JPH06321929A - 医薬化合物 - Google Patents

医薬化合物

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JPH06321929A
JPH06321929A JP6069286A JP6928694A JPH06321929A JP H06321929 A JPH06321929 A JP H06321929A JP 6069286 A JP6069286 A JP 6069286A JP 6928694 A JP6928694 A JP 6928694A JP H06321929 A JPH06321929 A JP H06321929A
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hydroxy
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alkoxy
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JP6069286A
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Samantha J Ambler
サマンサ・ジェイン・アンブラー
Jr William F Heath
ウィリアム・フランシス・ヒース・ジュニア
Jai Pal Singh
ジャイ・パル・シン
Colin W Smith
コリン・ウィリアム・スミス
Lawrence E Stramm
ローレンス・エドワード・ストラム
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 糖尿病合併症又は再発狭窄症の処置を目的と
する医薬化合物を提供する。 【構成】 下記式(I): 〔式中、n及びmは0,1又は2、R及びRはハロ
ゲン、トリフルオロメチル、C1〜4アルコキシ、ヒド
ロキシなどを示す〕で示される化合物、及びその化合物
を含有する医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明の化合物は細胞分裂に対する抗増殖
作用を有しているので、過剰な細胞増殖又はプロテアー
ゼ放出が重要な病因の1つである疾患の処置に使用でき
ることが示される。従って、本発明の化合物は糖尿病合
併症及び再発狭窄症の処置に有用である。糖尿病性網膜
症、腎障害及び神経障害などの糖尿病合併症は大部分が
微小血管機能の異常の結果である。血管機能の変化には
血管透過性の増大及び血流の変化などがある。これらの
変化は糖尿病合併症の臨床症状の発現よりも先に起こ
る。
【0002】糖尿病性網膜症及び増殖性硝子体網膜症の
後期段階は新たな血管の発育、即ち血管形成によって特
徴付けられる。血管形成の初期の事象の1つは、基底膜
の溶解に関連するプロテアーゼの分泌である。このプロ
テアーゼにはプラスミノーゲンアクチベーター、プロコ
ラゲナーゼ及びプロストロメリシンなどが包含される。
ウロキナーゼ(uPA)及び組織プラスミノーゲンアク
チベーター(tPA)などのプラスミノーゲンアクチベ
ーターはチモーゲンであるプラスミノーゲンを開裂して
活性なセリンプロテアーゼであるプラスミンを生成させ
るセリンプロテアーゼである。プラスミンは基底膜成分
の開裂によって直接的に、又はプロコラゲナーゼ及びプ
ロストロメリシンの開裂により活性なコラゲナーゼ及び
ストロメリシンを生成させることによって間接的に、基
底膜の完全性に影響を与えることができる。このように
してなされる基底膜の溶解により、内皮細胞は微小血管
から漏れだし、新血管形成が開始される。
【0003】プラスミン生成の増大は糖尿病性微小血管
の透過性に関して幾つかの結果を招く。プラスミンは基
底膜成分を直接的に分解でき、あるいはストロメリシン
を活性化し、それによりヘパリン・スルフェイト・プロ
テオグリカン(HSPG)の正常な代謝回転に直接的又
は間接的に影響することができる。HSPGは血管の透
過性及び発育制御に関係しているので、HSPGのこの
分解の増大は膜からそれを枯渇させ、血管透過性の増大
を招くことがある。微小血管不全は、プロテインキナー
ゼC(PKC)調節経路を部分的に介して媒介される内
皮細胞の異常な活性化によって引き起こされる。MacGre
gorら, J Clin Invest, 83: 90-94(1988);Leeら, Pro
c.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.86: 5141-5145(1989)を参照の
こと。
【0004】内皮細胞の活性化を阻害し又は逆にし、か
つ微小血管機能の変化を阻害する物質は糖尿病の合併症
にかかった組織の正常な構造及び機能を保持するうえで
有益な作用を有している。このような物質は糖尿病患者
の生活の質とその生涯とを改善させるであろう。再発狭
窄症は、経皮的経内腔血管形成術(PTCA)、アセレ
クトミー(atherectomy)、レーザー血管形成、及び動脈
バイパス移植術による狭窄動脈の手術干渉後の主要な長
期合併症を残したままである。PTCAを受けた約35
%の患者では術後3−6カ月以内で再閉塞が起こる。血
管再発狭窄症を処置するための現在の戦略には、ステン
トなどの装置による機械的介入、又はヘパリン、低分子
量ヘパリン、クマリン、アスピリン、魚油、カルシウム
拮抗剤、ステロイド、及びプロスタサイクリンなどの薬
学療法が包含される。これらの戦略では再閉塞率を抑止
することができず、血管再発狭窄症を処置及び予防する
には効率的でなかった。Hermansら, American Heart Jo
urnal 122:171-187(1991年7月),「経皮的経内腔血管形
成術後の再発狭窄症の予防:「魔法の銃弾」について検
索」を参照のこと。
【0005】再発狭窄症は損傷に対して応答する平滑筋
細胞の移動と増殖を特徴としている。この平滑筋の増殖
を阻害する物質は再発狭窄症の処置及び予防に有用であ
る。本発明は過剰な細胞増殖が病因の重要な部分を占め
ている哺乳動物の疾患を処置するのに有用である化合物
を開示する。つまり、本発明は式(I):
【化5】 で示される化合物に関する。本発明はさらに、糖尿病合
併症及び再発狭窄症の処置に対するこれら化合物の用途
に関する。
【0006】本発明は過剰な細胞増殖又はプロテアーゼ
放出の起こっている疾患又は免疫疾患を処置する方法で
あって、式(I):
【化6】 [式中、n及びmは個別に0、1又は2であり、R
ハロゲン、トリフルオロメチル、C1−C4アルコキシ、
ヒドロキシ、ニトロ、C1−C4アルキル、C1−C4アル
キルチオ、ヒドロキシ−C1−C4アルキル、ヒドロキシ
−C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルボ
ニル、−COOR5(ここに、Rはエステル基であ
る)、−COR6、−CONR6又は−NR67(こ
こに、R及びRは個別に水素、又はC1−C4アルキ
ルである)であり、Rはハロゲン、トリフルオロメチ
ル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、C1
4アルキル、C1−C4アルキルチオ、ヒドロキシ−C1
−C4アルキル、ヒドロキシ−C1−C4アルコキシ、ト
リフルオロメトキシ、カルボニル、−COOR8(ここ
に、Rはエステル基である)、−COR9、−CON
910又は−NR910(ここに、R及びR10は個別
に水素、又はC1−C4アルキルである)であり、R
ニトリル、カルボキシ又は−COOR11(ここに、R11
はエステル基である)であり、そしてRは−NR12
13、−NR12COR13、−N(COR12)又は−N=C
HOCH212(ここに、R12及びR13は個別に水素又
はC1−C4アルキルである)、又は式:
【化7】 (ここに、XはC2−C4アルキレンである)で示される
基、又は置換されていることある1−ピロリルである]
で示される化合物又はその塩の有効量を、処置を必要と
している患者に投与することを特徴とする方法に関す
る。
【0007】このように、本発明は上記式(I)で示され
る化合物の有効量を処置を必要としている患者に投与す
ることを特徴とする糖尿病合併症の処置の方法に関す
る。本発明はまた、上記式(I)で示される化合物の有効
量を処置を必要としている患者に投与することを特徴と
する再発狭窄症の処置の方法に関する。さらに、本発明
は式(I)で示される化合物、及び1つ又はそれ以上の製
薬的に許容される担体、そのための希釈剤又は賦形剤を
含有している医薬組成物に関する。
【0008】上記の化合物は以下の例外はあるが新規化
合物である。従って、本発明はさらに、上記の式(I)の
化合物であって、(i) mが0の場合、Rがニトリル
であり、Rが−NHであり、nは0でなく、−
(R1)nは2−フルオロ、2−クロロ、2−メトキシ、
3−フルオロ、3−ニトロ、4−メチル、4−メトキシ
又は3,4−ジメトキシではなく、そして(ii) mが0
の場合、Rが−COOC25であり、Rが−NH2
であり、nは0でなく、−(R1)nは2−フルオロ又は
2−クロロではない、化合物を提供する。
【0009】上記の式(I)において、ハロゲンとは例え
ば、フルオロ、クロロ又はブロモを意味する。C1−C4
アルキルには例えば、メチル、エチル、プロピル及びブ
チルが包含され、メチル又はエチルが好ましい。C1
4アルコキシとは酸素を介してアリール核に結合する
上記のアルキル基の1つであり、C1−C4アルキルチオ
とはイオウを介して結合するアルキル基である。ヒドロ
キシアルキル及びヒドロキシアルコキシは好ましくは、
それぞれ式:HO(CH2)x−及びHO(CH2)xO−[こ
こに、xは1−4である]で示される基である。nが1
又は2であり、ナフト核に1又は2つの置換分が存在す
る場合、それらは7から10位のいずれの位置にあって
もよく、置換分が2つの場合は、それらの置換分は同一
又は異なっていてもよい。ナフト核は非置換又は唯一の
置換分を有するものが好ましい。
【0010】Rが−COORの場合、Rはエステ
ル基であり、好ましくはC1−C4アルキル、特にメチル
又はエチルであり、Rが−COORの場合、R
1−C4アルキルが好ましく、特にメチル又はエチルが
好ましい。R基はニトリルが好ましいが、カルボキシ
又は−COOR11[ここに、R11はエステル基であり、
好ましくはC1−C4アルキル、特にメチル又はエチルで
ある]であってもよい。R基は好ましくは−NH2
ある。Rが1−ピロリルである場合、それは例えば1
つ又は2つのC1−C4アルキル、カルボキシ、ヒドロキ
シC1−C4アルキル、又は−CHO基によって置換され
ていてもよい。
【0011】本発明の方法に使用できる好ましい化合物
のグループは、n及びmが個別に0、1又は2であり、
がハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、又はC
1−C4アルコキシであり、Rがヒドロキシ、カルボキ
シル、又はC1−C4アルコキシであって7、8、9又は
10位のいずれかに結合しているものであり、Rがニ
トリルであり、RがNH2である式(I)で示される化
合物である。
【0012】本発明の方法に使用できる特に好ましい化
合物のグループは、式:
【化8】 [式中、R14は3−ニトロ、3−ハロゲン又は3−トリ
フルオロメチルである]で示される化合物である。
【0013】例えばR1、R又はRが−COOHで
ある場合、塩を形成して存在する機会があることは理解
される。これらは周知の塩基から誘導することができ
る。塩基塩の例には、水酸化アンモニウム、及びアルカ
リ及びアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩
から誘導される塩、並びに脂肪族及び芳香族アミン、脂
肪族ジアミン及びヒドロキシアルキルアミン類から誘導
される塩がある。このような塩を製造するうえで特に有
用な塩基には水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、重炭
酸ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、メ
チルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、シク
ロヘキシルアミン、及びエタノールアミンが挙げられ
る。カリウム、ナトリウム及びリチウム塩の形態が特に
好ましい。
【0014】製薬的に許容される塩に加えて、他の塩も
本発明に包含される。これらは、化合物を精製するうえ
での中間体、又は例えば別の製薬的に許容される酸付加
塩を製造するための中間体、又は同定、特性化もしくは
精製するうえでの中間体、として役立つことができる。
本発明の化合物はエナンチオマーを与える不斉炭素を含
有していることは理解されよう。本発明の化合物は通
常、ラセミ体として製造されるので、その形態で使用す
るのが簡便である場合があるが、常法によって所望によ
り個々のエナンチオマーに分離することもできる。この
ようなラセミ体及び個々のエナンチオマーも本発明の一
部を構成している。
【0015】特定のフェニル−置換ナフト[2,1−
b]ピラン類の合成はFathy Fahim Abdel-Latif, India
n Journal of Chemistry 29B,664-666(1990)、及びElag
ameyら, Collection Czechoslovak Chem Commun., 53,
1534-1538(1988)、Sharaninら,Zhurnal Organicheskoi
Khimii, 18,9,2003-2005(1982)、及びKlokolら, Zhurna
l Organicheskoi Khimii, 23,2,412-421(1987)に記載さ
れている。しかし、これらの開示されている化合物に
は、生物学的特性又は活性が何ら特定されていない。
【0016】本発明はさらに、式(I)で示される化合物
の製造方法であって、(1) 式(II):
【化9】 で示される化合物を式(III):
【化10】 で示される化合物と反応させ、Rが−NH2である式
(I)の化合物を製造するか、又は
【0017】(2) 式(IV):
【化11】 で示される化合物をRが−NR1213、−NR12CO
13、−N(COR12)2、−N=CHOCH212、置換
されていることある1−ピロリル、又は式:
【化12】 で示される基である式(I)の化合物に変換することを特
徴とする方法をも包含している。
【0018】上記の工程(1)では、反応を0℃から10
0℃の温度において、例えばエタノールなどの有機溶媒
の存在下に行うのが好ましい。式(II)の化合物は知られ
ており、既知の方法によって容易に合成することができ
る。式(III)の反応体は、好ましくは温度20℃−10
0℃にて、ピペリジンなどの触媒としての有機塩基の存
在下、例えばエタノールなどの有機溶媒を用いて式: R3CH2CN で示される適当なニトリル化合物を式:
【化13】 で示されるアルデヒド化合物と反応させることにより製
造することができる。式(III)の反応体は単離する必要
がなく、直接式(II)との反応に使用することができる。
これらのニトリル及びアルデヒド反応体は既知化合物で
あり、当業者に既知の方法によって製造することができ
る。
【0019】工程(2)では、式(IV)で示される遊離の
エナミン化合物を反応(1)によって製造し、次いでそれ
をRが他の置換分である化合物に変換すればよい。例
えば、遊離のアミノ基は式:R12X又はR13X[ここ
に、Xはハロゲン又は(R12)2SO4もしくは(R13)2
4]で示される反応体によってアルキル化することに
より、モノ−又はジ−アルキル化された生成物を入手す
ることができる。同様に、アミノ基はR12COX又は
(R12CO)2Oなどのアシル・ハライド又は酸無水物に
よってアシル化することにより、Rが−NHCOR12
又は−N(COR12)2である化合物を入手することがで
きる。Rが−N=CHOCH212である化合物は、
適当なオルトギ酸トリアルキルと反応させることにより
製造される。Rが1−ピロリルである場合、置換され
ていることある適当なフランとの反応によって製造する
ことができる。
【0020】上述のように、これらの化合物は糖尿病合
併症の処置に有用である。本発明の化合物の活性は、活
性化内皮細胞を使用するインビトロ試験によって同定し
た。Buzneyら,Investigative Ophthalmology and Visua
l Sciences, 24:470-483の操作の改変法によって、ウシ
眼由来の網膜毛細血管内皮細胞の培養を開始した。ウシ
眼を地方屠殺場から氷上に輸送した。外眼筋をその眼か
ら切り取り、その眼を口鋸状部(ora serrata)の後方で
二等分した。眼の硝子体及び前房部分を廃棄し、神経−
網膜を後方の眼杯から切除した。20匹のウシから得た
網膜を集め、ハンクス食塩水(Hank's saline)中にてホ
モジナイズした(テフロン/ガラス・ホモジナイザーの
5ストローク)。得られたホモジネートを350μフィ
ルターに通して大きな細胞残骸を除去し、また210μ
フィルターに通して大きな血管を除去した。この微小血
管を85μフィルター上に集めた。得られた微小血管を
ハンクス食塩水中に再懸濁し、ハンクス食塩水中にて
7.5mg/ml 細菌コラゲナーゼ[ベーリンガー・マン
ハイム,インディアナポリス]で1時間消化した(37
℃)。得られた細胞を遠心(100×G、10分)によ
ってペレット化し、内皮成長培地(EGM,Clonetic
s)5ml 中に再懸濁し、ゼラチン被覆T−25フラスコ
中に接種した。24時間後、細胞をトリプシン処理し、
ゼラチン被覆T225にて再プレートした。7日目にそ
して14日目に再び、培養物を、蛍光プローブ(1,
1'−ジオクタデシル−3,3,3,3−テトラメチル
−インドカルボシアニン過塩素酸)で標識したアセチル
化リポタンパク質で標識した。Voytaら, J.Cell Biolog
y. 99:2034-2040に記載されているようにして蛍光細胞
ソーターを使用して内皮細胞を夾雑細胞型から分離し
た。
【0021】網膜毛細血管内皮細胞を96ウエル平板に
接種し、10%ウシ胎仔血清(FBS)を含有するEG
M中で全面成長(105細胞/ウエル)するまで発育さ
せた。検定の24時間前に、その培地をデュベッコ改変
イーグル培地(Dubecco's Modified Eagle's Medium)に
変更した。得られた細胞を50nM 4−bホルボール1
2,13−ジブチレート(4−b PDBu)で処理し、
PKCを不活化し、糖尿病状態の活性化内皮表現型特性
を生じさせた。活性化細胞を試験化合物の一連の希釈物
で処理した。ホルボールエステル及び試験化合物は培養
培地に加える前にDMSOに溶解した。得られた培養物
を37℃で48時間インキュベートした。処置後、0.
5%トリトンX−100中、25mM NH4OHで細胞
を細胞溶解した。
【0022】ウシ網膜毛細血管内皮細胞の活性化を、細
胞溶解物の細胞プラスミノーゲンアクチベーター(P
A)の変動によってモニターした。プラスミノーゲンア
クチベーター活性は、合成基質H−D−バリル−L−ロ
イシル−リシン−p−ニトロアニリン二塩酸塩[Kabi]
を使用し、細胞溶解物50μl において測定した。
【0023】全面成長したウシ網膜毛細血管内皮細胞を
PDBuで48時間処理すると、細胞層に関連するPA
活性が12倍に増大し、培地中に放出されるPAが12
倍に増大した。細胞の数も2倍に増大した。この活性の
増大は、PKCを活性化することが知られているホルボ
ールエステル(4−b PDBu、4−b PMAであっ
て、4−a PDBu、4−a PMAでない)で処理し
た後でのみ起こった。検定混合物からプラスミノーゲン
を排除した場合には合成基質の開裂が認められなかった
が、このことはホルボール処理培養物にて観察される活
性の増大がプラスミノーゲンのアクチベーター(活性化
因子)に限定されていることを示している。4−b P
DBu及び4−b PMAについて作成した用量−応答曲
線はIC50がそれぞれ50nM 及び5nM であることを
示している。ホルボールエステルで長期に(少なくとも
8時間)刺激した場合にのみ、PA活性の増大が観察さ
れた。PA活性は72時間まで時間及び用量依存的に増
大し続けたが、内皮細胞の活性化を維持するにはホルボ
ールエステルを用いる一定の刺激が必要であった。ホル
ボールエステルの除去により、PA活性が急速に正常レ
ベルにまで復帰した。
【0024】ニュートラルレッド検定を使用し、同様の
培養物の組みの細胞毒性を測定した。Borenfreund,E.及
びPuerner,J, J.Tiss.Cult.Meth. 9:7(1984)。内皮細胞
活性化を阻害する本発明化合物の効能は細胞毒性とは別
個のものであることが判明した。一般には、本発明の化
合物は、ホルボールエステルによって誘発される内皮細
胞活性化の阻害に有効であることが示された。表1に
は、このモデルにおける代表的化合物のPA ED50
を示している。インビトロ内皮細胞モデルを以下のモデ
ルによって同系(in situ)及びインビボ活性と相関さ
せた。
【0025】肉芽組織小室モデルによって、高グルコー
スによって誘発される血流及び透過性の増大をブロック
する本発明化合物の能力がin situで評価される。この
モデルでは、正常なラットの背中から円形のヒフを切除
し、ステンレス鋼ネジ頭式チャンバーに載せる。このチ
ャンバー内で新たな肉芽組織が形成される。このチャン
バーに毎日2回、7日間30−35mM グルコース
(0.5ml)を添加し、糖尿病に類似した血管不全を誘
発させた。即ち、これは血管透過性が増大し、血流が増
大している。血流は放射線標識化微小球を用いて測定
し、透過性は放射性ヨウ素化アルブミン(125I/
131I)を用いて二元標識手法によって定量した。この
モデルの詳細は TIltonら, Diabetes 38:1258-1270 及
び Williamsonら, J.Clin.Invest.85:1167-1172にて見
いだすことができる。代表的化合物をDMSOに溶解
し、平衡塩溶液中に希釈して終濃度20又は50μMと
した。肉芽チャンバー組織を毎日2回、7日間処理し、
グルコース誘導血管不全に対する代表的化合物の作用を
測定した。肉芽チャンバーに30−35mM グルコース
を添加し、血管透過性の増大及び血流の増大によって特
徴付けられる血管不全を誘発させた。
【0026】ストレプトゾトシン誘発糖尿病のラットモ
デルにより、ストレプトゾトシン(streprozotocin)誘発
性糖尿病に関連する微小血管不全をブロックする本発明
化合物の能力をインビボ評価した。ラットにストレプト
ゾトシンを注射して糖尿病を起こさせ、そのラットが代
表的化合物0.1%を含有する餌を自由に食べられるよ
うに与えた。血流は放射線標識化微小球を用いて測定
し、透過性は放射性ヨウ素化アルブミン(125I/
131I)を用いる二元標識手法によって定量した。この
モデルの詳細は Tiltonら, Diabetes 38:1258-1270 及
び Williamsonら, J.Clin.Invest.85:1167-1172に見い
だすことができる。
【0027】さらに、本発明の化合物は血管平滑筋細胞
の増殖を阻害することが示された。このことは、ウサギ
の動脈から誘導した平滑筋細胞の培養物を使用し、DN
A合成を測定してその増殖を調べることで証明された。
細胞は Ross, J.of Cell Bio. 50:172(1971)に記載され
ている外植方法によって入手した。細胞を96ウエルの
マイクロタイター平板内でプレートした。この培養物は
全面成長し、発育が阻止された。次いで、この細胞を、
0.5−2%血小板貯蔵血漿、2mM L−グルタミン、
100U/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプト
マイシン、1μCi/ml 3H−チミジン、20ng/ml
血小板誘導化成長因子、及び種々の濃度の本発明化合物
を含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に
移した。化合物の貯蔵溶液はジメチルスルホキシド中で
調製し、次いで上記の検定培地中にて適当な濃度(0.
01−10μg/ml)に希釈した。次に、細胞を5%C
2/95%空気の下、37℃で24時間インキュベー
トした。24時間の終了時点で、細胞をメタノール中で
固定化した。DNAへの3Hチミジンの取り込みを、Bon
inら, Exp.Cell Res. 181:475-482(1989)に記載されて
いるシンチレーション計数によって測定した。
【0028】本発明の化合物による平滑筋細胞の増殖阻
害作用をさらに、指数増殖期の細胞に対するそれらの効
果を調べることによって証明した。ウサギ大動脈由来の
平滑筋細胞を、10%ウシ胎仔血清、2mM L−グルタ
ミン、100 U/ml ペニシリン、及び100μg/ml
ストレプトマイシンを含有するDMEM中、12ウエル
組織培養平板に接種した。24時間後、細胞を接着さ
せ、その培地を、2%血小板貯蔵血漿、2mM L−グル
タミン、100 U/ml ペニシリン、100μg/ml ス
トレプトマイシン、40ng/ml 血小板誘導化成長因子
及び指摘した濃度の本発明化合物を含有するDMEMと
置き換えた。細胞を4日間発育させる。細胞をトリプシ
ンで処理し、ZM−コールター・カウンターを用いる計
数によって各培養物における細胞の数を測定した。
【0029】上記の試験での活性は、本発明の化合物が
再発狭窄症の処置に効果的であることを示している。表
1は、3H−チミジン導入モデルにて試験した代表的化
合物のIC50値を示している。このように、本発明は具
体的には、再発狭窄症を処置する方法であって、このよ
うな処置を必要としている患者に式(I)の化合物の有効
量を投与することを特徴とする方法に関する。
【0030】本発明の化合物は種々の経路から、例えば
経口又は直腸経路から、局所的に又は腸管外から、例え
ば注射によって、通常は医薬製剤の形態を使用して投与
することができる。このような製剤も本発明の一部を構
成するものであり、それは製薬業界にて周知の手法によ
って調製され、通常は製薬的に許容される希釈剤又は担
体と共に少なくとも1つの活性化合物を含有させる。本
発明の製剤を調製するには、活性成分を通常は担体と共
に混合するか、又は担体によって希釈し、及び/又は例
えばカプセル、サシエ、ペーパーもしくは他の容器の形
態にできる担体で包嚢する。担体が希釈剤として役立つ
場合には、それは活性成分のためのビヒクル、賦形剤又
は媒質として機能する固形、半固形又は液状物質であれ
ばよい。従って、本発明の組成物は固形では錠剤、ロゼ
ンジ剤、サシエ剤、カッシュ剤、エリキシル剤、懸濁剤
の形態に、又は液体媒質では、活性化合物を例えば10
重量%までで含有する軟膏剤、ゼラチン軟及び硬カプセ
ル剤、坐剤、注射溶液剤、及び懸濁剤、及び滅菌パッケ
ージング粉末剤とすることができる。
【0031】適当な担体の幾つかの例を挙げれば、乳
糖、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、マンニト
ール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、ア
ルギネート、トラガカント、ゼラチン、シロップ、メチ
ルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチル及びプロピ
ル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、鉱油などがあ
る。注射用の製剤は当業者に周知のように、患者への投
与後に迅速に、持続的に、又は徐放的に活性成分を放出
するように製剤化することができる。
【0032】製剤が単位投与形態の場合、各単位用量は
好ましくは5mg−500mg、例えば25mg−200m
gとする。「単位投与形態」なる用語は、ヒト被験者及
び動物にとって単位投与に適切な物理的に独立した単位
であって、それぞれの単位が所望の治療効果を与えるよ
う計算された有効物質の予め決められた量を必要な製薬
的な担体と共に含有しているものを意味する。本明細書
にて使用している「有効量又は有効な量」とは、細胞の
活性化又は増殖を阻害、ブロック又は可逆的にすること
のできる本発明化合物の量を意味する。本発明の方法が
目的とする活性には、医療的な治療的処置及び/又は、
要すれば予防的処置の両者が包含される。治療及び/又
は予防的作用を達成するための本発明に従って投与され
る化合物の具体的な用量は当然ながら、例えば投与する
化合物、投与経路及び処置する症状などの患者に伴われ
る具体的な状況に応じて決定される。
【0033】本発明の化合物は広範な用量範囲で有効で
あり、例えば1日当たりの用量は通常0.5−300m
g/kg の範囲であり、より普通には5−100mg/kg
の範囲内である。しかし、投与する有効量は、処置する
症状、投与する化合物の選択、及び投与経路の選択など
の相当する状況を参酌して臨床医によって決定されるべ
きものであることは理解されよう。「処置」なる用語
は、本発明の化合物を投与して、徴候の発現を防止し、
その徴候を緩和し、又はその疾患、症状又は障害を排除
することを包含する。再発狭窄症の処置では、本発明の
化合物を局所又は全身供給によって投与することができ
る。全身供給には、生物全体に本発明化合物を導入する
手法が包含される。全体供給の例には経口及び静脈内投
与が挙げられる。
【0034】本発明の化合物の局所供給は、化合物を増
殖性部位又はその近傍に投与する種々の手法によって行
われる。局所供給の手法の例には以下のものがあるが、
これらは限定的なものでなく、利用できる手法の単なる
説明である。つまり、局所供給カテーテル、部位特異的
な担体、インプラント(移植)、又は直接注入などであ
る。カテーテルによる局所供給により、製薬的な活性物
質を増殖性の損傷部位に直接投与することができる。バ
ルーンカテーテルを使用する局所供給の例がEP0 3
83 492 A2及び米国特許第4,636,195号
(Wolinsky, 1987年1月13日)に開示されている。
【0035】移植による局所供給とは、医薬活性物質を
含有するマトリックスを増殖損傷部位に外科的に設置す
ることである。移植されたマトリックスは拡散、化学反
応、又は溶媒活性化因子によって医薬活性物質を放出す
る。Langer, Science 249:1527-1533(1990年9月)。移植
による局所供給の例はステント(stent)の使用によるも
のである。ステントは冠動脈のつぶれ、及び再狭窄を機
械的に防止するよう設計する。医薬活性物質をそのステ
ントに含有させれば、薬物は直接的に増殖部位に供給さ
れる。この手法による局所供給はKohn, Pharmaceutical
Technoogy (1990年10月)に記載されている。第2の例
は、医薬活性物質を含有するポリマーを液状形態で損傷
内に注入する供給系である。この際には、ポリマーは硬
化して移植物をin situで形成する。この手法はPCT
WO 90/03768(Donn, 1990年4月19日)に記載
されている。もう1つの例は、ポリマー系の管腔内シー
リングによる医薬活性物質の供給である。この手法はカ
テーテルを使用し、ポリマー移植物を管腔の内側表面に
適用する。生体分解性のポリマー移植物に導入された医
薬活性物質は従って、外科術部位にて放出される。これ
はPCT WO 90/01969に記載されている[Sc
hindler, 1989年8月23日]。移植物による最後の局所供
給の例はビヒクル又は微小粒子体を増殖部位に直接注入
することによるものである。これらの微小粒子体は、タ
ンパク質、脂質、炭水化物又は合成ポリマーなどの物質
から構成させることができる。これらの微小粒子体は、
微小粒子全体にわたって、又は微小粒子を被覆して含有
される医薬活性物質を有する。微小粒子体をの供給系導
入はLange, Science 249:1527-1533(1990年9月)、及びM
athiowitzら, J.App.Poly.Sci., 26:809(1981)に記載さ
れている。
【0036】部位特異的な担体による局所供給は、医薬
活性物質を、増殖性細胞にその薬物を指向又は結合させ
る担体に接着させることである。この供給手法の例とし
ては、タンパク質リガンド又はモノクローナル抗体又は
膜アンカー化リンカーなどの担体を使用することが挙げ
られる。Lange, Science 249:1527-1533(1990年9月);L
angworth, Genetic Engineering News (1990年9月)。直
接注入による局所供給は、滅菌食塩溶液などの不活性担
体中に懸濁させた本発明化合物の微細粒子を増殖性の部
位に直接的に注入することである。局所供給の例は単な
る例示であって、相互に包括的なものではない。例え
ば、微小粒子を増殖性の平滑筋細胞に供給するのは、局
所供給カテーテル又は直接的注入によっても行うことが
できる。
【0037】再発狭窄症を処置するための本発明化合物
の用量は投与方法、及び患者の個々の状況によって変動
する。有効量は血管平滑筋細胞の移動及び増殖を阻害す
るに充分な量である。好ましい用量範囲は、約1μg/
日から約500,000μg/日を増殖性部位又はその
付近に供給すると規定される。本発明の代表的化合物の
製造方法を以下の製造例及び実施例によって説明する。
【0038】製造例 2−フルオロベンジリデンマロニトリル 2−フルオロベンズアルデヒド(15.8ml)をエタノ
ール(100ml)に溶解し、その撹拌溶液にマロニトリ
ル(9.9g)を加えた。得られた溶液を加熱還流し、
その加熱を中断してピペリジン(4滴)を滴加した。激
しい反応が落ち着いたなら、溶液を15分間加熱し、次
いで冷却した。生成物の結晶を濾別し、エタノールで洗
浄した。融点:122℃。
【0039】実施例1 2−アミノ−4−(3−ニトロフェニル)−4H−ナフ
ト[2,1−b]ピラン−3−カルボニトリル 3−ニトロベンズアルデヒド(7.6g)及びマロノニ
トリル(3.3g)を加熱還流下にエタノール(40m
l)に溶解した。3−ニトロベンジリデンマロノニトリ
ル中間体の結晶が生成してから2−ナフトール(7.2
g)を加え、次いでピペリジン(5ml)を加えた。得ら
れた溶液を1時間加熱し、次いで環境温度の撹拌下に2
4時間放置した。得られた固形物を濾別し、エタノール
で洗浄し、乾燥した。融点:237℃。
【0040】実施例2 2−アミノ−4−(3−ニトロフェニル)−4H−ナフ
ト[2,1−b]ピラン−3−カルボニトリル 2−ナフトール(3.3g)を撹拌下にエタノール(4
4ml)に溶解した。3−ニトロベンジリデンマロノニト
リル(4.5g)を加え、次いでピペリジン(2.3m
l)を加えた。得られた溶液を環境温度にて45分間撹
拌すると、この時間内に固形物が沈殿した。得られた生
成物を濾別し、エタノールで洗浄した。イソプロパノー
ルから再結晶し、クリーム状の結晶を入手した。融点:
238−241℃。
【0041】上記と同様の製造方法によって以下の化合
物を製造した。実施例3 2−アミノ−4−(4−ニトロフェニル)−4H−ナフ
ト[2,1−b]ピラン−3−カルボニトリル 融点:170−172℃。実施例4 2−アミノ−4−(2−ニトロフェニル)−4H−ナフ
ト[2,1−b]ピラン−3−カルボニトリル 融点:284.5−286℃。実施例5 2−アミノ−4−(3−ブロモフェニル)−4H−ナフ
ト[2,1−b]ピラン−3−カルボニトリル 融点:222−224℃。
【0042】実施例6 2−アミノ−4−(3−クロロフェニル)−4H−ナフ
ト[2,1−b]ピラン−3−カルボニトリル 融点:237.5−239℃。実施例7 2−アミノ−4−(3−フルオロフェニル)−4H−ナ
フト[2,1−b]ピラン−3−カルボニトリル 融点:272.5−274℃。実施例8 2−アミノ−4−(4−フルオロフェニル)−4H−ナ
フト[2,1−b]ピラン−3−カルボニトリル 融点:230−232.5℃。
【0043】実施例9 2−アミノ−4−(2−フルオロフェニル)−4H−ナ
フト[2,1−b]ピラン−3−カルボニトリル 融点:292−294.5℃。実施例10 2−アミノ−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニ
ル]−4H−ナフト[2,1−b]ピラン−3−カルボ
ニトリル 融点:197−199℃。実施例11 2−アミノ−3−シアノ−4−(3−ニトロフェニル)
−4H−ナフト[2,1−b]ピラン−7−カルボン酸 融点:>295℃。
【0044】実施例12 2−アミノ−10−ヒドロキシ−4−(3−ニトロフェ
ニル)−4H−ナフト[2,1−b]ピラン−3−カル
ボニトリル 融点:248−250℃。(2,3−ナフタレン・ジオ
ールから)実施例13 2−アミノ−6−メトキシ−4−(3−ニトロフェニ
ル)−4H−ナフト[2,1−b]ピラン−3−カルボ
ニトリル 融点:251−252.5℃。(7−メトキシ−2−ナ
フトールから)実施例14 2−アミノ−3−シアノ−4−(3−メトキシフェニ
ル)−4H−ナフト[2,1−b]ピラン−7−カルボ
ン酸 融点:>300℃。(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
から)
【0045】実施例15 2−アミノ−3−シアノ−4−(3−カルボキシフェニ
ル)−4H−ナフト[2,1−b]ピラン−7−カルボ
ン酸 融点:>260℃。(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
から)実施例16 2−アミノ−3−シアノ−4−[3−(トリフルオロメ
トキシ)フェニル]−4H−ナフト[2,1−b]ピラ
ン−7−カルボン酸 融点:263−266℃。(6−ヒドロキシ−2−ナフ
トエ酸から)
【0046】実施例17 3−シアノ−2−エトキシメチレンアミノ−4−(3−
ニトロフェニル)−4H−ナフト[2,1−b]ピラン
−7−カルボン酸エチル 2−アミノ−3−シアノ−4−(3−ニトロフェニル)
−4H−ナフト[2,1−b]ピラン−7−カルボン酸
(3.26g)をオルソギ酸トリエチル(40ml)中に
磁気スラーターで懸濁し、還流温度にした。この温度で
数時間の後、80−120℃で出てくる画分を留去し
た。オルソギ酸トリエチル(20ml)をさらに加え、還
流を18−24時間続行した。得られた溶液を蒸発乾固
し、残基をメタノールでトリチュレートし、酢酸エチル
から再結晶することで、白色結晶を入手した。融点:1
87.5−189.5℃。
【0047】以下に製剤例を挙げて、本発明をさらに説
明する。実施例18 ゼラチン軟カプセル 各ゼラチン軟カプセルはそれぞれ、以下の成分を含有す
る。 活性成分 150mg アカシア油 150mg これらを共に混合した後、得られた混合物を適当な装置
を用いてゼラチン軟カプセルに充填する。
【0048】実施例19 ゼラチン硬カプセル 各カプセルはそれぞれ、以下の成分を含有する。 活性成分 50mg PEG4000 250mg PEG4000を融解し、それを活性成分と混合する。
融解させた状態で混合物をカプセルの型に充填し、冷却
する。
【0049】実施例20 活性成分10mgを含有する錠剤はそれぞれ以下のよう
にして調製される: 活性成分 10mg デンプン 160mg 微結晶セルロール 100mg ポリビニルピロリドン(10%水溶液として) 13mg カルボキシメチルデンプン・ナトリウム 14mg ステアリン酸マグネシウム 3mg 総 量 300mg 活性成分、デンプン及びセルロースを充分に混合する。
得られた粉末にポリビニルピロリドンの溶液を混合し、
ふるいに通す。このようにして調製した顆粒を乾燥し、
再度ふるいに通す。次いで、その顆粒にカルボキシメチ
ルデンプン・ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム
を加え、混合した後、打錠装置により圧縮し、それぞれ
の重量が300mgの錠剤を得る。
【0050】実施例21 薬物20mgをそれぞれ含有するカプセル剤は以下のよ
うにして調製する。
【0051】
【表1】 実施例 PA ED50 3H−チミジン IC50 (μM) (μM) 2 0.7 2.5 3 >20 8.0 4 >20 >30 5 0.7 1.8 6 1 2.0 7 * 2.0 8 9 1.5 9 >20 >3.0 10 0.05 0.5 11 >20 >30 12 0.65 3.0 13 >20 >3.0 14 >100 * 15 5.0 * 16 >100 * 17 8 6.0 *:データ入手されず。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィリアム・フランシス・ヒース・ジュニ ア アメリカ合衆国46038インディアナ州フィ ッシャーズ、タフトン・ストリート11214 番 (72)発明者 ジャイ・パル・シン アメリカ合衆国46032インディアナ州カー メル、ヒル・クレスト・コート13774番 (72)発明者 コリン・ウィリアム・スミス イギリス、イングランド、アールジー12・ 8エスキュー、バークシャー、ブラックネ ル、エイブベリー36番 (72)発明者 ローレンス・エドワード・ストラム アメリカ合衆国46256インディアナ州イン ディアナポリス、ハドウェイ・ドライブ 9143番

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 [式中、n及びmは個別に0、1又は2であり、 Rはハロゲン、トリフルオロメチル、C1−C4アルコ
    キシ、ヒドロキシ、ニトロ、C1−C4アルキル、C1
    4アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−C4アルキル、ヒ
    ドロキシ−C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキ
    シ、カルボニル、−COOR5(ここに、Rはエステ
    ル基である)、−COR6、−CONR6又は−NR
    67(ここに、R及びRは個別に水素、又はC1
    4アルキルである)であり、 Rはハロゲン、トリフルオロメチル、C1−C4アルコ
    キシ、ヒドロキシ、ニトロ、C1−C4アルキル、C1
    4アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−C4アルキル、ヒ
    ドロキシ−C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキ
    シ、カルボニル、−COOR8(ここに、Rはエステ
    ル基である)、−COR9、−CONR910又は−NR
    910(ここに、R及びR10は個別に水素、又はC1
    4アルキルである)であり、 Rはニトリル、カルボキシ又は−COOR11(ここ
    に、R11はエステル基である)であり、そしてRは−
    NR1213、−NR12COR13、−N(COR12)又は
    −N=CHOCH212(ここに、R12及びR13は個別
    に水素又はC1−C4アルキルである)、又は式: 【化2】 (ここに、XはC2−C4アルキレンである)で示される
    基、又は置換されていることある1−ピロリルである。
    ただし、(i) mが0の場合、Rはニトリルであり、
    は−NHであり、nは0でなく、−(R1)nは2
    −フルオロ、2−クロロ、2−メトキシ、3−フルオ
    ロ、3−ニトロ、4−メチル、4−メトキシ又は3,4
    −ジメトキシではなく、そして(ii) mが0の場合、R
    は−COOC25であり、Rは−NH2であり、n
    は0でなく、−(R1)nは2−フルオロ又は2−クロロ
    ではない。]で示される化合物、又はその製薬的に許容
    される塩。
  2. 【請求項2】 n及びmが個別に0、1又は2であり、 Rがハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、又はC
    1−C4アルコキシであり、 Rがヒドロキシ、カルボキシ又はC1−C4アルコキシ
    であり、 Rがニトリルであり、 Rが−NH2である、請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 1つ又はそれ以上の製薬的に許容される
    担体、賦形剤又は希釈剤と共に、活性成分として式: 【化3】 [式中、n及びmは個別に0、1又は2であり、 Rはハロゲン、トリフルオロメチル、C1−C4アルコ
    キシ、ヒドロキシ、ニトロ、C1−C4アルキル、C1
    4アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−C4アルキル、ヒ
    ドロキシ−C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキ
    シ、カルボニル、−COOR5(ここに、Rはエステ
    ル基である)、−COR6、−CONR6又は−NR
    67(ここに、R及びRは個別に水素、又はC1
    4アルキルである)であり、 Rはハロゲン、トリフルオロメチル、C1−C4アルコ
    キシ、ヒドロキシ、ニトロ、C1−C4アルキル、C1
    4アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−C4アルキル、ヒ
    ドロキシ−C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキ
    シ、カルボニル、−COOR8(ここに、Rはエステ
    ル基である)、−COR9、−CONR910又は−NR
    910(ここに、R及びR10は個別に水素、又はC1
    4アルキルである)であり、 Rはニトリル、カルボキシ又は−COOR11(ここ
    に、R11はエステル基である)であり、そしてRは−
    NR1213、−NR12COR13、−N(COR12)又は
    −N=CHOCH212(ここに、R12及びR13は個別
    に水素又はC1−C4アルキルである)、又は式: 【化4】 (ここに、XはC2−C4アルキレンである)で示される
    基、又は置換されていることある1−ピロリルである]
    で示される化合物を含有する医薬製剤。
  4. 【請求項4】 1つ又はそれ以上の製薬的に許容される
    担体、賦形剤又は希釈剤と共に、活性成分として請求項
    1又は請求項2に記載の化合物を含有する請求項3に記
    載の医薬製剤。
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