が、当該
端部の肉厚より厚くなっているものが提供される。
【0010】これまでの窒化ホウ素と各種ホウ化物、あ
るいは炭素といったものから構成されたもの、あるいは
窒化ホウ素の上に炭化タングステンなどがコーティング
されたものの蒸着物質収納坩堝の断面形状を図5に示
す。図5において、ホウ素の蒸着中に破損する箇所は、
当該坩堝の端部Aから底部Bにかけての曲面部Cであっ
た。この曲面部Cは、該坩堝を製作する過程において残
留応力が生じ易く、また使用中に熱衝撃による応力集中
が生じ易いため、前記脆性物質より構成されている該坩
堝は、当該Cの箇所にて破損が生じる。蒸着物質収納坩
堝の肉厚を厚くすれば、坩堝の耐熱衝撃性は向上する
が、坩堝の容積が小さくなるため、坩堝内に収納される
蒸着物質の量は少なくなり、蒸着物質を補充する回数が
増え、結果として蒸着効率が低下する。よって、本発明
に述べる通り、蒸着物質の収納量を低下させず、破損さ
れ易い曲面部Cの耐熱衝撃性を向上させるため、坩堝全
体の肉厚を厚くするのではなく、坩堝の端部から底部に
かけての肉厚を当該端部の肉厚より厚くすることが好ま
しい。また、この曲面部Cの肉厚が、端部Aの肉厚の
1.5倍以上、4.5倍以下であることがより好まし
い。曲面部Cの肉厚が前記の範囲を越えると、曲面部の
耐熱衝撃性が不充分であったり、蒸着物質の収納量が少
なくなり過ぎたりするので好ましくない。
るいは炭素といったものから構成されたもの、あるいは
窒化ホウ素の上に炭化タングステンなどがコーティング
されたものの蒸着物質収納坩堝の断面形状を図5に示
す。図5において、ホウ素の蒸着中に破損する箇所は、
当該坩堝の端部Aから底部Bにかけての曲面部Cであっ
た。この曲面部Cは、該坩堝を製作する過程において残
留応力が生じ易く、また使用中に熱衝撃による応力集中
が生じ易いため、前記脆性物質より構成されている該坩
堝は、当該Cの箇所にて破損が生じる。蒸着物質収納坩
堝の肉厚を厚くすれば、坩堝の耐熱衝撃性は向上する
が、坩堝の容積が小さくなるため、坩堝内に収納される
蒸着物質の量は少なくなり、蒸着物質を補充する回数が
増え、結果として蒸着効率が低下する。よって、本発明
に述べる通り、蒸着物質の収納量を低下させず、破損さ
れ易い曲面部Cの耐熱衝撃性を向上させるため、坩堝全
体の肉厚を厚くするのではなく、坩堝の端部から底部に
かけての肉厚を当該端部の肉厚より厚くすることが好ま
しい。また、この曲面部Cの肉厚が、端部Aの肉厚の
1.5倍以上、4.5倍以下であることがより好まし
い。曲面部Cの肉厚が前記の範囲を越えると、曲面部の
耐熱衝撃性が不充分であったり、蒸着物質の収納量が少
なくなり過ぎたりするので好ましくない。
【0011】また、本発明の蒸着物質収納坩堝の構成材
料は、既に述べたとおり絶縁物の窒化ホウ素と導電性物
質であるホウ化チタン、ホウ化クロム、ホウ化ジルコニ
ウムなどの混合物、あるいは導電性の炭素、あるいは炭
素と窒化ホウ素との混合物、あるいは絶縁性の窒化ホウ
素の上に導電性の炭化タングステン、ホウ化チタン、ホ
ウ化クロム、ホウ化ジルコニウム、炭素などがコーティ
ングされたものが用いられる。
料は、既に述べたとおり絶縁物の窒化ホウ素と導電性物
質であるホウ化チタン、ホウ化クロム、ホウ化ジルコニ
ウムなどの混合物、あるいは導電性の炭素、あるいは炭
素と窒化ホウ素との混合物、あるいは絶縁性の窒化ホウ
素の上に導電性の炭化タングステン、ホウ化チタン、ホ
ウ化クロム、ホウ化ジルコニウム、炭素などがコーティ
ングされたものが用いられる。
【0012】
【作用】本発明によれば、電子ビームを用いた蒸発源に
おいてホウ素を蒸着させる場合、蒸着物質収納坩堝の耐
熱衝撃性を向上させることができる。この結果、電子ビ
ームによるチャージアップを防止し、さらに形成された
膜中に不純物として混入し難く、また、断熱性が良好な
ため蒸着の際の熱効率を良好にする物質より蒸着物質収
納坩堝を構成することができる。しかも、前記物質より
成る坩堝を使用しても、使用中の破損による蒸着作業の
中断、該坩堝を頻繁に交換することによるコストの上昇
を防止できる。
おいてホウ素を蒸着させる場合、蒸着物質収納坩堝の耐
熱衝撃性を向上させることができる。この結果、電子ビ
ームによるチャージアップを防止し、さらに形成された
膜中に不純物として混入し難く、また、断熱性が良好な
ため蒸着の際の熱効率を良好にする物質より蒸着物質収
納坩堝を構成することができる。しかも、前記物質より
成る坩堝を使用しても、使用中の破損による蒸着作業の
中断、該坩堝を頻繁に交換することによるコストの上昇
を防止できる。
【0013】
【実施例】本発明の蒸着物質収納坩堝の実施例を以下に
示す。 実施例1 図1に示したように、蒸発源1の銅製坩堝4(32mmφ
×高さ16mm)に本発明による蒸着物質収納坩堝2を納
め、その中に蒸着物質としてホウ素5(純度99.5
%)を入れ、フラメント9からの電子ビーム8によって
加熱・気化させた。なお、蒸着物質収納坩堝2は、窒化
ホウ素50%、ホウ化チタン30%、残部は焼結助材で
ある窒化アルミニウムよりなる原料粉を混合し、195
0℃の下、180kg/cm2の圧力をかけながら3時間保
持して焼結させたものである。
示す。 実施例1 図1に示したように、蒸発源1の銅製坩堝4(32mmφ
×高さ16mm)に本発明による蒸着物質収納坩堝2を納
め、その中に蒸着物質としてホウ素5(純度99.5
%)を入れ、フラメント9からの電子ビーム8によって
加熱・気化させた。なお、蒸着物質収納坩堝2は、窒化
ホウ素50%、ホウ化チタン30%、残部は焼結助材で
ある窒化アルミニウムよりなる原料粉を混合し、195
0℃の下、180kg/cm2の圧力をかけながら3時間保
持して焼結させたものである。
【0014】この蒸着物質収納坩堝2の断面形状を図2
に示す。図2において、端部2cと底部2aの肉厚は2
mmであり、曲面部2bの肉厚は最も厚い箇所で約8.6
3mmである。この様な蒸着物質収納坩堝2の中にホウ素
5を納めた蒸発源1を、真空容器内に納め(図示せ
ず)、該真空容器内を2×10-6torr以下に保持した。
そして、蒸発源1のフィラメントに10kVにて100
mAの電流を流すことによって0.5nm/sの蒸着速
度が得られるようにホウ素5を加熱・気化し、同じ真空
容器内に保持された基体ホルダー6上に設置されたsu
s304より基体7の上に、膜厚1μmのホウ素膜を形
成した。その後、フィラメントに流す電流を0にし、前
記蒸着作業を終了した。
に示す。図2において、端部2cと底部2aの肉厚は2
mmであり、曲面部2bの肉厚は最も厚い箇所で約8.6
3mmである。この様な蒸着物質収納坩堝2の中にホウ素
5を納めた蒸発源1を、真空容器内に納め(図示せ
ず)、該真空容器内を2×10-6torr以下に保持した。
そして、蒸発源1のフィラメントに10kVにて100
mAの電流を流すことによって0.5nm/sの蒸着速
度が得られるようにホウ素5を加熱・気化し、同じ真空
容器内に保持された基体ホルダー6上に設置されたsu
s304より基体7の上に、膜厚1μmのホウ素膜を形
成した。その後、フィラメントに流す電流を0にし、前
記蒸着作業を終了した。
【0015】この様な蒸着作業を5回繰り返し行った
が、本実施例による蒸着物質収納坩堝2は、蒸着作業中
に破損することが無かった。 実施例2 実施例1と同様にして、蒸発源1に蒸着物質収納坩堝3
を収納し、ホウ素5を加熱・気化させた。なお、本実施
例による蒸着物質収納坩堝3は、図3に示すような断面
形状であり、端部3cと底部3aの肉厚は5mmであり、
曲面部3bの肉厚は最も厚い箇所で11.63mmであ
る。
が、本実施例による蒸着物質収納坩堝2は、蒸着作業中
に破損することが無かった。 実施例2 実施例1と同様にして、蒸発源1に蒸着物質収納坩堝3
を収納し、ホウ素5を加熱・気化させた。なお、本実施
例による蒸着物質収納坩堝3は、図3に示すような断面
形状であり、端部3cと底部3aの肉厚は5mmであり、
曲面部3bの肉厚は最も厚い箇所で11.63mmであ
る。
【0016】この蒸着物質収納坩堝3の中にホウ素5を
納めた蒸発源1を、実施例1と同様にして、蒸発源1の
フィラメントに10kVにて100mAの電流を流すこ
とによって0.5nm/sの蒸着速度が得られるように
ホウ素5を加熱・気化し、基体ホルダー6上に保持され
たsus304よりなる基体7の上に、膜厚1μmのホ
ウ素膜を形成した。その後、フィラメントに流す電流を
0にし、前記蒸着作業を終了した。
納めた蒸発源1を、実施例1と同様にして、蒸発源1の
フィラメントに10kVにて100mAの電流を流すこ
とによって0.5nm/sの蒸着速度が得られるように
ホウ素5を加熱・気化し、基体ホルダー6上に保持され
たsus304よりなる基体7の上に、膜厚1μmのホ
ウ素膜を形成した。その後、フィラメントに流す電流を
0にし、前記蒸着作業を終了した。
【0017】この様な蒸着作業を5回繰り返し行った
が、本実施例による蒸着物質収納坩堝2は、蒸着作業中
に破損することが無かった。 比較例1 実施例1と同様にして、蒸発源1に蒸着物質収納坩堝1
1を収納し、ホウ素5を加熱・気化させた。なお、本実
施例による蒸着物質収納坩堝11は図4に示すような断
面形状であり、端部11cと底部11aの肉厚は4mmで
あり、曲面部11bの肉厚は最も厚い箇所で約4mmであ
る。
が、本実施例による蒸着物質収納坩堝2は、蒸着作業中
に破損することが無かった。 比較例1 実施例1と同様にして、蒸発源1に蒸着物質収納坩堝1
1を収納し、ホウ素5を加熱・気化させた。なお、本実
施例による蒸着物質収納坩堝11は図4に示すような断
面形状であり、端部11cと底部11aの肉厚は4mmで
あり、曲面部11bの肉厚は最も厚い箇所で約4mmであ
る。
【0018】この蒸着物質収納坩堝11の中にホウ素5
を納めた蒸発源1を、実施例1と同様にして、蒸発源1
のフィラメントに10kVにて100mAの電流を流す
ことによって0.5nm/sの蒸着速度が得られるよう
にホウ素5を加熱・気化し、基体ホルダー6上に保持さ
れたsus304よりなる基体7の上に、膜厚1μmの
ホウ素膜を形成した。その後、フィラメントに流す電流
を0にし、前記蒸着作業を終了した。
を納めた蒸発源1を、実施例1と同様にして、蒸発源1
のフィラメントに10kVにて100mAの電流を流す
ことによって0.5nm/sの蒸着速度が得られるよう
にホウ素5を加熱・気化し、基体ホルダー6上に保持さ
れたsus304よりなる基体7の上に、膜厚1μmの
ホウ素膜を形成した。その後、フィラメントに流す電流
を0にし、前記蒸着作業を終了した。
【0019】この様な蒸着作業を行ったが、本比較例に
よる蒸着物質収納坩堝11は、1回目の蒸着作業中に破
損したため、2回目以降繰り返し使用することができな
かった。
よる蒸着物質収納坩堝11は、1回目の蒸着作業中に破
損したため、2回目以降繰り返し使用することができな
かった。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、電子ビームを用いた蒸
発源においてホウ素を蒸着させる場合、蒸着物質収納坩
堝の耐熱衝撃性を向上させることができる。よって、窒
化ホウ素と各種導電性のホウ化物の混合物質、炭素、あ
るいは窒化ホウ素より成る坩堝の上に導電性物質をコー
ティングしたものといった、電子ビームによるチャージ
アップを防止し、さらに形成された膜中に不純物として
混入し難く、また、断熱性が良好なため蒸着の際の熱効
率を良好にする物質より蒸着物質収納坩堝を構成して
も、使用中の破損による蒸着作業の中断、該坩堝を頻繁
に交換することによるコストの上昇を防止でき、結果と
して蒸着作業の効率向上と坩堝の高寿命化によるコスト
ダウンを図ることができる。
発源においてホウ素を蒸着させる場合、蒸着物質収納坩
堝の耐熱衝撃性を向上させることができる。よって、窒
化ホウ素と各種導電性のホウ化物の混合物質、炭素、あ
るいは窒化ホウ素より成る坩堝の上に導電性物質をコー
ティングしたものといった、電子ビームによるチャージ
アップを防止し、さらに形成された膜中に不純物として
混入し難く、また、断熱性が良好なため蒸着の際の熱効
率を良好にする物質より蒸着物質収納坩堝を構成して
も、使用中の破損による蒸着作業の中断、該坩堝を頻繁
に交換することによるコストの上昇を防止でき、結果と
して蒸着作業の効率向上と坩堝の高寿命化によるコスト
ダウンを図ることができる。
【図1】本発明の蒸着物質収納坩堝を使用する真空蒸着
装置の要部の概略断面図である。
装置の要部の概略断面図である。
【図2】本発明の蒸着物質収納坩堝の実施例を示す要部
の概略断面図である。
の概略断面図である。
【図3】本発明の蒸着物質収納坩堝の別の実施例を示す
要部の概略断面図である。
要部の概略断面図である。
【図4】本発明との比較のための蒸着物質収納坩堝を示
す要部の概略断面図である。
す要部の概略断面図である。
【図5】従来の蒸着物質収納坩堝を説明するための要部
の概略断面図である。
の概略断面図である。
【図6】従来の蒸発源を示す要部の概略断面図である。
【図7】従来の蒸着物質収納坩堝を載置した場合の蒸発
源を示す要部の概略断面図である。
源を示す要部の概略断面図である。
1 蒸発源 2、3 蒸着物質収納坩堝 2a、3a 底部 2b、3b 曲面部 2c、3c 端部 4 銅製坩堝 5 ホウ素 6 基体ホルダー 7 基体 8 電子ビーム 9 フィラメント
Claims (1)
- 【請求項1】 電子ビームを利用した蒸発源本体に載置
される蒸着物質収納坩堝であって、前記坩堝が炭素、あ
るいは少なくとも窒化ホウ素を含む混合物質からなり、
前記坩堝の断面形状において、前記坩堝の端部から底部
にかけての肉厚が、該端部の肉厚より厚くなっているこ
とを特徴とする蒸着物質収納坩堝。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25349794A JPH08120444A (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | 蒸着物質収納坩堝 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25349794A JPH08120444A (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | 蒸着物質収納坩堝 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08120444A true JPH08120444A (ja) | 1996-05-14 |
Family
ID=17252206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP25349794A Pending JPH08120444A (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | 蒸着物質収納坩堝 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08120444A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012504187A (ja) * | 2008-09-29 | 2012-02-16 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド | 有機材料用の蒸発器および有機材料を蒸発させるための方法 |
-
1994
- 1994-10-19 JP JP25349794A patent/JPH08120444A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012504187A (ja) * | 2008-09-29 | 2012-02-16 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド | 有機材料用の蒸発器および有機材料を蒸発させるための方法 |
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