JPH06322454A - 純Ni又はNi合金のVOD精製工程におけるSi脱酸法 - Google Patents

純Ni又はNi合金のVOD精製工程におけるSi脱酸法

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JPH06322454A
JPH06322454A JP13263093A JP13263093A JPH06322454A JP H06322454 A JPH06322454 A JP H06322454A JP 13263093 A JP13263093 A JP 13263093A JP 13263093 A JP13263093 A JP 13263093A JP H06322454 A JPH06322454 A JP H06322454A
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amount
deoxidation
pure
alloy
molten metal
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JP13263093A
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Iwao Oyamada
巌 小山田
Takeshi Ishiguro
毅志 石黒
Shohei Yamashita
庄平 山下
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 純Ni又はNi合金のVOD精製工程において溶
湯のSi脱酸を行う際の、添加Si量の適正なコントロ−ル
手段を確立する。 【構成】 図1に例示した如く、純Ni又はNi合金のVO
D精製工程において溶湯のSi脱酸を行う際、溶湯に目的
製品の許容量範囲内でMnを添加し、その後溶湯中の[M
n]量に応じて相応量のSiを添加し脱酸を進めることに
より、製品中に過剰なSiを残留させることなく十分な脱
酸を安定して行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、VOD法によって純
Ni又はNi合金の精製を行う際の、製品Si含有量を安定し
て脱酸保証極小量にコントロ−ルし得るSi脱酸方法に関
するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】現在、電子管の陰極用材料等と
して純Niは安定した需要を誇っているが、例えば前記
“電子管用純Ni”では、電気抵抗値及び熱膨張率のバラ
ツキを抑制するために不純物元素の低減が厳しく要求さ
れている。そして、これら不純物元素の中でも“Si”は
表面からの電子放出能力を大きく阻害するため、JIS H
4502の「電子管陰極の電子放出用ニッケル板及び
条」に係る「板・条2種」の規格においては、Si含有量
は『0.05%以下』と明確に規定されている。
【0003】ところで、一般に電子管等に供される工業
用純Niの原材料には電解Niが用いられるが、電解Niはそ
のままでは板や条への加工が困難なため、通常、これを
再溶解して大きなサイズとしてから板や条に加工するこ
とが行われている。ただ、この際[O]量(金属中のO
含有量)が高くなると熱間加工性や性能等の劣化を招く
ことから、[O]量の低減には十分な留意が必要とな
る。
【0004】もっとも、電解Niの大サイズ化手段として
VAC法(真空ア−ク溶解法)やESR法(エレクトロ
スラグ再溶解法)を採用すれば[O]量の低減は比較的
容易であるが、この場合には製造コストが高騰し、工業
的に不利であるという問題があった。そこで、Fe汚染を
極力抑えながら通常の電気炉を用い、図2に示す工程で
純Ni鋳片を溶製することが行われている。
【0005】ところが、この方法には次のような問題が
指摘されていた。即ち、純Ni中の酸素溶解度は極めて大
きく、例えば Chipmanの報告では log[%O] =−10270/T+5.40 とされ、また Bowerの報告では log[%O] =−12830/T+6.90 とされていて、O2 吹込みを行って精錬するVOD(精
錬温度:通常は1700℃程度)の際には酸素溶解度は
1.5%(以降、 組成割合を表す%は重量%)にも達す
る。しかるに、VOD後の[O]量はオンラインでの分
析が実際上不可能であることから、還元(脱酸)用Siは
従来の実績に基づく見込み量で投入されるのが実情であ
ったが、精錬条件のバラツキによりVOD後の[O]量
は必ずしも一定ではなく、そのため投入Siの過不足が生
じるという不都合を免れ得なかった。
【0006】ここで、投入Siが多過ぎると、製品のSi含
有量が規格の上限(前記電子管用の場合には0.05%)を
超えて性能劣化を招くので再操業が必要となり、大幅な
操業時間延長を余儀無くされる。一方、投入Siが不足不
足すると脱酸不良で[O]量が高くなり、加工性が劣化
して圧延板製造時の手入れロスが増大するほか、性能劣
化を招くことにもなる。そして、これらの問題は純Niを
溶製する場合のみならず、高純度を必要とするNi合金
(例えばNi−Cu合金やNi−Mo合金等)を溶製する場合に
も同様に指摘された。
【0007】このようなことから、本発明が目的とした
のは、純Ni又はNi合金のVOD精製工程において溶湯の
Si脱酸を行う際の、添加Si量の適正なコントロ−ル手段
を確立することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は上
記目的を達成すべく鋭意研究を行ったところ、次のよう
な知見を得ることができた。 a) 溶融Ni中に、比較的酸化されやすい元素の1つであ
り、かつオンラインでの分析が十分に可能であるMnを含
有させると、このMnは溶融Ni中[O]量のトレ−サ−と
して十分な役割を果たし、スラグ中へ移行していない溶
融Ni中[Mn]量を分析しつつこれに応じた量で“脱酸剤
としてのSi”を添加してやれば、Si量の過不足なく適正
なNiの脱酸が叶う。 b) しかも、電子管を始めとする純Niや高純度Ni合金の
用途では、混入するSiやFeについては極力厳密な抑制が
必要であるがMnについては抑制要求レベルがそれほど高
くはなく、そのため[O]量のトレ−サ−としても格別
な障害はない。
【0009】本発明は、上記知見事項等に基づいて完成
されたものであり、「純Ni又はNi合金のVOD精製工程
において溶湯のSi脱酸を行う際、 溶湯に目的製品の許容
量範囲内でMnを添加し、 その後溶湯中の[Mn]量に応じ
て相応量のSiを添加し脱酸を進めることにより、 製品中
に過剰なSiを残留させることなく十分な脱酸を安定して
行えるようにした点」に大きな特徴を有している。
【0010】
【作用】さて、不純物たる[O]量が問題となるNi系材
料では脱酸の程度を推測するのに“残留[Si]量”を目
安とすることが良く行われており、[O]量規制の厳し
い電子管用途等では「0.03%のSiが残留しておれば酸素
レベルの保証ができる」とされている。なお、図3は、
溶融Ni中における各種元素の脱酸力を示したグラフであ
るが、「Si=0.03%」のときの平衡[O]は約40ppm
である。
【0011】脱酸元素としてはSiの他にAl,Ti,Mn等が
考えられるが、Al及びTiは介在物が生成するという問題
があるため不適当である。これに対して、介在物生成が
問題とならないMnは、例えば電子管用純Niの場合で含有
量の上限が0.30%乃至は0.15%とされており、このレベ
ルでの平衡[O]は「Si=0.03%」の場合のそれと同程
度である。
【0012】そこで、VOD後のNi溶湯中に特定量(上
記許容範囲内の量)のMnを添加してやれば、そのMnの酸
化程度によって“その後のSi脱酸”での必要Si量を知る
ことができる。つまり、Mnは溶融Niの "[O]量", "脱
酸程度" を知るためのトレ−サ−となり得、VOD後に
Ni溶湯中へ特定量のMnを添加し、その酸化の程度(溶湯
中[Mn]量の値)に応じて“添加する脱酸用Siの量”を
調整することにより、Siの的中率(例えば酸素レベルの
保証値とされる「Si=0.03%」への的中率)を向上する
ことができる訳である。なお、溶湯中[Mn]量の測定
は、常法に従えば迅速かつ容易に行うことができる。従
って、製品に残留するSi量に過不足を生じさせることな
く十分な脱酸を行うことが可能となる。
【0013】上述のように、本発明は低O・低Siレベル
のNi系大サイズ製品を低コストにて安定して製造できる
ようにしたものであるが、図1は、この本発明法を適用
した純Ni鋳片の製造工程例に関する説明図である。
【0014】この場合、VOD後の脱酸の第1工程とし
て、例えば0.15〜0.30%のMnが脱酸及び[O]量のトレ
−サ−として添加される。続くVD1 後の溶湯中[Mn]
量は“VOD後溶湯の[O]レベル”によって変化する
が、VD1 後の[Mn]量が添加量に満たない場合には、
その満たない分はMnOとなってスラグ中に存在すること
になる。そのため、VD1 後には、[Mn]分析値に従い
「〔前記MnOを還元する分〕+〔目標Si値(例えば0.03
%)に達するための分〕」の脱酸用Siを添加する。この
ような工程で、酸素レベルが保証できる極小量のSiを残
留する純Ni(或いはNi合金)鋳片を安定して溶製するこ
とができる。
【0015】続いて、本発明を実施例に基づいて説明す
る。
【実施例】まず、図1に示した工程に従って工業用純Ni
(電解Ni:純度99.9%)を電気炉で溶解した後、38トン
の溶湯をVODにて吹込みO2 量:360m3 で脱炭精
錬した。
【0016】このVOD後、Mnを“溶湯中Mn濃度が0.25
%となる分”に相当する90kg添加し(VOD出湯時に
[Mn]量は0.01%だったので実際添加量は0.24%分に相
当する量であった)、VD1 脱酸を行った。このVD1
後の溶湯中[Si]量及び[Mn]量を、VD2 後並びに製
品(鋳片)におけるその分析値と共に表1に示す。
【0017】
【0018】ここで、VD1 後に「[Mn]=0.11%」で
あったことより、0.14%分はMnOとなってスラグ中に存
在していることになる。従って、下記の数式1より、V
1 後に投入する脱酸用Siの量は下記の数式2で算出さ
れる21kgということになるので、21kgのSiを投入し
てVD2 脱酸を行った。
【0019】
【数1】
【0020】
【数2】
【0021】しかし、VD2 後の[Mn]分析値は0.21%
であり、VOD後に調整した「Mn含有量:0.25%」から
見てまだ完全に還元し切っていないので、溶湯の脱酸が
十分に行われていないと判断される。従って、「0.25−
0.21=0.04%」の分を還元するのに相応したSiの追加添
加が必要であり、この量は下記の数式3より4kgと算出
されるので、VD2 後に4kgのSiを追加投入してから連
続鋳造を行った。
【0022】
【数3】
【0023】この結果、得られた製品(Ni鋳片)の[S
i]量は狙い通りの0.03%となり、かつ製品[O]=32p
pm とSi及びMn脱酸平衡に近い値が得られ、低Si残留量
で良好な脱酸が達成されたことを確認した。
【0024】なお、図4は、本発明に係る脱酸法と従来
の脱酸法(図2の方法)とについてVD1 後の[Si]量
と製品[O]量との関係を比較して示すグラフである
が、この図4からも、本発明法によると従来法に比べて
VD1 後の[Si]量バラツキは小さくなり、[O]レベ
ルも低目にコントロ−ルすることが可能となることが分
かる。
【0025】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、VOD工程を取り入れた純Ni又はNi合金溶製時の十
分な脱酸を極小量のSi添加でもって的確に実施すること
が可能となるなど、産業上極めて有用な効果がもたらさ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法を適用した純Ni鋳片の製造工程例に関
する説明図である。
【図2】従来の純Ni鋳片の製造工程例に関する説明図で
ある。
【図3】溶融Ni中における各種元素の脱酸力を示したグ
ラフである。
【図4】本発明脱酸法と従来脱酸法とについてVD1
の[Si]量と製品[O]量との関係を比較して示すグラ
フである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純Ni又はNi合金のVOD精製工程におい
    て溶湯のSi脱酸を行う際、溶湯に目的製品の許容量範囲
    内でMnを添加し、その後溶湯中の[Mn]量に応じて相応
    量のSiを添加し脱酸を進めることを特徴とする、純Ni又
    はNi合金の脱酸方法。
JP13263093A 1993-05-10 1993-05-10 純Ni又はNi合金のVOD精製工程におけるSi脱酸法 Pending JPH06322454A (ja)

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