JPH06321972A - トリオルガノホスフィンの製造方法 - Google Patents

トリオルガノホスフィンの製造方法

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JPH06321972A
JPH06321972A JP5132987A JP13298793A JPH06321972A JP H06321972 A JPH06321972 A JP H06321972A JP 5132987 A JP5132987 A JP 5132987A JP 13298793 A JP13298793 A JP 13298793A JP H06321972 A JPH06321972 A JP H06321972A
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JP
Japan
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group
triorganophosphine
formula
reaction
general formula
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JP5132987A
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English (en)
Inventor
Akihiko Kanazawa
昭彦 金澤
Shuichi Nabekawa
修一 奈部川
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルキル亜ホスホン酸エステルを出発原料と
して収率よくトリオルガノホスフィンを製造する方法を
提供する。 【構成】 下記一般式(1) 【化1】 (R1 O)2 PR2 (1) (R1 はアルキル基を示す。R2 はアルキル基、アリー
ル基またはアラルキル基を示し、それ等の基はヒドロキ
シ基、アルコキシ基で置換されていてもよい。)で表さ
れるアルキル亜ホスホン酸エステルと、下記一般式
(2) 【化2】 R3 MgX (2) (R3 はアルキル基、アリール基またはアラルキル基を
示し、それ等の基はヒドロキシ基、アルコキシ基で置換
されていてもよい。Xはハロゲンを示す。)で表される
グリニヤ試薬とを反応させる下記一般式(3) 【化3】 R23 2 P (3) (R2 、R3 は前記と同義を示す。)で表されるトリオ
ルガノホスフィンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トリオルガノホスフィ
ンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トリオルガノホスフィンは、例えば反応
試薬、触媒、殺菌剤等として使用される有機リン化合物
を製造するための重要な化合物として公知である。従
来、トリオルガノホスフィンの製造方法としては、次の
反応式で示されるような方法が知られている。
【0003】
【化4】 (1)RPC12 +2R′MgX → RR′2 P+2
MgC1X (イ)(式中、R,R′は共にC65 ,C611を、
Xはハロゲンを示す。) 〔Chem.Ber.,94,392(1961)〕 (ロ)(式中、RはC65 ,R′はC65 CH2
を、Xはハロゲンを示す。) 〔J.Chem.Soc.,693(1962)〕
【0004】
【化5】 (2)R2 PC1+R′MgX → R2 R′P+Mg
C1X (イ)(式中、RはC65 ,R′はCH2 CHを、X
はハロゲンを示す。) 〔J.Org.Chem.,26,2537(196
1)〕 (ロ)(式中、RはC65 ,R′は1−ナフチルを、
Xはハロゲンを示す。) 〔Chem.Ber.,94,392(1961)〕 (ハ)(式中、RはC65 ,R′はCH2 CHCH2
を、Xはハロゲンを示す。) 〔J.Chem.Soc.,693(1962)〕
【0005】
【化6】 (3)RPH2 +2R′X→RR′2 P+2HX (式中、RはC1021,C1225を、R′はCH3 ,C
25 ,C49 ,C1225を、Xはハロゲンを示
す。) 〔J.Org.Chem.,31,3817(196
6)〕
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
(1)〜(3)の方法では、いずれも出発原料のRPC
2 ,R2 PC1およびRPH2 等の製造が困難である
ばかりでなく反応の収率が低いという欠点を有する。
【0007】本発明は、この様な従来技術の欠点を改善
するためになされたものであり、上記の様な従来の反応
を経ないで、トリオルガノホスフィンを収率よく得るこ
とができる新規な製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(1)
【0009】
【化7】 (R1 O)2 PR2 (1) (式中、R1 はアルキル基を示す。R2 はアルキル基、
アリール基またはアラルキル基を示し、それ等の基はヒ
ドロキシ基、アルコキシ基で置換されていてもよい。)
で表されるアルキル亜ホスホン酸エステルと、下記一般
式(2)
【0010】
【化8】 R3 MgX (2) (式中、R3 はアルキル基、アリール基またはアラルキ
ル基を示し、それ等の基はヒドロキシ基、アルコキシ基
で置換されていてもよい。Xはハロゲンを示す。)で表
されるグリニヤ試薬とを反応させることを特徴とする下
記一般式(3)
【0011】
【化9】 R23 2 P (3) (式中、R2 、R3 は前記と同義を示す。)で表される
トリオルガノホスフィンの製造方法に係るものである。
【0012】以下、本発明を詳細に説明をする。本発明
に係るトリオルガノホスフィンの製造方法の出発原料で
ある下記一般式(1)
【0013】
【化10】 (R1 O)2 PR2 (1) で表されるアルキル亜ホスホン酸エステルにおいて、式
中のR1 はアルキル基を示し、好ましくは飽和または不
飽和の炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜6の
直鎖状または分岐状のアルキル基であり、その具体例と
してはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基等が挙げられ
る。
【0014】また、一般式(1)におけるR2 は、アル
キル基、アリール基またはアラルキル基を示す。アルキ
ル基としては、好ましくは飽和または不飽和の炭素数1
〜22、特に好ましくは炭素数1〜18の直鎖状、分岐
状または環状のアルキル基であり、その具体例としては
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、イソブチル基、ヘキシル基、デシル基、テトラ
デシル基、オクタデシル基、ビニル基、アリル基、シク
ロヘキシル基等が挙げられる。アリール基としては、フ
ェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基と
しては、ベンジル基等が挙げられる。上記の基はヒドロ
キシ基、アルコキシ基で置換されていてもよい。
【0015】また、一般式(1)で表されるアルキル亜
ホスホン酸エステルの製造方法は、下記の一般式で表さ
れる反応式〜で得られることが知られている。
【0016】
【化11】 塩基 R2 PC12 +2R1 OH ─→ R2 P(OR12 +2HC1 〔J.Am.Chem.Soc.,80,1150(1958)〕 (R1 O)2 PC1+R2 MgX → R2 P(OR12 +MgC1X 〔Chem.Ber.,93,1220(1960)〕 (R1 O)3 P+R2 MgX→R2 P(OR12 +R1 OMgX 〔Chem.Ber.,93,1220(1960)〕
【0017】また、本発明においては上記反応式のハ
ロゲン化亜ホスホン酸エステルとグリニヤ試薬とを反応
させて得る方法が好ましいが、特に制限されるものでは
ない。
【0018】本発明における他の出発原料となる下記一
般式(2)
【0019】
【化12】 R3 MgX (2) で表されるグリニヤ試薬において、式中のR3 は一般式
(1)におけるR2 と同じものを示す。なお、R2 とR
3 は同一の基であっても異なった基であってもよい。X
はハロゲンを示し、好ましくは塩素原子、臭素原子が望
ましい。
【0020】前記一般式(2)で表されるグリニヤ試薬
は、いずれの方法により製造されるものでもよく、また
工業的に入手できるものであればいずれのものでもよ
い。
【0021】本発明に係るトリオルガノホスフィンの製
造方法は、所定の配合割合からなる上記の一般式
(1),(2)で表される2つの薬剤を出発原料として
反応させる。反応は次に示す反応式(4)に基づいて進
行する。
【0022】
【化13】 (R1 O)2 PR2 +2R3 MgX → R23 2 P+2(R1 O)MgX (4) この反応は、アルキル亜ホスホン酸エステルを反応溶媒
に溶解し、それにグリニヤ試薬を所定の時間で滴下し反
応させる方法が好ましい。反応溶媒としては、テトラヒ
ドロフラン(THF)、ジエチルエーテル等が使用され
る。
【0023】出発原料の一般式(1),(2)で表され
る2つの薬剤の配合割合は、多くの場合、アルキル亜ホ
スホン酸エステル1モルに対してグリニヤ試薬2〜20
モル、好ましくは2〜10モルの範囲であり、過剰のグ
リニヤ試薬の存在下で行われる。
【0024】反応溶媒の使用量は、アルキル亜ホスホン
酸エステル1モルに対して100〜2000ml、好ま
しくは500〜1500mlの範囲である。反応は攪拌
しながら、溶媒の還流下で行うのが好ましい。反応時間
は、1〜24時間、好ましくは3〜10時間である。
【0025】反応終了後は、過剰のグリニヤ試薬を分解
するために、水を適当量加え、析出するマグネシウム塩
を常法により濾過する。濾過後の溶液は常法によりジク
ロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル等の溶媒
により抽出を行ない、その溶媒を除去した後、場合によ
り精製を行い、目的物を得る。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0027】実施例1 〔ジメチルデシルホスフィンの合成〕反応容器に、デシ
ル亜ホスホン酸ジエチル52.47g(0.20モル)
と溶媒としてTHF100mlを添加して溶解させた。
次いで、メチルマグネシウムクロライド59.62g
(0.50モル)をTHF250mlに溶解した溶液
を、前記反応液の還流下に約1時間で滴下した。滴下終
了後、同条件で5時間反応させた。更に、反応を進行さ
せるために、THFを200ml系外に除去した後、2
時間反応を行った。反応終了後、過剰のメチルマグネシ
ウムクロライドを分解するために、適当量の水を加え、
析出したマグネシウム塩を常法により濾過分離した。濾
過液を、ジメチルジクロロメタンで抽出し、有機層を数
回水で洗浄した後、溶媒を除去した。生成物は、真空蒸
留を行って精製し、ジメチルデシルホスフィン24.6
8gを得た。(収率61.0%) b.p87℃(1m
mHg) 生成物の確認は、GC−MS、 1H−NMRで行った。
【0028】実施例2 〔ジメチルテトラデシルホスフィンの合成〕実施例1に
おいて、デシル亜ホスホン酸ジエチルの代わりにテトラ
デシル亜ホスホン酸ジエチル63.70g(0.20モ
ル)を使用した他は、実施例1と同様に行った結果、ジ
メチルテトラデシルホスフィン36.18gを得た。
(収率70.0%) b.p103〜105℃(0.1
5mmHg) 生成物の確認は、GC−MS、 1H−NMRで行った。
【0029】実施例3 〔ジメチルオクタデシルホスフィンの合成〕実施例1に
おいて、デシル亜ホスホン酸ジエチルの代わりにオクタ
デシル亜ホスホン酸ジエチル74.92g(0.20モ
ル)を使用した他は、実施例1と同様に行った結果、ジ
メチルオクタデシルホスフィン39.00gを得た。
(収率62.0%) b.p182(2mmHg) 生成物の確認は、GC−MS、 1H−NMRで行った。
【0030】実施例4 〔ジフェニルデシルホスフィンの合成〕実施例1におい
て、メチルマグネシウムクロライドの代わりにフェニル
マグネシウムブロマイド90.60g(0.50モル)
を使用した他は、実施例1と同様に行った結果、ジフェ
ニルデシルホスフィン195.6gを得た。(収率6
0.0%) 生成物の確認は、GC−MS、 1H−NMRで行った。
【0031】実施例5 〔ジデシルフェニルホスフィンの合成〕実施例1におい
て、デシル亜ホスホン酸ジエチルの代わりにフェニル亜
ホスホン酸ジエチル39.60g(0.20モル)およ
びメチルマグネシウムクロライドの代わりにデシルマグ
ネシウムブロマイド122.6g(0.50モル)を使
用した他は、実施例1と同様に行った結果、ジデシルフ
ェニルホスフィン249.6gを得た。(収率62.0
%) 生成物の確認は、GC−MS、 H−NMRで行っ
た。
【0032】
【発明の効果】本発明に係るトリオルガノホスフィンの
製造方法は、入手が容易なアルキル亜ホスホン酸エステ
ルを出発原料として使用することができ、かつ収率よく
トリオルガノホスフィンを得ることができるので工業的
に有利な方法である。
【0033】また、本発明の方法により製造されたトリ
オルガノホスフィンは、新規な界面活性剤、難燃剤、触
媒、医農薬、抽出剤およびイオン交換樹脂等の高分子材
料の開発に供される有用な化合物である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (R1 O)2 PR2 (1) (式中、R1 はアルキル基を示す。R2 はアルキル基、
    アリール基またはアラルキル基を示し、それ等の基はヒ
    ドロキシ基、アルコキシ基で置換されていてもよい。)
    で表されるアルキル亜ホスホン酸エステルと、下記一般
    式(2) 【化2】 R3 MgX (2) (式中、R3 はアルキル基、アリール基またはアラルキ
    ル基を示し、それ等の基はヒドロキシ基、アルコキシ基
    で置換されていてもよい。Xはハロゲンを示す。)で表
    されるグリニヤ試薬とを反応させることを特徴とする下
    記一般式(3) 【化3】 R23 2 P (3) (式中、R2 、R3 は前記と同義を示す。)で表される
    トリオルガノホスフィンの製造方法。
JP5132987A 1993-05-11 1993-05-11 トリオルガノホスフィンの製造方法 Pending JPH06321972A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022073283A1 (zh) * 2020-10-10 2022-04-14 浙江新安化工集团股份有限公司 一种连续化生产甲基亚膦酸二乙酯的系统及方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022073283A1 (zh) * 2020-10-10 2022-04-14 浙江新安化工集团股份有限公司 一种连续化生产甲基亚膦酸二乙酯的系统及方法

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